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                                                                                  2023/03/10
   別紙2
                                                                   あいちラーニング推進委員会
 
                      令和4年度あいちラーニング推進事業研究協議会議事録
 
 1 日時
    令和5年1月 24 日(火)午後3時 30 分
 
 2 場所
    会議室
 
 3 参加者(敬称略)
    杉浦(校長1)、藤本、小嶌、梅村、内田、長谷川、安藤、小谷、寺田、飛田、沖土居、柴田、村井
 
 4 研究授業実施者より授業内容と狙いについて
   (1) 藤本(1年生 体育)
       ・視覚的に自分のフォームを見て欲しい、教員との差を感じて欲しいと考えた。
       ・主体的に学習に取り組む態度の評価にあたり、意識すべきポイントと自分自身にどれだけ差異
       があり何を意識したら上達するかを考えることができているかを評価した。
 
   (2) 小嶌(1年生 歴史総合)
       ・根拠をもって発言をできる生徒を育てたい。
       ・地理総合と合わせていままで習ってきたことを活用する力を伸ばしたい。
       ・いままで Teams で意見共有していたが、今回ロイロノートを使ってみた。
       ・このクラスでのロイロノートの使用が2回目で不慣れなところもあった。
       ・起動時等にタブレットの不調などがあり時間がとられる場合が多い。
       ・日本の地理的特徴をとらえて仮説をたてる力を付けたいと考えた。
       ・植民地についての考察が不十分で、根拠についての仮説がたてられず、振り返りまで進めず。
 
   (3) 梅村(1年生 物理基礎)
       ・ICTによる主体的に学習に取り組む態度の評価方法を実施した。ICTを使わないとできな
       いことか使うことで便利になることかを考えて、Forms を使うことにした。
       ・普段の授業でも対話的な活動を意識して、毎回の授業で話し合いの場面を設けている。
       ・現象の本質を理解させたい、日常生活と関連付けて考えられるようにしたい。
 
   (4) 内田(2年生 書道I)
       ・消極的なクラスであるが、ICTを使うことで活発になると感じた。
       ・オンライン授業も含めて実施した。
       ・表現分野での学びが鑑賞分野に活かしていけないか、主体性の評価につなげたいと考えた。
       ・普段から Teams をスマホで使わせており、普段通りの使わせ方をした。手書きを重視する科目
       なのでICTに頼りすぎないように、ICTにしかできないことにしぼって活用している。書道
       ならではの使い方をしていきたい。お互いの意見の共有などに利用している。
       ・生徒がやっただけになってしまっているのが反省点。
       ・主体性をはかることができているのか疑問が残る。
 5 参観者より感想等
   (1) 藤本(1年生 体育)
       ・生徒が自分のフォームを見て確認できる、ワークシートが項目立てされている、1班に2台以
       上のタブレットがあるのが良い。今後、自分のタブレットに保存できるようになれば自分自身で
       比較できるようになる。(小谷)
       ・動画をとって自分のフォームを見る点は部活でも取り入れられる。生徒もどこに着目すべきか
       分かりやすい。動画であれば一時停止などの活用もできる。(飛田)
       ・体育の評価は、できるできない・積極的かどうかに引っ張られやすい。自分のフォームを見る
       ことでスキルアップはもちろん自分自身の気付きにつながった、どうしたらいいか考えることに
       つながる。一方で、活動時間を確保することが大事、使う時期やタイミングを考えていく必要が
       ある。(沖土居)
       ・客観視の難しさがあると感じた。一時間の中ですべての観点で評価しているか。(柴田)
 
   (2) 小嶌(1年生 歴史総合)
       ・なぜ日本が植民地にならなかったのかというテーマは非常に難しい、答えがひとつでない。調
       べてまとめて考えさせる点が興味深い。タブレットとスマホを活用しており、ロイロで生徒も入
       力でき今後いろいろなことができるようになると感じた。(安藤)
       ・ロイロを使うことで、資料を先生のタイミングで見せることができ、先生のタイミングで意見
       の共有もできる。根拠を検索するのにスマホを使わせるのも良かった。(小谷)
       ・ロイロを生徒がスムーズに使っていた。カメラで撮っていたが生徒が入力してはどうか?(寺
       田)→教員が見やすい方法を今回は採用した。慣れてこれば入力でも良い。(小嶌)
       ・生徒が話し合って考えているのが楽しそう、答えがひとつでないのが良い。(飛田)
       ・ロイロの使い方を勉強できた、紙を残しておくことの必要性もありそう。(渡部)
 
   (3) 梅村(1年生 物理基礎)
       ・生徒がスムーズに考えることができていた。グーグルフォームで自己評価したが、アンケート
       の結果をどのように活用していくのか。(寺田)
       ・スロー再生の動画を見ることで生徒がイメージできていた。(飛田)
       ・実験道具よりスロー動画より分かりやすくなるが、後ろの方が見にくそうだった。(渡部)
 
   (4) 内田(2年生 書道I)
       ・いろんな作品を見ながら順に言葉の意味を説明することで、表現するための技術が順について
       いった。(長谷川)
       ・他の生徒の意見に共感できる点がよい。(渡部)
       ・文房具のようにICTを使える環境をつくっていきたい。(柴田)
 
 6 その他協議内容
    ・40 人同時に接続するとつながりにくい、ネットワーク環境は大丈夫か、今後の課題。(渡部)
    ・タブレットで検索すると時間がかかる、スマホの方がはやい、今後の課題。(小嶌)
 
 7 校長2先生より
    ・評価場面は基本的に1時間で1回とするとよい。総括的評価(記録に残す、1時間に1回)と形
    成的評価(観察しながら生徒の様子を見て教え直す)を区別するとよい。
    ・主体的に学習に取り組む態度の評価にICTを取り入れる研究を行ってきた。学力の3要素のう
    ちの学びに向かう力・人間性について、自分を客観視して変えるべき点に気付かせることが今回の
    各授業でみられた。他者や他の国、上手い生徒と比較させることで差異や共通点に気付かせ、学び
    に向かうための視点を生徒に与えることが大切だと感じた。
 8 主管校(春日井南高校)からの御助言と回答
   (1) 小嶌(1年生 歴史総合)
     ・タブレットを活用しないといけない機能(ロイロノート)があるため、タブレットとスマホの区
     別化が図れていた(本校ではタブレットとスマホでの区別化ができておらず、スマホを利用するこ
     とがほとんどのため)。
     ・歴史的事象を地理的視点からアプローチするのはおもしろいと感じた。
     ・「島国っていうのはなし」と言われていたが、あえて何も言わず「島国だから」という答えを多
     数の生徒に出させて、地理的要因に答えを求めている生徒がいることを確認してから、地理的要因
     についてより掘り下げていくといいのでは、と感じた。
     ・仮説を各自2つ考えていたが、1つで良かったのでは。
     ・考察させ、それをロイロノートを使って全体で共有するのであれば、グループになる目的は何か
     あったのか(普段からグループになっている?)。
     ・なぜこの分野で探究学習を実施しようとしたのか。
       ⇒⇒【回答】現在学習している範囲と関連している点。日本に関連している事柄のほうが、本校
       の生徒はより取り組みやすいとの点から実施しました。
     ・探究学習の今後の展開について、今後の学習で生徒がどのような活動をしていくのか、さらにど
     う評価するのか知りたい(教員としてはどのような活動、評価の仕方を想定しているのか)
       ⇒⇒【回答】次回が実践編で問いをたてるところから自分たちで進めます。問い→仮説→根拠→
       分析・構想をし、ロイロや Teams に投稿させ、全体共有をします(今回の授業ではロイロの利点
       を生かし、全体共有がよりしやすくなることを目的とし、ロイロを使用しました。結果としては
       タブレットの不調等により自己評価以降は今回の授業内では実施できませんでしたが)。それを
       踏まえ、自己評価とグループ内で他己評価をし、今回の活動をふりかえりさせました。評価は、
       全体で共有した他の生徒の探究を見て、また他己評価を受けて、自身の探究を自身でふりかえり、
       次回にどうつなげていくかなどをふりかえりシートを見て評価します。
     ・(地理総合との横断的な学習のため)地理的要因に焦点を当てていたが、それ以外にも地理的要
     因に焦点を当てた理由はあるのか。
       ⇒⇒【回答】次の実践編で地理的要因をいれて探究学習することも期待していました。
     ・他の要因に対しての探究はする予定なのか(授業ですでに扱った?)。
       ⇒⇒【回答】実践編にて生徒自身で設定をさせます。
   (2) 梅村(1年生 物理基礎)
     ・実験前に結果を想像させて実物を見せることはとても有効だと思います。また今回のように動き
     が速いものは、映像でスロー再生にすることで生徒には的確に内容が伝わったと思います。
     ・黒板にグラフの実線を映像で写し、グラフを作成する方法はとても分かりやすかったです。自分
     自身は専門が生物ですが、グラフを書く機会が多く、正確にある程度書かないと伝わらないことも
     多く、今後の授業で取り入れたいと思いました。
     ・Forms を使い、授業の最後に理解度を把握するのは非常に素晴らしと思います。毎回の授業のど
     こでつまずいた把握しておけば、次の授業につながるし、誰一人残すことなく、授業を進めていく
     ことができる。
     ・生徒自身に実験をさせる場面があるとより良いと思います。科目の特性上なかなかむずかしいと
     思いますが。
     ・生徒は全体的に受け身ではなく積極的に授業に参加していた。主体的・対話的な授業が感じられ
     ます。今後の自分自身の授業に生かしていきたいです。
       ⇒⇒【回答】普段から対話的で一方的な授業にならないよう意識した授業展開を心掛けています。
       波動の分野では特に、映像を用いて授業を展開しているので今後ともICTを活用していけたら
       と思います。
         授業の振り返りを forms で行い、自己評価を「主体的に学習に取り組む態度」にどう反映させ
       るかを意識した。ルーブリックに基づく評価と実際に授業の内容に関する質問を設け、その内容
       と自己評価の乖離が小さければ、「主体的に学習に取り組む態度」に取り入れられないかという
       目的で行った。生徒の理解度と自己評価が過大評価・過小評価になっている生徒は見られなかっ
       た。しかし、周囲との話し合いで良い疑問点を挙げるなど、積極的に授業に取り組む様子が見ら
     れた生徒が、forms の質問に対する記述ができていない生徒が一部見られた。やはり、「主体的
     に学習に取り組む態度」を評価するにあたり、自分の考えや経験を文章で表現する力は必要であ
     ると改めて感じました。
 (3) 内田(2年生 書道I)
   ・画像を見せ、拡大や焦点化しながら、説明していた点はわかりやすかった。
   ・「崩壊」の説明時に、授業者が一方的に解説してしまっているのが気になりました。私なら、I
   CTを活用し、生徒から「答」を出させながら、また、生徒同士でやりとりさせながら、展開した
   らどうかと思いました。文字が読めるかどうかについてもとりあげられていたと思いますが、私な
   ら上田桑鳩の「品」(作品名は確か「愛」)を例として提示し、生徒からの「答」を引き出してい
   きたいと考えます。
   ・また、本時のゴールが「鑑賞文」になっているようなのも気になりました。また、「宿題」前提
   の授業展開もいかがでしょう。
     原則は授業時間内に完結するよう計画すべきではないでしょうか?
     あくまでも「書道」の授業であれば、「作文」に主眼が置かれるのではなく、「鑑賞」がポイン
   トになるかと思います。
     毎時間、主体的・対話的で深い学びを実践するのは難しいですが、公開授業であるのなら、その
   視点を踏まえて授業実線すべきだと思います。
     生徒はほとんど発言することもなく、ただ座って先生の説明を聞いている 40 分間だったかと思
   います(いわゆる従来型の、教師が教えるだけの授業)。
     授業者は生徒に対して、いかにやる気にさせるか、いかに活動させるか、いかに個を大切にしな
   がら、他と協働させるか、を念頭に授業を組み立てていくかが肝かと思います。
     授業者がゴールをしっかり見据えて、そのゴールから逆算する形で授業を組み立てていくことが
   大切だと思います(教師はファシリテーターとして)。
     先生は先生のお考えがあるかもしれませんが、動画のみを視聴した私が思ったことを書かせてい
   ただきました。失礼や誤解があればお許しください。
     (参観者用のプリントの)チェック項目にもなかなかチェックをつけることが本時の授業におい
   ては難しいと感じました。今後はチェック項目を意識した授業を展開されるとよいと思います。
     ⇒⇒【回答】手島右卿の「崩壊」について、書に携わる者として思わず語ってしまいましたが、
     書美の要素について考える今回の授業の趣旨からすれば触れるべきではなかったと反省してお
     ります。また、ご指摘いただきました現近代作家の作品鑑賞については、10 年ほど前に愛知県書
     写書道教育研究会にて研究発表させていただいたことがあります。当時はワークシートを使った
     グループ活動によって実践しましたが、今は一人一台の情報端末でも可能だと思います。
       授業のゴールが鑑賞文となってしまっている点については、文章量が多すぎたことが原因であ
     ろうと反省しております。表現と鑑賞の一体化を目指す学習指導要領の趣旨に沿って、書美の要
     素を分析することが今回の授業の第一義ですので、今後は文章作成に力点がいかないように規定
     字数を半分程度にして取り組ませたいと思います。
       宿題前提の授業のあり方についてご指摘いただきましたが、Microsoft teams の活用により、
     自宅での活動が可能となりました。私としてはこれが最も大きな授業変革だと感じています。生
     徒が苦しくならないように他教科との自宅学習時間バランスは考慮しつつも、授業時間内での完
     結を目指さず、自宅でじっくりと時間をかけて他者の意見に触れ、取り組むことも大切だと思っ
     ています。
       今回の授業は敢えて生徒に発言させることを避けました。教室という空間で答えを引き出すの
     ではなく、Microsoft teams 内で他者の意見を知り、自分の意見を深められないかとの考えから
     です。
       私自身、ワークシートや発言・対話で実施可能であったことをそのままICTに置き換えるこ
     とには授業者として意義を感じることができません。ICTに不慣れなためか、ICTを使うこ
     とで授業のテンポも悪く、生徒の活動も煩雑な割に希薄なものになってしまっています。一人一
     台端末ならではの利点を考え、教室内での協働をベースとした従来型の授業の中にICTを効果
     的に取り入れられる方法を模索していきたいと思います。