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取得日:2023年12月23日[更新]

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進路室の窓から                                 No.7                                                2023/8/29
 
 二学期のはじまりとともに、共通テストの出願もはじまります→そしてペンの話
   9月1日から、大学入試共通テストの出願日程がはじまります。3年生は、9 月6日の LHR の時間に受験案内と志願票を配
 布して詳細を説明します。まぁ、1,2年生にとっては直接関係ないように感じるかもしれませんが、1年後、2年後に自分がこの
 時期何をしているのか、考えてみるのは大事なことですね。
   さて、こういった志願票を作成したり、共通テスト(マーク試験)を受験したりする上で、少し気になるのが筆記用具について
 です。まず、志願表。みなさんは「消えるボールペン」(代表例:パイロットのフリクション)は持っていますか?受験生であれば、
 「消えるボールペン」は手の届かないところにしまっておきましょう(以前は捨ててください、と言ってましたが自粛)。
   というのも、志願表・願書をはじめとした、公式書類については「消せない」ペンで書く、というのが原則です。フリクション
 は熱で消えてしまいます。ドライヤーを当てるとびっくりしますよ。消えるペンだけでなく、鉛筆・シャープペンシルもダメです。
 未だに学割の申請などをシャープペンシルで書く人がいますが、公式な申請書等は「消せない」ペンで書いてください。また、
 「修正テープ(修正ペン)
                       」もダメです。間違いがあったら、「鳥埼 島」(本当は二重線)のように、何を消して、どう直した
 のかわかるように書くのが正式です。印鑑や署名が必要な書類は、必ず「消せないペン」で書くことを身につけましょう。
   続いてマークシートに使う筆記用具にも一言。マークシート試験では、毎回のように「鉛筆」でマークしなさい、と言われます。
 シャープペンシルでもマークできるからいいじゃないか、と思うかもしれませんが、やはり「鉛筆」にしてください。実は、「鉛筆
 用のマークシート」は、赤外線を照射して、炭素による吸収を感知することでマークを読み取っています。シャープペンシルの
 芯は、折れないようにするため、鉛筆に比べると炭素の含有量が少ないのです。そのため、シャープペンシルはリードミスの可
 能性が高くなってしまいます。もちろん、センターは機械のミスで減点されることのないように、複数回のチェックをしていますが、
 「鉛筆」を使うように指示している以上、他の筆記用具で起きたリードミスの救済はないと覚悟しておくべきでしょう。文具店で
 はマークシート用に炭素多めのシャープペンシルも販売されていますが、万が一を避けるためにも、鉛筆をおすすめします。
   ちなみに、フリクションペンが消える仕組み(実際には消えているわけではない)とか、なぜマークシートは可視光線ではなく、
 赤外線を使うのか、だけでも面白い話がいっぱいありますが、紙面の都合上、再度結論だけ書いてまとめとします。
   ・大学入試センターや大学に提出する書類は、原則「消せないペン」で書きましょう。間違いの訂正は二重線。
   ・マークシート試験は「鉛筆」でマークしましょう。せっかくのマークを読み取ってもらえない可能性があります。
 
 主に文系の学部・学科について考えてみる(+学校の先生を目指す人)
   今まで理系の話題が多かったので、今回は、主に文系の学部・学科についてみていこうと思います。1,2年生は志望大学選
 び、3年生も最後の受験校決定の参考にしてみてください。例によって独断・偏見まみれですので、あくまでも参考に。
 外国語学と外国文学        …「を」なのか「で」なのか(学ぶ)、「が」なのか「も」なのか(できる)
   「英語を勉強したいから、外国語学部の英語専攻に行きたい」という話はよく聞きます。もちろん、気持ちはよくわかります
 が、もう少し考えを深めてみませんか?というのも、自分が1英語「スキルを」勉強したいのか、2英語「というものを」勉
 強したいのか、3英語「で」勉強したいのかが明確になっていない人が多いのです。そもそも1英語スキルを身につけたい
 だけであれば、英会話教室であったり、語学留学1したり、今ならアプリや、オンライン英会話でも必要な英語力は十分身に付き
 ます。大学に行く必要はありません。だとすると、大学で英語を勉強するとはどういうことなのでしょうか?
   2「英語というものを勉強する」とはどういうことか。例えば文法(例:なぜ、規則動詞と不規則動詞があるのか)とか、発
 音(例:なぜ、英語は綴りと発音が違うのか)について学んだり、他言語との比較(例:日本語との違い/インド=ヨーロッパ語
 族とは?)をしたりするのが「英語というものの勉強」です。「外国語学」分野には、こういったものも含まれます。
   3「英語で勉強する」とはそのままです。「外国文学」分野では、文学作品(最近は映画やコミックなど、対象はいっぱい)
 などを対象にして、作者や時代背景について学びます。外国語系学部・学科だけじゃなく、国際政治・国際関係・国際経済な
 ど、外国語「で」勉強する分野はいくらでもあります。実際には、理系の学問だって、英語「で」勉強するのは当たり前ですね。
   よく、「英語ができたら就職に有利だから」と思って「英語専攻」という人がいますが、考えてみてください。英語「が」できる
 だけならネィティブの人に勝てません。実は、英語「が」できる人というよりも、英語「も」できる人が求められるのです。大学
 での学びの差はそこにあります。「東京外国語大学」や「大阪大学外国語学部」などは、「スキルだけ」勉強するわけではな
 いから評価されるのです。一方、外国語の専門学校みたいな大学だと、スキル重視になり、「確かに TOEIC ではいい点数と
 れるけど…それで何ができるの?」となりがちです。英語で何をするのか、というのは考えたいですね。なお、「国際教養大学
 (秋田)
       」みたいなオールイングリッシュの大学になると、大学の授業すべてを英語で学ぶことになり、ちょっと別格です。
   さて、英語がある程度できるなら、英語以外の言語がおすすめです。大学1年生からゼロスタートなので、その言葉が身に
 つくまでは大変ですが、英語「も」、その言語(と文化)「も」学べるのが魅力です。言葉を活かしてグローバルに活躍する道も
 あるし、同僚には「ヒンディー語学科」卒で教員の免許をとって、英語の教員をやっている人もいました。
 社会科と社会学と社会科学
   一度は聞いたことがあるけれど、よくわからない用語ですね。紙面の都合で簡単になってしまいますが整理してみます。
 ・社会科は、小学校・中学校で学ぶ「教科」です。ちなみに高校には「社会科」はありません。ただ、一般的には「地理歴史科」
    と「公民科」を合わせて社会科と呼ぶ慣習があります。「社会科」は学問ではなく、学校教育の「教科」ということです。
 ・社会学は、大学ではじめて学ぶ「学問」です。「社会」を研究対象とした学問で、学問分野としては比較的新しいものなの
    で、「社会学部」と独立して設置されているところは少ないです。「社会はなぜこうなっているのか」を対象とする学問なの
    で、うまく研究テーマがハマると抜け出せない魅力があります。
 ・社会科学は「学問領域」です。具体的には以下で紹介します。大学で「社会科学部」という学部がほとんどないのは、領域
    に含まれる「法学」や「経済学」などが独立した学部として成り立っていることが多いからですね。
   以上から例えば「社会科の教員になりたいから社会学を勉強する」というのはちょっとポイントが違うし、「(社会科の)歴史
 が苦手だったから、社会科学系の学問は向いていない」というのも短絡的だということはわかりますね。
 人文科学と社会科学
   いわゆる文系の二大「学問領域」です。大雑把な区分としては以下の通り。
 ・人文科学:文学・語学・歴史学・地理学・哲学・宗教学・心理学
 ・社会科学:法学・政治学・経済学・経営学・社会学                  ※これらはあくまでも大雑把な区分です。
   明確な線引きは難しいのですが、「人文科学」は、個人・個性・独自性をターゲットとしており、「社会科学」は社会・法則性・
 普遍性をターゲットとしていると言えます。社会科学は社会現象の法則性を扱うので、データの分析が必要なことが多いです。
 例えば、需要と供給の法則といった経済理論や、政党支持率が選挙結果に与える影響といったものなどです。分析力を求め
 るため、入試でも「地歴・公民」のかわりに「数学」が選択できる大学が、人文科学系よりも多い印象があります。
   とはいえ、境界線はあいまいです。例えば歴史学で「ある人物がどのような人であったのか」というテーマだと人文系、「そ
 の出来事が社会にどのような影響を与えたのか」となると社会科学系のテーマになります。また、経営学でも、企業間の競争
 ついて扱えば社会科学系ですが、企業のトップがどのような経営方針を持っているか、というテーマであれば人文系と言えま
 す。また、地理学や心理学などは、もはや理系とされることもあります。例えば東京都立大学都市環境学部地理環境学科は、
 「地理学」を学べる大学ですが、入試科目は理系です。また、東京海洋大学海洋生命科学部海洋政策学科も、内容的には人
 文地理的な学科だと思うのですが、文系から受験するなら、2次試験は数学のみ(理科も選択できるけど基礎なし)です。
   それから、「社会学」「政治学」あたりは、「経済学部」「法学部」で開講しにくいため、「人文学部」などに組み込まれている
 大学もあります(静大など)。単に学部名だけでなく、専攻内容まで目配りすると大学選びも深まりますね。
 学校の先生になりたい人の大学選び(主に社会や理科など。詳しくは教科の先生に相談しましょう)
 ちょっと上記とはずれますが、学校の先生になりたい(なってもいいかな)という人向けの話です。
 ・小学校・中学校の先生になりたい:旧帝大以外の地方国公立大学の教育学部がベスト。
   首都圏に行きたいなら、東京学芸大・横浜国立大・千葉大、地元が良ければ静岡大、滑り止めは地元の私大というのが王
 道です。少し視野を広げてみましょう。首都圏の私大もいいと思いますが、おすすめはその他の地方の国公立大教育学部です。
   理由を挙げます。授業料・生活費が安いのはもちろんですが、おすすめポイントとしては、地方国公立大はそれぞれの地元
 の教育の拠点であるの以上、充実した教育を受けられるということが大きいです(このあたりは工学部なども同じ)。さらに、
 「教員免許はどこでとっても同じ」であり、教員採用試験のような公務員試験は完全実力勝負ですので、都会・地方の有
 利不利は全くありません。大学の4年間、地元と違う世界に住む、という経験は、むしろ教員になってから役立つこともあります。
 ・高校の先生になりたい:旧帝大地方国立大学の専門分野の学科がおすすめ。(ただし、中学校の免許は少し大変)
   例えば、高校の日本史の先生になりたいのであれば、教育学部の社会科よりも、教員免許取得可能な文学部史学科をお
 すすめします。大学によっては、授業を余計にとらなければいけなかったり、教育実習のために余計に時間をとる必要があった
 りと大変ですが、専門的な勉強をしておくと、進学校では少し深い授業ができたり、そうでなくても、生徒の興味を引く話題が
 できたりします。もちろん、教育学部だと教育理論が学べたり、教採対策があったりしますが、自分が好きで研究したものがあ
 る、というのは一つの強みになるかと思います。これは、特に社会科系・理科系の教員を目指す人におすすめです。