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取得日:2024年03月19日[更新]

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        【青森県立青森高等学校 進路通信】
 
 
 
   白堊            はくあ      第2号 令和5年4月 20 日発行
 
 
 【進路1・探究と大学入試の関連性】                     ン、質疑応答などを課すパターンなどがあります。ま
 
   探究活動の中心となる「総合的な探究の時間」では、   た、選抜の中で、探究のプロセスである【課題設定】⇒
 
 自己の在り方を深め、将来の進路2実現や社会の一員とし   【情報収集】⇒【整理・分析】⇒【まとめ・表現】の
 
 ての生き方の検討につなげていくことが期待されていま   サイクルに関する場面を設けることで探究・研究する力
 
 す。【本校においては、2学年理型は「SS 探究」で代    や意欲、アドミッション・ポリシーとの適合性などを評
 
 替、3学年理型は「SS 創造」で代替しています。】      価することもあります。
 
                                                        総合型選抜では、探究の観点で受験生を評価し、円滑
 
   高校時代は、自分の生き方・生きる意味・人間や社会   に高大接続を図ろうとする大学が増えています。大学は
 
 の在るべき姿などについて悩み、考えを深める時期にな   研究をする機関であり、高校時代の探究が大学での研究
 
 ります。その一方で、進学先や就職先などを決める必要   に繋がると考えられているからです。
 
 もあります。「総合的な探究の時間」では理想と現実の
 両面について思う存分、納得がいくまで探究し、自己の
 
 中で統合していくことが求められています。
 
   また、「在り方」に関しては、進路3実現のような個人
 
 的な生き方を追求するだけではなく、社会の一員として
 
 どう生きていくかという側面からも具体化していくこと
 
 が必要です。現代的な様々な課題・地域や学校に応じた
 
 課題・自身の興味関心に基づく課題・職業や自己の進路4
 
 に関する課題に取り組む際にも、社会の一員としてどう   《総合的な探究の時間の目標とは》
 解決していくかを意識して取り組んでいきましょう。       探究の見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習
 
                                                      を行うことを通して、自己の在り方生き方を考えなが
 
   総合的な探究の時間で育成する資質・能力である「知   ら、よりよく課題を発見し解決していくための資質・能
 
 識及び技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向   力を育成することを目指しています。
 
 かう人間性等」は、将来みなさんが企業や地域で多様な
 
 人々と仕事をしていくために必要な社会人基礎力(「前   《探究過程の高度化と自律性》
 に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」)と     質の高い探究をするためには、高度化し自律的に行わ
 
 連携しています。さらに、大学入試は未来の社会を支え   れることが必要とされています。
 
 る人材育成につながっています。高校までの「学習」で     「高度化」には以下の4つの特性があります。
 
 育まれるのは従来の学力だけではありません。未来の社   1探究において目的と解決の方法に矛盾がない整合性
 
 会を創造する人材には多様な能力が求められ、その能力   2探究において適切に資質・能力を活用している効果性
 
 開発の途中段階に大学での「学問」や大学入試がありま   3焦点化し深く掘り下げて探究している鋭角性
 
 す。入試時点までの多様な学習成果を測定することが、   4幅広い可能性を視野に入れながら探究している広角性
 
 大学入試の目的の一つにもなっています。大学入試の動
 
 向に目を向けると、近年は総合型選抜や学校推薦型選抜     「自律性」は以下の3つが考えられます。
 
 の中に「探究評価型入試」を導入する大学もあります。   1自分にとって関わりが深い課題になる自己課題
 
 志望理由書や推薦書に、高校での探究活動の経験や成果   2探究の過程を見通しつつ、自分の力で進められる運用
 
 を記載させ、探究活動に関する面接やプレゼンテーショ   3得た知見を生かして社会に参画しようとする社会参画
 《他教科の探究との違いとは》                         1国際理解、情報、環境、福祉・健康などの現代的な
 
   総合的な探究の時間で行われる探究は、基本的に以下     諸課題に対応する横断的・総合的な課題
 
 の3つの点において他教科・科目において行われる探究   2地域や学校の特色に応じた課題
 
 と異なっています。                                   3生徒の興味・関心に基づく課題
 
   1つ目は、学習の対象や領域が特定の教科・科目等に   4職業や自己の進路5に関する課題
 
 留まらず、横断的・総合的な点であるということです。
 
 実社会や実生活における複雑な文脈の中に存在する事象     よりよい課題を発見し解決していくには一定の資質・
 
 を対象としているからです。                           能力が必要です。課題についての一定の知識や技能がな
 
   2つ目は、複数の教科・科目等における見方・考え方   ければ、課題の解決には向かいません。「知識無くして
 
 を総合的・統合的に働かせて探究するという点です。他   思考無し」です。思考の土台となる知識・技能を学校生
 
 の探究が、その教科・科目における理解をより深めるこ   活の中で身に付けていきましょう。その機会となるのが
 
 とを目的に行われていることに対し、総合的な探究の時   日々の授業になります。
 
 間では、実社会や実生活における複雑な文脈の中に存在
 
 する問題を俯瞰し、様々な角度から捉え、考えていくこ   《自己の在り方・生き方について考える》
 とが必要になります。                                   自己の在り方・生き方とは、次の3つの角度から考え
 
   3つ目は、解決の道筋がすぐには明らかにならない課   ることができます。
 
 題や、唯一の正解が存在しない課題に対して、最適解や     1つ目は、人や社会・自然との関わりにおいて、自ら
 
 納得解を見いだすことを重視しているという点です。     の生活や行動について考えて、社会や自然の一員とし
 
                                                      て、人間として何をすべきか、どのようにすべきかなど
 
 《各教科・科目等における見方・考え方を               を考えることです。
 
               総合的・統合的に働かせよう》             2つ目は、自分にとって学ぶことの意味や価値を考え
 
   実社会・実生活の中の課題の探究において、言葉によ   ることです。学習活動を通して、自分の考えや意見を深
 
 る見方・考え方を働かせること(対象と言葉・言葉と言   めること、そして、学習の有用感を味わうなどして学ぶ
 
 葉との関係を、言葉の意味・働き・使い方等に着目して   ことの意味を自覚することが大切になります。
 
 捉えたり問い直したりして、言葉への自覚を高めるこ       3つ目は上記の2点を生かしながら、学びを現在及び
 
 と)や、数学的な見方・考え方を働かせること(事象     将来につなげて考えることです。学習の成果から達成感
 
 を、数量や図形及びそれらの関係などに着目して捉え、   や自信をもち、自分のよさや可能性に気付き、人間とし
 
 論理的・統合的・ 発展的に考えること)や、理科の見    ての在り方を基底に、自分の人生や将来、職業について
 
 方・考え方を働かせること(自然の事物・現象を、質     見通し、どのように在るべきかを定めていくことです。
 
 的・量的な関係や時間的・空間的な関係などの科学的な
 
 視点で捉え、比較したり、関係付けたりするなどの科学   《先行事例・大学研究を大切にする》
 的に探究する方法を用いて考えること)など、各教科・     課題を設定したら、その課題に対して、世の中ではど
 
 科目等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方を、課   のような人達が研究しているのかを調べてみましょう。
 
 題に応じて適宜組み合わせながら、繰り返し活用される   大学や大学院の教授・研究室・論文など、インターネッ
 
 ことが求められます。                                 トを利用して調べてみましょう。論文を調べる際には、
 
                                                      Google Scholar や CiNii(検索する際にスタート画面の
 
   探究の課題は、各教科・科目等で学んだ見方・考え方   「すべて」を「論文」に切り替えると良い)が便利です。
 
 を総合的・統合的に活用しながら様々な角度から捉え、     探究活動は、自己の在り方・生き方であるキャリア形
 
 考えることができるものであることが求められます。     成、その過程である進路6選択にも繋がってきます。大学
 
   課題の具体的な例は、以下のような課題が考えられま   の志望理由にも繋がってくる場合があります。ぜひ自ら
 
 す。                                                 先行事例・研究を調べてみてください。
 
                                                                           文責:進路7指導部   中田   隼太