11月21日(火)理数科1年生を対象に、SSH企業連携講座が行われました、この講座は、三井化学株式会社と本校との教育協定に基づくものです。三井化学の持つ高度な知見や開発・生産に関わる様々なノウハウを教育現場に反映させることによって、現代社会と科学技術とのつながりを認識させ、次世代を担う人材に必要な科学的な資質・能力の育成を目指しています。
人には誰でも根拠の曖昧な思い込みがあります。例えば、自然のものは体に良い、化学物質は有害である、といった知識などです。こうした知識は正しいこともあれば、間違っていることもあります。では、どうしたら適切な判断ができるようになるのでしょうか。そのためには、どんな話も鵜呑みにせず、科学的な資料に基づいて論理的に考え、判断することが必要です。
今回の講座では、三井化学株式会社、及び三井化学クロップ&ライフソリューション株式会社から研究員の方を講師としてお招きし、「化学物質のリスク評価」と「農薬の安全性」という2つのテーマに沿って学習を進めました。
生徒たちのワークシートの記述から、科学的な評価の手法や、農薬の開発現場では人や自然環境など多面的な安全確認がなされていることを学んでいく過程で、化学物質や農薬に対する自らの思い込みや先入観の存在に気づき、考えを修正した生徒が多くいたことがわかりました。
もちろん、化学物質や農薬を礼賛することが講座の目的ではありません。伝聞を鵜呑みにせず、自分の頭で考え、判断することの重要性を認識することです。
生徒たちが、物事は善か悪かといった単純な二極化では論じられないこと。複数の要素のバランスの上に成り立っていること。これらを評価し判断するには科学的な視点が重要であることを理解してくれたら大成功です。
こうした学習を重ねていくことによって、次世代を担う人材に必要な科学的な資質・能力が育まれていくと考えられます。
理数科1年生の飛躍をどうぞご期待ください。