相模原中等教育学校(相模大野)高校
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取得日:2024年03月20日
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令和4年度 校長だより2号 「探究力と哲学」
令和4年10月
文化部門も終わり、
生徒
1
たちも学習へ切り替えています。文化部門閉会式では学習以
外の行事や活動を通して経験から学び、伝統としてつないでほしいことを伝えました。そし
て次年度実行委員との校長協議を開始しました。
行事には「生きるための学び」が多く見られます。ただ装飾を頑張るではなく、ネーミング
には「一瞬でインパクトを与える発想力」、企画には「相手を納得させる創造力」、進行では
「人を惹きつける対話力」が見えます。そして、それらの力は学習と切り離すことはできま
せん。ここにあるのは知識と経験を活用すること、「生きる力」に通ずるものです。
「生きる力」は神奈川県の教育ビジョンでも掲げられる言葉ですが、意識してほしいのは
「社会で生きる力」です。経済的なこともありますが、人は社会に貢献し、社会は人が動か
す。だから人が生きることは「社会で生きること」です。これは1+1=2と同じ原理原則で
あり、そこからすべてが始まる、だからこそ尊い真理と受け止めるべきだと思います。
さて、先の見えない道を進む「生きる力」は道を開拓する「探究力」とも言えます。だから
こそ、「探究」の意義と目的を理解して探究学習に取り組んでもらいたいと4年次から始ま
る「総合的な探究の時間」では「探究」についての研修を取り入れています。9月に開催し
た3,4年生対象の研修会で「探究とは哲学をすること」という話がありました。それについ
て3年生が「哲学とは何ですか」と質問していました。確かに今は「哲学」という言葉もあま
り聞きません。ギリシャのピタゴラスによって導入された「哲学」ですがその定義はあいま
いです。しかし哲学者たちの言葉に私たちは共感できるわけです。では「哲学」とは?調べ
ると「本質を洞察する」「考え方を見出す」などとありますが、「本質」も「考え」も正解はない
わけです。「哲学」とは「驚き・疑問」から始まり、「対話」を通して、たとえ考えが違ってもそ
の意味を共有し、自分の考えを整えていく学問だと思います。「知ろうとする徹底的な知的
探究」であり、だからこそ探究に「哲学」があったほうが良いのです。そして、その始まりに
いる
生徒
2
たちにはまずは「MY HOWTO」を求めて、対話してほしい。私たちが人としてある
ためには「自分を定義する」ことが必要です。しかし人を
数
1
字やパターンで定義することは
できませんが(実はこれで分析するのが心理学です。)それぞれに「思考(MY HOWTO) 」
があります。その「思考(MY HOWTO )」は他者に触れるたびに変化し、実体験を重ねるこ
とで揺るがないものになります。それを「価値観」とよび、積み重なった「価値観」は社会に
出たとき「直観」を引き出し、判断・行動の最初の1歩になります。そしてそれらを言葉にし
て語りあえるようになった時、「哲学」を持つようになるのではないでしょうか。
校長として
生徒
3
たちには「哲学」を持てる大人になってほしいと願います。だから今は、
「哲学」をシンプルに「MY HOWTO」に置き換えて、自分を他者にさらして感じてほしいと思
います。文化部門の企画段階で話し合うことも「哲学」であり、だからこそ学校は「全人教
育」であるべきだと思うのです。
今年度の文化部門では校長としても企画に参加させてもらいました。企画の目的に合わ
せ、思考し、それを
生徒
4
たちに伝えることで私の人柄や「MY HOWTO」を感じてもらえたな
ら、そこにもプチ「哲学」があったと思います。 「哲学」や「信念」が絶対の正解として自分
の中に残ることは、人生を閉じるときまでないと思います。生きている限り探究し続ける、こ
れが私の「哲学」であり「生きる力」です。