エリートの育て方 開成中学・高校
校長 柳沢幸雄さん
――昨年の開成高校の卒業式で「首都圏の進学校出身の学生は東大で伸びない」と話されたそうですね。東大合格者数31年連続トップ校の
校長としては刺激的な発言です。
「パワーポイントを使って式辞を述べた中で、その話をしました。私の目から見ると、東大の学生は三つのグループに分かれます。燃え尽きたグループ、冷めたグループ、燃えているグループです」
「燃え尽きたグループは、中高時代に受験に向けて効率のいい勉強をしてきた子。ある意味、洗練された勉強方法に乗って成績を上げて入学する。ところが入学すると、効率のいい勉強法は教えてくれない。受験の目標も、もう達成できた。それで燃え尽きてしまう」
「冷めたグループは、首都圏の伝統ある進学校です。開成もここ。なぜ冷めているか。これまで通りの自宅通学で、キャンパスにも高校の友達がたくさんいる。高校と変わらぬ環境で、受験という重しがとれる。自分に合った勉強法は身につけているので、大学の成績も真ん中グループへすっと入り余裕がある。だから勉学もそこそこにこなして終わってしまう」
「燃えているグループは、地方の公立高校からきた学生です。まず親元から離れて自活することで大きなカルチャーショックを受ける。知る顔もいない大学で、自分の居場所をどう作るか。18歳でこれまでの生活と切れ目をつけ、ものを考え始めるわけです。だから燃える」
――最終的に伸びるのは「燃えているグループ」ということですか。
「そうです。学部時代から燃えているから、修士に行くと本当に伸びます。開成の卒業生にも『まず親元から離れなさい』と言います。ハーバード大にしても学部は寮生活です。東大も秋入学をするなら、いっそ高校卒業後の春から秋まで家を離れてボランティアなり農場や工場で働くなり、自活の経験をさせたら素晴らしいと思いますね」
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http://blog.livedoor.jp/safetyisland/archives/51906155.html掲載元は朝日新聞 朝刊(2013年01月19日)