偏差値76、日本トップクラスの進学校…できすぎでは
2023年夏の甲子園「全国高等学校野球選手権大会」で、慶應義塾高校が103年ぶりの決勝進出を決めた。慶應関係者の喝采が広がると同時に、SNSでは驚きの声もみられた。なにしろ、慶應義塾高校といえば
偏差値76、日本トップクラスの進学校である。
また、同校はその名の通り
慶應義塾大学の付属校であり、卒業生はほぼ100%が慶大へ進学する。いくらなんでも、できすぎではないか? という声もあるのだ。
校則がなくとも自然とルールを守る「優等生」
なぜ慶應義塾高校、通称「塾高」を志望するのか。もちろん、慶應へ進学がほぼ保障されている安心感はあるだろうが、それ以上に受験生を惹きつけてやまないのは、その自由な校風である。
野球部であるにもかかわらず坊主頭でなかった選手たちの顔ぶれでもわかるとおり、同校は校則の少なさで知られている。卒業生に話を聞いても
「冬に学ランを着ているかチェックされる日があるくらい。ほぼ校則は無い」
「法律さえ守ればいい」
「個室トイレに2人で入る”ワンボックス”禁止のルールがあるだけ」*
「金髪も腰パンもOKだが、ガーディガンを着ると怒られる」*
など、そもそも校則を意識せずとも過ごせる空間である。
ただ、ほとんど校則がないとはいえ、「コンビニは授業開始前か、6時間目以降しか行けない」「朝8:20から授業が始まる。時間厳守」など、常識的なルールはあるようだ。もともと
偏差値が高い学生が集まる集団でもあるため、そういった”人として守るべきルール”は校則化しなくても、自然と守られていくのだろう。福沢諭吉が創立にあたり「わが日本国中における気品の泉源、智徳の模範たらんことを期し」と残した通りの学風である。