西成高校
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No.1201
府立西成高等学校
校長 山田 勝治
平成 31 年度 学校経営計画及び学校評価
1 めざす学校像
「学びと支援の新たな結合による第三の教育」推進
エンパワーメントスクールと知的障がい自立支援コースの融合
○生徒の希望と誇りを育むチカラのある学校
○第 1 のタイプ「学び直し」と第 2 のタイプ「個別の支援」のどちらをも基礎とする新しいタイプの教育を推進する。
○そのことにより大阪の地域社会を支え地域社会に参画する原動力となる市民を育成する。
○中途退学を3%以内にする。
2 中期的目標
平成
本校の学校教育総体が学習指導面、生徒支援面あらゆる点で、2030 年をゴールとする国連で確認された SDGs(持続可能な開発計画のゴー
ル)を目指す取り組みである。平成 29 年度からの 2 年の改革を定着させることを目標とすると同時に、新たに設定した西成高校ロードマップに
沿って、「地域との協働の取組みの創出」に注力する。特に、
「若者を暮らしと仕事につなぐシチズンシップ研究」開発を通じてエンパワメントス
クールとして成熟することをめざす
1. 学習力をエンパワーする
学習力向上 PT を中心に教科横断型の研修グループを形成し、全国の先進的な取組みに学ぶ研修を積極的に行う。また、西成区を中心に近隣の義務制
学校に指導と支援の方法を学ぶ。
○ 特に、授業で生徒を動機付けること。
○ 授業力向上という視点から生徒の「学習力」向上の視点に切り替える。
○ 多面的な評価方法の開発で生徒の学習意欲を伸ばす。
○ 生徒の学習力を伸ばすため、ICT による教育活動の「ハードル」を下げる
○ プチスタディーコーナーを設け自学や質問などの学びのスペースを教室外にも設ける。
【評価指標】
1学習到達度を測る教育産業のテストの活用による実態把握(平成 30 年度につづき実施することで個人の学習成果の伸びを把握)
2学校教育自己診断における「工夫された授業」「わかりやすい授業」への肯定感 (平成 30 年度を維持する)
3生徒授業アンケートでの授業に対する肯定感(全体平均値の向上)
2. キャリア教育でエンパワーする
○ 挫折や失敗からリカバーするチカラを育成する。
○ アルバイトを導入とした動機付けから、2 年次のインターンシップを通して、段階的・実践的な職業教育を実施する。
○ 社会人基礎力の養成を行う。(1 年次からの人間関係作りなどを含めた)
【評価指標】
1学校教育自己診断アンケート(生徒)における「成長実感」
2
進路
1
指導に対する自己診断アンケートでの満足度 75%維持
3地元への就職定着を促進しながら、就職内定 100%を維持する。
3. シチズンシップ教育でエンパワーする
○部落差別や野宿問題に起因する(西成差別)排除・子どもの貧困に象徴される貧困状態による差別・多様性(多文化・LGBT など)
による排社会的な排除さらに障がいのある生徒への排除など社会的課題につながる当事者が多数在籍している。そうした教室内にいる仲間の理解を通
して世界を把握することができるよう取組みを進める。
○18 歳選挙権(政治的教養を高める教育)を通じて、市民としての権利と責任を身に付ける。
※ 4「地域まるごと」エンパワーをめざし「地域課題を解決する」新科目「地域課題研究」を新たなエンパワメント TIME 科目として開発、実施する。
【評価指標】
1学校教育自己診断における人権教育等への肯定感
2学校行事など生徒会活動への肯定感
4. 「地域まるごと」エンパワーする
○ 「産業社会と人間」「エンパワーTIME」「総合的な学習の時間=チャレンジ」の発表会を実施する。
○ 地域防災の取組みを地元自治体とともに小中高の連携で行う。
【評価指標】
1エンパワーメント学習発表会実施時におけるアンケート(満足度)
2学校運営協議会での評価
※ 「地域との協働による高等学校改革推進事業」(文部科学省)にエントリーし、「地域課題の解決」(子どもの貧困、福祉と教育の連携、活力ある西
成区、地域防災など)をめざす「地域魅力型」事業(コミュニティスクールの地域学校協働本部のような取組み)を実施する。
5. 運営改善で教員力もエンパワーする
○ 「チーム学校」の取り組み、先駆的に行ってきた西成高校として、「チーム西成高校」(SC,CC,SSW、カフェ事業、学校運営協議会)の積極的
運営を行う。
○ 分掌体制の改編を実施したのでその運用スタイルを構築する。
○ 「教職員連続学習講座」を引き続き実施し、幅広い教育者としてのセンスと教養を涵養する。
【評価指標】
1学校教育自己診断(教職員用)による評価
No.1201
府立西成高等学校
【学校教育自己診断の結果と分析・学校運営協議会からの意見】
学校教育自己診断の結果と分析[令和2年1月実施分] 学校運営協議会からの意見
学校教育自己診断結果 1 第 1 回(令和元年 7 月 13 日土曜日)@西成高校
【生徒編】 昨年より準備してきた西成高校ロードマップが多方面から高い評価を受けていることは、
1エンパワメント・スクールにきてよかった これを軸に「西成高校」ブランドを上げるチャンスである。生徒にもその内容を共有でき
肯定回答 1年 87.3% 2 年 89.1% 3年 88.2% るようにしてほしい。また、学校の学習方針はありがたい。
「学習成績」以外の特性を生か
2学校行事はみんなが楽しめるように工夫されている せる評価基準が欲しいなどの意見が出された。
肯定的回答 1年 81.8% 2 年 66.7% 3年 75.1%
3授業はわかりやすい 2 第 2 回(令和元年 10 月 19 日土曜日)@西成高校
肯定的回答 1年 89.7% 2 年 73.5% 3年 85.5% アドミッションポリシーを変更したことについて了解を得た。また、令和 2 年度予定の「府
4教え方を工夫している先生多い 立学校
進路
2
保障機能充実」事業についての報告を行った。
肯定的回答 1年 85.5% 2 年 75.5% 3年 84.8% さらに、
「働き方改革」現場チームの取組みを報告し、春夏期の平均超過勤務時間は月平均
5学習の評価についての納得感 で約 40%縮減し、平均 36.4 時間となった。
肯定的評価 1年 87.2% 2 年 77.5% 3年 82.7%
6「産業社会と人間」
・「チャレンジ」は
進路
3
に役立つ 3 第 3 回(令和 2 年 2 月 1 日土曜日)@大阪府教育センター会議室
肯定的評価 1年 77.6% 2 年 73.5% 3年 79.9% 今年度の取組みの報告と次年度方針について、協議した。次年度の経営方針として、教職
7悩み事に親身な先生多い 員の働き方の改善や学校文化の継承を考え、大職員室に転換する報告について了承を得た。
肯定的評価 1年 74.0% 2 年 75.5% 3年 77.1% また、自己診断アンケートの結果から、2 年生の自己評価が低いことが話題となり、エン
8「居場所について学校は気にかけてくれている」 パワメントスクールにおける「2 年生ギャップ」の克服についてさらに一層力をかけるこ
肯定的評価 1年 80.0% 2 年 72.8% 3 年 78.5% とが求められた。また、生徒も西成高校に通っていることに「誇り」が芽生え始めている
【教員編】 ように感じる。今の取組みを生徒たちともしっかり共有することが大切だと会議の中で共
1生徒の支援や指導について家庭との密接な連携 通認識が広がった。
肯定的評価 83%
2学年会議や生徒情報に関する円滑な情報共有や課題検討
肯定的評価 80%
3学校の教育活動について、教職員間で円滑な打合せ
肯定的評価 76%
4教職員間で授業方法や学習到達
状況
1
について話し合う
肯定的評価 58%
5校長や運営委員会は必要な情報を収集し、教職員・保護者・生徒に周知
している
肯定的評価 85%
6学校経営に校長のリーダーシップが発揮されている
肯定的評価 94%
【分析】
○ 学校満足度(生徒)については、昨年度大幅上昇し、今年度について
もその状態を維持できている。
○ 教員への2345において、情報共有や話し合いの在り方について課
題があることが分かる。次年度検討改善を実施。
3 本年度の取組内容及び自己評価
中期的
目標 今年度の重点目標 具体的な取組計画・内容 評価指標 自己評価
1 第1学年のモジュール授業におけ ■生徒授業アンケートによる評価や学 1 授業アンケートの結果
1.学習力をエンパワーする る習熟度クラス展開による授業の改 校教育自己診断での評価(工夫され 前年度全平均 3.2→今年度
善 た授業の展開やわかりやすい授業) 3.4 授業の工夫度は 2 年生を
「2 年生ギャップ」に
2 第1学年から学習習慣の定着をめ の肯定感 除き前年度より向上。→[○]
対する学びの改善
ざす (学校教育自己診断 H30 ) 2→▽
※ 定期考査直前などに、学習相談 工夫している先生が多い(肯定意見) *【2 年ギャップ】中学校内容の
カフェの実施 3 年 80.9%、2 年 77.9%、1 年 76.0% 復習と高等学校必履修のギャッ
プが相変わらず続いている。
評価に対する説明や納得はおよ
そ 80%の肯定感が得られてい
る。
3 生徒の学力をキーとなるコンピテ 3 評価方法についての報告(学期ごと 3 ゴールフリー評価(オープン
ンシーを軸にとらえなおし、「得点」 の成績会議を通じて) エンド評価)を活用した評価
「平常点」以外の多面的な評価をお 改善を実施し、生徒の学びを
こなうよう研究する(そのことによ 進化させたい。 → [○]
り、授業を柔らかくするファシリテ
ーションの実践的研究とする)
No.1201
府立西成高等学校
■「授業に対する授業アンケート、学 *ロードマップ実施初年度、見直
2.キャリア教育でエンパワーする
校教育自己診断アンケートの肯定 しや運営の方法を確立した。
○ロードマップによる 感 維持する [○]
計画的なキャリア教 1 地域の課題を解決する「地域課題研 (「産業社会と人間」
「チャレンジ」への肯定感 1 カリキュラムとして実施して
育の推進 究」
(学校設定科目)をエンパワメン 3 年 89.7%、2 年 77.9%、1 年 70.6% いる地域福祉や地域防災を授
トタイムの授業として実施する。 業として改めて位置づけると
○社会人基礎力の育成 ころには至らなかった。→
[△]
2 重点 1 月 29 日次年度インタ
2 インターンシップの充実 ーンシップ説明会と企業学校
見学会を実施約 40 社が参加
[◎]
3 e-ポートフォリオの導入(自らの学 3 実施することを評価する。 3 キャリアパスポートの実施を
習を振り返る習慣をつける) 好機に実施する。[○]
■→およそ 75%で維持。[○]
3.シチズンシップ教育でエンパワ 1 仲間作りを促進し、相互の理解を増 ■ 学校教育自己診断における「悩み事 1 文化祭・体育祭など生徒会行
ーする すことで相互の信頼関係を高める。 や相談事に関する質問項目」について 事で生徒がエンパワされ、生徒
○地域協働の取組みを また教員とも信頼できる「環境」を の肯定感を維持する 会意見箱の取組みを通して、相
進める 作る。 H30 現在約 70%→75%目標 互の信頼を高める取り組みがで
○子ども権利条約にも きた。 →[○]
つづく市民教育をす 2 カフェ事業を引き続き拡充し、生徒 2 「居場所について学校は気にかけて 2 継続的な取り組みで生徒の重
すめる。 支援を重層的に実施する くれている」の肯定感現在の約 要な支援の場となっている。
75%を維持する。 ★「居場所について学校は気
にかけてくれている」
肯定的評価
1年 80.0% 2 年 72.8%
3 年 78.5% →[○]
3 テーマ別人権学習における
3 人権・福祉についてなど社会につい
「笑いと人権」の取組みや西成
て多面的に学び、市民としての権利
と責任を身につける。(特にジェン 学 習における「テレビ朝日ア
メトーーク」事件にとりくんだ。
ダー、ハラスメントなどの問題も取
→[○]
組む)
1 「地域課題研究」の実現(子どもの <カリキュラムの完成と生徒の感想> 1「地域課題研究」については十
4.
「地域まるごと」エンパワーする
貧困、若者と労働、部落差別、野宿、 エンパワ演習、総合的な学習の時 分取り組むことができなかった
○Inner City 西成の地 隔離と迫害など)←産業社会と人 間、産業社会と人間の授業アンケート →[△]
域課題に学ぶ 間、総合的な学習の時間、エンパワ の結果が 3.1 以上をめざす。
演習のカリキュラムを再編する
2 エンパワメント学習発表会を実施 2 1 月 23 日第 1 回エンパワメ
する。 ント学習発表会を実施→向畦
地教育監・上智大学 澤田教
授から良い評価をいただい
た。生徒たちは生き生きと発
表し大いに成果を上げた。
→[◎]
1 各種会議の目的・位置づけを引き続 ■ 必要度が不明で重複した統計調査 14 1人あり当たりの月平均超
5.運営改善で教員力もエンパワー
き明確にするなど運営方法の研究 を極力なくすことが出来るように 勤がおよそ 20H 圧縮され、平
する
や意思相通の方法を開発し、効率的 大阪府教育庁高等学校課、再編整備 均 36H 程度となった。しか
○機動的・機能的な学 な仕事文化を育む 課、支援教育課に問題提起する。 し、授業評価や学校教育自己
校組織の確立 診断での学校満足度は低下し
2 ICT を活用した連絡調整方法の確立 ■ 各教員用に配布したタブレット端末が WIFI に接
ていない。→[◎]×2
続できたので、それを活用して会議のペパーレス
2 次年度から運営委員会のペー
3 校務分掌体制を責任と権限のバラ 化を促進する。また、チームビルドのアプリを活
パーレス化が実現できる見通
ンスの取れたものに再編する 用してチャットやファイルの共有を行うことでコ
し。→[△]
ミュニケーションを促進する方向で進める。
3 一部、提案と責任がアンバラ
4 OMC ラインケア支援チームの支援 ンスな場合が見受けられる
を受けながら、学校プラットフォー ■ 責任と権限については校務分掌マ が、おおむね良好。次年度に
ム化を推進し、チーム学校の取組み ニュアルを作成する。 向けて業務執行幹部職員の意
を推進する。(管理職チーム、コア 識改革を進めったい。
チーム(労安委中心)チーム、現 ■ 業務の継承による業務時間の軽減 ■ 現在の職員室体制を大職員室
場チームを指定し、H31 年 10 月 や経験の継承を通じて、勤務時間の とすることで、業務連携や業
を目途に長時間勤務に関する意識 減少が期待できるので、職員の勤務 務の継承をスムーズにできる
改革のためのアンケート調査、研 場所について、構想する。 ように努める。
修、意見交流を実施) ■ 西成高校ハンドブックを作成
し、西成高校の学校文化の継
承を図る。