仙台工業高校
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取得日:2024年03月21日
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リーマンショックとコロナショック
校長 丹野 高雄
新型コロナウイルスが全世界で猛威を振るい始めてから約3カ月。各国が水際でウイルスの侵入
を食い止めようと必死になっていたのは以前の話で、今や国によっては、医療崩壊の事態に陥って
おり、日本も対岸の火事では済まないことを肌で感じている状況になっています。
生徒の皆さんも社会の一員としての自覚をもって、感染拡大防止のために不要不急の外出を避け、
規則正しい生活習慣を身につけようと、我慢・努力・工夫の日々を送っており、きっと6月には感
染収束の目途が立ち、いつもの高校生活が返ってくることを楽しみに待ちながら、この難局を仙台
工業生としての誇りを胸に、乗り越えていただきたいと思っています。
ところで、最近のニュースで「ショック」という、忘れかけていた言葉を耳にしました。私は幼
い時から「プラモデルづくり」が大好きで、お小遣いで「車」
「飛行機」
「お城」など、時を忘れて
作りました。1970 年代、小学校の学年が上がるにつれ、プラモデルの価格が 2 倍、3 倍、・・と。
まさしく「第一次、第二次オイルショック」でした。当時、買い占め、売り惜しみ、公害問題、悪
質金融と華々しい「東京五輪」
「大阪万博」から一転、オイルショックが世相に影を落とします。
昨今、首相をはじめ専門家らは、世界経
済の先行きを「リーマンショック以来の経
済危機」「リーマンショック以上の景気対
策が必要」とのコメントを出しています。
ここで、皆さんが授業で学んだ「リーマン
ショック」について振り返ってみます。
2008 年アメリカの大手投資銀行「リー
マン・ブラザース・ホールディングス」を
はじめ投資銀行や金融保証会社が経営破
綻し、連鎖的に世界規模で株価が暴落し金
融危機が発生しました。結果、消費が落ち
込み、投資家たちの売買の控え、いわゆる「様子見(ようすみ)
」が発生し、資金繰りに困窮した企
業が次々に倒産に追い込まれました。アメリカに依存性の高い日本の金融・保険会社もその余波を
受け、多くの日本企業が倒産する事態となったのです。グラフ「求人状況の推移」のとおり平成 24
年頃は、大手企業を始め、地元の優良企業までもが採用を見送り、正規雇用をおさえ臨時的な雇用
で乗り越えようとしたのです。当然、学校としても教育委員会と協力して新規高卒者の出口の確保
のために企業・団体と交渉し、雇用の促進を図るよう陳情に奔走したことを覚えています。
話を元に戻しましょう。非常事態宣言によって人の流れが止まる事は経済活動が破綻する可能性
を意味します。したがって、原因は違っても、コロナショックによってリーマンショックのような
経済恐慌が発生することは必至です。今後、数年間の求人の動向を予想すれば「リーマンショック
の状況に近くなる、あるいは、それを超える可能性がある」という事が想像に難くないのです。
「備えあれば憂いなし」行動を制限された今こそが「家族との絆を深め」自分の第一の希望
進路
1
を叶えるために「自己の可能性を信じ」
「知力・体力」を蓄えるチャンスと考えております。
これからも学校は、これまで以上に皆さんの「第一の希望
進路
2
」を達成するために全力で支援し
ます。生徒の皆さんも、現在の社会情勢を踏まえ、近未来を予想した上で「今、自分がすべきこと
は何か」についてよく考え、「即行動に移すべき」と考えています。
5 月の登校日、また、一回り成長した皆さんに会えることを心から楽しみにしています。