青森北高校
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取得日:2023年12月24日
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発行日:2020 年 7 月 16 日(木)
青北進路通信
発行元:青森北高校進路指導部
第4号
1学年 第1回進路志望調査結果(7月実施)
今回(令和 2 年 7 月) 前回(元年度生) 昨年度の1学年(現2年生)と比較すると、ほぼ同じような志望状況に
なっており、全体の約半数の生徒が国公立大学を志望しています。その
人数 (%) 人数 (%)
内訳は、弘前大学が28名、青森県立保健大学が23名、青森公立大学
国立大 60 人 (30.0%) 61 人 (30.5%) が12名となっており、青森県内の国公立大学を志望する生徒が多くを
占めています。
公立大 41 人 (20.5%) 40 人 (20.0%)
「高校卒業後の進路はまだまだ先だから」と考える1年生も多いと思
私立大 34 人 (17.0%) 45 人 (22.5%) いますが、普通科の生徒は2学期になると、文型・理型を選択しなけれ
ばなりません。また、大学の「総合型選抜」や「学校
推薦
1
型選抜」の募
国公立短大 1 人 (0.5%) 1 人 (0.5%) 集枠が拡大していることから、早期に志望校を決定して、学校外で行わ
3 人 れる体験や講演会に参加することが重要です。1年次の現段階から自身
私立短大 (1.5%) 6 人 (3.0%)
の進路について真剣に向き合い、夏休みを利用して保護者と相談をしな
専修学校等 19 人 (9.5%) 15 人 (7.5%) がら、夏休みに行われる三者面談に臨むようにしましょう。就職に目を
向けると、就職希望者39名のうち、公務員希望者が30名となってお
就 職 39 人 (19.5%) 31 人 (15.5%)
り、そのうち11名がスポーツ科学科の生徒となっています。
未 定 3 人 (1.5%) 1 人 (0.5%) どの進路を選択するにせよ、1年生のこの時期に大切なことは、授業
や家庭学習にしっかり取り組むことです。1学期の学習や生活を振り返
合 計 200 人 200 人
り、反省点を改善して、有意義な夏休みにしましょう。
3学年進路講演会
6月30日(火)に3年生の進学希望者に対して、横田和
典氏(栄美通信)を招き、「面接対策講座 効果的な自己
PR」と題して進路講演会を実施しました。本格化する入
試に向けて、総合型・学校
推薦
2
型選抜を見据えて、生徒は真
剣な表情で講演会を聴講していました。
講演会後半には、1組の伊藤君、2組の秋元さん、3組の
張間さんの3名が檀上に上がり、模擬面接を行いました。進
学希望者にとって、大きな刺激になった講演会だったと思い
ます。講演会で学んだことを活かして、入試に向けていい準
備をしましょう。
模擬面接も行いました
6月30日(火)に3年生の就職希望者を対象に、田辺靖
求人票の見方と今後の求人動向 二氏(ハローワーク青森)を招いて、求人票の見方や今後の
求人動向について講演していただきました。新型コロナウィ
ルスの影響で、就職試験の開始時期が例年よりも1ヶ月遅く
なりました。準備期間が伸びたことをポジティブに捉えて、
履歴書の内容をさらに良いものにし、夏休みを利用して筆記
試験・面接の練習に数多く取り組みましょう。
進路コラム
紳士
数ヶ月前のことですが、フランスの哲学者アルベール・カミュ(19131960)著『ペスト』が、青森県内の書店で月間売上ランキ
ング1位になりました。新型コロナウィルスの感染拡大によって、感染症に対する関心が高まったからでしょう。
ニュースで報道されている通り、再び新型コロナウィルスの感染者数が増加してきました。進路通信第2号のコラムでも述べました
が、この感染症は一人一人の努力によって防ぐことが可能です。専門家は感染症の予防法を、実にシンプルに述べています。
「手洗いをする。換気をする。他人と距離をとる。マスクをする。3つの密を避ける。」これくらいです。
簡単そうですが、感染が拡大しているということは、それができない人がいるということです。
スペインの哲学者ホセ・オルテガ・イ・ガセット(18831955)は「大衆」について次のように述べています。
『いま分析している人間は(…中略…)ありのままで満足しているのだ。べつにうぬぼれるわけでもなく、天真爛漫に、この世でも
っとも当然のこととして、自分のうちにあるもの、つまり、意見、欲望、好み、趣味などを肯定し、よいとみなす傾向を持っている。
大衆的人間は、その性格通りに、(…中略…)自分を自己の生の主人であると感じている。』
『今日の平均人は、世界で起こること、起こるに違いないことに関して、ずっと断定的な思想をもっている。このことから、聞くと
いう習慣を失ってしまった。もし必要なものをすべて自分がもっているなら、聞いてなにになるのだ?』
つまり、「大衆」は現状に満足し、自分のことを完全であると思い込み、自己の中に安住している、とオルテガは述べています。
「大衆社会」とは、このようなふるまいの結果、個人が原子化・集団が島宇宙化した状態です。
この傾向をオルテガは「野蛮」と呼びました。
「私は正しい」。大衆社会の傾向は、この一言に集約されます。マスクを着用しない人の理論はきっとこんな感じです。
「新型コロナウィルスにはきっとかからない。青森県内の感染者数はまだまだ少ないし、周囲にもそんな人はいない。かかっても大
丈夫。だって、致死率もそんなに高くないし。だから、マスクなんてする必要ない。」
こんな感じじゃないですか?しかし、そう考えているあなたは、オルテガの言葉を借りれば「野蛮」と言わざるを得ない。
専門家はそんなこと、一言も言っていませんから。
なぜ、専門家の意見を聞かないのですか?
オルテガは大衆の対極に「エリート」を対置しました。大衆社会の究極の言葉を逆にした人のことです。
つまり、エリートとは「私は正しい?」と問い続ける人。常に自分の正しさを疑う人のことです。
やがてその問いは、「私は、私が存在することによって、誰かに迷惑をかけているかもしれない。」という問いに辿り着くはずです。
このような問いを自分自身に問い続けることを、きっと「道徳的」というのだと思います。
オルテガが述べた「エリート」と同様のことを、アルベール・カミュも『ペスト』の中で、登場人物のタルーが「紳士」という言葉
を持ち出して、次のように述べています。
「みんな自分の中にペストを飼っている。誰一人、この世界の誰一人、ペストに罹っていないものはいない。だから、ちょっとした
気のゆるみで、うっかりと他人の顔の前で息を吐いたり、病気をうつしたりしないように、間断なく自分を監視していなければならな
いのだ。自然なもの、それば病原菌だ。(…中略…)紳士とは、できるだけ誰にもペストをうつさない者、可能な限り緊張していられ
る者のことだ。」
少しずつ暑くなってきて、マスクの着用は大変だと思います。しかし、マスクを着用しないことは、自分のことしか考えない「野蛮」
な行為です。「きっと大丈夫」という根拠なき理論。「暑いから大変だ」という自己都合。
自分は誰かにコロナウィルスを感染させるかもしれない。そういう、緊張していられる人になってください。なぜって?
成長につながるからです。人は緊張しないと成長できません。学校は生徒が成長する場です。
自分はマスクを着用するのに、マスクを着用しない人はズルイじゃないかって?
そんなことを言っているようでは「紳士」になれません。
相称性を論じない。それが「紳士」の作法です。他人は関係ありません。
まずは自分がやってみる。ただ、それだけです。ちょっとのことなんです。
そして、その「ちょっとのこと」をしてみるだけで、自分の中の何かが変わります。それが成長です。
勉強も部活動も同じです。学校にも各教科・各競技の専門家がいます。
専門家の意見を聞いて、その物事に真摯に取り組んでみてください。立派な「紳士(大人)」になるために。