理数科から世界へはばたけ!

 

長生高校の理数科は、昭和44年の設置当初から地域随一の進学拠点の役割を担い、東京大学や京都大学をはじめとする国公立大学への進学などで大きな実績をあげてきました。卒業1生からは、大学教授、医師、弁護士、エンジニア、経営者などを数多く輩出し、県民の期待に応えてきました。
現在は、地域随一の進学拠点の役割を担いながら、ICTや国際化教育を大きく取り入れ、21世紀型人材に必要な国際性と創造性を育む学科として進化しています。グローバル基準で重要な、数学、理科、英語の3科目を学習の柱に据え、国語や地歴・公民などもバランスよく学ぶことによって、科学技術、医療、社会科学、心理、国際、教育、法律、経済など、幅広い進路に対応しています。
また本校は、平成16年度に千葉県教育委員会の進学重点校の指定を、平成22年度からは文部科学省から3期連続でSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の指定を受けており、国や県から資金面、人材面で特別な支援を受けています。理数科はその中心として活動しています。
自然科学の分野で研究に打ち込むのもよし、海外で日々の成果を発表するのもよし、コンピュータを活用して音楽や映像でクリエイティブな能力を発揮するのもよし、みなさんの個性と才能を開花させる学びの場が長生高校の理数科にはあります。
もちろん大学進学に向けての学習も万全です。
私たちと一緒に、長生高校の理数科から世界へ大きくはばたきましょう。

千葉県立長生高等学校 校長 河野安勝
長生高校理数科の特徴
〇 県南髄一の進学拠点
〇 数学・理科・英語を柱としたバランスの良いカリキュラム
〇 科学技術、医療、社会科学、教育、法律、経済など、様々な進路への対応
〇 少人数制授業の大幅な導入
〇 ALT等によるネイティブな英語の授業
〇 課題研究をとおした主体性・創造性の育成
〇 千葉大学やかずさDNA研究所などとの様々な連携講座
〇 SSHによる海外研修(経費の支援あり)
〇 ICTを活用した先駆的学習
理数科の出来事

理数科 今日の出来事

放送大学見学学習会

 
12月6日(水)午後、本校2年生7名が千葉市美浜区の放送大学(本部)を訪問しました。この取組は、穂放送大学と本校との協働による 放送大学オンライン先取り学習 の一環として行われたものです。
放送大学オンライン先取り学習 は、高い学力や旺盛な知的好奇心を持った生徒に対し、大学レベルの学びを先取りして提供することによって、個別最適化による知的世界の拡大と専門的知見の深化をねらいとしたものです。現在、このプログラムの下、放送大学の単位習得を目指し、7名の生徒(理数科2年生5名、普通科2年生2名)が、科目履修生として放送大学の学籍を得て、数学や情報学など様々な分野の学びにチャレンジしています。
今回の訪問は、7名の生徒たちとの懇談をとおして、受講の動機や学習の状況、受講による意識の変容等を抽出し、今後のプログラムの改善に資するともに、スタジオ等の見学学習をとおして、生徒たちの学びへのモチベーションの向上をねらいとしたものです。
およそ1時間の放送大学の先生方との懇談の後、スタジオや調整室、サーバー室等、普段は見ることのできない様々な設備を見学し、現場のスタッフの方から照明や音響、編集、スタジオセット等、放送授業に必要な様々な要件について説明を受けました。生徒たちにとって、見るもの聞くもの全てが新鮮でした。
このような学習の機会をご提供いただいた放送大学のみなさまに感謝いたします。
 
【 放送大学の単位取得を目指し、現在受講中の講座 】
〇 感染症と生体防御('18)
〇 情報理論とデジタル表現('19)
〇 映像コンテンツの制作技術('20)
〇 データ構造とプログラミング('18)
〇 臨床心理学概論('20)
〇 入門微分積分('22)
〇 初歩からの宇宙の科学('17)

SSH生命科学講座が行われました(その2)


11月22日(水)、理数科2年生を対象に「SSH生命科学講座」の2回目の実習が行われました。今回の講座では、前回(11/15)の実習で形質転換した大腸菌のGFP(緑色蛍光タンパク質)の発現の確認を行いました。
まず、培地で培養した大腸菌のコロニーに紫外線を照射すると緑色に光りました(写真右)。遺伝子組換え成功です。
さらに、抗生物質耐性遺伝子の組み込みの有無による大腸菌の増殖の違いや、制限酵素で切ったDNA断片を電気泳動によって分離する実習などを行った後、班ごとに結果を考察して発表し、成果を共有する学習を行いました。
遺伝情報やDNA、タンパク質の合成などのしくみは教科書などから知ることができますが、実際に観察・実験を行うことは、設備や安全管理などハードルが高く、多くの困難をともないます。しかし、本校理数科では、かずさDNA研究所との連携により、このような観察・実験を実現しています。
生徒たちにとっては、観察・実験をとおした生きた知識を得ることのできる貴重な学習の場です。このような学びの場を提供していただいた、かずさDNA研究所、及びスタッフのみなさまに感謝いたします。

SSH企業連携講座が開かれました


11月21日(火)理数科1年生を対象に、SSH企業連携講座が行われました、この講座は、三井化学株式会社と本校との教育協定に基づくものです。三井化学の持つ高度な知見や開発・生産に関わる様々なノウハウを教育現場に反映させることによって、現代社会と科学技術とのつながりを認識させ、次世代を担う人材に必要な科学的な資質・能力の育成を目指しています。
人には誰でも根拠の曖昧な思い込みがあります。例えば、自然のものは体に良い、化学物質は有害である、といった知識などです。こうした知識は正しいこともあれば、間違っていることもあります。では、どうしたら適切な判断ができるようになるのでしょうか。そのためには、どんな話も鵜呑みにせず、科学的な資料に基づいて論理的に考え、判断することが必要です。
今回の講座では、三井化学株式会社、及び三井化学クロップ&ライフソリューション株式会社から研究員の方を講師としてお招きし、「化学物質のリスク評価」と「農薬の安全性」という2つのテーマに沿って学習を進めました。
生徒たちのワークシートの記述から、科学的な評価の手法や、農薬の開発現場では人や自然環境など多面的な安全確認がなされていることを学んでいく過程で、化学物質や農薬に対する自らの思い込みや先入観の存在に気づき、考えを修正した生徒が多くいたことがわかりました。
もちろん、化学物質や農薬を礼賛することが講座の目的ではありません。伝聞を鵜呑みにせず、自分の頭で考え、判断することの重要性を認識することです。
生徒たちが、物事は善か悪かといった単純な二極化では論じられないこと。複数の要素のバランスの上に成り立っていること。これらを評価し判断するには科学的な視点が重要であることを理解してくれたら大成功です。
こうした学習を重ねていくことによって、次世代を担う人材に必要な科学的な資質・能力が育まれていくと考えられます。
理数科1年生の飛躍をどうぞご期待ください。

高校生理科研究発表会の動画が公開されました


※ 画像はYouTube国立大学法人千葉大学公式チャンネルより引用

第17回高校生理科研究発表会(千葉大学主催、2023年9月30日開催)の様子がYouTubeで公開されました。この発表会は、千葉大学西千葉キャンパスを会場に、物理、科学、生物、地学、数学・情報の各部門に分かれ、高校生が日々の研究の成果を発表するものです。本年度は合計で305件の発表がありました。
公開された動画では、発表会の様子や参加した生徒のインタビューを見ることができます。本校理数科の生徒もインタビューを受けていますので、どうぞご覧ください。

YouTubeの動画リンクはこちら(外部リンク)

千葉大学高大連携支援室のWebサイトはこちら(外部リンク)

SSH生命科学講座が行われました


11月15日(水)理数科の2年生を対象に「SSH生命科学講座」が行われました。この講座は、公益財団法人かずさDNA研究所と本校との連携(教育協定)に基づくもので、学校では実現不可能な高度な生命科学に関する観察・実験を、かずさDNA研究所の実験設備を利用して行うものです。2014年から毎年実施しており、今年で10年目になります。
今回行った実験は、オワンクラゲの持つ緑色蛍光タンパク質(GFP)を生成する遺伝子を大腸菌の環状のDNA(プラスミド)に組み込み、発光大腸菌をつくるという遺伝子組換えの実験です。
この日は、遺伝子操作にかかわる安全管理やマイクロピペットなど機器の基本操作について学んだ後、プラスミドによる大腸菌の形質転換と培地への大腸菌のプレーティングまでを行いました。来週(11/22)は、制限酵素によるDNAの切断と電気泳動による確認、及び紫外線照射による大腸菌コロニーの発光によって、遺伝子組換えの結果を検証・考察する予定です。

公益財団法人かずさDNA研究所のWebページはこちら(外部リンク)

サイエンス・ダイアログが開かれました


11月8日(水)本校アクティブラーニングルームで、理数科2年生を対象とした科学講座「サイエンス・ダイアログ」が開かれました。
「サイエンス・ダイアログ」は、日本学術振興会のフェローシップ制度により、世界各国より日本の大学・研究機関等へ研究のために滞在している優秀な若手外国人研究者を講師として派遣し、自身の研究や出身国に関する講義を英語で行うプログラムです。
本校ではこの制度を活用して毎年研究者の方をお招きしています。大学や研究機関で活躍する若手外国人研究者から、最新の研究内容について英語で講義を受けるという経験が、生徒たちに知的好奇心と刺激を与え、自身の研究へのモチベーションの向上や国際理解につながっていくことが期待されます。
今回の講師は、東京大学で研究をされているDaniel BINDL 先生です。from Chemistry to Biology というテーマに沿って、高分子有機化合物(たんぱく質など)の細胞内での合成や働き、人工合成の方法など、現在取り組まれている研究の内容をわかりやすく解説してくださいました。

輪ゴムの持つエネルギーを測定する


10月24日(火)、秀明大学の大山光晴先生を講師としてお招きし、「理数探究・大学連携講座」が行われました。
今回のテーマは、「輪ゴムが持つエネルギーについて調べよう」でした。輪ゴムに力を加えて伸ばすと、輪ゴムは縮むことによって他の物体に力を加えて動かすことができます。よって、伸ばした輪ゴムは仕事をする能力、すなわちエネルギーを持つと考えられます。では、このエネルギーの大きさはどのようにしたら測定することができるでしょうか。
このエネルギーの大きさを定量的に測定することが今回の実験のゴールです。
旧来の理科の実験では、多くの場合、教員によって測定の原理や手順が示され、生徒たちはその指示に従って進めていくのが一般的でした。しかし、今回の実験では、原理や手順は示されません。生徒たちは、これまでに学んだ知識や経験を活用して、方法を考え、必要な材料を集め、測定を行いました。
ある班は、輪ゴムをばねばかりで引き、輪ゴムの伸びと力の関係(フックの法則)から、輪ゴムのばね定数 k の値を求め、次に輪ゴムが伸びる限界の長さ x を測定し、弾性エネルギーの式 U=1/2kx2 から、伸ばした輪ゴムの持つエネルギーを求めていました。
別の班は、伸ばした輪ゴムの力で台車を運動させ、台車の質量 m と速さ v を測定し、仕事とエネルギーが等価であるいう原理を用い、運動エネルギーの式 k=1/2mv2 を用いて輪ゴムのエネルギーを求めていました。
また、別の班は、輪ゴムの伸び x と力 F の関係をグラフに表し、グラフに囲まれた面積(力 F の積分値)から輪ゴムのエネルギーを求めていました。
最後に、それぞれの班ごとに測定の方法と測定した値を発表し合い、生徒全員で成果を共有しました。目指すゴールは同じでも、そこに到達するまでのアプローチの方法は様々です。
このような観察、実験では、一直線にゴールに向かって進むだけでなく、試行錯誤したり、時には迷走したりすることも大切な学習経験です。このような経験を積み重ねることで、生徒たちの探究力は高まっていきます。

千葉大学主催 高校生理科研究発表会に参加しました


9月30日(土)千葉大学西千葉キャンパスにおいて、第17回高校生理科研究発表会が開催されました。この発表会は、高校生を対象としたものとしては、関東地区で最大級のものです。物理、科学、生物、地学、数学・情報の各部門に分かれ、合計で305件の発表がありました。関東近県だけでなく、遠くは岩手県や広島県からの参加もありました。本校は、理数科の生徒を中心に20件の発表を行いました。
写真は、本校生徒による発表(左が化学領域、右が地学領域)のスナップです。たくさんの方々に発表を聞いていただくことができました。
一般的に、科学的な研究や開発は、個人やグループで黙々と進められるケースが多く、生徒同士が交流したり、質問や意見を戦わせてお互いを高め合う機会が少ないことが課題の1つだと考えられます。
しかし、こうした発表会に参加することで、個人やグループでは叶わなかった多くの刺激を得ることができます。自分たちの発表を真剣に聞いてもらえるのはうれしいものです。厳しい指摘や難しい質問に答えるのは大変ですがやりがいがあります。他校の生徒の発表を聞いたり、質問をしたりするのも良い経験です。このような数々の経験が、生徒たちの科学的なものの見方や考え方を高めていくのだと考えられます。
2月には、本校が主催するSENEC発表会(Science Education Network in Eastern Chiba:千葉県東部地区課題研究発表会・交流会)が計画されています。生徒たちは、今回の発表の経験や、大学の先生や他校の生徒から得た指摘や意見を参考にしながら、研究をより良いものにブラッシュアップしていきます。
本校生徒の活躍にご期待ください。

課題研究の発表に向けて準備中!


9月30日(土)千葉大学西千葉キャンパスにおいて、千葉大学主催「高校生理科研究発表会」が開催されます。本校生徒は理数科の2年生を中心に20件の研究発表(ポスター発表)を行う予定です。今日は、完成したポスター(ただし、練習用の縮小版)の前で、発表や質疑応答のリハーサルを行いました。 本校の理数科では、1年生のときに仮説?検証の手法や探求のプロセスなど探究の基本について学び、2年生から本格的な課題研究に取り組むカリキュラムが組まれています。今回の千葉大の発表会は、生徒たちにとって、外部で行われる本格的な発表会への初めての参加です。生徒たちの活躍をご期待ください。

千葉大学主催 高校生理科研究発表会(外部リンク)
発表会は事前に申込みをした発表者、見学者のみ参加できます。保護者等は入場できません。
くわしくは上記千葉大学Webサイトをご確認ください。

SSH生徒研究発表会に参加しました


8月8日(火)〜10日(木)の日程で、令和5年度スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会が、神戸国際展示場(兵庫県)で開催されました。この発表会は、全国のSSH指定校の生徒が一堂に集まり、日頃の課題研究の成果を発表し合い、切磋琢磨することで、生徒の科学技術に対する興味・関心を一層喚起し、SSHの活動を広く発信することをねらいとしています。今年は全国から221校の参加がありました。
本校からは、理数科3年生2名による研究「ロードキル発生件数の月次推移の分析とその再現性の確認」を発表しました。この研究は、人と野生動物との共生を目的にロードキル(道路で車にひかれて命を落とした固体)に着目したものです。地方自治体の持つデータを集約し、猫やタヌキ、トリ等の月別の発生件数から、動物の繁殖行動や餌取り行動との関連を考察した意欲的な研究です。データの集約と分析には、本校が得意とするデータサイエンスの手法が用いられています。