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取得日:2024年03月19日
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【青森県立青森高等学校 進路通信】
白堊 はくあ 第3号 令和5年5月15日発行
【総合型選抜・学校推薦型選抜について】 適性等を多面的・総合的に評価・判定する。加えて、大
≪一人ひとりの能力や経験を評価する入試≫ 学教育を受けるために必要な知識・技能、思考力・判断
「高校3年間のうち、チームで取り組んだことを一つ 力・表現力も適切に評価するため、調査書等の出願書類
挙げて、そのチームでの自分の役割を説明して下さい。」 だけではなく、評価方法等(例えば、
小論文
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等、プレゼ
と聞かれたらあなたならどう答えますか。これは実際の ンテーション、口頭試問、実技、各教科・科目に係るテ
大学入試で聞かれたことです。大学が求めているのは、 スト、資格・検定試験の成績等)又は大学入学共通テス
基礎学力を備えていることは前提とした上で、高校での トのうち少なくともいずれか一つを必ず活用し、その旨
学びや活動を自分の物語として表現できる力を持ってい を募集要項に記述する。
る人です。そのため、学校生活の中で自分は他者とどう
関わったのか・自分の役割は何だったか・どれだけ頑張 ≪学校推薦型選抜とは≫
れたかなどを振り返り・省察し、言語化する機会を定期 出身高等学校長の推薦に基づき、調査書を主な資料と
的に設けてみましょう。 しつつ、以下の2点に留意して評価・判定する入試方法
です。
大学は、選抜での能力・意欲・適性等の評価・判定に 1 大学教育を受けるために必要な知識・技能・思考
当たってはアドミッション・ポリシーに基づき、学力を 力・判断力・表現力も適切に評価するため、高等学
構成する特に重要な以下の3つの要素のそれぞれを適切 校の学習成績の状況など調査書・推薦書等の出願書
に把握するよう十分留意する。その際、入学後の教育と 類だけではなく、評価方法等又は大学入学共通テス
の関連を十分に踏まえた上で、入試方法の多様化、評価 トのうち少なくともいずれか一つを必ず活用し、そ
尺度の多元化に努める。と言っています。 の旨を募集要項に記述する。
3つの要素とは、以下の通りです。 2 推薦書の中に、入学志願者本人の学習歴や活動歴を
1基礎的・基本的な知識・技能 踏まえた3つの要素に関する評価や、生徒の努力を
2知識・技能を活用して、自ら課題を発見しその解決に 要する点などその後の指導において特に配慮を要す
向けて探究し、成果等を表現するために必要な思考 るものがあればその内容について記載を求める。
力・判断力・表現力等の能力
3主体性を持ち、多様な人々と協働しつつ学習する態度 以上のことから総合型選抜・学校推薦型選抜の受験を
考える場合も、計画的に取り組む必要があります。
≪総合型選抜とは≫ 自分自身に明確な志望理由や活動実績がないまま、
「何と
詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等を組み合 なく受験機会を増やしておくと有利かも」
「周りに言われ
わせることによって、入学志願者の能力・適性や学習に たから受験する」などといった安易な理由で、総合型選
対する意欲、目的意識等を総合的に評価・判定する入試 抜・学校推薦型選抜の受験を決定してしまうと、志望理
方法です。 由書の作成や面接練習の段階で苦労してしまう可能性が
文部科学省では以下のように発表しています。入学志 あります。総合型選抜・学校推薦型選抜の対策時間と、
願者自らの意志で出願できる公募制という性格に鑑み、 一般選抜の対策時間のことを十分に考えた上で、自分自
入学志願者本人の記載する資料(入学志願者本人が記載 身で受験のする・しないを決断する必要があります。
する活動報告書、大学入学希望理由書及び学修計画書 本当に行きたい大学・学部学科であり、自分自身で本
等)を積極的に活用する。また、総合型選抜の趣旨に鑑 気で入学したい・研究したいという志・望み・夢がある
み、合否判定に当たっては、入学志願者の能力・意欲・ のか、いま一度、熟慮してみてください。
【
小論文
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について】 また、論文はこう書かなければならないという決まり
これまで、どのような人材が求められ、どのように入 はないものの、歴史的・伝統的に守られている構成があ
学者選抜が行われるのかを記載しました。多くの大学で ります。そしてその構成とは、序論・本論・結論と言え
は
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が出題されています。それでは
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について そうです。序論には問いを書き、本論には論証を書き、
考えていきましょう。 結論には最終結論を書きましょう。また、序論ではどの
ような問題意識のもとに、どのような仮説を立案するに
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では自分の主観的な考えを述べるだけではな 至ったのかを述べる必要があります。
く、提示した仮説が論理的に妥当であると考えられる理
由を説明する必要があります。また、
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試験では、 文章・考察が論理的になる条件としては、
大学での学術論文と同じような、悪戦苦闘しながらも自 1 自説の補強だけに留まらず、反論に対しての解決案
分なりの見解に到達するという作業がなされているかど が提示されている
うかが求められています。論文のポイントは、以下のよ 2 読み手側が、論理の前提となる「価値観」
「事実」
うなものが挙げられます。 「議論の目的」が考察できる内容になっている
が挙げられます。
1 全体を上手くまとめている論理構成
2 問題提起→ 意見表示→ 理由説明→ 具体例→ 結論 なぜこの条件が論理的な文章につながるかというと
3 序論で問いかけ、本論で論証し、結論で問いかけに 漏れなく重複なく考えられているからです。漏れなく
答える 重複なく・・・・。どこかで聞いたことのあるフレー
4 三段論法を用いる(A=BかつB=CよりA=Cと ズだなと思いませんか。そうですね。数え上げのやり
いったもので、アリストテレスが用いた「ソクラテ 方です。数え上げでは、辞書式配列や樹形図などを用
ス」の例文が有名な例としてあります。
) いて、一定の方針で、順序正しく行うことがポイント
でした。突然数学の話になって嫌だ・・・と思う人も
いるかもしれませんが、
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は論理的かつ妥当性が
この中で、特に重要なのは序論ではないでしょうか。 高いものである必要があります。数学や法律の世界で
なぜならば序論とは、問いを書く段階だからです。それ も先ほど述べた三段論法を用いて、論理的に考えられ
ではなぜ問いが重要なのでしょうか。論文とは、問いが ています。
無ければ書けないものだからです。
高校までの「学習」は、これまで人類が獲得してきた 与えられた問題に対して、
知の基礎基本を習得するものに対し、大学での「学問」 1 問題の正確な把握【目的と条件は何か】
とは、これまでの人類知にはないことを問うものです。 2 自身の立場決定と理論構成【条件からの手法選択】
近年では新型コロナウイルスが該当するでしょう。 3 結論【手法から導き出された解の吟味と、答え】
という流れになります。
学問とは、問いを学ぶということです。研究するとい
うことは、先人の書いた論文を読み、問いを精査し、自 また、論理展開の中で与えられた文章を論理式にする
分自身に問いかけ、自分の論考を完成させることです。 (A→BかつB→CよりA→C)ことで簡略化すること
そして、独自に調べた内容や研究内容を論文にまとめる ができます。簡略化することにより、本質に気付きやす
ことになります。
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試験では、自分の書く答案が単 くなるだけでなく、内容に間違いが少なくなるという利
なる知識チェックテストではなく、論考が一定の水準で 点があります。
できるかどうかもチェックされているものと考えておき
ましょう。
文責:進路指導部 中田 隼太