>授業だけでついていけるのは
授業だけでついていけると言っても、やはり
数学の定理の証明で一部分からないところがあったりはしました。しかし家で教科書をじっくり読み返して必ず理解していました。「不明な個所は必ず解消する」は鉄則でした。
>授業を聞いただけで理解できるか親としては不安な部分も正直あります。
少しでも不安な部分があるならば、やはり塾などに頼ってみるべきかもしれません。6月の中間考査に向けて危ない橋は渡れません。試しに夏休み前まで塾の先取り授業を受けてみるような手もあるでしょう。自分でやっていけそうだと思えたらその時退塾すればよいわけです。
4月からの最大の問題は6月の中間考査です。この時の席次で高校3年間の立ち位置がほぼ決まります。一度決まった立ち位置の挽回はかなり厳しいです。4月の勉強開始からはこの中間考査を目標にに勉強を進めていく必要があります。
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数学は点数が低かったです。
数学の教科書は行間や式の変形の間が飛んでいることがよくあります(親切に書いていたら分厚くなってしまうからです)。
例えば式の変形だと半世紀前の教科書に次のような個所がありました。
/* a/(x−3)+a/(x+3)=2a/8
両辺をaで割り、分母を払って整理すると
x^2−8x−9=0
*/
「整理すると」とあって整理された式が書いてあっても、すぐにそうなるわけではないです。まず両辺をaで割ると(右辺は約分も)
1/(x−3)+1/(x+3)=1/4
分母を払うために両辺に(x−3)(x+3)をかけると
(x+3)+(x−3)=(x−3)(x+3)/4
左辺は一目で2xとなり、両辺に4をかけると(右辺は分母がなくなるので掛け算をして)
8x=x^2−9
左辺を右辺に移項して
x^2−8x−9=0
これが実際の試験なら余白でこれだけの計算をする必要があるわけです。
「行間」についても次のような個所がありました。
/*(1)から
y=a−x
これを(2)に代入して
z^2=x^2+(a−x)^2
=2(x−a/2)^2+a^2/2
x=a/2のときz^2は最小になり、従ってzも最小になる。
x=a/2のときy=a/2であるから、x=yである。
*/
「x=a/2のときy=a/2である」と書かれていても、その行だけを見ていてはそんなことは分からないです。5行上の「y=a−x」から出てくることです。途中でやや複雑な「z^2=」という式があるのでともすれば5行上の式を忘れてしまいがちです。5行上の式が前のページに出ていたりするとなおさらです。
数学の教科書は
国語の教科書を読むのとはわけが違い、行間や数式の変形を自分で読む必要があります。教科書を読むにしても単に目で追うのではなく、式などは雑紙(ざつがみ)に手で書きながら理解していくのが良いです。いわば自分の手指になじませるわけです。
>(親の私自身、高校の授業スピードについていけなかった経験もあるので尚更不安です。)
それは確かにあります。先生は立て板に水で説明するのでこちらの頭では追いつかないことがあります。その日のうちに復習して完全に理解して追いつく必要があります。言うなれば対策として「先取り」するのか(塾のやり方)、復習をきちんとするのか(私のやり方)ということになります。好みの問題かもしれません。
高校の教科書は大部分の生徒には理解できないように書かれているはずもないのですが、理解するためには大変な努力を必要とします。一朝一夕にはいきません。
今の高校の授業がどうなっているのかは知りませんが、授業についていくためには「数値目標」として毎日3時間くらいの家での勉強が必要なのではないかと思います。1日6教科とすれば1教科当たり30分ですが、文系科目を削りその分理系科目を手厚くした方が良いでしょう。クラブ活動などでこの時間が確保できず遅れたら、日曜日に8〜10時間くらい勉強して後れを取り戻す必要があります。遅れたままにしていたらもうアウトです。
志望大学・学部に現役で合格したいなら学年二桁の順位を目標にすべきでしょう。
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数学は
高校は中学
数学のリセットができる機会でもあります。去年の高校入試の
数学では図形の問題が誰も解けなかったそうですが、中学
数学の図形(ユークリッド幾何学)は高校
数学では重要でなくなり、デカルトの創始した解析幾何学が中心になります。ユークリッド幾何学の限界は「曲」にあります。曲線/曲面/曲体の追究が苦手です。放物線を中心軸で回転させた立体(拳銃の弾丸の形)の体積を求めたりすることは大の苦手です。
新たな気持ちで高校
数学に取り組むためには遠山啓『
数学入門(上)』を読んでおくのが良いかもしれません。この本は「
数学の考え方」についていろいろ説明している本です。
https://1.bitsend.jp/download/0c7789d77b7e536a78cb32a5330540e9.html(要ダウンロード)
この本は1959年初版という非常に古い本ですがいまだに出版され続けています。丸善アエル店、ジュンク堂TR店、金港堂書店で売っていますし、定禅寺通りのメディアテーク内の仙台市図書館に置いてあるので借りて読むこともできます。日本アマゾンで安い古本を買うこともできます。
例えば第2章は次のような文章で始まっています。
第2章 分離量と連続量
【いつといくら】「このかごのなかにリンゴがいくつあるか?」というが、「このバケツのなかに水がいくつあるか?」とはいわない。水のほうは「いくら?」という。このようにいくつといくらの間には明らかなちがいがある。
この文章で読んでみたい気が起こるなら読んで損はないと思います。わたしも高校1年のとき買って読んで非常に面白かった記憶があります。受験
数学ではない
数学を知るには有益な本だと思います。
>確かに効率良さそうですね。
>英検2級の勉強もしているので単語帳も薦めてみます。
高校1年の6月の中間考査で
英語の試験に「domestic」という単語が出てきましたが全然見当もつきませんでした。試験の後で東大脳の同級生に知っているかと聞いたらけろっとした顔で知っていると答えました。中学で習うはずのない単語であり、高校での授業でもそれまで出てきていない単語を知っていることに驚かされました(結局高校3年間で出会ったのはこの時だけでした)。今なら「DV」(Domestic Violence)という言葉が普及しているので知っている中学生もいるでしょうが。中学と違い高校では
英単語は自然に覚えるのでは駄目なことを認識しました。試験の英文読解で知らない単語が出てきたとき前後の英文や文脈から意味を類推できないかいつもやっていたし、試験終了後にも確認していましたが、類推できたはずということは一度もありませんでした。
そして
英語の先生が東北大学受験には7000語の
英単語力が必要と言ったのでそれを「数値目標」にすることにしました(東北学院大学だったらそんなに必要ないと言っても半分の3500語で済むはずはなく、たぶん1000語少ない6000語は必要でしょう)。高校1年の6月から高校3年の2月まで約33か月(当時はセンター試験のない一発勝負)だから、約1000日。中学で2000語習ったとして高校で新たに覚えるのは5000語。だから1日5語の割合で覚えればよい計算になります。英和辞典には重要な単語に星印(*)が付いていたので(9000語くらいだったかな)最初のページから順番に覚えることにしました。しかし縁もゆかりもない単語は記憶に定着せず、覚え直さなければならない単語は毎日等差級数的に増えていくばかりでした。
このやり方では駄目だとすぐに断念しました。TOEICがほぼ満点の達人も
英語学習の啓蒙書を書くとき赤尾の豆単とかいうのを最初から覚えることができるか試したが全然できなかったそうです。だから地道に単語帳に教科書や試験で分からなかった単語を書いて覚えていくことにしました。
単語集を最初から覚えるのができそうもない場合は単語帳や電子機器に教科書、参考書、問題集、試験に出てきた単語を書き留めて覚えるようにした方が良いでしょう。