校長挨拶


令和5年度がいよいよスタートしました

愛知県立一宮商業高等学校 校長 朝日 真二

一宮商業高等学校は、昭和十三年(1938年)創立、今年83年目を迎えた県内有数の伝統校です。卒業生は二万三千人を超え、地域の皆様から「一商」の名で永く愛され、親しまれてきました。校訓は「至誠一貫・質実和楽・感謝報恩」の三対(つい)の言葉で表されています。入学式では、新入生に対して校訓について次のように話をしました。「至誠一貫」とは、一つの方針や態度で、最後まで誠意を貫くことです。そのような真心を、常に持って生きていく社会人になってください。「質実和楽」とは、飾らず真面目、質素で誠実、和やかな心を持っていることです。優しい笑顔、思いやりのある話し方ができる大人になってください。「感謝報恩」とは、毎日の生活の中で受けている、多くの恩恵を感じとり、社会のために貢献することです。受けた恩を感じることができたら、他の人に、その恩を送ることのできる人になってください。
始業式では、卒業後の進路1について「今一度真剣に考え、目標を明確にして欲しい」と話しました。WBCでも活躍し、日米だけでなく世界中の野球ファンが注目する大谷翔平選手は、花巻東高校1年生の時に、2年後のドラフト会議で8球団の指名を受けることを目標にしていました。高校3年生の時に作成した「人生設計ノート」には「27歳 WBC日本代表MVP」と書かれていました。1歳違いですがなんと達成しました。「彼は特別な人だから」と考えている人もいるでしょう。私もその1人です。彼は唯一無二の特別な存在だと思います。しかし、彼が高校1年生の時に2年後の目標を記した「マンダラチャート」には、目標達成に必要だと考える8項目に技術や体力などとは別に「人間性」と「運」の項目が含まれています。そしてそれを身に付けるための具体的な行動と考えが挙げられています。「人生設計ノート」には「人生が夢をつくるんじゃない。夢が人生をつくる。」と書かれています。大谷選手がこれだけの成績を残せているのも計画を立てて着実に実行してきたからだと感じずにはいられません。特に3年生には、「いよいよ覚悟を決める時です。進学することでそのことを先送りにしている人はいませんか?進学を目指す人も将来の目標を明確にし、その実現に向けて歩を進めてください。」と伝えました。

さて、新学習指導要領が実施され2年目となりました。本校が展開していく地域創生ビジネスの学びは、次の5領域です。
「観光(heritage tourism)ビジネス」
「スポーツ(sport)ビジネス」
「街づくり(city renovation)ビジネス」
「食(food)ビジネス」
「地場産業(local industry)ビジネス」
一宮市を中心としたこの地域が、持続的に発展していくカギとなるこの5領域の学びを一宮商業において展開していきます。生きたビジネス教育を系統的に実践していくことで、コミュニケーション力、マネジメント力、マーケティング力を備えた人材、時代が求める地域創生ビジネスの専門家育成を目指します。失敗を恐れず、この学びに積極的に参加してください。
いよいよ令和5年度がスタートしました。新しい制服をまとった1年生が一宮商業に新しい風を吹き込んでいます。学校は活気に満ちています。今年の一商祭は、生徒も保護者も地域の方も満足していただける学校行事となるように昨年度から計画を進めています。期待してください。「挑戦する生徒を育てる!」一商は、今年も大きく変わります。