では英単語集を使った覚え方を具体的にみていきます。
『中学 英単語ターゲット1800』(以下『ターゲット』)のLevel1の最初のページ(42・43p)は次のような構成です。ごく基本的な単語が掲載されています。
1The その,あの
2to?? ?〜へ,〜に?〜まで?to不定詞
3I??? 私は,私が
4a??? ?1つの,1人の,ある?〜というもの?〜につき
覚えるまでの反復(繰り返し)回数は人によって違いますが、英語が苦手な人は最低でも3回は繰り返す必要があると思います。「暗記は苦手だ」と思っている人の中には、そもそも反復の回数が絶対的に足りない人が多いですよ。
ただし、全ての単語を完璧に覚えようとして、単語集に時間をかけすぎないよう気をつけてください。8割方覚えれば十分です。14単語であれば目安は10〜20分ほどです。
「14単語を覚えるのに30分以上かかる」という人は覚え方自体に問題がある場合があります。効率的な覚え方を考えてみましょう。脳の特性を思い出してください。
・知識はネットワークでつながるため、記憶が増えるほど覚えやすくなる。
脳は「ニューロン」という脳細胞をつなげることで記憶を蓄積するのでした。そのため「何かと関連した情報」は覚えやすくなります。「1192(イイクニ)作ろう鎌倉幕府」や「1.7320508(ヒトナミニオゴレヤ)=3の平方根」などの語呂合わせは、この脳の特性を利用しています。
例えば、『ターゲット』の131番目の単語は「lot(ラット/ロット)」で意味は「たくさん,多数,多量」などとあります。例えばこれは「ねずみ(ラット)が沢山いる」様子を思い浮かべながら覚えてみてください。
正確には「Rat(ねずみ)とlot(たくさん)」はスペルが違います。ですが「lot」をねずみやねずみが沢山いる情景(想像つきますよね)を思い浮かべながら覚えると、覚えやすくなります。
ただ単純に「lot,lot,lot・・・」と念じて覚えるより、イメージやストーリーに結びつけて覚えた方が覚えやすいのです。イメージやストーリーに多少無理があっても構いません。適当に何かの記憶と結びつけて覚えてみてください。ずっと覚えやすくなるはずです。
このように書くと「それでは記憶の正確性に問題が生じるのでは?」とか「Rat(ねずみ)とlot(たくさん)がごっちゃになりそうだ。」と思う人がいるかもしれません。安心してください。脳は物事をそれほど正確には覚えてくれません。
「lot(たくさん)」や他の英単語を単語集で覚えたきりにして、読み書きで使わなければ自然と忘れてしまいます。単語集は単語を覚えるきっかけ作りに過ぎません。単語集で覚えた単語を読み書きで使って始めて使いこなせるようになります。
多少記憶が曖昧でも文章中では「lot」が「ねずみ」でないことは分かります。そして何度が文章内で「lot」を読んだり、英作文で使っている内に脳は「lot」の意味や使い方を記憶していきます。最初に覚えたきっかけの「lot:ねずみ(ラット)が沢山いる」は使われなければ自然と忘れます。
もちろん無理にイメージと関連づける必要はありません。「この単語は何もイメージがわかない(思いつかない)」と言うときは何度も発音したり、書いたりして覚えてください。それでも何度か繰り返す内に必ず覚えられます。