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取得日:2024年03月21日[更新]

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       令和五年度   卒業式式辞
 
 
 
 
   今年は記録的に雪が少ない冬でした。ここ弘前にも、春が近づき、今日は名残の雪が降っています。
 
   このような中、ご来賓並びに、保護者の皆様の御臨席のもと、青森県立弘前中央高等学校 令和五年
 
 度卒業証書授与式を、挙行できますことは、卒業生はもとより、本校教職員、生徒一同、誠に光栄であ
 
 り、心から感謝申し上げます。
 
 
 
 
   ただいま、卒業証書を授与いたしました235名の卒業生の皆さん、御卒業おめでとうございます。
 
   今、ここに、本校の卒業生にふさわしい人間として成長し、この学び舎から巣立っていくことは、皆
 
 さん自身の喜びであると同時に、これまで、成長を見守ってこられた保護者の方々、地域の方々、私た
 
 ち教職員の喜びでもあります。
 
   今日のこの感動を、いつまでも忘れることなく、本校の卒業生であることに、自信と誇りを持って、
 
 更に、大きく成長して頂きたいと思います。
 
 
 
 
   保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。立派に本校を巣立っていくお子様の姿に、万感胸
 
 に迫るものもおありかと思います。これまで生徒達を温かく見守り、また、本校の教育方針に深いご理
 
 解とご協力を賜りましたこと、教職員一同こころよりお礼申し上げます。
 
 
 
 
   皆さんの高校生活は、新型コロナウィルス感染症の流行とともにありました。2019年に発見され
 
 たこのウィルスにより、世界は大きな困難にぶつかりました。学校生活では部活動の大会がなくなった
 
 り、行事ができなくなったり、授業や実験や実習が制限され、友達と談笑しながらご飯を食べることさ
 
 えできない時もありました。世界中の誰もが答えを知らない、正解がわからない中、知恵を絞り最善を
 
 探し続ける日々でした。
 
 
 
   そして、今年。コロナ禍で止まっていた行事も元のように動き出しました。皆さんは誰一人経験のな
 
 い中で、知恵を絞りながら行事を企画し、さらに新しいルール作りに挑みました。文化祭1では今まで使
 
 うことができなかった「スマートフォン」の使用解禁にむけ、生徒会を中心に生徒の声を聞き、全校で
 ルールを守りながら、実現していくことができました。皆さんは、対話と協働を通じて、学校の変革に
 
 挑戦し、成功させたのです。頭と身体を使って、主体的に、仲間と協力し、未知の困難に立ち向かって
 
 きた皆さんは、どんな困難であっても、乗り越えていく力を身につけていることを確信しています。
 
 
 
   かつて、アップルの創業者として知られたスティーブ・ジョブズは、次のように述べました。
 
 
 「将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎあわせることなどできません。できるのは、後からつな
 
 ぎ合わせることだけです。だから、我々はいまやっていることがいずれ人生のどこかでつながって実を
 
 結ぶだろうと信じるしかない。我々は何かを信じないとやっていけないのです。」
 
 
 
 
   みなさんが、弘前中央高校で経験した、たくさんの点は、いずれ人生のどこかでつながって、実を結
 
 ぶことになります。
 
 
   これまで、真剣に学問に向き合って、あなたが得た知識や技能、答えのない問いを立て自ら課題に向
 
 き合った探究活動、知恵を絞って実施した学校行事、部活動、何気ない仲間との語らい。高校生活すべ
 
 てがあなた達の力です。これからも、今やっていることが、あなたを支えていくことを信じて、突き進
 
 んで下さい。
 
 
 
 
   みなさんが力を育ててきた背景に、たくさんの人達の支えがあります。一緒に考え悩んだ友人、先輩、
 
 後輩。いつも寄り添ってくれた先生方。そして地域の方々や家族の理解なく、みなさんが高校三年間を
 
 すごすことはできませんでした。どうか感謝の心を忘れずに、みなさんが身につけた力をこれからの社
 
 会のために活かして下さい。未来の日本は、みなさんが切り拓いて行くのです。
 
 
 
 
   結びに卒業生の皆さんが、それぞれの地で花を咲かせ、弘前中央高校の新たな歴史を彩ることを願い、
 
 式辞といたします
 
 
 
 
     令和六年三月一日
 
         青森県立弘前中央高等学校          校   長      齋藤 郁子