過去問はとにかく早めに解いてみることが大切です。遅くとも中3の夏休みには取り組むべきです。特に難関校を目指す人は3年生になってからと言わずに、中2の秋くらいから取り組みましょう。
なぜ過去問を早めに解いてみることが大切なのでしょうか。それはゴールを知ることができるからです。過去問を軽視する人の中には「ゴールなんか知らなくても、とにかくがんばればいい。」と考える人がいます。
ですが、ゴール(目的地)が決まらないと人は能力を最大限に発揮することができません。例えばマラソン選手は常にゴールまでの距離を意識して走ります。これはレース本番は当然として練習中も同様です。少なくともプロ選手の中には「とにかくがんばって走ればいい。」と言う人はいません。
中2や中3の春くらいに過去問に取り組むと、全然解けなくて驚くかもしれません。これは気にする必要が全くありません。ほとんど解けないのはみんな同じだからです。過去問を解き終えたら必ず採点して得点を計算してください。過去問は解くことに意味があるのではありません。
受験日までに「どういう勉強をすれば合格できるのか」を知ることが過去問に取り組む目的です。採点を終えたら、志望校合格に必要な点数から、あなたの得点を引きます。その結果導き出される数値が、あなたが克服するべき壁です。
例えば1科目100点(500点満点)の試験で、志望校合格に350点(7割)をとる必要があったとします。あなたの今の得点が150点なら、あと200点必要と分かります。
まずはこれ(200点)を5(科目)で割ってみましょう。するとそれぞれの科目で得点を40点伸ばせばいいことが分かります。ここで分析を終わりにして「よし。各科目40点アップを目指そう!」というのでは、まだ不十分です。目標が曖昧(あいまい)だからです。
さっきのマラソンの例で言えば、ゴールが箱根と分かった時点で走り出すようなものです。箱根と言ってもとても広いですね。それに事前にきちんと調べることで、箱根(ゴール)への近道だって見つかるかもしれません。
目標得点が分かったら、次は過去問の配点を見ながら「どの問題を正解していれば、あと40点取れたか」を確認することが大切です。
数学・理科・社会なら解けなかった問題でも「これは習ったことがある。」「これはまだ習ってない。」ということは分かります。習ったはずなのに解けなかった問題については「なぜ解けなかったのか」を確認します。
例えば数学なら公式を覚えていなかったのか、単純に計算をミスしたのか、解法を思いつかなかったのか。理科なら生物の問題を間違えた、社会なら日本史の古代を取りこぼしたなど、種類ごとに分類して受験までの課題を具体的にしていきます。
英語・国語は分類が少し難しいですが、英語なら問題文の分からない単語の割合を調べたり、正しく読解できていたのかを調べたりします。国語は漢字の読み書きの正答率や、本文の解釈、問題文の把握が正しかったのかを調べます。そうすることによって自分の苦手分野をあぶり出すことができます。
このようにして入試問題で合格点を取るための課題を見つけたら、あとはその克服を目指して学習プランを立てます。例えば理科の生物が苦手なら、問題集の生物の箇所をやり直す。国語の漢字が苦手なら漢字問題集を用意して勉強するなど。
どうですか?目標が定まり、やるべきことが具体的になると、やる気もわいてきませんか?「とにかくがんばって合格する。」という曖昧模糊(あいまいもこ)としたゴールを、過去問を通すことで具体的な目標に変えることができます。
「受験勉強の始まりは過去問の入手から。」と言っても過言ではありません。手元にないという人はすぐに購入して、すぐに解いて、すぐに採点・分析してみることが大切です。「今は自信がないから、もっと勉強してからやる。」では駄目ですよ。
みんなの健闘を祈る!
過去問に関するQ&A
Q.一度入試で出題された問題、つまり過去問はもう出題されることがないと思うのですが。
A.その通りです。出題されません。
入試で過去に出題された問題が、数年内に全く同じ形で出題されることはまずありません。過去問は予想問題集とは性質が違います。過去問を解く理由は合格するための課題のあぶり出しと、出題形式への慣れにあります。入試本番で出題される必要はないのです。
Q.過去問はどこで入手できますか?
A.書店での入手が一般的です。
過去問は毎年5月くらいから書店に並びます。前年度までのおよそ3〜6年分の入試問題が収録されています。公立高校は必ず書籍化されますが、私立高校は学校によっては書籍化されません。(受験者数が少ないと採算が取れないため)
私立高校の中にはウェブサイトで過去問を公開している学校が若干あります。また、直接問い合わせることで郵送してくれる学校もあります(送料などは要負担)。また、塾や中学校がその地域の私立高校の過去問を所有している場合があります。
Q.入試直前でも過去問を解く意味はありますか?
A.あります。
入試直前の過去問演習では、過去問を使って出題形式に慣れることがより重要になります。従ってその時期に過去問を解くときは、入試が実施される時間帯に合わせて、5教科(私立などは3教科)を1日かけて解くのがベストです。科目間の休憩や昼食時間なども同じ時間とると良いです。試験当日の休息時間や昼食時間は教育委員会のサイトや過去問題集で確認できます。