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京都国際高校のWiki
京都国際高校 ナビランク(5537位/5677校中)
基本情報
Infobox 日本の学校
校名:京都国際中学高等学校
過去校名:京都韓国中学・高等科
国公私立:私立学校
設置者:学校法人京都国際学園
理念:自尊・練磨・共生
設立年月日:1947年
共学・別学:男女共学
中高一貫教育:併設型
課程:全日制課程
単位制・学年制:学年制
設置学科:普通科
学科内専門コース:進学コース・総合コース
学期:3学期制
高校コード:26542A
郵便番号:605-0978
所在地:京都府京都市東山区今熊野本多山町1
緯度度:34 緯度分:58 緯度秒:32.2
経度度:135 経度分:46 経度秒:50.6
地図ズーム:11


'''京都国際中学高等学校'''(きょうとこくさいちゅうがくこうとうがっこう)は、京都府京都市東山区今熊野本多山町にある私立学校。学校法人'''京都国際学園'''が運営する中高一貫の中等教育学校である。

同校の前身は在日韓国人向けの民族学校であり、2004年度より一般へ門戸が開かれた。

現在でもko科目の教育を実践し、日本国と大韓民国の両国から正規の学校として認可されている。近年では野球の強豪校としても知られる。

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成立

京都国際中学高等学校の発祥は、1947年(昭和22年)に開校した在日朝鮮人(のちに在日韓国人)向けの民族学校である「京都朝鮮中学」であった。

その後、1958年に学校法人「京都韓国学園」として京都府知事の認可を受けた。

そして2003年に学校法人「京都国際学園」および「京都国際中学高等学校」を設置し、京都府知事の認可による『一条校(いわゆる普通の中学校および高等学校)』として成立した。翌2004年に開校し、再スタートを切った。

以来、国際学校としての特色を強めkoと英語と日本語のトリリンガルを目ざす語学教育を強化して「真の国際人育成」を教育目標としている。

特徴

日本の一条校であると同時に、大韓民国(韓国)からも正規の学校として認可されているため、日韓両国から高等学校の卒業資格(大学等への受験資格)が得られる。

校歌の歌詞がkoからなることも、日本の一条校としては非常に珍しい。詳細は後述。

なお、一条校であるため教育課程は日本の学習指導要領に則っており、全ての授業で検定済み教科書を用いた日本語での教育が行われる(ただしネイティブ教員による英語やkoの科目を除く)。

生徒

生徒数は1学年約45人。生徒向けの寮があり、全国からの生徒や留学生も在籍している。

2019年春には卒業生のうち38名が日本の大学や専門学校へ進学し、2名が韓国の大学へ留学した(慶熙大学へ1名、瑞逸大学へ1名)。

生徒の内訳としては、2021年3月時点で全校131名のうち日本人が93名、在日韓国人が37名であった。また、日本人生徒のうち40名が野球部員であった。

また2021年7月時点では全校136名のうち女子が69名、男子が67名、男子のうち59名が野球部員であった。

部活動

部活動では高等部の野球部が実力を高めており、2021年には春の甲子園大会および夏の甲子園大会に連続出場した。後者では全国ベスト4を達成した。詳細は後述する。

教育理念

「自尊」「練磨」「共生」を教育の根本とし、次の3理念をもとに「世界で活躍する真の国際人の育成」を目指す。

# 自尊:自らの出自や存在に誇りを持てる人になる
# 練磨:自己の可能性を切り開き、共に自己練磨に勤しめる人になる
# 共生:国際人として人権を尊び、異文化を正しく理解し共に生きる人になる


教育目標

「人間味あふれる、真の国際人へ」という標語を掲げ、以下の5項目に重点を置いている。

・ 語学 - コミュニケーション力:jaの3言語
・ 文化 - 異文化理解力:海外研修や国際交流で実体験
・ 人権 - 自己・相手の尊重力:人権学習会やボランティア体験
・ 学び合い - 共に歩む力:いじめを断固として許さない
・ 部活動 - 団結力と目標設定力:学力に留まらない可能性の開花


沿革


・1947年:京都朝鮮中学が開校。
・1951年:財団法人「東邦学院」を設立し、「東邦学院中学校」と改称。
・1958年:学校法人「京都韓国学園」を設立し、京都府知事に認可される。「京都韓国中学」と改称。
・1961年:大韓民国政府が中等科を認可。
・1965年:大韓民国政府が高等科を認可。
・1984年:本田山キャンパスが完成し、京都府京都市東山区今熊野本多山町1番地に移転。
・1999年:硬式野球部を創部。コンピューターコースと進学コースを設置。
・2001年:学校寮が完成。
・2003年:学校法人「京都国際学園」を設立。「京都国際中学高等学校」と改称して全日制普通科を設置する。一条校として京都府知事に認可される。
・2004年:京都国際中学高等学校として開校。
・2008年:中高一貫コース・進学コース・総合コースの3コースを設置。
・2021年:硬式野球部が3月に第93回選抜高等学校野球大会に出場。8月に第103回全国高等学校野球選手権大会に出場。

野球部(沿革)


同校高等部は硬式野球の強豪校として近年知られ、プロ野球選手を多く輩出している。2021年には春の甲子園大会および夏の甲子園大会に連続出場した。

なお、野球部員は2021年3月時点で40名全員が日本国籍であった。

創設

同校の硬式野球部は1999年に創部された。

当時の校名は「京都韓国学園」で、在日韓国人向けの外国人学校として『各種学校』扱いであった。同年、外国人学校としては初めて日本高等学校野球連盟(高野連)への加入が認められた。

初めての公式戦は同1999年の全国高等学校野球選手権京都大会で、対戦相手は前年に同大会で優勝したうえ夏の甲子園大会で準優勝を遂げた強豪の京都成章高等学校だった。

試合結果は0対34(5回コールド)の大敗だったが、京都韓国学園は最後まで真剣に戦った。通例なら成章は大勝が確実であるため控え選手へ交代する場面だったが、韓国学園が懸命だったことから、最後までベストメンバーで戦ったという。韓国学園がストライクを取るたびに応援席から大歓声があがり、試合後には「よくやった」と拍手が送られた。

監督・小牧憲継

なお、上述の初試合で対戦相手の京都成章高校の二塁手として出場していた小牧憲継は、のちに京都国際高校の監督に就任している。

就任までの経緯

小牧は成章高校のレギュラーメンバーとして野球に打ち込み、関西大学野球部でも内野手を務めた。しかし、怪我を重ねたことからプロ野球選手の夢を断念した。大学を卒業後、2006年に銀行に就職した。

同2006年、小牧は当時の京都国際高校の監督から、共通の知人(小牧の高校の同級生で、京都韓国学園中学から京都成章高校へ進んだ)を通じて「休日だけでも京都韓国学園で野球を教えてほしい」と勧誘された。小牧が同校を視察した際、選手たちが打席ではフルスイングし、守備ではボールを最後まで追い続ける姿を見て「野球好きな子に、もっとうまくなってほしい」と感じたという。

小牧は銀行勤務を続けながら同校野球部への指導を手伝った。翌2007年にはコーチを務め、翌2008年には監督に就任した。

就任後

同校はすでに2004年から日本の学校教育法に定められた『一条校』と認められ、日本人も自由に入学する一般の高等学校となっていた。当初は生徒の多くが韓国人だったが、徐々に地元や近隣府県からも選手たちが入学するようになった。

しかし、しばらくは京都府内で勝ち抜くことも困難だった。小牧がのちの2021年に語ったところによると、「正直、初めの頃は野球になっていなかった。野球になり始めたのはここ4、5年ほど前。それまではヤンチャな選手が多くて、手を焼いてばかりで......まずはしっかり戦えるチームにすることで精一杯でした」という。

さらに、以前まで韓国人向けの民族学校であったことから誤解や偏見を受けており、小牧が部員を勧誘するために休日に近畿圏の中学野球チームに出向いた際には応じてもらえないこともあった。それでも小牧は「いつかは結果で見返してやる」と思い、指導に熱が入った。

指導方針

小牧は自身の指導方針について「次のステージでも活躍できる選手を育てること」と語っている。

就任当初の「ヤンチャな選手」を抱えた時期には生徒へ手取り足取り教え、何かあれば声を張り上げるという「教え魔」だったが、選手の特性が変わっていくなかで指導形式も変化していったという。小牧は2021年にこう述べている。
昔は軍隊のようなスパルタ指導が当たり前みたいな雰囲気がありましたよね。でも、それでは人は育たない。子どもらも対戦相手と勝負するより、僕と勝負しているような気がして......。厳しくするだけでは指導者の自己満足のように思えてきたんです。今の子は高い志を持って入学してくるので、そんなにこちらが言わなくても自分たちで考えて、競争するようになる。そうした生徒が入ってきてからチームは変わっていったのかもしれません。
野球をやるのは子どもたち。基本的には自分たちで考えなさいというスタンスですが、悩んでいる子に対してサポートはします。子どもらが甲子園に行きたいと頑張っているので、「これくらいのレベルに達しないとアカンよ」とかアドバイスはします。
同校の野球選手の大半は大学や社会人でも野球を続けることから、「少しでも個性を消さず、可能性を残すように意識している」という。チームの勝利をめざすうえでは犠打でランナーを進塁させたい場面でも「思い切ってホームランを狙ってこい」と送り出すことがある。

選手の志望動機

そうした小牧の指導方針が徐々に広まり、近年では中学生の選手たちが自ら京都国際を志願し「プロ野球選手になるため、国際で野球がしたい」と集まるようになった。

2020年秋にプロ野球選手としてドラフト指名された早真之介と釣寿生は、甲子園大会の常連高校からの勧誘を断って京都国際(当時は甲子園へ未出場)へ進学した。

早は「甲子園へ行くことよりも、プロ野球選手になりたいという気持ちが強かったので、“卒業後の進路のパイプがたくさんあって、プロも目指せる”京都国際に決めた」と述べている。

釣は「中学3年の頃からプロを意識し始めていた。京都国際は“個”を伸ばせる環境なので決めた。(部員数があまり多くないため)全体練習を新入生含め誰1人抜けずに全員で出来ることにも魅力を感じた」と話している。

2021年の春の甲子園および夏の甲子園で投手を務めた森下瑠大(京都府福知山市出身)も、自身の兄は地元の強豪であった福知山成美高等学校に進んだが、「(京都国際では)打撃か投手かに絞らず、両方の可能性を生かせると聞いたので、国際で野球をしようと決めた」と語っている。なお、福知山成美は森下が入学する2年前に京都府大会の決勝戦で京都国際を破って府内優勝している。

練習内容

同校の野球グラウンドは両翼70m以下と比較的小さく、また形状も長方形に近くいびつなものである。

上記のように場所が限られているため、守備重視の野球を行っている。内野の連係や、故意に落球してからの送球などの多彩な練習を行う。

また、欧州のサッカーチームなどが多く取り入れている脳と体の連動性を重視する「ライフキネティックトレーニング」など、積極的に新たな手法を導入している。

大会実績

2003年夏の全国高等学校野球選手権京都大会の開会式では選手宣誓を行い、日本語とkoの両方で「魂(オル)・感謝(カムサ)・感動(カムドン)」などと述べた。会場からは拍手が送られた。同大会では準々決勝で敗退し、府内ベスト8となった。

2008年春の京都大会では部員わずか13人ながら京都府内第3位となり、近畿大会に出場した。近畿大会での初戦の相手は、同年夏に全国制覇を達成する大阪桐蔭高等学校であり、のちにプロ選手になる浅村栄斗などを擁する同校へ敗北した。同年秋に3年生4人が引退して部員わずか9人となったが、同年の実績をもとに翌2009年に1年生が大量に入部した。

2018年夏の京都大会では準決勝まで進出したが、立命館宇治高校に延長戦で敗北してベスト4となった。詳細は後述。

2018年秋の秋季京都府高等学校野球大会では決勝戦まで進出した。福知山成美高校に競り負けて準優勝となった。詳細は後述。

2019年夏の京都大会でも決勝戦まで進んだが、サヨナラ負けにより準優勝となった。詳細は後述。

翌2020年には、のちにプロ野球選手となる釣寿生と早真之介の2名を三年生に擁するなど戦力が充実していたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により春の京都大会および夏の甲子園大会が中止となった。しかし同年の秋季近畿地区高等学校野球大会においてベスト4に進出した。

2021年春の甲子園

これらの成績が評価され、2021年の第93回選抜高等学校野球大会(春の甲子園)の近畿地区選出校に選ばれ、甲子園大会初出場を果たした。

初戦では柴田高校へ5対4で競り勝ち、甲子園球場での初勝利を飾った。

続く2回戦では東海大学菅生高校に4対5で逆転サヨナラ負けを喫し、ベスト16として敗退した。

詳細は『2021年春の甲子園大会』節を参照。

2021年夏の甲子園

さらに、同2021年夏の京都大会では決勝戦で京都外大西高等学校を破って優勝を果たし、第103回全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)に初出場を決めた。同年は春夏連続で甲子園大会へ出場することとなった。

初戦の2回戦では前橋育英高校に1対0で勝ち、夏の甲子園でも初勝利を記録した。

その後も勝利を重ねて準決勝まで進出し、智辯学園高校(奈良県)に1対3で敗れたものの全国ベスト4の結果を残した。

詳細は『2021年夏の甲子園大会』節を参照のこと。

甲子園での校歌の演奏

なお、甲子園大会では試合中および試合後に出場校の校歌を演奏・唱和する伝統がある。同校の校歌の歌詞はkoであり、同大会では第二次世界大戦以降で初めての例である大戦以前の1910年から1945年にかけては、日韓併合によって朝鮮半島が日本(大日本帝国)の一部であった。

同大会は1915年に開始され、大戦前では1940年まで続いたため、同時期には朝鮮半島の学校も平常に出場していた。

ただし、同時期に朝鮮語の校歌が演奏されることがあったか否かについては、韓国のマスメディア東亜日報は「一度もなかった」と報じている(詳細は後述)。
ことから話題になった。また、歌詞の内容について政治的な物議を醸した(詳細は校歌節で後述)。

韓国での注目

上記の甲子園大会での活躍は韓国のマスメディアからも注目された。2021年夏の大会について、各韓国メディアは次のように報じた。

・ 朝鮮日報「在日韓国人民族学校として初の成績」「韓国語校歌が響きわたった」

・ 東亜日報「“東海…”韓国語校歌、日本全国に流れる」「1915年から始まり、100年以上の歴史がある夏の甲子園で韓国語の校歌が流れるのは初めてのことだ」

・ ソウル新聞「韓国系京都国際高校、日本の高校野球“夢の舞台”夏の甲子園にも進出」
・ 聯合ニュース「在日韓国系の民族学校だった京都国際高校が、甲子園と呼ばれる日本の全国高校野球選手権大会で8強に進出した。韓国系学校としてはもちろんのこと、外国系の学校が甲子園でベスト8に進出したのは初めてのことだ」

また同校校長の朴慶洙(パク・キョンス)は韓国のテレビ番組「MBCニュースデスク」に出演し、「日本で韓国語校歌が響きわたったことに感激したが、今後も野球の実力を日本と韓国に示したい」などと語った。

さらに同校が三回戦で勝利した後、朴は聯合ニュースに対して「わが校が甲子園に進出したのが偶然だと考える方たちもいるようだが、今回の勝利で名実ともに京都を代表する野球部であり、日本一も期待できるチームに成長したことを見せてくれた」と喜びを伝えた。

差別被害

2021年の春・夏の甲子園大会へ同校が出場した際、日本国内のインターネット(SNS)上では、同校や生徒へ対する民族差別的な誹謗中傷(ヘイトスピーチ)が数多く投稿された。

同年8月27日、京都市内の市民団体「京都府・市に有効なヘイトスピーチ対策の推進を求める会」が京都府知事に宛てて、早急な対策を求める要望書を提出した。同団体によれば、差別的な投稿は同校が春の甲子園大会に初出場した時点で複数確認され、さらに夏の甲子園大会への出場を決めると再び増加した。特に、同校の校歌がkoであることに対する中傷が多いという(詳細は校歌節で後述)。

要望書では「ネット上でヘイトスピーチが繰り返され、放置すればエスカレートする」と指摘し、府市による啓発の強化や投稿への非難、また生徒の通学路の安全確保などを求めた。

同校が夏の甲子園に出場した8月19日以降、京都新聞社がYahoo!ニュースの一般人コメント欄やTwitterを調査したところ、同校へ対しての差別意図を含んでいるとみられる投稿が100件以上見つかったという。内容として次のようなものが確認された。

・ 「出場停止にさせろ。」
・ 「不快極まりない。」
・ 「勝てば勝つほどイメージが悪くなる学校。」
・ 「同じ京都に住んでいるが、応援したくない。韓国語の校歌ならば韓国の大会に出場すればいい。高野連から脱退させるべき。」
・ 「出場辞退させろ。選手をかばう意見があるが、そんな学校に入る時点で同罪。反日学校は永久追放が妥当。」

一方で、「応援してます」「スポーツは、隔たりを乗り越えるのが重要」など、同校を応援する投稿もみられた。

野球部(試合詳細)


同校野球部は2021年春夏甲子園連続出場を果たし(夏はベスト4)、同年秋の近畿大会ベスト8(京都1位で出場し、京都勢唯一の進出)に進出した実績により、強豪として知られる。

2021年には選抜高等学校野球大会および全国高等学校野球選手権大会に連続出場し、後者では準決勝まで進出した。

本節では各試合の詳細について記載する。

2018年夏の京都大会

2018年の全国高等学校野球選手権京都大会では、準決勝まで進出した。

準決勝・立命館宇治高校戦

準決勝では、立命館宇治高校(宇治市)と対戦した。

3回表に立命館宇治が4番・森本晃太朗の適時二塁打で先制したが、5回裏に立命館宇治の失策から京都国際は連打を放ち、逆転した。

しかし6回表に立命館宇治が犠牲フライで2対2の同点に追いつき、そのまま9回まで決着がつかず延長戦へ突入した。

10回表、立命館宇治が1死一三塁から5番・大住優賀のスクイズにより勝ち越すと、猛烈な連打で一挙に5点を追加した。そのまま10回裏に京都国際は反撃できず、2対7で敗北した。京都府内ベスト4として敗退した。

2018年秋の京都大会

2018年の秋季京都府高等学校野球大会では、初めて決勝戦まで進出した。

準決勝・龍谷大学平安高校戦

準決勝では、龍谷大学付属平安高校(京都市)と対戦した。

平安は初回に4安打を重ね、5得点を奪う猛攻を見せた。しかし京都国際も直後の1回裏に1点を返し、続く2回裏に5点を追加して6対5と逆転した。序盤から激しい試合展開となった。

その後、7回まで両者無得点が続いたが、8回表に平安が1点を返し、終盤で同点となった。だが直後の8回裏、京都国際が木村の安打からの犠打で二塁へ走者を送り、平安の暴投によって一気に生還した。京都国際が1点を取り返し、再びリードした。

9回表の平安の攻撃を救援投手の生駒が無得点に抑え、京都国際が7対6で競り勝った。初めての決勝戦へ進出を決めた。

決勝・福知山成美高校戦

決勝戦では、福知山成美高校(福知山市)と対戦した。会場はわかさスタジアムであった。

1回表に成美が4番の原がライト前へ適時打を放って先制した。京都国際は4回裏に2点を取り返して逆転した。

しかし、成美が6回表に9番神内の中前適時打で勝ち越すなど4安打を放ち、京都国際の失策もからんで3得点を挙げて4対2と再び逆転した。

京都国際は7回裏に1点を返したが、あと1点が及ばず、3対4で敗れた。初の優勝はならず、準優勝となった。

2019年春の京都大会

2019年の全国高等学校野球選手権京都大会では、初めて決勝戦まで進出した。

準決勝・龍谷大学平安高校戦

準決勝では、昨年秋と同じ龍谷大学付属平安高校と対戦した。

平安は直前の春の甲子園大会でベスト8へ進出した強豪であり、投手の野沢秀伍と豊田祐輔は同大会で完封勝利を記録していた。

試合は乱打戦となったが、4番の早真之介が1試合5安打の大活躍を遂げた。2回はセンター前安打で出塁したのち先制のホームを踏み、6回は左翼線への適時三塁打で追加点を挙げた。そして同点で迎えた延長10回には勝ち越しセンター前適時打を放った。

さらに6対6と同点の延長11回表、1番遊撃手の上野響平が決勝点となる2点適時三塁打を放った。11回裏には1点を返されるも、8対7で勝利を果たした。京都国際は昨秋に続いて準決勝で平安を撃破し、春大会では初めての決勝戦へ進出を決めた。

2019年夏の京都大会

2019年の全国高校野球京都大会では、初めて決勝戦に進出した。

決勝・立命館宇治高校戦

決勝戦では、前年準決勝と同じ立命館宇治高校と対戦した。

京都国際は2点を先制し、7回まで立命館宇治を1安打無得点に抑えていた。

しかし、8回裏に立命館宇治が連打で無死一三塁の好機を作り、荒井豪太の犠牲フライで1点を返した。さらに続く古賀風地が右中間への二塁打を放ち、同点に追いついた。

そして2対2で迎えた9回裏、立命館宇治は2死二塁から上田龍一郎が左翼手の頭上を超えるサヨナラ適時打を放った。京都国際は2対3で敗北を喫し、準優勝となった。

2021年春の甲子園大会

2021年には選抜高等学校野球大会へ初めて出場し、2回戦まで進出した。

1回戦・柴田高校戦

初戦では柴田高校(宮城県)と対戦した。両校ともに甲子園大会では春夏通じて初の出場であった。

柴田が2点を先制したが、7回表に京都国際は1死満塁から1番・武田侑大が適時三塁打を放って3点を奪い、3対2と逆転した。

しかし、直後の7回裏に柴田は4番・菅野結生の適時打により3対3の同点とした。試合は3対3のまま9回を終え、延長戦に突入した。

10回表、京都国際は2本の適時打を放って5対3と再び勝ち越した。その10回裏、柴田は代打の佐藤琳空が適時打で1点を返し、さらに走者二塁三塁とチャンスが続いたが、最後は京都国際の投手・平野順大が抑え、5対4で競り勝った。甲子園球場での初勝利を飾った。

2回戦・東海大学菅生高校戦

続く2回戦では東海大学菅生高校(西東京都)と対戦した。

東海大菅生は2回に1点を先制し、3回にも1点を加えて2対0とリードした。

しかし京都国際は5回、3番の中川勇斗が満塁の走者を一掃する適時二塁打を放って3対2と逆転した。さらに4番で投手の1年生・森下瑠大も適時打を放ち、1イニングに4点を奪って4対2とした。そのまま2点リードで9回を迎えた。

だが、京都国際が勝利を目前にした9回裏、東海大菅生は内野ゴロの間に1点を返し、さらに二死満塁から代打の2年生・多井耶雲がライト線への2点適時二塁打を放った。京都国際は4対5で劇的な逆転サヨナラ負けを喫し、ベスト16校として敗退した。

2021年夏の甲子園大会

2021年の全国高等学校野球選手権大会では、夏の京都大会で優勝したことで甲子園球場での全国大会へ進み、準決勝まで進出した。

京都大会決勝戦・京都外大西高校戦

京都大会では決勝まで駒を進め、京都外大西高校(京都市)と対戦した。会場は2018年秋の決勝戦と同じわかさスタジアムだった。

京都国際は1回裏に先制したが、翌2回表に外大西が一挙4点をあげ4対1と逆転した。

しかし、京都国際は2回裏に1点を返し、3回裏にも1点を返し、そして4回裏に4番の捕手中川勇斗が決勝点となる左翼席への2ラン本塁打を放ち、5対4と再び逆転した。さらに5回裏にも1点を重ねててリードを広げた。

守備ではエース投手の2年生・森下瑠大が2回途中から9回まで無失点に抑える救援を見せ、京都国際は6対4で勝利した。夏の京都大会では初めての優勝を果たし、夏の甲子園大会への初出場を決めた。

2回戦・前橋育英高校戦

初戦は2回戦で、前橋育英高校(群馬県)と対戦した。当日は雨が続いていたが、両校の試合前に収まった。

京都国際は2回、4番の中川勇斗がソロ本塁打で先制点を挙げた。

守備では森下が最後まで投げきって前橋育英を安打4本、10三振、無得点に抑え、1対0で完封勝利を飾った。

3回戦・二松学舎高校戦

続く3回戦では二松学舎大学付属高校(東東京都)と対戦した。

序盤に1点を先制されたが、5回表に投手の森下がソロ本塁打を放って同点とした。

続く6回表には3番の中川勇斗が2ラン本塁打、さらに4番の辻井心がソロ本塁打を放ち、4対1とリードした。

しかし、3点差のまま勝利を目前にした9回裏に二松学舎の櫻井虎太郎が3ラン本塁打を放った。再び同点とされ、延長戦に突入した。

その直後、10回表に森下が適時三塁打を放ち、さらに守備が乱れた隙に森下自身も本塁へ帰還して2点を追加した。その裏の守備では森下が二松学舎の打線を三者凡退に抑え、6対4で勝利を決めた。森下は10回142球を一人で投げ抜いた。

京都府の高校が夏の大会で準々決勝へ進むのは2006年の福知山成美高校以来15年ぶりであった。

準々決勝・敦賀気比高校戦

準々決勝では敦賀気比高校(福井県)と対戦した。

7回を終えるまで両者無得点であったが、8回表に敦賀気比の適時打と犠牲フライで2点を先制された。しかし直後の8回裏に京都国際は一死満塁からの四球押し出しと内野ゴロで2点を返し、すぐさま同点とした。

その後、9回表を無失点に抑え、9回裏の攻撃で1死二塁から8番の松下恵富がライト前に安打を放った。右翼手がボールを弾いた間に二塁走者が本塁へ生還して得点し、3対2でサヨナラ勝利を決めた。

準決勝・智辯学園高校戦

準決勝では、智辯学園高校(奈良県)と対戦した。

両者無得点で迎えた4回表、智辯学園は先頭打者の山下陽輔が四球で出塁し、犠打と死球で1死一三塁とチャンスを作った。智辯はここでスクイズを試みたが、京都国際の守備陣が三塁走者を挟んで憤死させた。これで2死一二塁とし、智辯の先制機を阻止したかと思われた。

しかし、智辯は続く小畠一心(投手)が左翼スタンドへ3ラン本塁打を放ち、一挙に3対0とリードした。京都国際は5回裏に大きな犠牲フライで1点を返したものの、以降は反撃が続かず、1対3で敗れた。

京都国際は初出場での決勝戦への進出は叶わず、ベスト4として敗退した。智辯の投手・小畠は京都国際を3安打1得点に封じ、1人で完投した。

なお、この準決勝のもう一つの試合は智辯学園和歌山高校(和歌山県)対 近江高校(滋賀県)であり、準決勝に進出した4校すべてが近畿地方に所在していた。これは夏の甲子園大会の歴史上で初めての事態であった。

さらに、準決勝で勝利した2校による決勝戦は「智辯学園高校 対 智辯学園和歌山高校」となり、「智辯学園」同士の優勝決定戦が行われるのも史上初めてとなった。

校歌


同校の校歌は韓国語からなる。

歌詞の冒頭を日本語に翻訳すると、「東海を 越えてきた 大和の地は……」と始まる。

甲子園大会での議論

同校硬式野球部が2021年の春の甲子園大会および夏の甲子園大会に出場した際、同大会で演奏された校歌がkoであることが話題になった。

日本国内では、「多様性や国際化を象徴している」「日韓の関係改善に繋がる」などと好意的な意見がみられた一方で、「韓国の学校が出場するのはおかしい」「韓国語の校歌が演奏されることに違和感がある」などという否定的な意見もみられた。

歌詞の「東海」に関する議論

特に、その歌詞に「〜〜(漢字:東海,トンヘ)」という名詞が含まれていることについて日本国内で議論があった。

「〜〜(トンヘ)」とは日本語に訳すと「'''東海'''」であり、これは「日本海」の韓国における呼称である(韓国(朝鮮半島)にとって東側の海であることから)。

大韓民国政府は同海の呼称を国際的に「東海」として認知させることを目指して政治的ロビー活動を行っており、日本国政府はこれを批判している。このことから日韓両国の外交問題となっている(詳細は日本海呼称問題を参照)。

「東の海」への修正

しかし、この2021年の2大会で同校歌が実際に演奏された際には、中継映像においてハングルとその日本語訳が併記され、「〜〜」の日本語訳として一般的な'''「東海」ではなく「東の海」'''(朝:〜〜 〜〜)と表示されていた。その画面には「日本語訳は学校から提出されたものです」との言葉も添えられた。

また、「〜〜〜 〜〜(漢字:學院)」についても直訳した'''「韓国の学園」または「韓国の学院」ではなく「韓日(韓国と日本)の学び舎」'''と表記された。

これらの表記は、歌詞が政治問題化することを避けるための配慮と考えられる。

日本のSNS上などでは様々な意見が交わされ、同校のホームページへはアクセスが集中して一時的に閲覧が困難となった。

この対応について、テレビ放送を行ったNHK大阪放送局とインターネット放送を行った毎日放送はいずれも「学校側から提出された歌詞を使った」と説明した。一方、読売新聞の報道によれば、同校は「こちらから日本語訳を出したことはない」と説明したという。また同選抜大会の事務局は「校歌について放送局や学校と協議したということはない」とした。

学校側の反応

2021年春の時点で、同校には大会前から校歌に対する意見や採用経緯を確認する電話が相次いだという。

これに対して当時の教頭が「さまざまなご意見を頂きました」とした上で次のように語り、今後には校歌を変更する可能性があることを示唆したとの報道もあった。
これからは我々も柔軟に変わっていくことが、今いる生徒やこれから入ってくる子供たちにとって一番いいことだと考えています。

いろんな意見を集約して、近い将来、校歌を変えたほうがより良い学校運営につながるのであれば、今の子供たちに合った新しい校歌を作る考えがあります。
同校教員らの間では「校歌問題に派生する無用な攻撃から生徒を守り、勉学や部活動に専念できる環境を整えるべき」という意見も強いという。ある学校関係者は「プロ野球選手になりたい、甲子園に出たいと思って入ってくる生徒もいる。今を生きる生徒に創立当初の理念を背負わせる必要はない」と語った。

生徒側の反応

2021年3月時点で野球部員は全員が日本国籍であった。

同年春の甲子園大会での1回戦勝利後、主将の山口は「勝った喜びがこみ上げてきた」と話し、殊勲打を記録した中川は「気持ちよく歌えました」と語った。

設置校


・高等学校
・中学校

設置学科


・普通科(高等学校)
 総合コース
 進学コース

プロ野球選手

・ 申成鉉(広島東洋カープ → KBO:斗山ベアーズ)
・ 荒木治丞(KBO:高揚ワンダーズ → LGツインズ)
・ 曽根海成(福岡ソフトバンクホークス → 広島東洋カープ)
・ 清水陸哉(福岡ソフトバンクホークス)
・ 上野響平(北海道日本ハムファイターズ → オリックス・バファローズ)
・ 釣寿生(オリックス・バファローズ)
・ 早真之介(福岡ソフトバンクホークス)
・ 中川勇斗(阪神タイガース)
・ 森下瑠大(横浜DeNAベイスターズ)
・ 杉原望来(広島東洋カープ)

著名な教職員・関係者


・ 小牧憲継(同校硬式野球部監督)

鉄道

JR奈良線/京阪本線 東福寺駅下車 徒歩18分 (通学登校時、スクールバスあり)

バス

京都市営バス(202・207・208) 東福寺バス停下車 徒歩15分

外部リンク


・ name:学校法人 京都国際学園


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