鶴丸卒業生のお母様へ
はじめまして、否、もしかしたらすでに語っているかも知れませぬが、甲南高校卒業の女医です。ライバル鶴丸高校に闘志を燃やして三十年
独身で仕事一筋に生きてまいりました。
簡潔なお言葉に、いまの高校生の皆様に対する的確かつ暖かな助言と愛情を感じますね。
思うのですが甲鶴の生徒さんは、もともとは国立や有名私立に現役で合格することを目標に入学された有能な方々ばかりだと思うのです。東大京大国立医学部といわずとも地方の国立大学の文理教育学部も、現役合格にはかなりの難しさがあり(エンジェル自身万一医学部に落ちた場合には、翌年は鹿児島大学文教育学部に進学しようと心に決めていましたので、、、)どこが難関でどこが底辺とか考えたこともありませんでした。
兄と同じ年の有名なシンガーソングライターの
辛島美登里さんは、鶴丸卒業で確か現役で奈良女子大学にいかれていますよね。私の母校卒のひとつ年下の世界的な指揮者で(せごどん)でもタクトを取られている下野指揮者は現役では鹿児島大学教育学部を御卒業されています。東京の一流大学でなくても、能力のある方々は甲鶴から中堅の大学を卒業後世界的な御活躍をされている。これがホントの英才教育の成果ではないかと思うのです。
エンジェルは少しばかり音楽の心得がありましてピアノはショパンのエチュード(エオリアンハーブ、別れの曲)を弾くものですから芸術で羽ばたかれた同胞らの姿をうらやましく感じていました。才能がなく頭のよくない自分は、がり勉だけが得手で医者になりましたが、もう少し頭が良くて芸術的才能に恵まれていたら辛島美登里さんのようなシンガーソングライターになりたかったという切望は今でも残っております。
偏差値だけで大学の価値を決めるのではなく多様な教養の背景から、それぞれの子供さんにふさわしい進路を考えてあげるのも良妻賢母の務めなのかも知れませんね。
そのうえで、、やはり大学現役合格は大事だと思います。辛島美登里さんも下野指揮者も現役合格者ですからね。(笑)
良く気がつきましたね。あなたの言われる意味で、鹿大医学部医学科は、実は古より過当競争になっております。郷里の実力者同士が、いい意味でも悪い意味でも殺し合いをしているのです。(笑)
実力ある鶴甲にとって実は、他県地方医学部の方が穴場です。沖縄、宮崎、大分、長崎、高知、徳島、香川、島根、等々、、、情報を調べるほど意外に生徒さんとの相性もあります。兄と自分は、甲南から現役長崎大学医学部へ行きましたが、当時の長大の二次試験内容は、母校で学んだ補習プリントで対応できるほど基礎的な内容が多く、二人とも特待生、首席で合格し六年間
授業料免除を受けることが出来ました。鹿大医学部を受けていたら、あまりの過当競争に特待生も授免も無理だったかも知れません。
(逃げ逃げ家康天下取る)ということわざもあります。大都会や県内のみに拘るのではなく、目先の競争にとらわれすぎることなく、無心に県外を広く見渡せば、本当の意味で自分と相性の良い学び舎が見つかるものです。ブランドに拘らずとも、最後に医師国家試験に受かりさえすれば良いわけですから。
貴方のような柔軟な頭があれば、意外に現役で○○大学医学部を首席合格できるかもしれません。頑張ってくださいね。(笑)
今は令和五年四月ですから、もう合格されているかもしれませんね。合格されていたら本当におめでとうございます。不幸にして浪人されていても自分の行きたい大学を目指して頑張ってください。ご多幸お祈りします。