>一高に幸
/*『アエラ』2018.7/16 Vol.31 No.33
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【「旧制一中・二中」の流れくむ地方公立名門校】
【「勉強だけ」じゃダメ】
開成、麻布、灘−−。東大合格者数のランキングでは私立有名校が目立つ。だが地方に目を移せば、地域を代表する進学校は公立が多く、私立優位は錯覚とわかる。特に「旧制一中・二中」を起源とする名門校は、伝統行事や校風も魅力だ。
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【応援団長は「神格化」】
俳優の菅原文太や劇作家の井上ひさしの母校、宮城県仙台第一高校では、応援団が異様な存在感を放っている。
生徒たちは私服で学校に通うが、応援団員は「ボロラン」と呼ばれる、何十年も受け継がれているつぎはぎだらけの学ランを着ている。特に応援団員は神格化され、授業時間以外はほかの生徒の目に付かないところに隠れる。夏の高校総体が終わると約2年間伸ばし続けた髪を切り「人間宣言」する。さらにユニークなのが、応援団員たちの言葉遣い。新入生に応援の指導をする際、「集まってくれ」「歌ってくれ」とお願い口調を貫く。理由は学校の標語の「自発能動」にある。強制を嫌う校風なのだ。その精神は行事運営にも表れ、文化祭や運動会は毎年「発起人」によって提案され、誰も発起しなければ行事はなしになる。
地方公立名門校は、社会のリーダーを育てることを宿命づけられてきた。ゆえに、勉強ができるだけではダメという文化が共通している。珍妙な伝統が受け継がれ、全国レベルで活躍する部活がいくつもあることも珍しくないのだ。
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