校長着任の挨拶


千葉県立松戸馬橋高等学校長 鈴木 実

 

令和5年4月1日付けで、本校校長に着任しました鈴木実と申します。私は、平成2年に理科(物理)の教員として採用されてから、いくつかの高等学校に勤務しました。近隣では、小金高校、鎌ヶ谷西高校、市川東高校、東葛飾高校の勤務経験がありますが、本校は初めての勤務となります。昨年度までは、千葉県立柏高等学校に校長として勤務していました。
松戸馬橋高校は、「自己の特性を見つけ、夢や希望を語り、感動を得られる学校」、「一人一人を大切にする温かい学校」、「信頼され、地域とともに歩む開かれた学校」を目指して日々、生徒職員が一体となって取り組んでいます。特に、国際理解教育を推進し、ますます発展している学校として地域から信頼を得ております。

本校の教育目標は、民主的で平和的な国家の形成者となるべき人格の完成を目指し、無限の可能性を信ずるとともに自己の限界に挑戦させ、知育・徳育・体育の調和の取れた国際的視野に立つ人間の育成を図ることです。また、校訓は、「“まこと”(真理・真事・真言)をつくせ」、「自己の限界に挑戦せよ」、「良き国際人となれ」であり、広く社会に有能な人材を送り出したいと思います。

式辞

式辞

第42回 卒業証書授与式 校長式辞

暖かな春の日差しがようやく訪れてきた今日、PTA会長、鈴木様、本校同窓会会長、牛嶋様、PTA副会長、榎様、PTA第2学年委員長、村岡様、方々のご臨席を賜り、ここに、第42回卒業証書授与式を挙行できますことは、職員一同、大きな喜びであります。

ただ今、卒業証書を授与した304名の卒業生諸君、ご卒業おめでとうございます。諸君は、本校普通科の教育課程を修了し、本日、千葉県立松戸馬橋高等学校をめでたく卒業することとなりました。諸君の輝かしい門出を心から祝福いたします。

在学中は、日々の授業をはじめ、学校行事、生徒会活動、部活動など本校生徒としての3年間の高校 生活を経て、卒業後の進路決定に至るまで、その過程は決して平穏無事ばかりではなかったことと思います。特に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、授業形態や授業方法の変更、学校行事の縮小、部活動の中止など、教育活動全体に多くの制限が課せられ、我慢が求められた高校生活でもありま した。そのようななかでも、明るく元気に登校し、平穏で友人を大切する諸君の姿を見るにつけ、何かしらの安堵を感じておりました。

一方で、卒業生諸君は、「自己の限界に挑戦せよ」「まことをつくせ」「よき国際人となれ」を三位一体とした民主的・平和的、そして人間性豊かな人格の完成をめざすという本校創立以来の教育方針の下、日々、知識を深め、技術を磨き、友と競い、友と支え合うことの大切さを学びました。

卒業生諸君が、今後、活躍する社会は、人工知能やビッグデーター、ロボット技術が、あらゆる場面で取り入れられ、現在とは大きく異なった世の中になっていくことと思います。このような、高度情報化社会といわれる世界、バーチャルが先行する世界では、真実が見えづらく何をどうしたらよいか戸惑うことがあるかもしれません。そんな時こそ、多くの知識と経験を基盤とした判断能力が必要となります。そして、人間の真の幸福とは何か、何を優先すべきことなのかを考え行動すること。

これこそ、本校の三年間で学んだことであり、今後も考え続けるものなのです。単に個人の好奇心や欲求を満たすということだけではなく、人間共通のかけがえのない財産を大切にするためにベストをつくすことであります。「まことをつくせ」「よき国際人となれ」「自己の限界に挑戦せよ」とはそういう教えなのです。

また、東日本大震災や能登半島大震災の経験から自然災害を最少限とすることや、人と人との争いが絶えないこの世界で、持続可能な自然環境や国際平和を作り上げていくこと。答えも正義も一つに定まらない多面体構造の問題に対して、異なる意見を持つ他者と話し合い、力を合わせ、あるいは譲り合い、時を一にして皆が納得できなくとも、せめて共存でき得る社会を作り上げていくことが、益々、求められてきます。

まずは、四月から、一人ひとりの夢や希望に向かって自らが選択した道を、自信と勇気をもって、少しずつでも前へ、明日へ、歩み出してください。天台宗の開祖、最澄が残した「一隅を照らす」という言葉があります。「一人ひとりが自分のいる場所で、自分の持ち場で、自らが光となり周りを照らしていくことが私たち一人ひとりの役目であり、放たれた光が、隅々まで広がり重なることでより良い世界がつくられていく」という意味です。どうか皆さんも「世の中に一隅を照らす存在」となって輝き続けることを願っています。

さて、本日、ご臨席賜わりました保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。お子様のご成長に、親としての喜びと安堵を感じられておられることと拝察いたします。今となっては、高校の3年間は、またたく間に過ぎたように感じられることかと思います。学習面や健康面、友人関係、進路など、親として、様々な心配も、あったことと思いますが、本日、このように、大きな一つの節目を迎えることができました。

ご承知のとおり一昨年前から民法の改正により成人年齢が18歳に引き下げられ、自己決定や社会的責任をお子様自身が直接追うこととなりました。今後は、お子様を成人の一人として、意見を尊重しつつ、温かく成長を見守っていただきたく存じます。

結びとなりますが、これまで、本校の教育活動に、新型コロナウイルス感染防止対策にご理解とご協力いただきましたことに改めて心より感謝申し上げるとともに、お子様のご多幸と益々のご活躍を祈念し、式辞とします。

令和6年3月5日 千葉県立松戸馬橋高等学校長 鈴木 実

松戸馬橋高校PTA広報 第152号 巻頭言

蛟竜雲雨を得る

千葉県立松戸馬橋高等学校長 鈴木 実 

ご卒業おめでとうございます。

蛟竜(こうりゅう)とは、水中に住んでいる中国古代の想像上の動物のことで、雲が出て雨が降ると天に昇って竜になると伝えられています。このことから、「蛟竜雲雨を得る」とは、能力を発揮する機会が無かった英雄が、時運にめぐりあって大いに実力を発揮するという意味があります。

本校在学中は、「まこと(真理・真事・真言)をつくせ」、「自己の限界に挑戦せよ」、「良き国際人となれ」を三位一 体とした智・徳・体の育成という教育方針の下、日々、授業、部活動、生徒会活動、学校行事などを通して、知識を深め、技術を磨き、互いに競い、互いに支え合うことの大切さを学びました。

先の見えない未来では、より豊かな感性を働かせ、新たな価値を創り出していくことが求められます。また、答えが一つに定まらない問題に対して多様な意見を持つ他者と話し合い、力を合わせて、皆が納得できるような答えを見出していくことも必要となります。

世界的には、気象変動や環境汚染のない持続可能(Sustainable)な地球環境を取り戻し、健康で安心して生存できる人類を実現することや、経済的、イデオロギー的、宗教的分断のない社会、格差の是正が喫緊課題として取り上げられ、解決に向けて少しずつ動き出していますが、いずれも難解な問題を有しています。

1897年、フランスの画家ゴーギャンは「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」つまり、人類はどう生きてきたか、これからどう生きなければならないのかという人類の根源的な存在意義を広く人々に問う絵画を描きました。

日々、戦争下で生活している人々、4年間に及ぶ新型コロナウイルス感染症の収束を見据えたばかりでの能登半島地震による甚大な被害など、現在でも過酷な状況下での生活を強いられている人々に思いを馳せて、1日でも早い平和と復旧・復興を願うと共に改めて、平穏無事であることの大切さを感じる高校3年間となりました。

なかなか、難しい事柄ばかりでありますが、これらの問題に対して答えうる必要な基礎的・基本的な思考判断力と他者を思いやる心、そして力を合わせて苦難を乗り超える力、これこそが本校の三年間で学んだことなのです。互いに意見を出し合い、協力し合って一歩でも前に物事を進めてください。

卒業生諸君は、新成人となり人生の節目を迎えました。これからは皆さんが活躍する時代になっていきます。明日からは、変わりゆく生活環境の中で自らの夢や目標に向かって新たな一歩を踏み出してください。そして本校で培った力を大いに発揮し天高く飛び立ってくれることを願っています。

保護者の皆様におかれましては、お子様の立派な姿を御覧になり、感無量のことと拝察いたします。教職員一同、お子様の成長と自立に向けて、全力で教育活動に取り組んで参りました。多感な青年期ゆえ、学校だけでは十分応えられなかったこともあったのではないかと思いますが、保護者の皆様の御理解と御協力を賜り、今日、卒業式を迎えることができました。心からお祝いと感謝を申し上げます。

(令和6年3月5日発行)

 

卒業記念品 巻頭言

卒業生諸君へ

これから始まる諸君の未来を創るのは君たち自身である。良いことも悪いことも自身の行いの結果である。他人のせいではない。だから、後悔のないように、日々努力を積み重ねること、他人を思いやること、学び続けることである。それができれば、何も恐れることはない。苦難はいずれ去るものである。だから明るい未来しかない。

令和6年3月4日 千葉県立松戸馬橋高等学校長 鈴木 実

第3学期 始業式 式辞

『R5年度 第3学期始業式式辞』 令和6年1月9日

 

明けましておめでとうございます。年末年始は、いかが過ごしていたのでしょうか。では、年頭にあたり、いくつか話をしますので聞いてください。

本日から第3学期が始まりました。しかしながら、1月1日午後4時過ぎ、まさに新年早々、能登半島で震度7、震度6強という大地震が発生し、津波が発生しました。現在でも余震が続いています。特に石川県では甚大な被害が生じ、復旧にむけて取り組んでいます。学校も本来であれば本日、始業式でありますが、再開の目途が立たず、延期している状況です。2011年3月の東日本大震災に次ぐ大規模な震災となりました。

本校では、冬休み中、大きな事故の報告は受けておりません。このように、平静に3学期始業式を行うことができたことをうれしく思います。12月に全校避難訓練を実施しました。2年生は11月に修学旅行で東北の被災地を見学してきました。関東でもいつ大地震が発生するかはわかりません。日ごろの備えをするようにしましょう。また、災害が発生すると、特に高校生は、様々な場面で役割りを期待されます。自助、共助、公助と言われますが、他人を思いやる心を大切にしましょう。

第3学期は2か月半と短い学期ですが、年度の締めくくりとして、進級、卒業、進路決定、探究活動の成果発表、卒業式、部活動等、どれも大切なものばかりです。充実した3学期となるよう努めましょう。

次に、これも度々、話をしている交通安全についてですが、冬季休業中、大きな事故等の連絡はありませんでしたが、今後、路面の凍結等にも十分気を付け自転車の安全運転を心がけるようにしてください。

3学年で、これから大学受験を控えている生徒は、これまで培った智徳体、学力・精神力、体力を十分発揮できるよう十分、体調に留意し、準備を進めてください。私は健闘を祈っております。

さて、年が明け、外務省が海外メディア向けにBeautiful Harmonyと紹介した「令和」も5年がすぎ6年目を迎えました。それでは心新たに、目標を持って新年をスタートさせましょう。

 

第2学期 終業式 式辞

生徒諸君、おはようございます。今日は終業式です。明日から冬休みになります。明後日24日、25日クリスマス、そしてお正月と続きますが、世界を見渡すと、今日でも戦争の惨禍の中で辛い暮らしを送っている人々も多いです。このことを考えると、こうして、全校生徒全員が集まり無事に終業式を行えることをうれしく思います。改めて、平凡ではあるが安心安全で平和な生活を大切に思うことを忘れずにいましょう。

では、終業式なので、これから、いくつかのお話をいたします。まず、今学期は、9月の始業式で、「自己の限界に挑戦せよ」、「まことを尽くせ」、「良き国際人となれ」の3つの校訓を実践しようと述べましたが、できましたか。できたという人もいれば、まだまだという人もいることでしょう。自分はどうだったか振り返ってみましょう。天馬祭文化の部、体育の部は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の影響で、昨年までできなかったことが今年は従来の形でできるようになりました。それぞれの出し物で工夫を凝らしながら、自分たちの手で作り上げる行事をこれからも、どんどん進めてください。また、2年生は。11月に東北方面での修学旅行を予定どおり行うことができました。部活動新人大会で頑張った生徒もいました。

中学校の先生とお話をする機会がありますが、その中で、馬橋高校は人気が上昇している。授業も行事も部活動も、元気でしっかりやっている。生徒が楽しく高校に通っていると評価されています。夏休み、10月、11月の土曜日に行った学校説明会でも、中学校の生徒保護者から入試倍率が上がってきて、合格できるか心配ですと言われたりもしました。また、地域の人たちからは、ボランティア活動で活躍してくれたこと、登下校中に小学生に声をかけたり交通安全に気を付けてもらったり、地域の人に元気に挨拶をしてくれたりと、大変喜ばれています。これらは、皆さん一人ひとりの日々の行いが良いことの現れであると思います。

次に、昨日、成績会議を開きました。各学年から、今学期の諸君の学びの成果について説明がありました。学業成績では、努力が実り成績上位者として名前が挙がった生徒もいれば、なかなか努力が結果に結びつかなかった生徒、皆勤の生徒も多いですが、遅刻欠席が多い生徒もいることもわかりました。それぞれに事由があると思いますが、高校は義務教育ではないので、ただ、いれば進級卒業ができるわけではないことは承知していると思います。先生やSCと相談しながら、進級・卒業に向けて頑張っていきましょう。応援していきます。

学業成績については、この後、教室で担任の先生から通知表が渡されることと思います。大事なのは、数字に一喜一憂するのではなく、自分の結果を真摯に受け止めて、自身の態度・姿勢を振り返り、原因を考え、次学期に向かって準備してほしいと思います。今学期を振り返り、反省するための通知表です。また、今回の成績は、あくまで2学期限定の成績であります。今回、成績が良好であった人は、気を緩めることなく、謙虚な態度で今後も学習に取り組んでください。また、残念ながら今回、成績が振るわなかった人は、この機会に、高校生として自らを振り返り、学習に向かう意識や態度、学習方法に錯誤がなかったかを考えてみてください。冬季休業中、まずは不要不急の外出を避け、落ち着いて、苦手科目の復習と予習に取り組んでほしいと思います。物事を動かすのは、大きな石を動かすことと似ています。最初は、大きな力、頑張りが必要ですが、一旦、動き始めるとそれほど辛いものではありません。やってみないとわからないので、ともかくやってみてください。

最後に、このところ、コロナやインフルエンザが増加傾向にあります。明日から1月8日までの冬季休業期間中は、引き続き感染防止対策を怠ることのないよう注意して過ごしてください。

令和6年、新年がより良い年となりますよう、そして、1月9日の始業式、心身ともに健康で、生徒全員と再会できることを祈念し式辞とします。

第42回天馬祭開会式 校長挨拶

生徒諸君、おはようございます。15代目校長の鈴木です。元気ですか、昨日までの準備で、すでに疲労モード、思考停止モードに入っている諸君はいませんか。

さて、本日は校内発表、明日は、一般公開と、第42回天馬祭をめでたく開催する運びとなりました。今回は、小中高等学校の児童生徒、及び本校生徒の保護者限定とはいえ、一般公開を行うことを決めました。しかしながら、このところ、若干、コロナやインフルの感染者が増加傾向にあり、感染防止対策が必要となりました。とはいえ、本来の形に戻りつつあることを実感し、いかなる状況下においても前を向いて進むことの大切さを知ること。そして、天馬祭実行委員を中心に本校生徒諸君が、与えられた持ち場で、それに応えていることに喜びを感じております。

今回の天馬祭は、避けることが出来ない困難や苦難、あるいは、避けようと思えば避けることもできるけれど、あえて避けずに乗り越えていこうと決意したとき、どのようにして、それらを乗り越えるかを学ぶ機会となることでしょう。今後、諸君一人一人に訪れる様々な困難についても、同じことが言えます。本校の「まことを尽くせ、限界に挑戦せよ」です。

さても、第42回天馬祭が高校時代の良い思い出となり、今後、自信を持って前に進める原動力となれば良いと思います。

それでは、それがしも、「これぞ馬橋」、「This is 馬橋」のあり様を見て回りたいと思います。 以上

第2学期 始業式 式辞

生徒諸君、おはようございます。

本日、9月1日は、『防災の日』です。1923年(大正12年)91日午前1158分、関東大震災が発生しました。このことについては、この後、防災講話で詳しい話があります。また、9月は、台風が多く発生する時期でもあります。1959年昭和34926日に発生した「伊勢湾台風」によって、戦後最大の被害を被ったことが契機となり、国民全体に地震や風水害等に対する心構えを育成するため、1960年昭和35611日、今から63年前になりますが、当時の岸内閣の閣議で『防災の日』が創設されました。同年91日の官報には、次のように記述されています。「政府、地方公共団体など関係諸機関はもとより、広く国民の一人一人が台風、高潮、津波、地震などの災害について認識を深め、これに対処する心がまえを準備しようというのが、『防災の日』創設のねらいである。もちもちろんろん、災害に対しては、常日ごろから注意を怠らず、万全の準備を整えていなければならないのであるが、災害の発生を未然に防止し、あるいは被害を最小限に食い止めるには、どうすればよいかということを、国民皆が各人の持場で、家庭で、職場で考え、そのための活動を行う日を創設しようということで、毎年9月1日を『防災の日』とすることになったのである。」と。本県においても、はや4年を経過しましたが、南房総地区では、2度にわたる台風により甚大な被害を受けました。そして、今年度も日本各地で、豪雨による大きな水害が発生し、今なお、復旧・復興に尽力している状況にあります。

つまり『防災の日』とは、災害の発生を事前に防止するために、あるいは被害を最小限に留めるためには、どうすればよいかということを、我々が真剣に考えなければならないことを確認する日であるということです。第2学期を始めるにあたって、冒頭、このことを確認しておきます。

ところで、被害を最小限にするための心構えの必要性は、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策や熱中症防止対策も同じことです。夏季休業中、本校でも、ほぼ毎日、生徒、教職員が部活動や行事の準備、進路関係、合宿、校外英語学習体験など様々な活動をしていました。猛暑酷暑といわれるなか、今ところ、大きな事故や怪我はないと報告を受けておりますが、このところ、特に、松戸地区は新規感染者が増加傾向であるが報道されております。、本日から本年度後半の教育活動の再開となります。これまで同様、諸君一人ひとりが感染防止対策、熱中症防止対策を常に意識し、自らと同時に周囲の者にも十分留意して行動することを心掛けてください。特に2学期は1222日まで、4か月間という長い学期となります。また、15日・16日の天馬祭文化の部や1056日の体育の部、1112日からの第2学年修学旅行など多くの行事も控えています。年度当初、第1学期始業式で述べたように、本年度、県立松戸馬橋高校は「教育活動を止めない」という方針で臨んでいます。述べたことは、極力守りたいと思っています。そのためにも、生徒諸君一人一人の適切な判断と行動が大切であります。

そして、最後に、第1学期終業式のリマインドとなりますが、通知表を受け取り、自分の学業成績をみて、成績の良かった生徒は、それを謙虚に受け止め更なる向上をめざすこと、成績が振るわなかった生徒は、これまで学習方法、学習時間、学習態度を見直し2学期は修正するよう考えて臨むこと。また、1年生はメリハリのある高校生活、2年生は気を抜かないこと、3年生はいよいよ進路決定の最終段階になってきたこと。先日、25名分の就職斡旋志願の書類に目を通して調査書に押印しました。統一選考日に向けての準備。また、専門学校、4年制大学への応募書類も目を通し調査書に押印しました。また、今月12日、21日の推薦会議を経ての推薦入試も始まります。出願書類、提出書類にミスの無いように十分確認しながら進めてください。また、授業においては、ICT活用した場面が本格化していきます。これからの社会は「ソサエティ5.0」と言われる新しい時代のウエーブが到来します。いや、すでに到来し始めています。つまり時代は、ソサエティ1.0は狩猟社会(石器時代)、ソサエティ2.0は農耕社会(弥生時代)、ソサエティ3.0は、工業社会(18世紀)、ソサエティ4.0は、情報社会(1980年代)に続く社会のことで、AI(人工頭脳)やビックデータを活用した社会です。どのような時代となっても、自分で自分の道を拓き、自分らしく生きていくことを忘れないようにして、本校の校訓である「良き国際人となれ。自己の限界に挑戦せよ。誠をつくせ」を実践する学期としてください。

以上、本日は、1つ目、「防災の日」の意義について、2つ目、コロナ感染症、熱中症対策における第2学期の教育活動について、3つ目、進路決定及び学習の心構えについて話をいたしました。

それでは、諸君の活躍を祈り、式辞とします。

第1学期 終業式 式辞

生徒諸君、おはようございます。15代校長の鈴木です。終業式に当たりいくつかお話をいたします。

まず初めに、この4月に本校に着任し、4か月間を振り返ってみると、元気に明るく挨拶をしてくれる生徒が多いように感じました。これは、大変うれしいことです。たかが挨拶と思うかもしれませんが、挨拶を交わすことによって、馬橋の生徒としての連帯感や仲間意識を感じることができ、何かしら安心します。

挨拶という一瞬の出来事に、人間は、社会性を持つ生物の本能として、相手が自分に持つ感情や、相手が自分に危害を与えない安全な存在かどうか、または、相手の健康状態を推し量るための情報を得て安心していると言われています。よって、挨拶がないと相手に対する不安な感情が払拭できずストレスに繋がるとも言われています。挨拶という一瞬の行為は、共同生活するうえで意外と大切な役割を果たしているものです。  

次に、校則、生徒心得についてです。

そもそも「校則や生徒心得」というものが、何故あるのか考えてみると、それは、学校が教育の場であるからということに関係があります。

それぞれの学校には、教育目標、教育方針が定められています。その教育目標を達成するために必要な事項を学校が定めたものです。松戸馬橋高校でいえば、毎日920人以上生徒が集団生活を行っています。健康で安全に過ごすためにそして、互いに理解が出来、気持ちよく過ごすために守るべきルールを、学校が「生徒心得」として定めたものです。その中には、生徒からしてみれば、制限が課せられ不自由と思うこともあるかもしれませんが、我慢しなければならないことがあることも学んでほしいと思います。社会においても、ルールやマナーがあるのと同じように、学校にも生徒としてのルールやマナーがあるということです。規範意識を持って行動できるようになることも、大事な教育の一つと考えています。以上がそもそも何故、「校則や生徒心得」があるかについての話です。

ただ、だからと言って、何でもかんでも制限をかけ、必要以上に生徒の行動をしばりつけることは良くないことと思っています。それよりも生徒一人一人が、自分のおかれている立場や、その時々の状況を考え、その時、どうすべきか、良識ある行動を考えることは、とても大切なことと思います。本校を卒業し、社会に出た時には、他人から言われなくても判断できる人になってもらいたいからです。

校則や生徒心得については、生徒、保護者の要望や意見を聞きながら、検討し、なくせるものは無くしていきたいと思います。逆に必要と思われることについては、新たに定めることになるかもしれません。校則や生徒心得は、その時々の状況に照らして変化していくことを容認したいと思います。 

次に新型コロナウイルス感染症についてです。

5月に5類に引き下げられたこともあり、昨年度より、制限が大幅に緩和され、行事、部活動、授業、ほぼ、コロナ前の形に戻していくという方針でスタートしました。ただし、このところ、新規感染者数が少しずつ増加し、第9波が到来するのではないか心配されています。本校は、生徒、職員も含めると毎日、1000人近くが校内で生活をしています。明日からは、42日間にわたる夏季休業となります。部活動や進路関係で登校する生徒も多いと思います。今後とも、どこにいても、基本的な感染防止対策を怠ることのないよう注意して過ごしてください。  

本日で1学期が終了します。2学期は、天馬祭や体育祭、2年生は修学旅行など、多くの大きな行事があります。また、部活動も秋の新人戦があります。日々の学習や授業を地味に大切にしながら、特別活動、行事に、積極的に主体的に参加し、多くのことにチャレンジして大いに活躍してください。高校生活の3年間に、自らの可能性を探し求め、校訓にある「自己の限界に挑戦せよ」、「まことをつくせ」を実践してみてください。諸君の提案や工夫、頑張りを期待しています。
最後に、昨日、成績会議を行い、諸君の学習成績について報告を受けました。

本日、HR担任の先生から通知表が渡されると思います。特に1年生諸君は高校に入学して初めての通知表となります。良い成績に驚く人もいれば、低い成績に驚く人もいるかと思います。成績は、自分の学習態度や学習に臨む姿勢、そして学習成果が評価されているものです。学業に対しても「自己の限界に挑戦せよ」、「まことをつくせ」ができていたかを思い返してみてください。

今回の成績は、あくまで校内での1学期限定の成績であります。成績が良好であった生徒は、気を緩めることなく、謙虚な態度で今後も学習に取り組んでください。また、残念ながら今回、成績が振るわなかった生徒は、本校には入学者選抜で合格して入学しています。もともと他の生徒との学力差はさほどないはずです。「為してならぬものなし、為さずに成るものなし」、という言葉があります。つまり「やるしかない」ということ、つまり「やりなさい」ということであるが、どうせやるなら、しっかりやること、「中途半端な行いは、中途半端な結果しか生まないものである。」、「つらい経験こそが人を育てる。」などともいわれます。スマホやゲームばかりに時間を費やすのでなく、少しずつで良いので、学習習慣を身に着けるように意識してみてください。また、学校がお休みでできた時間を普段あまり、していないことに回してみてはどうでしょう? 例えば、好きな作家の本を読んだり、美術館やコンサートにいくなど、リフレッシュしたり、夏季休業が、新しい感覚や感性を磨くための有意義な時間となることを期待し式辞とします。

第44回入学式 式辞

式辞

正門の桜の花が舞い始め、春の心地よい香り漂う今日、よき日に、千葉県立松戸馬橋高等学校、第44回入学式を挙行するにあたり、本校PTA会長関部(せきべ)様、PTA副会長鈴木様、榎様、並びに同窓会会長牛嶋様の御臨席を賜り、依然、完全には収束していないコロナ禍のなか、このように従前の形で入学式を挙行できますことは、私ども教職員、在校生にとりまして、大きな喜びであり、ご来賓の皆様には心から感謝申し上げます。

ただ今、入学を許可いたしました320名の新入生諸君、ご入学おめでとうございます。皆さんは本日、確かに本校の生徒となりました。これまで、時には厳しく、時には優しく寄り添い、深い愛情を注いでいただいた御家族や中学校の先生方、あるいは友人など、多くの人々に支えられて、今、ここにいます。これまでの感謝と、今日の気持を忘れないでいてください。

皆さんは、今日から松戸馬橋高校で、高校生として新しい生活を始めることとなります。今、喜びと期待、そして少々の不安があることと思いますが、本校の教職員や先輩たちが、皆さんを迎える準備をしていますので、わからないところは遠慮なく聞いたり相談したりしてください。

さて、本校の校訓は、「まことをつくせ」「自己の限界に挑戦せよ」「良き交際人となれ」、この3つからできています。

1つめの「まことをつくせ」は、何事に対しても誠実に取り組む態度を育成することです。大人としての判断力やルールを身につけるために「時を守り、場を清め、礼を正す」ことを行動目標として教育活動を進めています。

2つめの「自己の限界に挑戦せよ」は、自分の未知の能力や可能性を伸ばすため、学習や部活動、生徒会活動、学校行事などいろいろなことに主体的に挑戦し、「できなかったことができるようになったり、わからなかったことがわかるようになったりと、学ぶことが、純粋に楽しい!」「多くの友人や教職員がいて学校が楽しい!」「明日も来たくなる学校」と思えるように努力してほしいと思います。
3つめの「良き国際人となれ」は、今後、ますますグローバル化が進み、日本にいても国際社会への対応が必要になってきます。そのため、オーストラリアのタウンズビル高校との短期留学や台湾修学旅行など国際理解教育に積極的に取り組んでいます。

新入生諸君は、本日より、この3つの柱からなる校訓を胸に刻み、充実した高校生活を送ってください。松戸馬橋高校の3年間で、いろいろなことに挑戦して、経験を積み、一層大きな人へと成長してください。

また、多くの友人と人間関係をつくり、苦難に直面したときに、一人で問題を抱えることなく、家族や、教職員、そして良き友人などの力を借りて、解決していくようにしてください。人の感情や痛みがわかる、豊かな心を持つ人に成長してください。

新入生諸君が、明るく、元気に、充実した学校生活を送ることができうることを職員一同、応援していきます。
保護者の皆様。あらためまして、お子様の御入学、まことにおめでとうございます。義務教育を終え、本日から、本校高等学校で責任を持ってお子様をお預かりいたします。しかしながら、お子様の成長には、ご家庭と学校が協力して行うことが最も効果が上がると考えています。もう、高校生だから、本人が好きなようにすればよいとは、思わず、時間を守る。約束を守る。正しい姿・服装で登校する。社会の規範を守る。そして自分はもちろん、他人に対しても、命を大切にし、他を思いやる心を持つこと。当たり前のことを当たり前にやる、凡事徹底ということを、改めて伝えてください。高校生とはいえ、まだまだ、人格形成の途上にいます。家庭と、学校と、地域が一体となって、子どもを育てて行くことが大切となります。立派な成人として社会として、巣立つことができるように、是非、私ども学校と同じ方向を向いて、お子様を育ててください。責任の持てる大人へと、厳しさの中にも温かさのある指導をしていきたいと思っています。何卒、学校の教育方針を御理解いただき、御支援と御協力を賜りますようお願いいたします。

新入生の皆さんの、希望に満ちた未来を祈念し、式辞といたします。


令和5年4月7日 千葉県立松戸馬橋高等学校長 鈴木 実