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  福岡大学附属若葉高等学校
 
 
 
 
               新教育ビジョン
                        2018 年 2 月   初 版
                        2019 年 4 月   第2版
                        2020 年 4 月   第3版
                        2021 年 4 月   第4版
                        2022 年 4 月   第5版
                        2023 年 4 月   第6版
 
 はじめに 高大教育接続改革の動きと本校の対応      ……………   1
   1. 若葉高等学校のこれまでの改革の取組み        ……………   1
   2. 若葉高等学校の教育の基軸                    ……………   2
   3. 学校改革の概要                              ……………   3
   4. 改革推進体制                                ……………   6
   5. 教育改革の重点項目                          ……………   6
   6. 教育環境の整備                              ……………   9
 むすび
 
 
                           学校法人 福岡大学
                       福岡大学附属若葉高等学校
              福岡大学附属若葉高等学校 新教育ビジョンの概要
 
 
   2019 年度からの男女共学化にともない新たに生まれ変わった福岡大学附属若葉高等学
 校は、すべての関係者が活気にあふれ、「生徒が行きたくなる学校、保護者が行かせたくな
 る学校」を目指します。
 
 
 男女共学化
     110 余年の女子高校の歴史を越え、2019 年度から男子生徒を受入れ、男女共学校と
     なりました。男女別の人数枠を設けず生徒を募集し、男子生徒の参加によりこれまで以
     上に元気で明るい校風を築きますます。
 
 
 教育の基軸
     共学化にともない、これまでの校訓「強く、正しく、優しく」の表記を「強 正 優」と漢字三
     文字にしました。もちろん、その精神をそのまま引き継いでいます。
     共学化にあわせて、教育理念と基本方針を新たにしました。
     全校共通の教育の柱として高大一貫教育、グローバル教育、全人教育を実践します。
 
 
 教育改革
     従来の 5 コースを高大一貫・スーパー特進・グローバルの 3 コースに再編しました。
     コース再編にともない、カリキュラムおよび教育システムを刷新しました。
     福岡大学との連携をさらに強化し、高大一貫教育の一層の充実を図ります。
     福岡大学の協力のもと、本校の教育力と独自の教育の魅力を一層向上させます。
 
 
 教育環境の整備
      老朽化した施設設備の計画的な更新を行い、新たな教育にふさわしい教育環境の実
      現に取り組みます。
                            福岡大学附属若葉高等学校
                                  新教育ビジョン
                                 ― 飛躍の第二ステージへ ―
 
 
 はじめに   高大教育接続改革の動きと本校の対応
 
 
   予測が困難なこれからの社会において、社会の変化に対応できる人材の育成が強く教育機
 関に求められています。文部科学省は、高等学校教育・大学教育・高大接続(大学入学者選抜)
 の三位一体の改革を行い、学生・生徒の「学力の3要素*」の伸長とその活用力・課題発見解
 決能力などの新しい能力を育成する方針を示しました。
   本校は 2010 年に福岡大学附属若葉高等学校として再出発して以来、福岡大学とともに構築
 した高大一貫教育プログラムを柱に、独自の高校教育に取り組んできました。2017 年 3 月に
 は本校の第一期生が大学を卒業1し、その成果を確認することができました。大学教育に必要
 な基礎学力と学習基盤とを着実に身につけさせる本校の高大一貫教育プログラムの理念は、
 高大接続の視点からまさに先見性をもっていたといえます。この成果をもとに、若葉高校と
 なって 10 年目となる 2019 年度から男女共学を実現し、本校はいよいよ飛躍の第二ステージ
 へと入りました。
   さらに本校は、社会の変化に対応するだけではなく、変化の予測を先取りして教育理念を
 実践し、時代の要請に応える人材の育成に努めます。社会から支持される高校としての確固
 たる地位を確立することを目指し、これからも不断の教育改革を推進していきます。
              * 学力の 3 要素: (1)知識・技能の確実な習得、(2)知識・技能を基にした課題を解決するために必要な
                                 思考力・判断力・表現力、(3)主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度。
 
 
 
 1.若葉高等学校のこれまでの改革の取組み
 
 
 (1) 私学としての改革の前提       ―「教育力の向上」と「経営の安定」―
   これまで大学教育に求められてきた改革と、それにつながる中等教育の現状とを踏まえ、
 学校全体としての「教育力の向上」に努め、果敢に教育改革を推進します。同時に、私学であ
 る本校は「教育力の向上」を図るためにも、また生徒や保護者の皆様にとって安心して学べ
 る学校であり続けるためにも、「経営の安定」を図らなければなりません。
   さらに、昨今大きな問題となっている教職員の過重労働の解消についても積極的に取り組
 み、教職員のワーク・ライフ・バランスの実現を果たしながら「良い教育のためには教職員が元
 気であること」を目標に、生徒・保護者の理解を得ながら働き方改革も推進していきます。
   これらの課題をともに実現するため、組織的・体系的そして継続的に学校改革に取り組ん
 でいきます。110 年を超える前身校からの歴史と伝統を引き継ぎながらも、真に必要なものを
 適切に取捨選択し、新たなものについては躊躇することなく積極的に導入します。
 
 
 
 
                                                 -1-
 (2) 附属若葉高等学校改革推進会議の提言と「新教育ビジョン」
   本校は、2010 年 4 月に学校法人福岡大学と学校法人九州女子高等学校との合併により、福
 岡大学の 2 校目の附属高校として再出発しました。爾来、教職員の熱心な教育活動とともに、
 生徒募集の努力を行ってきましたが、全国的にも女子校への進学を希望する生徒の減少傾向
 がみられ、本校も定員充足率の低迷が続いていました。
   そのため 2016 年 8 月、福岡大学長のもとに教学担当副学長を座長とする附属若葉高等学校
 改革推進会議が設置され、本校の将来について慎重に議論が重ねられてきました。2017 年 4
 月、同会議から学長に提出された提案書には、男女の別なく教育の機会を提供すること(男女
 共学化)、高大一貫教育プログラムの一層の充実を図ること、コース再編を行うこと、学則定
 員を見直すことなどが提案されました。
   この提案に基づく学長からの指示を受け、本校では主体的に学校改革を推進することを決
 定し、2017 年 6 月から管理職による総合マネジメントと7つのアクション・ワーキンググル
 ープにより検討を開始しました。
   校内で検討を重ね作成した本校の学校改革案は 2017 年 12 月 21 日の法人理事会および評議
 員会で承認され、それに基づいてこの「福岡大学附属若葉高等学校     新教育ビジョン」(初版)
 を作成しました。これによって 2019 年度からの男女共学化をはじめとする本校の改革を社会
 に公表し、改革を着実に推進することにしました。
 
 
 (3) 財政の安定
   私学にとって安定的な経営は避けてとおることができない問題であるとともに、生徒・保
 護者が安心して教育を受けることができるためにも取り組むべき課題です。そのために、2021
 年 4 月に附属若葉高等学校財政改革検討特別委員会が設置され、中長期的ロードマップを策
 定し財政改革とその進捗管理を行うことにより、法人全体で経営の安定を図ることにしまし
 た。さらに 2022 年 1 月には附属若葉高等学校財政改革特別委員会を設置し、状況に応じたロ
 ードマップの見直しや進捗管理を継続して行うこととしました。
 
 
 (4)新生・若葉高校のスタート
   本校の学校改革は大きな反響を呼び、男女共学第一期生は想定をはるかに超える志願者を集め、
 2019 年 4 月、815 人の入学者(男女ほぼ同数)を迎え入れました。続く第二期生・第三期生も優秀
 な生徒を着実に迎えることができ、2022 年度入試でも堅調な志願者のもと、想定以上の優秀な生
 徒を迎え入れることができました。また、2022 年 3 月には共学一期生を一定の進路保障のもと無
 事に卒業2させることができ、本校改革の方向の正しさを示すとともに、さらなる学校改革推進の
 原動力となっています。
 
 
 2.若葉高等学校の教育の基軸
 
 
   学校改革を進めるにあたり、本校教育の基軸となる校訓・教育理念・基本方針等を次のと
 おり定めました。
     校    訓
 
 
                                           -2-
       「 強    正    優 」
        九州高等女学校以来の校訓「強く、正しく、優しく」(1927 年制定)は本校教育にお
      ける普遍的な訓えです。男女共学化に際して「強 正 優」の漢字三文字による表記に
      変更しましたが、その精神はそのまま引き継ぎました。
     教育理念
       創造力と発信力を持って社会に貢献できる人の育成
       気高く凛とした人間性豊かな人の育成
       互いを認め合い、自ら考え判断し行動できる人の育成
     基本方針
       常に向上心を持って自ら学び続ける姿勢を育成する
       幅広い教養とコミュニケーション力を高める
       個人の才能を尊重し、文武両道を目指す
       高い規範意識とモラルを身につけた、自律した人を育てる
     教育の柱
       3 コース共通の教育の柱として、高大一貫教育、グローバル教育、全人教育を実践します。
 
 
 3.学校改革の概要
 
 
   学校改革を進めるにあたり、正課の授業も正課外活動(部活動等)も楽しく、生徒も教職員
 も活気にあふれている、
                     「生徒が行きたくなる学校、保護者が行かせたくなる学校」を目指し
 て改革を進めてきました。
 
 
   (1) 女子校から男女共学校へ
   本校は、私立九州高等女学校以来、110 年を超える長い歴史と伝統をもつ「女子教育」に専
 念してきましたが、地域を代表する男女共学の総合大学である福岡大学の附属高校として、
 男女の別なく教育の機会を提供することにしました。若葉高校として再出発して以来の実績
 をもとに、本校の高大一貫教育を男子生徒へも拡張することは、社会の要請に応えるもので
 あり、同時にこれは福岡大学の 2 校目の附属高校として本校の役割と存在意義とを明確にす
 るものでもありました。
   福岡地区の私立高校入学者総数は 2006(平成 18)年度から 2016(平成 28)年度の間は微増し
 ていますが、女子校(8 校)への入学者の割合は 26.1%から 21.4%に減少、一方男女共学校へ
 の入学者の割合は、65.0%から 69.0%へと増加しました。そのため、女子校の間では、大型
 の奨学金制度の導入や学習塾との提携などの施策によって、年々減少する受験生を奪い合う
 状況でした。全国的な共学志向と福岡地区の私立高校の入学状況から、男女共学化は速やか
 に取り組む必要があると判断し、2019 年度から男子生徒の受け入れを開始しました。男女別
 の人数枠を設けずに新入生を募集しています。
   2021 年度には全学年が男女共学となる男女共学完成年度を迎え、正課および正課外活動等
 において十分な実績を示すとともに高い評価を受けました。2022 年 3 月には共学第一期生が
 卒業3し、九州大学をはじめとした難関国公立大学や有名私立大学へ合格する等、多くの生徒
 
 
                                         -3-
 が希望の進路実現を果たすことができました。
   なお、2021 年度末の時点で男女の割合は、男子 46.1%、女子 53.9%となり、女子高からの
 共学化においては全国的にも例がないほど早い段階での均等化を果たしています。
   また、本校は全生徒に対しグローバル教育を積極的に推進するとともに、高大一貫教育に
 より確かな基礎学力と思考力を持つ生徒を福岡大学へ進学させます。
 
  (2) 高大一貫教育プログラムの一層の充実
   若葉高校となって以来、本校は独自の高大一貫教育プログラムを柱に高校教育を実践して
 きました。2017 年 3 月、若葉高校の第一期卒業4生が大学を卒業5しました。福岡大学に進学し
 た第一期生は、他校からの入学者と比較して全く遜色なく学業を修め、希望の進路を実現し
 て社会で活躍しています。すでに第五期生が優秀な成績をもって大学を卒業6していますが、
 これは本校の高大一貫教育の成果として誇ることができるものです。
   しかし、一貫教育の導入からすでに 10 年以上を経て、プログラムの検証・評価の過程で改
 善が必要なものも出てきています。本校が誇る一貫教育プログラムのさらなる充実を図るた
 めにも、福岡大学と本校との連携強化による再構築を検討することが必要です。
 
 
  (3) コースと教育システムの改革
   従来の本校のコース編成は、特別進学・福大・国際・進学・進学体育の 5 コース制でした
 が、男女共学化とともに 2019 年度入学生から「高大一貫コース」
                                                           「スーパー特進コース」
                                                                               「グ
 ローバルコース」の3コース制に改編し、教育システムも刷新しました。
   再編成によって誕生した 3 つのコースは、既存の福大コース・特別進学コース・国際コー
 スの多くの蓄積を引継いだものでもありますが、それぞれのカリキュラムや教育システムは、
 これまでとは異なる新たな科目や取組みを行っています。それらの一部を示せば以下のとお
 りです。
 
 
   1) 高大一貫コース
     高大一貫教育プログラムを核として、福岡大学および国公立大学や私立大学への現役合
   格を目指すコースです。高大一貫教育プログラムを柱に、大学教育に必要な幅広い視野と
   豊かな教養を習得させ、大学教育への円滑な移行を図ります。拡大した附属推薦制度によ
   り福岡大学に進学できますが、自力で福岡大学以外の大学にも進学できる学力の定着もサ
   ポートします。
    1 福岡大学の各学部や企業と連携したキャリア教育を実施する。
    2 英語教育の充実により、生きた英語の習得や英語検定取得を実現する。
    3 附属推薦(専願)内定者は、福岡大学と連携した独自の入学前教育を行う。
    4 アドバンスト・プレイスメントによる大学科目の単位認定を可能にする。
 
 
   2) スーパー特進コース
     難関国公立大学への現役合格を目指す生徒に、従来からの「学力」だけではなく、思考
   力や問題解決能力を身につけさせ、変わりゆく大学入試にも対応できるコースです。
    1 福岡大学医学部医学科・薬学部と連携したキャリア教育を実施する(医師・薬剤師体
 
 
                                         -4-
     験など)。
  2 福岡大学各学部や企業と連携した教育を実施する。
  3 大学や企業における最先端研究の見学や体験を実施する。
  4 予備校と連携した受験指導を実施する。
  5 毎年継続して九州大学をはじめとした難関国公立大学や有名私立大学の合格者を輩
     出する。そのために特に優れた学力を持つ生徒には学業奨学金を支給し学力の伸長
     をサポートする。
 
 
 3) グローバルコース
   自国の文化を理解し、世界で活躍できる人材を育成するコースです。確かな学力の上に、
 自ら応用・活用できる英語運用能力や海外経験・知識・思考力を身につけ、Super Global
 University レベルの国内大学や海外の大学への進学を目指します。同時に全校共通の教育
 の柱の一つであるグローバル教育を全校で展開するための牽引役として、各種の先駆的試
 みを導入・実践します。
  1 福岡大学各学部および国際センター、公的機関、民間企業と連携した教育を実施する。
  2 英語は基礎から4技能を伸ばす教育を行う。
  3 海外への短期・長期の研修や留学(必須)
                                       、福岡大学や先進的な国際教育を行う国内大
     学での研修、英語合宿等を行う。
  4 全員が英検2級以上の取得できるための教育を行う。
 
 
 4) 各コース共通の取り組み
   3 コースはいずれも文部科学省が唱える「学力の3要素」の伸長とその活用力・課題発
 見解決能力などの新しい能力の育成を目標とします。
   全コース共通の教育の柱として、高大一貫教育、グローバル教育、全人教育を実践し、
 「主体的な学び」
               「対話的な学び」
                             「深い学び」をとおして基礎学力を定着させ、常に自主
 的に学ぶ学習基盤を形成します。3年間をとおして、英語および英語による教育、英語以
 外の外国語教育、異文化コミュニケーション教育、グローバル講演会、海外研修・留学な
 ど時代の要請に適う多彩なプログラムを設け、福岡大学での講義の受講機会も増やします。
   さらに、正課の授業にとどまることなく、部活動・生徒会活動・ボランティア活動等、
 幅広い正課外活動への積極的参加を推奨します。
  1 「若葉フォリオ」をさらに充実し、学習および生活指導を強化する。
  2 福岡大学からの出張授業・模擬講義、および福岡大学での講義体験の機会を増やす。
  3 小論文講座・課題研究を実施する。1年生は、文章読解や文章作成力および探究的な
     学習の基礎を学び、2 年生の高大一貫・グローバル両コースは、個人・グループによ
     る課題研究を行う。スーパー特進コースは「図書館資料」を利用した小論文・感想文
     の課題を夏休みに実施する。
  4 高校と大学の計 7 年間を見据えたキャリア教育を実施する。
  5 3 年間を通して英語教育に力を入れ、活きた英語を身につけさせる。そのための時間
      をカリキュラムに組込む。
 
 
                                      -5-
 (4) 教育力の向上
   教育改革とその実践には、本校教員の教育力向上が不可欠です。本校ではこれまで以上に
 校内はもちろん外部研修等の機会を増やし、教員個人の教育力の向上を図ります。そのため
 の研修制度も見直し、充実させます。
   また、福岡大学の専門性を有する多くの教授陣が、本校の教育の柱である高大一貫教育、
 グローバル教育、全人教育に関わり、協力することによって、本校全体としての教育力の向
 上を強力に支援し、同時に他校ではできない本校独自の教育の魅力をさらに向上させます。
 
 
 4.改革推進体制
 
 
 (1)管理職による総合マネジメント
    学校改革の推進は、管理職が総合マネジメントの役割を果たし、本校の改革を牽引して
  います。総合マネジメントの基本方針・活動指針・活動計画を定め、校内に公表することに
  より改革を推進しています。総合マネジメントの基本方針は次のとおりです。
    基本方針
    1)総合マネジメントの原点を、
                               「教育理念の実践」に置き、本校の「安定と発展」を図るため
       に最大限に努力する。
    2)校訓・教育理念・基本方針に基づいた教育活動を持続的・発展的に推進するため、安定的
       な財政基盤を確立する。
    3)財政上の収支構造は、少子化、教育条件の競争的環境によりさらに厳しくなるため、重点
       的投資と、なお一層の効率的経営に努める。
    4)教育効果を高め、生徒・教職員ともに快適な学校生活を送るために、教育環境の整備計画
       を策定する。
    5)教職員一人ひとりの健康が十分に保たれていることがより良い教育につながることから、
       教職員の働き方改革を推進し労働環境の整備に努める。
 
 (2)教育改革にあたっての基本方針・活動指針・活動計画
    本校改革にあたっては管理職会議が中心となって推進しますが、特に教育に係る改革につ
  いても基本方針・活動指針・活動計画を定め、校内に公表して推進しています。なお、教育
  改革の基本方針は次のとおりです。
    基本方針
    1)本校教育の柱である、高大一貫教育、グローバル教育、全人教育を実践し、文部科学省が
       唱える「学力の3要素」の養成とその活用力・課題発見解決能力など、新しい時代に求め
       られる新しい能力をバランスよく育成する。
    2)正課の授業にとどまることなく、部活動・生徒会活動・ボランティア活動等、幅広い正課
       外活動への積極的参加を推奨する。
    3)福岡大学の附属高校である特長を最大限に活かすことで、本校の独自性と優位性とを追求
       する。
 
 
 
                                          -6-
 5.教育改革の重点項目
 
   教育改革にあたって特に重視する項目は、不断の授業改善(特にアクティブ・ラーニング、
 ICT の活用)、グローバル教育、スポーツ・文化活動、およびキャリア教育の 4 項目です。各
 項目の具体化にあたっては、担当する委員会や会議において検討し、管理職会議や校務運営
 協議会の審議を経て決定、実施していきます。
 
 
 (1) 不断の授業改善
   学校教育の中心は授業であり、社会の要請に応え、生徒や保護者が満足できる学校教育を
 提供するためには、何をおいても日々の授業をよりよいものにするための継続的な努力が必
 要です。本校では特にアクティブ・ラーニングと ICT の活用に重点を置いて、授業改善を進
 めます。
 a. アクティブ・ラーニング
   日々の授業を生徒にとってより良い授業とするためには、教員自らが指導方法を不断に見
 直し、授業改善に取り組むことが重要です。指導方法の一つとして、積極的にアクティブ・
 ラーニングの導入を図ります。基本方針・活動指針・活動計画に従って全校的に推進してい
 きます。その基本方針は次のとおりです。
  基本方針
     課題の発見と解決に向けて、「主体的な学び」
                                             「対話的な学び」「深い学び」を推進する。教
   員は、「何を教えるか」という知識の質や量の改善はもちろん「どのように学ぶか」という学
   びの質や深まりを重視し、生徒の学習意欲を高め、知識・技能を定着させるために、主体的・
   能動的な活用・探究の学習を主とした授業を展開する。
   1)従来からの授業方法との融合を図る。
       アクティブ・ラーニングは、授業を一定の型にはめ、狭い意味での授業の方法や技術の
     改善に終始するものではない。教員一人ひとりが、生徒の発達の段階や発達の特性、生徒
     の学習スタイルの多様性や教育的ニーズと教科等の学習内容、単元の構成や学習の場面等
     に応じた方法について研究を重ね、従来からの授業方法との融合や選択・工夫をしながら
     実践する。
   2)章や単元のまとまりの中で授業の改善を図る。
        毎回の授業の改善という視点を超え、章や単元のまとまりの中で、授業内容のつながり
      を意識しながら、指導のねらいや生徒の実態に応じた教材を十分吟味する。
 
 
 b. ICT の活用
   授業の指導方法の一つであるアクティブ・ラーニングを導入するにあたって、ICT を積極的
 に活用できるようにします。基本方針・活動指針・活動計画に従って全校的に推進します。
 その基本方針は次のとおりです。
   基本方針
     「ICT そのものが生徒の学力を向上させる」のではなく、
                                                       「教員の授業技術として ICT を活用
   することが生徒の学力向上につながる」ことを念頭に置き、アクティブ・ラーニングにおいて
   積極的に ICT を活用する。
 
 
                                           -7-
   1)高い教育効果を得るため、毎時の指導のねらいの把握、日頃からの生徒の実態把握、授業に
      おける発問、指示や説明のタイミングなど、従来からの授業技術と ICT の融合を図る。
   2)教員は、指導のねらいや生徒の実態に応じた教材を十分吟味する。
   3) 日常的に ICT を活用するために、次の2つの点に配慮する。
      1 普通教室や特別教室など全ての教室に ICT 機器を設置する。
      2 機器の準備や調整等が簡便で、すぐに使える ICT 機器の導入を図る。
   以上の方針に基づき、本校ではこれまでに全教員にパーソナル・コンピュータと iPad を支
 給し、特別教室を含む全教室にプロジェクタとスクリーンを設置するとともに、2021 年 3 月
 までに校内 Wi-Fi を完備しました。また、2021 年度入学生から iPad を必携化することとし、
 今後、学年進行とともに全校生徒に広げます。今後はこれらの ICT 環境を活用して積極的に
 教育改善を進めていきます。
 
 
 (2) グローバル教育
   グローバル教育に関するビジョンを定め、さらにこれに基づいて定めた基本方針・活動指
 針・活動計画に従って全校的に推進します。なお、あらたな「グローバルコース」が本校全体
 のグローバル教育の牽引役となります。本校が定めた「グローバル教育ビジョン」と基本方
 針は次のとおりです。
 
 グローバル教育ビジョン
 
   社会・経済のグローバル化が急速に進展するなかで、日本はグローバルな視野で積極的に活躍
 する人材の育成が急務になっている。中等教育段階においても、このような素養を育成する教育
 が求められている。
   本校は、福岡大学との一貫教育により、外国語能力だけではなく、国際的素養と視野および行
 動力を備えた人材の育成を推進する。
 
 
 基本方針
   1)コミュニケーションできる英語力とグローバルな視野を身につける。そのために海外の高
      校と協定を結び、生徒の派遣・受入れなど様々なプログラムにより国際理解教育、言語活
      動(「話すこと」など)を推進し、グローバルに活躍できる人材を育成する。
   2)自国の文化を尊重すると共に、外国語やその背景にある文化の多様性を理解し、他者に配
      慮しながら幅広い話題について外国語で的確に理解したり適切に伝えあったりする能力を
      養う。
   3) 教育は、グローバル教育委員会を中心に、国際バカロレア・ディプロマプログラム
      (IBDP)の理念や教育手法の導入を視野に入れながら推進する。
 
 (3) スポーツ・文化活動
   部活動を頑張ることで授業に前向きに取り組めることや、部活動を楽しむことで学校が好
 きになり充実した学校生活を送っているなど、文部科学省等の調査結果からも見て取れます。
 したがって本校ではこれまでにも増して部活動等の活性化を推進します。
   部活動や体育祭・文化祭などの学校行事をとおして、また、あわせて日常の健康管理の意
 
 
                                          -8-
 識を高めることにより、生徒の日々の学校生活をより充実したものにします。本校が定める
 「スポーツ・文化活動規範」および基本方針、活動指針、活動計画にしたがって全校的に推
 進します。
   なお、校友が大きな大会等で活躍することは生徒の励みになり保護者の喜びにもつながる
 とともに学校に大きな活力をもたらすことから、スポーツ強化策を実行していきます。
   基本方針は以下のとおりです。
   基本方針
   1)高校スポーツ、文化活動の教育的有用性を目指した活動を実践する。
   2)学校生活をより豊かで充実し活気あるものとするため、生徒に学校行事への積極的な参加
      を促し、生徒主体による生徒の為の運営ができるように努める。
   3)生徒に健康の維持増進と疾病予防の大切さを理解させ、日々の健康管理の姿勢を育成する。
   4)部活動顧問の活動しやすい環境作りに努める。
   5)成績が優秀な強化部を指定し、人的物的な支援を強化する。また、実績等による評価基準を
      明確にし、客観的な強化策を実行する。
   6)生徒の健康管理と学習機会の確保とともに、顧問の健康管理のために新たな部活動の在り
      方を策定する。
 
 
 (4) キャリア教育
   高大一貫教育の観点から、高校と大学教育の 7 年間を見据えたキャリア教育を実施します。
 本校が定めた基本方針、活動指針および活動計画に従い、全校的に実施します。基本方針に
 ついては次のとおりです。
   基本方針
     生徒が自らの夢や志について主体的に考え、学ぶ意欲を高めるとともに、能動的に学び、自
   己を確立していくことができるように、キャリア教育を充実する。
 
 
 6.教育環境の整備(整備計画の策定)
 
 
 (1) 現在の校舎等の改善の必要性
   昭和 40 年(1965 年)に完成した校舎(本館・西館)はすでに半世紀を超えています。そのた
 め ICT を活用した新たな教育などへの対応に必ずしも適しているとは言えません。また、2019
 年 4 月からの男女共学化にともない、新たに男子生徒を受入れるための施設・設備、さらに
 男子生徒のニーズに応える部活動等のための活動施設や関連設備も必要になりました。
 
 
 (2) より良い教育環境の構築に向けて―整備計画の策定と遂行―
   令和 2 年 6 月に、法人の施設整備特別委員会の下に附属若葉高等学校教育環境整備部会が
 設置され検討を続けてきた結果、令和 3 年 12 月に老朽化した校舎の建て替えに関する基本計
 画と基本構想の着手が承認され、理想的な教育環境の実現が具現化されました。今後は可能
 な限り早期により良い教育環境を提供すべく、実現を目指し計画を遂行していきます。
 
 
 
 
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  む す び
 
 
   本校は福岡県を代表する高校の一つとして社会的評価を獲得できるよう、着実に、真摯に
 この教育ビジョンの具体化に取組んでまいります。新生・若葉高校にご期待いただくととも
 に、関係各位のご理解とご支援をお願いいたします。
 
 
                                                                             以 上
 
 
 
 
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