高校1年1学期から、もう高い目標を掲げているんですね。素晴らしいです。
ご存知だと思いますが、大学受験は全国区です。学年何番目というのも大切ではあるのですが、全国レベルでの位置付けを意識しなければなりません。でも、それを自分一人だけで何とかしようとするのは非常に困難なので、塾を有効活用されることをお勧めします。
「頑張る」という言葉を人はよく使いますが、頑張る方向を間違っていたら結果が出ず、徒労に終わるだけです。
方向性を間違わない為に塾を利用して欲しいのです。
平城生が通っている塾は研伸館、東進、代ゼミサテライン、エール予備校、河合塾、サムシングスペシャル…等でしょうか。中学時代の塾と同じ一斉授業型、個別ブースでヘッドホンをつけて自分のペースで授業を受けるタイプ等、塾によって授業の進め方は様々です。
遠慮せず体験授業を受け、又、授業と直接関係無くとも受け付けの人の態度や自習室の雰囲気もしっかり見定めて何処にするか決めてください。高3になれば毎日通うようになるので、そういった環境面も大切です。
…と塾の事ばかり書いてしまいましたが、一日の大半を過ごす学校生活が何より大事です。
授業中に先生があんなことをおっしゃっていた、小テストの積み重ねは今思えば役に立っていたなあと後になってから気付くものなんです。文化祭の準備もクラスのみんなと一緒に頑張って欲しいです。私が高校生だった頃、文化祭の準備中に「勉強があるから」と帰ってしまった男の子が二人居たのですが、みんな怒っていたし、結局彼らは浪人しました。一日、二日の勉強で成績がどうにかなるわけないのですから。
<定期テスト対策について>
私は教科書ガイドを積極的に使っていました。教科書ガイドを使うってズルいイメージがありますか?でも、小学生〜高校生がやっている勉強というのは、決して「学問」ではなく解答が必ず有る「お勉強」に過ぎません。正しい答えと解き方を覚えていく作業を日々やっているのです。割り切って教科書ガイドを使っちゃってください。
なお、進研ゼミの高1講座、高2講座に、
英語・古文・漢文の教科書会社別の定期テスト対策教材があります。
<おすすめの参考書について>
・「ここからがわからない」シリーズ、「神野の世界史劇場」(共に旺文社):CD−ROMが付いていて動画で説明してくれます。勉強内容が強く印象に残り、忘れません。
・「はじめからていねいに」シリーズ(東進ブックス):本当に、始めから丁寧に解説してくれています。
・はじめからわかる理科総合A(学研):現在出版されている理科総合の参考書の中では、読者(高校生)の心理的抵抗が最も少ないと思われる、読みやすい本です。
…とまあつらつら書いてきましたが、上記の意見はあくまで私の個人的なものです。「こんな意見もあるんだな」程度に思っておいてください。
後になってから思い出すことがあったので、追記させていただきますね。
<おすすめの参考書について>の所に追加です。動画解説本に「荻野のセンター
英語のワナ」(旺文社)というのもあります。この本の内容を知っているだけで大幅な点数アップが望めます。
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英単語の暗記について>
高校入学前の教科書購入で、
英単語集も買わされたと思います。私は、小テストや中間・期末テストのような短期決戦ならまあなんとかなるけれど、この単語集一冊まるまるの内容を受験本番までの長期間覚えていられるのだろうかという不安がありました。それで、書店の
英語学習書コーナーで何かヒントをくれる本が無いかとフラフラしていたところ、良さそうな記述を見つけました。
A-Bリピート機能が付いているMP3を購入し、覚えたいものを録音して、何度も聴くというものです。A-Bリピート機能というのは、自分にとって必要な区間を指定すると、その区間ばかり延々と再生してくれるというものです。その区間の
英単語を暗記できたら、また次の区間を指定して聴く…という積み重ねで単語集一冊を確実に覚えきることができました。「確実に覚えきる」なんて言ったら、何かものすごく努力が要求されるような気がしますが、このやり方に努力や根性は必要ありません。ただ聴いているだけで耳に焼き付いてくれるので。覚える気も無かったテレビCMのフレーズを知らず知らず口ずさんでいたとか、幼い頃に見ていたアニメの主題歌を全部歌えるという経験はありませんか?あれと同じです。 私はこれに気を良くして、英熟語、
英語構文、古文単語も同じ方法で覚えていきました。(途中、MP3では容量が足りなくなってきたのでSDカードで容量を増やしていけるICレコーダーに切り替えました。特にこだわり無く、一番安かったSANYO製のICレコーダーを購入したのですが、この分野ではSANYOが強いみたいです。)
<暗唱例文について>
またまた
英語の話になってしまって申し訳ないのですが、教科書とは別に市販の文法書のようなものも買わされませんでしたか?
そこにCDが付いていると思うのですが、このCDの暗唱例文を覚えておくと、英作文が得意になれます。英作文は俗に「英借文」とも言われています。入試問題の出題者が受験生に
英作文の問題を課すのは、別に受験生の意見を知りたいわけではないのです。例えば「AだけでなくBもまた」と聞いた時「not only A but also B」とパッと答えられるかどうかを英作文という形で試しているのです。参考書を執筆している人はどんな問題が出題されてきたか熟知しているので、効果的な例文を掲載してくれています。焦って短期間で覚える必要はありません。学校の授業に合わせて例文をその都度覚えていけば、高1の一年が終わる頃には全部暗記できてしまえますよ。
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模擬試験について>
Jリーガーに
数学の教員免許を持つ岩政大樹という選手が居ます。この人は山口県の公立進学校から一般入試で東京学芸大に入ったという、アスリートとしては異色の経歴を持っています。岩政選手が高校時代に気をつけていたことは、
模試を受けたら見直しをしっかりすることだったそうです。
模試の問題を作っているのは予備校の先生です。一年中、大学入試の問題のことばかり考えている人たちなので、その先生方が作る
模試の問題を解けるようになっていれば、得点力がつくわけです。
模試を受けるとどうしても
偏差値や順位、合格可能性ばかりを気にしてしまいますが、見直しをせずにあれこれ勉強しても、お風呂の栓をせずに一生懸命水を溜めている(いつまでたっても溜まらない)ようなものです。
<「自分で考える」ということについて>
特に理系科目を勉強する際のアドバイスとして言われることですが、「解答・解説を見ずに自分でしっかり考えよう」という意見があります。私はこの考え方には賛成できません。「分からない」ということは、知識や解答力が自分の頭の中に無いということだと思うのです。だから私は、5分考えて分からない時は、解答・解説、参考書を見て、知識を頭に入れるという方法をとっていました。教科書ガイドを積極的に使っていたのも、それと同じ考え方です。最初は解答・解説を見て解いて、次に何も見ずにスラスラ解ければ、その問題については分かったという認識でいました。
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過去問への取り組み方について>
ちょっと(どころかかなり?)気が早いですが「圧勝!受験なんてヘッチャラだ(PHP研究所)」という本が、志望校の
過去問を解く時の不安感を取り除いてくれます。この本は中学受験予定の小学生に向けて書かれたものなのですが、「なぜ
過去問を解く必要があるのか」「どう取り組めば効果があるのか」が指南されていて、試験を受ける全ての人に参考になります。
<平城高校について>
実は私は、平城の合格発表の時、嬉しさ&安堵感と共に少し残念な気持ちも抱いていました。郡山と平城とどちらにするかで悩み、安全策をとって平城を選んだからです。入学してしばらくは、全力を出し切らなかったんじゃないか、妥協したんじゃないかという思いが心の片隅にくすぶっていました。しかし、私が個人的にどう思っていようが、それにおかまいなく時間は過ぎて行き、友達と打ち解けていき、行事に取り組むうちに、少しずつ平城カラーに染まっていきました。平城山祭(文化祭)が終わった後、グラウンドで花火師さんによる花火の打ち上げがあるのですが、最後の花火が打ち上がった後、誰からともなく校歌を歌い出し最後には見事に大合唱になります。感動モノですよ。 体育大会は奈良市の鴻池陸上競技場を借り切って行われ、この日は現地集合・現地解散ということもあって非日常で楽しいです。あと、マラソン大会が無いのも平城の良い所かな(笑)。
学習面でのレベル、カリキュラムについては、意欲的な人はもしかしたら物足りなさを感じるかもしれません。でも、それも考えようによっては利点になります。大学に入り、「面倒見が良い」とされている私立高校出身の友人に聞くと「中学生には自分の出身校は勧めたくない」と言うのです。毎日、夕方5時まで授業があって「集中力を維持させるのが大変で、下校する頃にはフラフラだった、早く授業が終われと時計ばかり見ていた」そうです。 また、九州出身の別の友人は「早朝補習、放課後補習、大量の宿題に追われて自分で計画して勉強するなんてできなかった」と言っていました。 平城はその点、拘束がほとんど無く、生徒には自分の時間をどのように使うか自分で決められる自由があります。自分に合う塾に行き、自分が選んだ問題集で勉強する方が効果が高いと思うのです。勉強は「強いて勉める」と書きます。昔の人も勉強をしんどいものだと思っていたからこんな漢字をあてたのでしょうね。だったらなおさら辛いやり方は避けたいものです。
<最後に>
毎年、受験シーズンの週刊誌には主要大学の各高校別ランキングが掲載されます。旧帝(東大、京大、北海道大、東北大、名古屋大、大阪大、九州大のことを「旧帝国大」、略して「旧帝」と言います。)や早慶、一橋・東京工業・神戸あたりがまあ、一流大学とされているのですが、そのランキングを見ていると面白いことに気付きます。それらの大学に1人〜3人くらいの合格者を出している高校は必ずしも一流進学校とは限らないのです。学区2番手以下の高校(奈良の場合は学区が無いのでピンと来ないと思いますが)、滑り止め扱いされている私立高校、中には工業高校、商業高校の名前もランクインしているのです。おそらく、その人にとってベストな勉強方法が見つかり、グングン伸びていったのでしょうね。極端な話、高校名は進学先まで保障してくれるわけではないし、高校名で進学先が制限されるわけでもありません。「ここの常連サン」にも最適な勉強方法が見つかりますように。そしてできれば平城高校での生活も楽しんでください。
私はあんな気持ちで入学したのに、卒業した今は母校・平城高校のことが大好きです。