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取得日:2024年03月22日[更新]

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広島県立安芸高等学校 校長室
広島県立安芸高等学校

第1学期 終業式 式辞

みなさん,おはようございます。

4月当初の入学式・始業式で,生徒の皆さんには,「人を大切にすること」とりわけ最優先に取り組んで欲しいこととして, 「命を大切にすること」についてお話ししました。新型コロナウイルス感染にかかわる非常事態宣言を受け,第1学期は, 始業して間もなくの4月16日から5月31日までの長期間にわたり臨時休業を余儀なくされました。非常事態宣言が解除され, 6月1日から学校が再開されましたが,引き続き新型コロナウイルス感染防止のための「新しい生活様式」を継続しながら学習を進めています。 7月に入り,各地で再び感染者の増加が見られ,予断を許さない状況です。皆さんには,先日もお話ししましたが,「日常のマスクの着用」, 「こまめな手洗い」,「密閉,密集,密接の三密を防ぐ」という感染防止の基本を意識し,徹底してください。また,この7月には, 「令和2年7月豪雨」により,82名の尊い命が失われ,広島県内でも土砂崩れにより2名の方が亡くなられました。 今現在も行方のわからない方もおられます。「命を脅かすできごとは,いつでもどこでも起こりうる」という視点に立って, 自分自身の命を守る・周りの人の命を支えることを意識し,行動してください。また,新型コロナウイルスの感染状況によっては, 再び臨時休業になる可能性もあります。Classiを確実に確認するとともに,いつでもG-Suiteで学習できる体制を取っておいてください。

今年度は,新型コロナウイルスによる臨時休業の影響で,例年より遅い終業式となりましたが,今日で一区切りの節目となります。 この節目を1学期間の振り返り,具体的には,この1学期に自分自身が学んだことで特に印象に残っていることは何か, またそれが自分自身の生き方や成長にどのように繋がっていると考えるかについて整理して欲しいと思います。3年次生の皆さんは, 第2学期に入ると就職・進学試験が本格化します。その際に安芸高校に入学してから2年4カ月あまりの学習と成長, さらには今後それをどう生かすのかについて整理し,面接1試験等で語れるようにしてください。 私自身この4カ月の学びを振り返ると,専門が日本史ということもあり,4月から少しずつではありますが,安芸高校周辺の歴史について 調べています。皆さんのほうがよく知っていると思いますが,安芸高校の敷地内には,畳谷遺跡と呼ばれる弥生時代の終わりから 古墳時代のはじめにかけての住居跡があります。温品では,安芸高校のある場所から人々の生活がはじまったということになります。 弥生時代は,稲作が行われるようになった時代ですが,稲作に適した水辺の平地に住まずに小高い山の上に住居を構えています。 このような集落を高地性集落と呼びますが,川の氾濫から身を守るために山の上に住居を構えたことが予想されます。またこの場所で 貝塚が発掘されていることから,食料として貝を拾える海が今よりずっと近くにあり,その海から敵が船に乗って攻めてくることに対する 防御の意味もあったかもしれません。福木中学校のある馬木は,奈良時代や平安時代に馬を飼っており,牧草地であったという記録が 残っています。当時の外交の拠点である九州の大宰府と都を結ぶ主要道であった山陽道を政府の役人が旅する時に馬を乗り継ぐ駅家(うまや)が 府中町の下岡田遺跡の場所にあったと言われており,そこに馬を供給する目的があったのかなと思います。 このように歴史を調べていくと,古い昔からの痕跡を残しながらも,時代時代に生活してきた人々の営みによって,地域も変化してきたのだなと思います。 これからも,その時代の人々の決断や生活の営みによって地域のありようも変化していきます。そしてそれぞれの地域に生活している皆さんこそが その変化をもたらす主人公です。総合学科の特色あるカリキュラムでの学習を活用し,皆さんに地域の今と未来を切り拓いて欲しい, そんなことを感じたのが,この4か月間,学校周辺の歴史を調べる中での私自身の学びです。

最後に,8月17日の第2学期始業式には,皆さんが元気に登校してきてくれることを願い,式辞とします。