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取得日:2023年03月22日[更新]

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令和4年1学期終業式挨拶
 
  皆さん、こんにちは。1学期は、暁峰祭、北信大会などの大会、定期演奏会など
 の発表会などをはじめ、日々の活動で皆さんの生き生きとした姿を見せていただき
 ました。これからも、皆さんが生き生きとした姿を見せてくれるのを、楽しみにし
 ています。
  一つ皆さんにご報告します。水泳班の3年3組   小林璃翔さんが北信越大会で優
 秀な成績を収め、8月 15 日から高知県で行われるインターハイに出場する事が決
 まりました。おめでとうございます。(拍手)壮行会を開けませんでしたので、こ
 の場をお借りして皆さんにご報告し、小林さんのご健闘を祈念いたします。また、
 文化班では文芸、科学、放送班が全国総文祭に出場、出品します。良い結果となる
 ことを祈念します。
  さて、今日は2つお話をしたいと思います。一つ目は、入学式の時に保護者の皆
 さんにした話で、本当は皆さんにも 4 月に話せれば良かったのですが、今からでも
 お話ししたいと思います。それは、中学と高校のギャップを意識しないと、自己肯
 定感が下がる、という話です。高校入試より、大学入試の方がレベルが高いですよ
 ね。範囲も広くなります。でも、3年間は一緒というか、むしろ大学受験の方が早
 い時期にあるので、高校で勉強する期間の方が短いのです。だから、高校に入って
 からの勉強は、中学校の時より格段に速くなります。そこを意識しないで中学生の
 時と同じような気持ちでいると、考査で良い点が取れません。中間考査でショック
 を受けて自己肯定感が下がってしまう人が多くいるのです。実は、私も 40 年前に
 これにやられました。入学して初めての考査で286番をとってしまったのです。
 私の場合は、ふてくされてしまいました。勉強なんかイイや、と、2 年の秋までふ
 てくされていました。その後、気持ちを取り直して頑張って大学に入れたのですが、
 ふてくされていた 1 年半は本当にもったいない事をしたと思います。高校に入った
 からと言って、自分が中学生の時より悪くなったわけでは無いから、自己肯定感を
 下げることは無かったのです。皆さんの中にも、もし同じように自己肯定感を下げ
 てしまっている人がいたら、それはとてももったいない事です。自信を無くさない
 ようにして欲しいと思います。
 
 
  もう一つの話ですが、いきなりですが物理の問題を出したいと思います。大きな
 川があって、スクリューのついた少し大きな船があって、その船が20kmか30
 kmか、下流まで行くとします。この船は急ぐ必要は無いのですが、この場合、こ
 の船はスクリューを止めて、川の流れのままに下流に行けばよいのか、それとも、
 スクリューを止めてはいけないのか、という問題です。授業だったら少し考える時
 間をとりたいところですが、今回はすぐに答えを言ってしまいますが、これは、ス
 クリューを止めてはいけないのです。 何故かというと、川に流される船は、川の
 水との相対速度がほぼ0なので、舵が効かなくなるのです。池に止まっている船が
 舵を切っても向きが変わらないように、流される船は舵が効かないので、岩とか橋
 げたがあってもよけられません。流される船は、行きたいところに行けないのです。
 これって、高校の3年間に似ているなぁ、と思います。3年間流されて、例えば文
 理選択も良く考えないで、友達があっちに行くから自分もそっちとか、大学を調べ
 るのも適当で、3年になってから先生に「君は行きたい大学無いのか。君の偏差値
 ならこの辺だ。」なんて言われてしまうような、そんな流された高校生活だと、自
 分の行きたいところに行けません。自分から進んで考え、進んで行動する人が行き
 たいところに行くことができます。
  勘違いしないで欲しいことがあります。自分から進んでと言いましたが、学校の
 指導を無視して全然関係ない事をしないでください。どの学校でも、3年の後半に
 焦ってしまって、学校の指導と全く関係ないことを始める人がいますが、そういう
 人はうまくいきません。特に本校は、ここ何年も優れた進路1実績を残しています。
 とても良い流れが出来ています。その流れ、進路2指導にはしっかり乗った上で、さ
 らに自分から進んで考え、行動できるようにしてください。
  話はここまでのつもりでしたが、さっき掃除をしていたら、もう一つ話したくな
 りました。掃除に来たある3年生に、
                                 「夏休みは一日どれくらい勉強するつもり?」
 と聞いたら、
           「えっと、6時間くらい」という答えでした。私は、
                                                         「うん、大人は
 普段から8時間仕事をするぐらいが普通だけど、人生分かれ目という大事な時期に
 6時間かぁ。もう少しできると思うなぁ。」と言ってしまいまたが、この場を借り
 てその時の彼に謝りたいと思います。近くに友達がいたので、きっと控えめに言っ
 たのだと思います。友達の前で「十何時間やります!」とかいいにくいですよね。
 そんな気も知らずに「もっとできると思う」とか言ってしまってごめんなさい。3
 年生の皆さんは、これから大変だと思いますが、体を壊さないように気を付けなが
 ら、頑張ってほしいと思います。
  まだまだ話したいことは沢山ありますが、先生方の作った学年通信や進路3通信に、
 良いことが書いてあります。私が話したいと思ったことは全部そういった通信に書
 いてありますので、それをよく読み、先生方の指導に乗って、班活とも両立させた、
 充実した夏休みにしてください。
  以上でお話を終わります。
 
 
  ※終業式の講話と大筋は同じですが、一部手直しをしています。
  ※今回はスクリューのついた船という話をしましたが、手漕ぎの船も同じで、進
 んでいなければ舵が効きません。イカダは例外で、川に流されるものですが、棹で
 進路4を変えることができます。夏目漱石は「情に掉させば流される」と言っていま
 すが、情というものは深くて(底がドロッとしていて?)棹をさしても流される、
 という感じが出ている名文だと思います。漱石は物理も解っていたのかもしれませ
 んね。