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取得日:2024年03月20日[更新]

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                          令和3年度 校長だより3号                 11月
 
  9月の分散登校から、文化部門を経て、後期の学習集中期に入りました。今までのように、グループ
 ワークを実施できない代わりに、「自由発言・自由質疑」を重視し、思考と表現、合意形成の過程をなく
 さないよう教科指導を進めています。これもコロナの知恵の一つです。
  さて、コロナがあろうが時間は進む。次年度は後期課程も新学習指導要領による学習となります。今
 回は教育の変遷についてお話しましょう。
  学習指導要領は10年に一度見直されます。平成24年からの改訂では「言語活動」が重視され、今
 回は「探究学習」が重視されています。教員になって4回学習指導要領の改訂を経験してきました。若
 いころはわかりませんでしたが、指導の内容・手立ての改訂により生徒は確実に変わりました。英語を
 例にとると、「英語I」という科目が「オーラルコミュニケーションI」に変わり「コミュニケション英語I」
 「英語コミュニケーションI」と変遷をたどります。「読む・書く」の英語教育から「話す・聞く」が重視され、
 今は「読む・書く・聞く・話す」の4技能+1「発表」の英語が定着しています。この変遷の中で、生徒の
 発音力は著しく向上しました。ALT(アシスタントランゲージティーチャー)によるネイティブイングリッ
 シュでの「聞く」、会話場面を増やした「話す」の増量によるものです。そして音がわかれば「読む・書く」
 にも効果的です。授業の改善でも試みることができますが、やはり「日本の教育」として変化させること
 で全体の学力向上は確実です。教育は子供への影響が大きく、だからこそ教員は、やりがいがあり、
 真摯に向き合うべき職だと思います。
  10年ごとの改訂は10年先の子供の変容と10年先の社会に必要な能力を掛け合わせています。
 教育は常に未来を見据えなされるものです。そこで今度の改訂「探究」です。これは「知識を活用して
 新たな学びや価値を追究する力」です。「与えられる学び」から「新たな学びや価値を追究する力」が
 先の見えない未来を切り拓く力ということです。そして「令和の日本の教育」で謳われているのは、「主
 体性の支援」です。与えられる環境からの脱却、自らの学びを探る力、これが次年度からの学習指導
 要領に込められた思いです。
  さて、本校においても「与えられる環境からの脱却、自らの学びを探る力」は同じです。充実期では
 「自学自習力」、発展期では「戦略的学習」です。教育課程の改訂も3年次での自学自習時間の設定、
 6年次での自由選択の「総合的な探究の時間」がまさにその枠です。特に6年次の自由選択の「総合
 的な探究の時間」で個の探究学習をとことん追究することは、自分探究の仕上げとなり進学への学修
 計画書となるでしょう。与えられるだけでなく、その意義を咀嚼してすべてを自分の時間にできるよう取
 り組んでほしいと思います。そして「令和の日本の教育」にはもう一つ目玉があります。それは
 STEAM教育です。Science, Technology, English, Art, Mathematicsです。科学・論理
 的思考力、創造活動、国際的視野の英語運用力です。しかしこれすら本校ではすで実施しています。
 理科・数学や実験の重視、かながわ次世代教養のIT、 B2目標の高いレベルの英語指導、芸術部
 門・・・開校当初からの概念はすでに未来を見据えています。本校は、正しい方針を打ち立てています。
  どんぐり通信で「社会を生き抜く武器」について宿題をお出ししましたが、私が考える武器を3つお示
 しします。1つは「知識と経験」です。それは教科書の知識だけでなく「社会」の知識、お金や年金、保
 険など生活にまつわる知識も含みます。経験は知識から自分の価値観を生み出します。2つは「レジ
 リエンス(しなやかさ)」、これは集団生活の中でしか身につきません。ジレンマ耐性や優先順位をつけ、
 心の状況を調整する力です。3つは、「人を巻き込む力」です。一人では生きていけません。「早くいく
 ならひとりで行け、遠くまで行くなら皆と行け」アフリカのことわざです。人生長い道のりで、人の中で生
 きていきます。いずれも人生すべての時間をかけ、探し続けるものです。「社会を生き抜く」とはまさしく
 「生きていく」ことです。皆さんのお考えはいかがだったでしょうか。