令和 4 年 3 学期終業式挨拶
 
 
   コロナのまん延防止措置が解除され、社会ではコロナ感染の第6波が落ち着きを見せ
 てきたような気がしますが、新規感染者数は、一時に比べ大分減ってきたもののいまだ
 毎日数百人が感染しており、まだまだ身近に感染は広がっています。皆さんは感染防止
 対策を緩めることなく対処してください。
   ロシアのウクライナへの侵略戦争で毎日多くの一般の人が亡くなっていく報道は、き
 わめて辛いものがあります。しっかりとした自分の考えを持ってみる必要があります。
 なぜあんなことになるのだろうかと思いませんか。その背景を一度自分で調べてみてく
 ださい。
   また、近代の日本の歴史においても、東アジアなどで同じようなことを行った暗黒の
 時代がありました。だから歴史を学ばなければなりません。肉親を殺されたり住んでい
 るところを奪われたりしたことの恨みやつらさは消えず、教育により何世代にも引き継
 がれていくものです。私は15年ほど前にウエイトリフティングの交流で、強い中国の
 技術を学ぶために中国東北部の長春の体育学校へ行きました。そこはかつて軍国主義だ
 った日本が、かいらい政権をおいて満州国をたてたところです。交流先の中国の先生の
 ご兄様にあたる方は、第2次世界大戦末期に細菌兵器で有名な日本軍の731部隊に殺
 されました。しかし中国の先生は日本語を独学で学ぶなど日本に対して友好的な方でし
 た。しかし地域のいろいろな方と接するときに私や日本に対する風当たりの強さを感じ
 ることがありました。団長の私は、交流の最初にかつての日本が行った暗い歴史を謝り、
 今から新しい交流をしていただきたいと挨拶をすることで、深い交流が始まったのが思
 い出されます。外国と交流するときは相手国の歴史を踏まえることは極めて大切なこと
 です。それゆえ近代の日本の歴史は日本人として知っておかなくてはなりません。
   さて、2月28日に卒業式があり、皆さんの先輩の3年生が、卒業していきました。
 受験が終わっていない卒業生もおり、感染防止のため、ご来賓や在校生の列席を制限し
 ました。申し訳ありませんでした。皆さんの先輩の卒業生は素晴らしい答辞を残し、元
 気に卒業していきました。先輩達は自分の夢の実現のため様々な進路先へ向かいました。
 その中で、神戸大学¹に合格¹したある先輩は、塾に通わず、自分で学習を続けました。学
 校の問題集で十分入試対応していること、それを繰り返し丁寧にやったこと、友達に勉
 強を教えることで理解を深め合格²を手にしたとのことでした。
   以前にも言いましたが、塾に行くことで安心するのでなく、学校や塾の勉強が終わっ
 てからが本当の勉強で、知識を整理したり定着したりする自分一人の勉強時間がとても
 大切です。さあ、次は皆さんが本気でスタートする番です。
   皆さんはあと数日で進級します。まもなく入学する新入生には勉強でも部活動でも、
 様々なことを背中で教える優しい先輩になってください。皆さんのさらなる活躍を期待
 します。