広島県立安芸高等学校 第47回卒業証書授与式 校長式辞
弥生の昔より人の命息づく母なる丘に陽が昇り，人々の生きる営みが今日も始まっています。生徒1たちの学びと育ちを見守り続けたこの丘が， 1年に1度訪れる巣立ちの時を春の風を纏いながら温かく包み込んでくれているようです。そんな気配が感じられるこの佳き日，PTA会長臼井和美様， 広島県議会議員緒方直之様，広島県議会議員柿本忠則様代理杦原真佐美様ほか，数1多くの御来賓・保護者の皆様の御臨席を賜り， 広島県立安芸高等学校第47回卒業証書授与式を挙行できますことを心よりお礼申し上げます。
ただ今，卒業証書を授与いたしました79名の卒業生の皆さん，御卒業おめでとうございます。皆さんの御卒業を心から祝福します。 保護者の皆様，お子様が本日卒業の日を迎えられましたこと心よりお祝い申し上げます。これまで，本校の教育活動の推進に御理解・御協力を賜りましたことに，深く感謝申し上げます。
卒業生の皆さんは，これまでの高校生活で様々な学習活動に取り組みました。多様な科目の中から自分の進路希望や興味・関心に応じて科目を選択し取り組む「授業」， 自分自身の良さを見出し，それを最大限に伸ばす「産業社会と人間」・「課題の探究?・?」，小さなチームだからこそ，自分を輝かせることができる「部活動」， 一人一人が主役となり仲間と共に成長する「安芸高祭・体育大会・総合学科発表会」，体験を通して知らない自分に出会う「進路体験・インターンシップ・研修旅行」， 心と行動をつなぐ「安芸ノートの活用」，夢をモノにするために取り組む「資格・検定取得・各種コンクールへの出品」，知る，変わる， 伸びるをキーワードにすべての学習活動の軸となる「日々の生活」等，それぞれの活動は全て意味を持っており，皆さんはそれらを通して， 大地にしっかり根を張り天に向かって伸び行く大樹となるごとく確実に成長を遂げています。
思えば，入学当初よりオリエンテーションである桜研修の途中で，県内の新型コロナウイルスの感染拡大による臨時休業を余儀なくされたことをかわきりに， 様々な制限のある中で，感染対策の基本を徹底しながらの学校生活でした。その中で，今年度は，最初の始業式で年度を象徴する漢字として，「繋（つながる，つなげる，つなぐ）」を掲げ， 安芸高生全員が繋がり合うこと，同窓生や地域の方々とも繋がり合うような取組を進めることを確認し，スタートしました。六月に三年ぶりに開催された安芸高祭では，行事経験がない中， 皆で協力し，過去から繋げてきた安芸文化を未来に繋げることができました。九月の体育大会では，「やればできる！」を合言葉に，五つのカラー・クラス旗のもと，安芸高生が繋がり合い， 懸命に汗を流すことで一人一人が輝きを放つことができました。十一月のOB講演会では，先輩のお話を通して，その実体験と繋がり，夢に向かって挑戦する勇気とエネルギーをいただきました。 一月の総合学科発表会では，学校運営協議会委員や保護者の皆様が参観される中，総合学科での学びの成果について披露し，未来に繋がる成長の轍を刻むことができました。 そして今日，卒業生の旅立ちを激励するために駆けつけていただいた音楽部OB・OGの皆様の明るく，力強いオーケストラの響きがこれまで先輩から後輩へ脈々と受け継がれ 繋げられてきた安芸高校の確かな歩みと絆を実感させてくれています。音楽部OB・OGの皆様，本当にありがとうございます。
卒業生の皆さんは，これからそれぞれの進路を歩むことになります。これまで安芸高校で育んできた人と人との繋がりの糸， また次のステージでの新たな人々との出会いと繋がりの糸を大切にしてください。そして，その糸を撚り合わせ，自分にしかできない世界でただ一つの「人生」という布をデザインし， 織りなして欲しいと思います。
結びに，卒業生の皆さん一人一人の命がこれからも大切にされるとともに，皆さんの未来に幸多からんことを祈念し，式辞といたします。
令和5年3月1日
広島県立安芸高等学校 校長 枝長芳生
