小石川中等教育学校(小石川)高校
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取得日:2024年03月20日
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予測通りに変われ!!“青いフラスコの実験”の条件検討
東京都立小石川中等教育学校 3年
はじめに
青いフラスコの実験 課題
・脱色までの時間が予測できない。
・混合溶液が黄色くなってしまう。
先行研究 メイラード反応
グルコースとNaOHが
反応し、黄色に変色
してしまう
振った回数以外
山本大二郎ほか,増訂化学実験事典,講談社p512-513
検討されていない
ロイコメチレンブルーが酸素で酸化され,青色になる。
文化祭
1
の実験ショーで行うために、
・脱色時間を予測したい。
メチレンブルーがグルコースで還元され,脱色する。 ・繰り返し実験できるようにしたい。
実験操作
検討した条件 (1) 攪拌方法 (2) 混合する順序 (3) pH
(4) グルコース濃度 (5) メチレンブルー濃度
(6) 温度 (7) 還元剤
(1) 水溶液の攪拌方法 (2)水溶液を混合する順序
脱色時間
初めに混合 後から追加
ホワイトボード すぐに追加 15分後に追加
1 3 mol/L NaOHaq 1.4 mL
2 6.25% グルコースaq 1NaOHaq
実験1 3メチレンブルーaq 15 s 13 s
11.0 mL 2グルコースaq
3 0.05% メチレンブルーaq 1NaOHaq
1.3 mL 実験2 2グルコースaq 20 s 37 s
3メチレンブルーaq
2グルコースaq
実験3 1NaOHaq 17 s 18 s
延長コードで時間を管理 3メチレンブルーaq
1 3 mol/L NaOHaq 160 L
2 6.25% グルコースaq 1.2 mL 脱色時間の変化が小さい
メモリ10に 速度を固定 3 0.05% メチレンブルーaq 150 L
湯せんで
温度を管理
時間経過 時間経過
動画を撮影し,脱色時間を測定
実験結果
(3) 混合溶液のpH (5) メチレンブルーaq 濃度 (6) 温度
pHが高い → 脱色時間が短い ■0.03%以下 温度が高い → 脱色時間が短い
pHが高くなると、グルコースの還元 濃度が高い → 脱色時間が短い 温度は脱色時間に大きく影響する。
作用が強くなる。 濃度が高くなると、グルコースと接
触しやすくなると考えられる。 (7) その他の還元剤の検討
(4) グルコースaq 濃度 ■0.03%以上
グルコースを用いると、黄色に変色す
濃度が高い → 脱色時間が長い
ることは避けられない。
濃度が高くなると、すべてのメチレ
ンブルーを還元するのに時間がかかる → 他の還元剤を検討
と考えられる。
還元剤 脱色の有無
(補足) ビタミンC 脱色するが戻らない
メチレンブルー水溶液調製後の経過 シュウ酸二水和物 ×
時間は、1時間程度なら脱色時間に影 亜硫酸ナトリウム ×
■6.25%以下 響しない。
POCARI SWEAT ×
濃度が高い → 脱色時間が短い ビタミンC + Cu2+ 〇
濃度が高くなると、グルコースの還
元作用が強くなると考えられる。
・0.05%
■6.25%以上 メチレンブルーaq
・0.2 mol/L
濃度が高い → 脱色時間が長い アスコルビン酸aq
濃度が高くなると、グルコースが水 ・0.1 mol/L
CuSO aq
和して還元性が弱くなると考えられる。
結論 今後の展望
予測通りに脱色する「青いフラスコの実験」 還元剤の検討
グルコースのように自ら変色せず、適切に
溶液の温度は室温 メチレンブルーを還元できる還元剤を見出す。
実験ショーで温度を変えることは難しいので、室温に合わせる。
溶液の濁り
次の3種類の溶液を調製 実験後に溶液が白濁すること
1 1 mol/L NaOHaq 42 mL があったので、この理由を明ら
2 0.025% メチレンブルーaq 39 mL かにする。
3 6.25% グルコースaq を水で希釈した溶液 330 mL
※水を多く加えるほど脱色時間が長くなるので、予備実験を行って調節する。 応用
酸素検知紙を作製する。
溶液2と3を混合し、1は実験の直前に加える 水溶液中のグルコースの定量する。
文化祭
2
では、60秒間で脱色することを目標にした。 参考文献
(1) 向井知大、大場茂 (2010), 「青いフラスコの実験における
メチレンブルーの脱色と分解」, 慶應義塾大学日吉紀要,
自然科学No.48,pp.11-30
(2) 山本大二郎他,『増訂 化学実験事典』(講談社、1984),
pp.512-513
65秒間で脱色 (3) J.A.Campbell, Kinetics-Early and often,J.Chem.Educ,
1963