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学校における新型コロナウイルス感染症
     に関する衛生管理マニュアル
             (2023.5.8)
                             はじめに
 
 
   新型コロナウイルス感染症は、令和5年5月8日付けで、感染症の
 予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成 10 年法律第
 114 号)上の5類感染症に移行するとされており、これまで3年余に
 及んだ感染症との戦いに一つの節目を迎えることとなります。
   この間、様々な制約の中で、工夫を凝らしながら、感染拡大の防止
 と学校教育活動の継続の両立に取り組んでいただいてきた教育委員
 会・学校関係者の皆様に改めて感謝申し上げます。
 
 
   5類感染症への移行後においては、従来の感染症対策を一律に講
 じるのではなく、感染状況が落ち着いている平時においては、換気や
 手洗いといった日常的な対応を継続することが基本となります。そ
 の上で、感染流行時には、一時的に活動場面に応じた対策を講じるこ
 とが考えられます。
   本マニュアルは、5類感染症への移行後における学校での感染症
 対策の参考となる基本的な考え方をお示しするものとなりますので、
 教育委員会や学校におかれては、本マニュアルも参考にしつつ、従来
 の対策を見直した上で、地域の実情に即した対策を御検討いただき、
 児童生徒等が安心して充実した学校生活を送ることができるよう、
 引き続きの取組をよろしく願いします。
 
 
                      文部科学省 初等中等教育局 健康教育・食育課
                                 目次
 
 
 第1章 学校における新型コロナウイルス感染症対策の考え方について     p1
  1.設置者及び学校の役割
  2.家庭との連携
 
 
 第2章 平時から求められる感染症対策について                         p2
  1.児童生徒等への指導
  2.児童生徒等の健康観察
  3.換気の確保
  4.手洗い等の手指衛生の指導
  5.咳エチケットの指導
  6.マスクの取扱い
  7.清掃
  8.抵抗力を高めること
 
 
 第3章 感染流行時における感染症対策について                         p7
  1.マスクの取扱い
  2.身体的距離の確保
  3.具体的な活動場面ごとの感染症対策
 
 
 第4章 感染状況に応じて機動的に講ずべき措置について               p10
  1.出席停止の取扱い
  2.保護者から感染が不安で休ませたいと相談があった場合の対応
  3.学校内で感染が広がった場合における対応
  4.やむを得ず学校に登校できない児童生徒に対するICTの活用
    等による学習指導
 
 
 第5章 感染症対策に当たって配慮すべき事項について                 p15
  1.児童生徒等及び教職員の心身の健康状態の把握、心のケア等
  2.医療的ケアを必要とする児童生徒等や基礎疾患等がある児童生
    徒等への対応
  3.新型コロナワクチンと学校教育活動
  第1章 学校における新型コロナウイルス感染症対策の考え方について
 
 
    新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行後においては、学校教育活
  動の継続を前提とした上で感染拡大を防止していくため、学校において、時々
  の感染状況に応じた感染症対策を講じていくことが重要となります。
    具体的には、感染状況が落ち着いている平時においても、幼児児童生徒(以
  下「児童生徒等」という。)の健康観察や換気の確保、手洗い等の手指衛生の
  指導等を行いつつ、地域や学校において感染が流行している場合などには、必
  要に応じて、活動場面に応じた感染症対策を一時的に検討するなど、学習内容
  や活動内容を工夫しながら、授業や部活動、各種行事等の学校教育活動を継続
  し、児童生徒等の学びを保障していくことが必要です。
    その際、感染症対策を講じたとしても、感染リスクはゼロにはならないとい
  うことを理解した上で、感染者が確認された場合には、適切に対処することが
  できるよう、以下を参考に、教育委員会と衛生主管部局との連携や、学校医・
  学校歯科医・学校薬剤師等の専門家と連携した学校における保健管理体制を構
  築しておくことが重要です。
 
 1.設置者及び学校の役割
 (1)教育委員会等の役割
      域内の学校における感染拡大を防止し、感染者が確認された場合に適切に
    対処できるよう、以下の役割を担います。
    1 衛生主管部局と連携し、地域の感染状況について情報収集を行い、その
      状況を踏まえて、臨時休業の必要性等について判断する。
    2 各学校の対応状況の把握や必要な物品の調達等、衛生環境の整備や指導
      を行う。
    3 医師会・歯科医師会・薬剤師会等との連携・協力を行うとともに、設置
      者として保護者や地域への連絡や情報発信等を行う。
 
 (2)学校の役割
      校長を責任者とし、保健主事・養護教諭・各学級担任等とともに、学校医・
    学校歯科医・学校薬剤師等と連携した保健管理体制を構築します。
      その上で、児童生徒等への指導のほか、健康観察や、給食時間や休み時間、
    登下校時の見守りなど、教員業務支援員(スクール・サポート・スタッフ)
    や地域学校協働本部による支援等、地域の協力を得ながら学校全体として取
    り組むことが重要です。
 
 2.家庭との連携
    学校内での感染拡大を防止するためには、外部からウイルスを持ち込まない
 
                                    1
  ことが重要であり、そのためには各家庭の協力が不可欠となります。
    このため、学校における感染症対策について、保護者の理解が得られるよう、
  PTA等と連携しつつ、学校からも積極的な情報発信を心掛け、家庭の協力を
  呼び掛けることが重要です。
 
 
 
 
  第2章 平時から求められる感染症対策について
 
 
    これまでの新型コロナウイルス感染症対策を踏まえ、5類感染症への移行後
  においても、感染拡大を防止するため、学校教育活動に支障を生じさせること
  なく、両立が可能な対策については、継続して実施することが有効となります。
 
 1.児童生徒等への指導
    学校生活においては、休み時間や登下校時など教職員の目が届かない所での
  児童生徒等の行動が感染リスクとなり得ます。そのため、まずは、児童生徒等
  が感染症を正しく理解し、感染リスクを自ら判断した上で、これを避ける行動
  をとることができるよう、感染症対策に関する指導を行うことが重要です。
    また、児童生徒等には、感染症対策のための持ち物として、一般的には次の
  ものが必要となります。
  【各自に必要な持ち物】
      □ 清潔なハンカチ・ティッシュ
      □ (必要に応じて)マスクやマスクケース等
 
 2.児童生徒等の健康観察
    学校内での感染拡大を防止するためには、健康観察を通じて、児童生徒等の
  健康状態の異変やその兆候等を把握し、当該児童生徒等自身の健康は勿論、他
  者への感染リスクを減らすことが重要となります。
  1 発熱や咽頭痛、咳等の普段と異なる症状がある場合などには登校しないこ
    との周知・呼び掛け
      発熱や咽頭痛、咳等の普段と異なる症状がある場合には、児童生徒等及び
    教職員とも、無理をせずに、自宅で休養することが重要です。そのためには、
    児童生徒等の保護者に対して周知・呼び掛けを行い、理解と協力を得ること
    が不可欠となります。
      その際、新型コロナウイルス感染症の症状とアレルギー疾患等の症状を区
    別することは困難な場合もあることから、軽微な症状があることを以て、登
    校を一律に制限する必要はありません。
 
 
 
                                    2
  2 児童生徒等の健康状態の把握
      家庭との連携により、児童生徒等の健康状態を把握することが重要です。
    その際、児童生徒等の体温を毎日チェックさせ、学校に提出させるといった
    取組は不要です。また、児童生徒等の健康状態を効果的に把握するため、I
    CT等を活用することも考えられます。
 
  3 児童生徒等に発熱等の症状が見られた場合の対応
      児童生徒等に発熱等の症状が見られる場合には、安全に帰宅させ、症状が
    なくなるまでは自宅で休養するよう指導します。また、受診を勧め、受診状
    況を保護者から聴き取り、状況に応じた対応をします。
      その際、児童生徒等本人や保護者の意向に基づかず、医療機関での検査や
    検査キットによる自己検査を求めることのないようにしてください。これは、
    教職員についても同様です。
 
 3.換気の確保
    新型コロナウイルス感染症の感染経路は、接触感染のほか、せき、くしゃみ、
  会話等のときに排出される飛沫やエアロゾルの吸入等とされており、換気の確
  保は、引き続き、有効な感染症対策となります。
    このため、換気は、気候上可能な限り常時、困難な場合はこまめに(30 分に
  1回以上、数分間程度、窓を全開する)、2方向の窓を同時に開けて行うよう
  にします。授業中は必ずしも窓を広く開ける必要はありませんが、気候、天候
  や教室の配置などにより換気の程度が異なることから、必要に応じて換気方法
  について学校薬剤師等と相談してください。
  1常時換気の方法
      気候上可能な限り、常時換気に努めます。廊下側と窓側を対角に開けるこ
    とにより、効率的に換気することができます。なお、窓を開ける幅は 10 cm
    から 20 cm程度を目安としますが、上の小窓や廊下側の欄間を全開にするな
    どの工夫も考えられます。また、廊下の窓を開けることも必要です。
 
  2常時換気が困難な場合
      常時換気が難しい場合は、こまめに(30 分に1回以上)数分間程度、窓を
    全開にするようにします。
 
  3窓のない部屋
      常時入口を開けておいたり、換気扇を用いたりするなどして十分に換気に
    努めます。
 
 
 
 
                                    3
 4体育館のような広く天井の高い部屋
    換気は感染拡大の防止の観点から重要であり、広く天井の高い部屋であっ
  ても換気に努めるようにします。
 
 5エアコンを使用している部屋
    換気機能のないエアコンは室内の空気を循環しているだけで、室内の空気
  と外気の入れ替えを行っていないことから、そうしたエアコンを使用する場
  合にも換気は必要となります。
 
 6換気設備等の活用と留意点
    換気扇等の換気設備がある場合には、常時運転します。
    他方で、換気設備の換気能力を確認することも必要です。換気設備だけで
  は人数に必要な換気能力には足りず、窓開け等による自然換気との併用が必
  要な場合が多いことに留意が必要です。なお、換気扇のファン等が汚れてい
  ると効率的な換気が行えないことから、清掃を行うようにしてください。
    また、十分な換気が確保できない場合には、サーキュレータや HEPA フィ
  ルタ付き空気清浄機等の導入など、換気のための補完的な措置を講じ、可能
  な限り十分な換気を確保することが重要となります。
 
 7冬季における換気の留意点
    冷気が入りこむため窓を開けづらい時期ですが、空気が乾燥し、飛沫が飛
  びやすくなることや、季節性インフルエンザが流行する時期でもありますの
  で、換気に取り組むことが必要です。気候上可能な限り、常時換気に努めて
  ください(難しい場合には 30 分に1回以上、少なくとも休み時間ごとに、
  窓を全開にします。)。
  イ)室温低下による健康被害の防止
      換気により室温を保つことが困難な場面が生じることから、室温低下に
    よる健康被害が生じないよう、児童生徒等に暖かい服装を心掛けるよう指
    導するなど、学校内での保温・防寒目的の衣服の着用について柔軟に対応
    してください。
      また、室温が下がりすぎないよう、空き教室等の人のいない部屋の窓を
    開け、廊下を経由して、少し暖まった状態の新鮮な空気を人のいる部屋に
    取り入れること(二段階換気)も、気温変化を抑えるために有効です。
 
  ロ)地域の気候条件に応じた換気方法
      換気の方法については、地域の気候等に応じた方法がある場合もありま
    す。それぞれの気候条件に応じて、必要に応じ、適切な換気方法を学校薬
    剤師等に相談してください。
 
 
                                 4
    ハ)機器による二酸化炭素濃度の計測
        十分な換気ができているかを把握し、適切な換気を確保するために、適
      宜学校薬剤師等の支援を得つつ、換気の目安として CO2モニターにより二
      酸化炭素濃度を計測することも考えられます。
 
 4.手洗い等の手指衛生の指導
    ウイルスが付着したものに触った後、手を洗わずに、目や鼻、口を触ること
  により感染することもあります。このため、接触感染の仕組みについて児童生
  徒等に理解させ、手指で目、鼻、口をできるだけ触らないようにするとともに、
  接触感染を避ける方法として、手洗いを指導します。
    具体的には、登校時や外から教室等に入る時、トイレの後、給食(昼食)の
  前後など、こまめに手を洗うことが重要です。手洗いは 30 秒程度かけて、流
  水と石けんで丁寧に洗います。また、手を拭くタオルやハンカチ等は個人持ち
  として、共用はしないように指導します。
    なお、手指用の消毒液は、流水での手洗いができない際に、補助的に用いら
  れるものですので、基本的には流水と石けんでの手洗いを指導します。また、
  石けんやアルコールを含んだ手指消毒薬に過敏に反応したり、手荒れの心配が
  あったりするような場合には、流水でしっかり洗うことを指導するなどの配慮
  を行います。
    これらの取組は、児童生徒等のみならず、教職員や、学校に出入りする関係
  者の間でも心掛けるようにします。
 
 5.咳エチケットの指導
    咳エチケットとは、感染症を他者に感染させないために、咳・くしゃみをす
  る際、ティッシュ・ハンカチや、袖、肘の内側などを使って、口や鼻をおさえ
  ることです。他者に飛沫を飛ばさないよう、児童生徒等に対して適切に咳エチ
  ケットを行うよう指導します。
 
 
 
 
 6.マスクの取扱い
    学校教育活動においては、児童生徒及び教職員に対して、マスクの着用を求
  めないことが基本となります。
 
                                    5
    ただし、登下校時に通勤ラッシュ時等混雑した電車やバスを利用する場合や、
  校外学習等において医療機関や高齢者施設等を訪問する場合など、社会一般に
  おいてマスクの着用が推奨される場面では、マスクを着用することが推奨され
  ます。
    また、基礎疾患があるなど様々な事情により、感染不安を抱き、マスクの着
  用を希望したり、健康上の理由により着用できない児童生徒もいることなどか
  ら、そういった者にマスクの着脱を強いることのないようにしてください。児
  童生徒の間でも着用の有無による差別・偏見等がないよう適切な指導をお願い
  します。
    幼児についてはマスクの着用を求めないこととしています。ただし、様々な
  事情により着用を希望する幼児に対しては、適切な配慮が必要であることに留
  意してください。
 
 (参考)マスクを外す際の注意点
      マスクを外す際には、ゴムやひもをつまんで外し、手指にウイルス等が付
    着しないよう、なるべくマスクの表面には触れず、内側を折りたたんで清潔
    なビニールや布等に置くなどして清潔に保ちます。
      マスクを廃棄する際も、マスクの表面には触れずにビニール袋等に入れて、
    袋の口を縛って密閉してから廃棄します。
 
 7.清掃
    消毒は、感染源であるウイルスを死滅させ、減少させる効果はありますが、
  学校生活の中で消毒によりウイルスを完全に死滅させることは困難です。
    このため、一時的な消毒の効果を期待するよりも、清掃により清潔な空間を
  保ち、手洗いを徹底することの方が重要です。それに加えて、清掃活動とは別
  に日常的な消毒作業を行うことは不要です。
  ○普段の清掃のポイント
    ・ 清掃用具の劣化や衛生状態、適切な道具が揃っているかを確認します。
    ・ トイレや洗面所は、家庭用洗剤を用いて通常の清掃活動の範囲で清掃し、
       特別な消毒作業の必要はありません。
    ・ 器具・用具や清掃道具など共用する物品については、使用の都度消毒を
       行うのではなく、使用前後に手洗いを行うよう指導します。
    ・ 清掃の実施の際には、換気を十分に行います。
 
 8.抵抗力を高めること
    身体の抵抗力を高めるため、「十分な睡眠」、「適度な運動」及び「バランス
  の取れた食事」を心掛けるよう指導します。また、ワクチン接種も新型コロ
  ナウイルス感染症の発症や重症化の予防等の効果が期待されています。
 
 
                                    6
  第3章 感染流行時における感染症対策について
 
 
    第2章で述べたように、学校教育活動の実施に当たっては、健康観察や換気
  の確保、手洗い等の手指衛生の指導等が重要となりますが、感染状況が落ち着
  いている平時には、それ以外に特段の感染症対策を講じる必要はありません。
    一方で、地域や学校において感染が流行している場合などには、以下を参考
  に、一時的に活動場面に応じた対策を講じることが考えられます。
 
 1.マスクの取扱い
    地域や学校において感染が流行している場合などには、教職員がマスクを着
  用する又は児童生徒に着用を促すことも考えられますが、そういった場合にお
  いても、マスクの着用を強いることのないようにしてください。
 
 2.身体的距離の確保
    活動の性質上、学校においては身体的距離を確保することが感染対策上有効
  となります。特に、地域や学校において感染が流行している場合などには、授
  業等における具体的な活動場面や使用する施設の状況等を踏まえた上で、児童
  生徒等の間隔を可能な範囲でとることが考えられます。
    その際、児童生徒等の間隔に一律にこだわるのではなく、換気を組み合わせ
  ることなどにより、現場の状況に応じて柔軟に対応するようにしてください。
 
 3.具体的な活動場面ごとの感染症対策
 (1)各教科等
      地域や学校において感染が流行している場合などには、以下に示すような
    各教科等における「感染リスクが比較的高い学習活動」の実施に当たって、
    活動の場面に応じて、一時的に
    ・「近距離」「対面」「大声」での発声や会話を控えること
    ・児童生徒等の間に触れ合わない程度の身体的距離を確保すること
    等の対策を講じることが考えられます。
 
 
 
  「感染リスクが比較的高い学習活動」
     ・「児童生徒が対面形式となるグループワーク等」
       「一斉に大きな声で話す活動」                    【各教科等共通】
     ・「児童生徒がグループで行う実験や観察」                  【理科】
     ・「児童生徒が行う合唱及びリコーダーや鍵盤ハーモニカ等の演奏」
                                                               【音楽】
 
 
                                     7
       ・「児童生徒が行う共同制作等の表現や鑑賞の活動」
                                                 【図画工作、美術、工芸】
       ・「児童生徒がグループで行う調理実習」        【家庭、技術・家庭】
       ・「組み合ったり接触したりする運動」             【体育、保健体育】
 
 
        そのほか、以下の点にも留意します。
         医療的ケアを必要とする児童生徒等(以下「医療的ケア児」という。)及
         び基礎疾患等があることにより重症化するリスクが高い児童生徒等(以
         下「基礎疾患児」という。)や、保護者から感染の不安により授業への参
         加を控えたい旨の相談があった児童生徒等については、授業等への参加
         を強制せずに、児童生徒等や保護者の意向を尊重すること。
         特別支援学校等における自立活動や幼稚園における保育活動について
         は、教師と児童生徒等や児童生徒等同士が接触するなど、感染リスクが
         高い学習活動も考えられるため、適切な配慮を行った上で実施すること。
 
 (2)儀式的行事等の学校行事
      儀式的行事のほか、体育的行事や文化的行事その他の学校行事の実施に当
    たっても、地域や学校において感染が流行している場合などには、一時的に、
    (1)で述べた対策のほか、以下のような対策や工夫を講じることが考えら
    れます。その際には、児童生徒等や保護者等の理解・協力が得られるよう、
    丁寧な説明・情報発信を行うことが重要です。
    <感染症対策>
       ・参加者への手洗いや咳エチケットの推奨など
       ・アルコール消毒薬の設置など
       ・可能な範囲で間隔を空けるなど、触れ合わない程度の距離の確保
 
    <開催方式の工夫の例>
       ・ICTを活用した対面とオンラインとのハイブリッド方式による開催
         (参加者の一部は別会場にて、ウェブ会議システム等で双方向のやり取
         りを行ったり、式の様子を視聴したりするなど)
 
 (3)部活動
      部活動の実施に当たっても、地域や学校において感染が流行している場合
    などには、一時的に、(1)で述べた対策を講じることが考えられるほか、
    以下の点に留意しながら活動を行うことが重要です。
         生徒の健康・安全の確保のため、生徒だけに任せるのではなく、教師や
         部活動指導員等が活動状況を確認すること
         活動時間や休養日については、「学校部活動及び新たな地域クラブ活動
 
                                      8
        の在り方等に関する総合的なガイドライン」
                                              (令和4年 12 月)に準拠す
        るとともに、実施内容等に十分留意すること
        大会やコンクール等の参加に当たっては、学校として主催団体とともに
        責任をもって、大会における競技、演技、演奏時等はもとより、会場へ
        の移動時や会食・宿泊時、会場での更衣室や会議室等の利用時などにお
        いても、生徒、教師等の感染拡大の防止に留意すること
        練習試合や合同練習、合宿等の企画・実施に当たっては、地域の感染状
        況等を踏まえ、部活動を担当する教師のみで行うのではなく、学校とし
        て責任をもって、感染拡大の防止に留意すること
        同じ部活動に所属する生徒等が食事する際なども含め、部活動の前後の
        活動にも留意すること
 
 (4)給食等の食事をとる場面
      児童生徒等全員に食事の前後の手洗いを指導するとともに、会食に当たっ
    ては、飛沫を飛ばさないように注意することが重要となります。特に、地域
    や学校において感染が流行している場合などには、一時的に、(1)で述べ
    た対策を講じることが考えられます。
      高等学校等で弁当を持参する場合や、教職員の食事の場面においても同様
    となります。
 
 (5)登下校
      登下校時には、教職員の目が届きづらいこと等から、感染状況が落ち着い
    ている平時も含めて、通勤ラッシュ時等混雑した電車やバスを利用する場合
    にはマスクの着用を推奨する、帰宅後(又は学校到着後)は速やかに手を洗
    う、顔をできるだけ触らない等の指導を行うことが重要です。
 
       スクールバスの利用に当たっては以下のことが考えられます。
        利用者の状況に配慮しつつ、定期的に窓を開け換気を行うこと
        発熱や咽頭痛、咳等の普段と異なる症状がある場合などには乗車を見合
        わせるよう呼び掛けること
        利用者に手洗いや咳エチケット等を徹底すること
      また、地域や学校において感染が流行している場合などには、可能な範囲
    で運行方法の工夫等を行い、過密乗車を避けることも考えられます。
 
 (6)健康診断
      健康診断の実施は、学校保健安全法(昭和 33 年法律第 56 号)に定められ
    ているものであり、児童生徒等の健康状態を把握し、必要な措置を講じるた
    め、毎学年の6月 30 日までに実施する必要があります。
 
 
                                    9
      ただし、令和5年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響により
    実施体制が整わないなど、やむを得ない事由によって6月 30 日までに健康
    診断を実施することができない場合には、令和5年度の末日までの間に、可
    能な限り速やかに実施してください。
      健康診断の実施に当たって、特に地域や学校において感染が流行している
    場合などには、児童生徒等が密集しないよう、部屋に一度に多くの人数を入
    れないようにし、整列させる際にはできるだけ間隔を空けることや、会話や
    発声を控えるよう児童生徒等に指導すること等が考えられます。
 
      また、検査に必要な器具等を適切に消毒します。健康診断の実施時期の判
    断や実施の方法等については、学校医や学校歯科医、関係機関等と十分連携
    し、共通理解を図っておくことが重要です。
 
 
 
 
  第4章 感染状況に応じて機動的に講ずべき措置について
 
 
 1.出席停止の取扱い
    児童生徒等の感染が判明した場合には、学校保健安全法第 19 条の規定に基
  づく出席停止の措置を講じるほか、季節性インフルエンザ等と同様、新型コロ
  ナウイルス感染症に感染している疑いがある場合や、感染するおそれのある場
  合にも、校長の判断により出席停止の措置を講じることができます。
    出席停止の措置を講じた場合においては、当該児童生徒が授業を十分に受け
  ることができないことによって、学習に著しい遅れが生じることのないよう、
  4.に述べる必要な措置を講じること等にも配慮します。
    なお、感染者であった教職員や児童生徒等が学校に出勤、登校するに当たり、
  学校に陰性証明等を提出する必要はなく、医療機関等が発行する検査結果や治
  癒の証明書を求めることのないようにしてください。
 
    このほか、出席停止等の取扱いに関する詳細については、「学校保健安全法
  施行規則の一部を改正する省令の施行について(通知)」(令和5年4月 28 日
  付け文部科学省初等中等教育局長通知)を参照してください。
 
 2.保護者から感染が不安で休ませたいと相談があった場合の対応
    まずは、保護者から欠席させたい事情をよく聴取し、学校で講じる感染症対
  策の考え方について説明するとともに、学校運営の方針について理解を得るよ
  う努めてください。
    その上で、同居家族に高齢者や基礎疾患がある者がいるなどの事情があって、
 
 
                                    10
  他に手段がない場合など、合理的な理由があると校長が判断する場合には、
                                                                    「非
  常変災等児童生徒又は保護者の責任に帰すことができない事由で欠席した場
  合などで、校長が出席しなくてもよいと認めた日」として、指導要録上「出席
  停止・忌引等の日数」の欄に記入し、欠席とはしないことも可能です。
    校長が「出席停止・忌引等の日数」の欄に記入する際の合理的な理由の判断
  に当たっては、地域や学校における感染状況や、高齢者や基礎疾患のある者が
  いるなどの家庭・家族の状況等を踏まえることが考えられます(「非常変災等
  児童生徒又は保護者の責任に帰すことのできない事由で欠席した場合などで、
  校長が出席しなくてもよいと認めた日数」について判断することとなります。)。
  その判断に当たっては、特に小中学生は就学義務も踏まえ、児童生徒の学びが
  保障されるよう配慮してください。
    また、医療的ケア児や基礎疾患児について、主治医の見解を保護者に確認の
  上、登校すべきでないと判断した場合についても、「非常変災等児童生徒又は
  保護者の責任に帰すことができない事由で欠席した場合などで、校長が出席し
  なくてもよいと認めた日」として、指導要録上「出席停止・忌引等の日数」の
  欄に記入し、欠席とはしないことも可能です。
 
    なお、幼稚園等については、指導要録に「出席停止・忌引等の日数」の欄が
  ないことから、これらの場合において、備考欄等に「非常変災等幼児又は保護
  者の責任に帰すことができない事由で欠席した場合などで、園長(又は校長)
  が出席しなくてもよいと認めた日」として、幼稚園等に出席しなかった日数を
  記載することも可能です。
 
 3.学校内で感染が広がった場合における対応
    新型コロナウイルス感染症については、当分の間、常に流行の可能性がある
  ことから、引き続き流行への警戒を継続し、学校における対応についても準備
  を進めておくことが重要です。
    また、感染者及びその家族等への差別・偏見・誹謗中傷などはあってはなら
  ず、これらが生じないよう十分に注意を払うことが必要ですが、万が一これら
  の行為が見られた場合には、加害者に人権尊重の視点に立った指導を行うとと
  もに、その被害者に対して十分なサポートを行う必要があります。
 
 (1)地域の感染状況の把握
      学校の設置者は、衛生主管部局と連携して、地域の感染状況を把握するこ
    とが重要です。現在、公益財団法人日本学校保健会の「学校等欠席者・感染
    症情報システム」を利用することにより、周辺地域における児童生徒等の欠
    席状況等を把握し、教育委員会や保健所等と情報共有することが可能です。
    未加入の学校の設置者におかれては、加入を検討するようお願いします。
 
 
 
 
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 (2)臨時休業の判断
      学校の設置者は、児童生徒等や教職員の感染が確認された場合、感染拡大
    のおそれ等を勘案した上で、学校保健安全法第 20 条に基づく学校の全部又
    は一部の臨時休業の要否等について判断します。
      判断に当たっては、感染対策上の意義や、臨時休業を行う範囲や条件を事
    前に明確にし、公表しておくとともに、児童生徒等の学びの保障の観点等に
    留意しつつ、まずは感染者が在籍する学級の閉鎖を検討するなど、必要な範
    囲、期間において機動的に対応を行うことが重要となります。
      具体的には、学校全体の臨時休業とする前に、児童生徒等の発達段階等を
    踏まえ、例えば時差登校や分散登校、オンライン学習等の可能性を積極的に
    検討し、学びの継続に取り組むことが重要です。
      また、特に配慮を要する児童生徒など一部の者について登校させる方法、
    進路1の指導の配慮が必要な最終学年や教師による対面での学習支援が特に
    求められる小学校第1学年など特定の学年のみ登校させる方法、同一の学校
    設置者においても社会経済的事情その他の学校・地域の特性を踏まえて個別
    の対応を行う方法等の工夫について検討します。
 
      このほか、臨時休業等の詳細については、「学校で児童生徒等や教職員の
    新型コロナウイルスの感染が確認された場合の対応ガイドライン」を作成し
    ていますので、適宜参照してください。
 
 
 
 
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              「学校等欠席者・感染症情報システム」のメリット
 
 
 メリット1 早期探知
 
  ・ 感染症による欠席者情報を日々入力し
    てデータ化することで感染症の流行を早
    期に発見することができます。
 
  ・ これらの情報が地図上で色分けされて
    表示され、教育委員会や学校、保健所に
    おいて、周辺地域の学校の臨時休業や出
    席停止等の状況をリアルタイムに把握す
    ることができます。
                              ((公財)日本学校保健会「学校等欠席者・感染症情報システム実習資料」より抜粋)
 
 
 メリット2 情報共有
 
  ・ 欠席者急増時や学級閉鎖等発生時に、登録された関係者メールアドレス宛
    てにアラートメールが送信され、教育委員会・保健所・学校医等の関係機関
    が感染症の発生状況をリアルタイムに把握して、情報を共有することができ
    ます。
 
 
 メリット3 省力化
 
  ・ 出席停止報告、出席停止月報、臨時休業報告の届出書類をオンラインで送
    付することができ、ペーパーレス化と担当者の負担軽減に役立ちます。
 
 
 メリット4 データ活用
 
  ・ 入力データが保存されるので、集計表やグラフを作成して感染症対策に活
    用できます。
    ※(公財)日本学校保健会が申込みを受け付けています。施設単位ではなく、各自治
      体の主管課が取りまとめて申し込んでください(利用料は無料)。
                        https://www.gakkohoken.jp/system-information/archives/17
 
 
 
 
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 4.やむを得ず学校に登校できない児童生徒に対するICTの活用等による学
   習指導
    臨時休業又は出席停止等により児童生徒がやむを得ず学校に登校できない
  場合であっても、児童生徒の学習の機会を確保することができるよう、平時か
  ら非常時を想定した備えをしておくことが重要です。
    その上で、臨時休業や出席停止等により、やむを得ず学校に登校できない児
  童生徒に対しては、学習に著しい遅れが生じることのないようにするとともに、
  規則正しい生活習慣を維持し、学校と児童生徒との関係を継続することが重要
  です。
    このため、感染状況に応じて、地域や学校、児童生徒の実情等を踏まえなが
  ら、学校において必要な措置を講じることが求められます。特に一定の期間、
  児童生徒がやむを得ず学校に登校できない場合などには、ICT端末を自宅等
  に持ち帰り、オンラインによる朝の会や健康観察で会話する機会を確保したり、
  ICT端末に学習課題等を配信することで自宅学習を促進したり、同時双方向
  型のウェブ会議システムを活用して、教師と自宅等をつないだ学習指導等を行
  ったりするなど、登校できなくても学校と自宅等をつなぐ手段を確保し、児童
  生徒の住んでいる地域によって差が生じることがないよう、児童生徒とコミュ
  ニケーションを絶やさず学びを止めないようにする取組を行うことが重要で
  す。
    学習指導に当たっては、指導計画等を踏まえた教師による学習指導と学習把
  握を行うことが重要です。具体的には、感染状況に応じて、地域や学校、児童
  生徒の実情等を踏まえながら、主たる教材である教科書に基づいて指導すると
  ともに、教科書と併用できる教材等(例えばデジタル又はアナログの教材、オ
  ンデマンド動画、テレビ放送等)を組み合わせたり、ICT環境を活用したり
  して指導することが重要です。その際、学習者用デジタル教科書やデジタル教
  材等を用いたり、それらを組み合わせたりして指導することも考えられます。
    また、登校日の設定や家庭訪問の実施、電話や電子メールの活用等を通じて
  学習の状況や成果をきめ細かく把握するようにしてください。さらに、課題を
  配信する際には、児童生徒の発達の段階や学習の状況を踏まえ、適切な内容や
  量となるよう留意してください。
    家庭の事情等により特に配慮を要する児童生徒に対しては、ICT環境の整
  備のため特段の配慮措置を講じたり、地域における学習支援の取組の利用を促
  したり、特別に登校させたりするなどの対応をとることが必要です。
 
    以上のほか、詳細については、「感染症や災害等の非常時にやむを得ず学校
  に登校できない児童生徒に対する学習指導について(通知)」
                                                        (令和3年2月 19
  日付け文部科学省初等中等教育局長通知)及び「やむを得ず学校に登校できな
  い児童生徒等への ICT を活用した学習指導等について(事務連絡)」(令和4年
  1月 12 日)を参照してください。
 
 
 
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  第5章 感染症対策に当たって配慮すべき事項について
 
 
 1.児童生徒等及び教職員の心身の健康状態の把握、心のケア等
    学級担任や養護教諭等を中心としたきめ細かな健康観察等により、児童生徒
  等の状況を的確に把握するとともに、学校医と連携した健康相談等の実施や、
  スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー等による心理面・福祉面
  からの支援など、管理職のリーダーシップのもと、関係教職員がチームとして
  組織的に対応してください。併せて、学校現場で感染症対策や心のケア等を最
  前線で支える教職員の精神面の負担にも鑑み、学校の管理職や設置者等は、教
  職員のメンタルヘルスにも十分配慮してください。
    その際、必要に応じ、働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの
  耳」や、教職員がプライバシー厳守で相談できるサービスを紹介することも考
  えられます。
 
 2.医療的ケアを必要とする児童生徒等や基礎疾患等がある児童生徒等への対応
    医療的ケア児の中には、呼吸の障害がある者もおり、重症化リスクが高い者
  も含まれていることから、医療的ケア児が在籍する学校においては、必要に応
  じて、主治医の見解を保護者に確認の上、個別に登校の判断をします。
    医療的ケア児の登校に当たって、学校は、事前に受入れ体制や医療的ケアの
  実施方法等について、従前どおり学校医等に相談し、十分安全に配慮します。
    また、基礎疾患児についても、必要に応じて、主治医の見解を保護者に確認
  の上、登校の判断をします。
 
    このほか、特別支援学校等における障害等のある児童生徒等については、指
  導の際に接触が避けられなかったり、多くの児童生徒等がスクールバス等で一
  斉に登校したりすることもあることから、こうした事情や、児童生徒等の障害
  や基礎疾患の種類や程度等を踏まえ、適切に対応します。こうした学校等の対
  応に際しては、必要に応じ、学校医等の助言を得ること、児童生徒等の安全確
  保等の観点から指導や介助等において必要となる接触等について保護者に対
  し事前に説明することが重要です。
 
 3.新型コロナワクチンと学校教育活動
    新型コロナウイルス感染症に係るワクチンは、新型コロナウイルス感染症の
  重症化予防・発症予防等を目的として、接種が行われています。
 
    児童生徒等に対するワクチンの接種は強制ではなく、本人や保護者の判断が
  尊重されるべきものですが、その判断に当たっては、接種対象の範囲、ワクチ
  ンの効果や副反応、接種に関する相談先の情報等について十分に周知されるこ
 
 
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 とが重要となりますので、地域の衛生主管部局に協力して、保護者等への周知・
 広報をお願いします。
   また、教職員についても、教職員の安全を確保するとともに、教職員から児
 童生徒等への感染を防ぐ観点から、希望する教職員が接種を受けることは重要
 です。
 
   一方で、ワクチン接種の有無によって学校教育活動に差を設けることは想定
 されていません。さらに、ワクチン接種はあくまで本人の意思や保護者の同意
 に基づき受けるべきこと、また、身体的な理由や様々な理由によって接種を受
 けることができない人や接種を望まない人もいることに鑑み、接種を受ける又
 は受けないことによって差別やいじめなどが起きることのないように指導し、
 保護者に対しても理解を求めることが重要です。
   学校教育活動においても、何らかの理由で児童生徒等のワクチン接種歴を把
 握する必要が生じることも考えられます。その際には、情報を把握する目的を
 明確にすること、本人や保護者の同意を得ること、他の児童生徒等に知られる
 ことのないような把握の方法を工夫することなど個人情報としての取扱いに
 十分に留意して把握するようにする必要があります。もしくは、検査の結果を
 活用することも考えられます。そのほか、健康診断に伴う保健調査等としてワ
 クチン接種歴が把握される可能性がありますが、そのような場合にも同様に個
 人情報としての取扱いに十分に留意する必要があります。
 
 
 
 
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