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取得日:2024年03月24日[更新]

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       三高進路 NEWS
                                         三刀屋高校 進路1指導部 2023/10/4              第5号
 
   今回は、入試における「面接と小論文」を特集します。近年、入試で面接や小論文を課す学校が増加し
 ています。総合型選抜や学校推薦型選抜はもちろん、学部や学科によっては一般入試でも面接や小論文を
 課し、それを通して受験生の能力や適性を把握し、どれだけの意欲があるかを見極めようとしています。
   自らの能力や適性、意欲を効果的にアピールするためにも、まずはそれぞれの試験のポイントをしっか
 りと理解して、準備を進めていきましょう。
 
 
 1 面接試験について
   面接では、その企業(就職)や学部・学科(進学)への意欲や、学力試験では計れない能力・適性な
 どを見られます。将来の夢や進学先で学びたい事が、自分の経験や長所などとどのようにつながってお
 り、それをこれからどのように発展させていきたいのかを深く考え、整理しておくことが必要です。
   昨年度の先輩の「受験報告書」より、実際の面接試験で聞かれた質問をいくつか紹介します。
  ○なぜこの企業・大学・学校を志望しようと考えましたか。   ○この学部・学科で何を学びたいですか。
  ○将来どのような職業につきたい(どの部門でどのような立場で働きたい)と考えていますか。
  ○自分のどのようなところがこの仕事・学問に向いていると思いますか。
  ○高校生活で努力したこと・挫折したこと・成長できたことは何ですか。
  ○この仕事に向いていないと思ったらどうしますか。
  ○クラス(友達の中)ではどのような役割ですか。
  ○意見が対立したときや、まとまらないときにはどのようにしていますか。
  ○あなたが考える理想の職場・理想の地域とはどのようなものですか。
  ○三刀屋高校はどのような学校ですか。総合学科の特徴は何ですか。探究活動では何をしましたか。
  ○島根県の魅力と課題は何だと思いますか。どうすれば島根県がもっとよくなると思いますか。
  ○待ち時間には何を考えていましたか。   ○最後に言っておきたいことはありますか。(自己アピール)
 
 
 2 小論文試験について
 小論文と作文の違い
   作文と小論文の一番大きな違いは、気持ちを伝えるか、意見を伝
 えるか、という点です。小論文では「意見」を伝え、感じ方や考え
 方が異なる「読み手」に、
                       「なるほど!」と納得してもらうことを
 目標とします。そのため、なぜ自分がそう考えたのかという意見の
 根拠を述べる必要があります。
 
 
   例えば、「食品ロス問題を解決するために、どのようなことに取り組むべきか」という課題が出たとし
 ます。次の、AさんとBさんの書いた文章を比較してみてください。
  Aさん     先日、探究学習の一環で、日本の「食品ロス」問題についての話を聞いた。まだ食べられる
           食品が大量に捨てられていることを知り、飢餓に苦しむ発展途上国の子ども達を思い出して胸
           が痛んだ。私の家でもたくさんの食品を捨てているので、今後は気をつけようと思った。
  Bさん     近年、日本では「食品ロス」が大きな問題となっている。食料の買いすぎや売れ残りによっ
           て、まだ食べられる食品が大量にゴミとして捨てられている。今後は、家庭での食品の買い方
           を改めるとともに店側も仕入れや販売方法を見直し、社会全体で食品ロスを減らす努力をして
           いくべきだ。
   Aさんが自分の気持ちや感想を述べることにとどまっているのに対して、Bさんは個人と社会の両方
 の立場から考えた上で、食品ロス問題についての自分の意見をはっきりと述べています。Aさんが書い
 たのは「作文」で、Bさんが書いたのが「小論文」だとわかりますね。
 
 
 小論文のポイント
   小論文とは、「1課題で問われている事柄について、2自分の意見を 3客観的に(不特定多数の他者
 にも納得のいくように) 4論理的に(筋道を立てて) 述べる文章」です。説得力のある文章を書くた
 めには、原稿用紙に書き始める前に、現状の問題点、原因や背景、自分の意見、そう考える理由などを
 メモし、設計図を作る(構成メモを書く)ことが必要不可欠です。
   前出のBさんの文章は「問題解決型(最初に問題点を取り上げ、解決する方向で述べる型)」で書かれ
 ています。Bさんの構成メモを示しますので参考にしてください。
  序論   問題点の提示   まだ食べられる食品が大量にゴミとして捨てられている。
  本論   問題点の考察   家庭   ・・・買いすぎ・作りすぎ→消費しきれず捨てる。
         (原因・背景)   事業者・・・売れ残りや食べ残りの食品→廃棄している。
  結論   解決策の提示   家庭   ・・・食べられる量を計画的に購入して調理する。
                        事業者・・・売れ残りや食べ残しを出さないように工夫する。(仕入れ・販売方法)
                        (まとめ)社会全体で食品ロスを減らす工夫をしていくべきだ。
   ※三段落構成の例です。四段落で構成する場合は、本論を掘り下げて2つに分けてください。
 
 
 3 どのような準備をすればよいか
    面接試験も小論文試験も、それぞれの切り口から、次の3つを見極めようとしています。
  (1) これまでにどのような経験や学びをしてきたか。
  (2) 仕事の内容/学科やコースの学問内容に、適性や興味・関心があるか。
  (3) 社会や社会問題に対して広く関心を持ち、課題の解決に努めようという姿勢があるか。
   先日、この春の卒業生の 1 人(大学1年生)が進路2指導室を訪れ、様々な話を聞かせてくれました。
 その話の中で特に印象的だったのが、「入試の時には、私を是非この大学に合格させてくださいという熱
 い思いを、前のめりでアピールしました。
                                     」「高校時代に○○や○○をしていたので、自信を持って臨め
 ました。」という言葉です。試験当日の自分を支えてくれるのは、高校生活のすべてに粘り強く取り組む
 中で得た経験や学び、そして学び続けることで他者を支え、よりよい地域社会をつくるために活躍でき
 る人物になりたいという向上心です。文章にも受け答えにも、その人の人柄や平素の意識、ものの見方
 が表れます。受験直前の「付け焼き刃」ではなく自分の本物の「強み」で勝負できるように、先を見据
 えながら今の自分がなすべきことをひとつずつ積み重ねていきましょう。