一般的に、実力テストは定期テストと違って出題範囲が決まっていないのと、成績の点数には無関係なので、復習をせずに実力テストに臨む生徒が多く居ました。私が在学していた50年ほど昔はのんびり屋の生徒が多かったですね。要領の良い生徒は、これまでの教科書全範囲と定期テスト設問を浅く復習しておいてそれなりに点を稼いでいました。
大学入試をターゲットにした実力テストで多くの生徒が芳しい点数を取れないのは、半分は教員、指導者の責任ですから、しかるべき学習指導をすると思います。
卒業後5年程度ですが、当時から
数学の実力テストだけは、学生のレベルと問題のレベルが明らかにかみ合っていませんでした。追手前のボリューム層は高知大を目指す生徒ですが、東大や京大の
過去問をベースにした問題が出題されることもありました。高知大とそれらの大学の間には
偏差値20以上の差があります。こんな有様ですから、当然、私の在学中も
数学の実力テストの平均点は200点満点中20点前後でした。
なぜこのようなギャップが生じるのかというと、
数学の実力テストは青チャートをもとにつくられているからです。青チャートは国公立大の二次試験や有名私大の
過去問の中から良問を抽出した問題集です。文系で二次試験に
数学が課される大学は旧帝レベルくらいですし、かといって、理系が二次試験で受けるような地方国公立の
数学も、大抵の現役生にとっては決して簡単ではありません。
偏差値62の高校の平均的な生徒にとって、青チャートは言うまでもなく難しいのです。個人的な考えですが、高知大を目指すのであれば黄色チャートでも十分だと思います。あえて青チャートを使い続けているということは、岡山大などの中堅国立を目指せるレベルに鍛えたいという意図があるのかもしれませんね。
高知のトップ公立高校のレベルが低いのは、高知の恥なんだけどなあ。何とか頑張って欲しい。他府県の
進学校がやっているように、普通科と〇〇科に分けて、2コース制にすれば解決する。使う教科書から進学先まで全部違うけど、体育祭や文化祭や部活は一緒にやるスタイル。旧帝上位大を目指す〇〇科の教科書は、プライム。それが無理なら体系
数学で。普通科の人は、それなりのテキストで。〇〇科の方は、高校2年前半までに高校3年の履修範囲を終わらせて、医学部入試にも対応できるようにすれば良いと思う。できないことはないと思うんだけどね、数オリとか高校生クイズで活躍できるような生徒は高知にもいるはず。環境を整えるのは大人の仕事だと思う。