3:7の”相関図方式”ですので、
計算式(3×(1-x/195))^2 + (7×(1-y/500))^2
を計算して値が小さい人から合格させるということです。
xに調査書点、yに本番点を入れます。
楕円の第四象限を描画し、上記の式の答えが原点からの距離になります。
直感的な理解を助ける説明としてはこちらの公式の説明が良いと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=6KN1vRgcl_w7分56秒辺りから相関図の説明があります。
続きです。
3:7相関図方式の大雑把なイメージとして、
「調査書点差が20点差くらいまでの場合、調査書点1点は当日点換算で0.3〜0.5点くらいになる」と考えておけば良いです。
その他、3:7相関図方式はどんなものかを把握するうえで、数式が分からない人向けにできる範囲で言語化しました。
親御さんや受験生に参考にしていただければ幸いです。
ポイントは2つあります。
☆調査書点の差が大きければ大きいほど
★当日点のボーダーが高ければ高いほど
調査書点の価値が高くなります。
☆
仮に、調査書点180、学力検査点420が共通選抜のビリ合格(=最低点ボーダー)だったとします。これは一高二高の例ですが考え方としては三高宮一も同じです。
3:7の相関図の楕円の方程式で計算しますと、ビリ合格の人を上回るのに必要な点数は以下のとおりです。
調査書点 学力検査点 調査書点の重み
180 420
175 421.3(+1.33) 0.27
170 423.1(+3.08) 0.31
165 425.3(+5.27) 0.35
160 427.9(+7.94) 0.40
155 431.2(+11.2) 0.45
150 435.0(+15.0) 0.50
145 439.6(+19.6) 0.56
140 445.1(+25.1) 0.63
135 458.7(+38.7) 0.86
130 467.0(+47.0) 0.94
125 476.1(+56.1) 1.02
調査書点180、学力検査点420
を逆転するのに、
調査書点10点差の170の人は当日3.1点多く取ればいいだけなので、調査書点の重みを当日点に換算すると0.31にしかなりませんが、
調査書点の差が広がるにつれて調査書点の重みが増していき、
調査書点が高い人にとってより有利(低い人はより不利)になります。
単純な掛け算の比例計算ではないことが分かると思います。
調査書点の差が大きくなるにつれて逆転が非現実的になります。
この理屈から個人の意見をごちゃ混ぜに言うと、
・調査書点150前後の人から見ると、当日点取る学力さえあれば十分逆転できる望みがある。
・調査書点170以上の人から見ると、結局学力がないとあっさり逆転されるから安心できない。
・評定は高いに越したことはないが、ある程度の評定が取れる見込みがあれば過度に評定を取るための労力を割く必要は無く、志望校の合格者平均学力より数問多く正解する学力(
偏差値+1〜+2)をつけるための努力に振り分けたほうがバランスもコスパも良いと考えられる。(高得点の一高の合格者平均を上回る高い学力をつけなければならないので勿論容易なことではない。)
・最近の宮城県公立高校入試の傾向として、「入試の易化によって当日点に差が生まれにくいことから調査書点勝負になっている」と受験業界が警鐘を鳴らしている。この理屈は間違いないが、過度に煽っているように思われる。それに惑わされず、学力
偏差値向上のための努力が圧倒的に重要であることを再認識すべきである(特に親)。
★
当日の試験が易化難化すれば合格最低点もその分変動します。
上記で例示した調査書点180、学力検査点420が共通選抜最低点というのが更に易化難化した例で考えてみます。
仮に易化して
調査書点180、学力検査点430が最低点になったとすると、
調査書点140の人は学力検査点461.0で、
31.0点多く取れば逆転できます。
調査書点の重みは0.78です。
調査書点180、学力検査点440が最低点になったとすると、
調査書点140の人は学力検査点485.2で、
25.5点多く取れば逆転できます。
調査書点の重みは1.13です。
このように、平均点が上昇する(=易化する)と調査書点の価値が高まります。
逆に難化して
調査書点180、学力検査点410が最低点になったとすると、
調査書点140の人は学力検査点431.3で、
21.3点多く取れば逆転できます。
調査書点の重みは0.53です。
調査書点180、学力検査点400が最低点になったとすると、
調査書点140の人は学力検査点418.6で、
18.6点多く取れば逆転できます。
調査書点の重みは0.47です。
このように、平均点が低下する(=難化する)と調査書点の価値が下がります。
これらから言えることは、
易化すればするほど調査書点の価値が上がり、逆転合格し難くなります。
難化すればするほど調査書点の価値が下がり、逆転合格し易くなります。