柏高校(千葉県)の公式サイト内のページのキャッシュを表示しています。

このコンテンツは、受験生と保護者の皆様の利便をはかるため取得されました。
取得日:2023年03月22日[更新]

最新コンテンツは、下記の公式サイトURLにて、ご確認ください。
志望校の選定など重要な判断の際には、必ず最新の情報をご確認ください。
https://cms1.chiba-c.ed.jp/kashiwa-h/%E6%A0%A1%E9%95%B7%E6%8C%A8%E6%8B%B6%EF%BD%A5%E5%BC%8F%E8%BE%9E/

検索ワード:合格[  1   2   3   4  ]
[検索結果に戻る]
 
校長挨拶・式辞 - 千葉県立柏高等学校
千葉県立柏高等学校  千葉県教育委員会指定 進学指導重点校
 
 

着任の挨拶

        
    千葉県立柏高等学校長 鈴木 実
和3年4月1日付けで、本校校長に着任した鈴木実と申します。私は、平成2年に物理科の教員として採用されてから、銚子、館山、浦安など、いくつかの高等学校の勤務と教育行政に関わった経験があります。近隣では、東葛飾高校、小金高校での勤務経験がありますが、本校は、初めての勤務となります。昨年度までは、千葉県からの出向の形で柏市立豊四季中学校の校長として2年間勤務していました。
本校は、昭和45年4月創立以来、1万6千人を超える卒業生を世に送り出し、国内外の様々な分野で活躍する秀逸な人材を輩出してきた県下でも有数の進学校です。特に平成16年度からは、文部科学省から15年間にわたるスーパーサイエンス・ハイスクール(SSH)の指定や、サイエンス・パートナーシップ・プログラム(SPP)実践校に指定され、理数科教育を充実させてきました。また、平成27年度からは、千葉県教育委員会から進学指導重点校の指定を受け、文科系・理科系を問わず高い進学実績を積み重ねてきました。
本校の教育方針である「健全で、謙虚で、誠実な人材の育成」のもと、勉学、部活動、学校行事等、何事にも前向きに取り組む生徒が多いと聞いております。本校での3年間で、「確かな学力」、「リーダーシップ」、「探究し伝える力」を身に付けた生徒を育成し、世に多くの有為な人材を送り出したいと思います。

 

?令和4年度 校長式辞・巻頭言

校長式辞・巻頭言
2023/03/09

卒業証書授与式 校長式辞

| by 校長

式辞、暖かな春の日差しがようやく訪れてきた今日、PTA会長、城野様、PTA副会長、篠田様、稲田様。楠見様のご臨席を賜り、ここに、普通科第51回、理数科第50回の卒業証書授与式を挙行できますことは、職員一同、大きな喜びであります。

ただ今、呼名のあった312名の卒業生諸君、ご卒業おめでとうございます。諸君は、本校普通科、そして理数科の教育課程を修了し、本日、千葉県立柏高等学校をめでたく卒業することとなりました。諸君の輝かしい門出を心から祝福いたします。

在学中は、日々の授業をはじめ、学校行事、生徒会活動、部活動など本校生徒としての3年間を経て進路決定に至るまで、その過程は決して平穏無事ばかりではなかったことと思います。特に、今年度の卒業生諸君は、入学当初から、臨時休校となり、6月からのスタートとなりました。その後も、授業形態や授業方法の変更、学校行事の中止、部活動の大会中止など、教育活動全体に多くの制限が課せられ、我慢が求められた高校生活となりました。

現在は、減少傾向にありますが、未だ感染防止対策を講じている状況下であります。そのようななかでも、卒業生諸君は、「健全・誠実・謙虚」を三位一体とした「人間性豊かな、社会に有為な、人材育成」という本校創立以来の教育方針の下、日々、知識を深め、技術を磨き、互いに競い、互いに支え合うことの大切さを学びました。

卒業生諸君が、今後、活躍する社会は、人工知能やビッグデーター、ロボット技術が、あらゆる産業界に取り入れられ、現在とは大きく異なった世の中になっていくと思います。

このような、いわゆるソサエティ5.0と言われる高度情報化社会で、何をどうしたらよいか戸惑うことがあるかもしれません。

そんな時こそ、より豊かな感性を働かせ、新たな価値を創出し、自然災害や、現在でも人と人との争いが絶えないこの世界で、持続可能な自然環境や国際平和を作り上げていくこと。答えも正義も一つでない多面体構造の問題に対して、多様な意見を持つ他者と話し合い、力を合わせ、あるいは譲歩しあい、時を一にして皆が納得できなくとも、せめて共存でき得る方策を見い出していくことが、いよいよ求められます。

そのためには、より多くの知識とより多くの経験を前提とした、高度な判断能力が必要であると同時に、人類の真の幸福とは何かを考えていくこと。これこそ、県立柏高等学校の3年間で学んだことであり、今後も希求し続けるものなのです。学問を学ぶ、その意義は、単に個人の知的好奇心を満たすということだけではなく、人類の知的認識領域の拡大と、人類共有の知的財産を拡大することにあります。そして、社会生活上の便宜と利得の確保と同時に、国際平和の実現と、格差の是正を推進していく、いわゆる国際的視野を持った教養人としての人間形成であります。

四月からは、一人ひとりの夢や希望に向かって自らが選択した道筋を、自信と勇気をもって、少しずつでも前へ、明日へ、歩み出してください。そして世の中に「一隅を照らす存在」となって長く活躍することを願っています。

さて、本日、ご臨席賜わりました保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。お子様のご成長に、親としての喜びと安堵を感じられておられることと思います。

今となっては、またたく間に過ぎたように感じられることかと思います。学習面や健康面、友人関係、進路など、親として、様々な心配も、あったことと思いますが、本日、このように、大きな一つの節目を迎えることができました。

ご承知のとおり昨年4月から民法の改正により成人年齢が18歳に引き下げられ、自己決定や社会的責任をお子様本人が追うこととなりました。今後は成人として、互いの意見を尊重しつつ、温かく成長を見守っていただきたいと思います。

結びとなりますが、これまで、本校の教育活動に、新型コロナウイルス感染防止対策にご理解とご協力いただきましたことに改めて心より感謝申し上げるとともに、お子様のご多幸と益々のご活躍を祈念し、式辞とします。
 

令和 5 年 3 月 8 日                                                                 千葉県立柏高等学校長 鈴 木 実
11:08
2023/01/10

第3学期偉業式 式辞(校内放送)

| by 校長

明けましておめでとうございます。校長の鈴木です。年末年始は、いかが過ごしていたのでしょうか。では、年頭にあたり、いくつか話をしますので聞いてください。 

本日から第3学期が始まりました。まずは、第2学期の終業式で、年明け、危惧されることとして話した新型コロナウイルス感染症の感染拡大についてです。収束するまでは、実際に影響があることなので、繰り返します。今朝の新聞によると、1月9日付け新規感染者数は、東京都は、15,124人、千葉県7,605人であり、増加傾向です。本校生徒の感染者や濃厚接触者の連絡も増えてきています。第3学期においても、引き続き、日々の健康観察、マスクの着用、三密の回避、手指の消毒、換気など、これまで行ってきた感染防止対策の徹底を心がけ高校生活を送ってください。また、第3学期は2月半と短い学期ですが、年度の締めくくりとして、進級、卒業、進路決定、探究活動の成果発表、卒業式、部活動等、どれも大切なものばかりです。コロナ禍ではありますが、充実した3学期となるよう努めましょう。

次に、これも度々、話をしている交通安全についてですが、冬季休業中、大きな事故等の連絡はありませんでしたが、今後、路面の凍結等にも十分気を付け自転車の安全運転を心がけるようにしてください。

3学年諸君は、兎に角、14日、15日に迫る、大学入学共通テストに向けてこれまで培った智徳体、学力・精神力、体力を十分発揮できるよう十分、体調に留意し、遺漏の無い準備を進めてください。私は諸君の健闘を祈っております。
 

ところで、私は、冬季休業中に、2001年「キラル触媒による不斉反応の研究」もう少し、嚙み砕いて言えば、分子式は同じでも化学的性質が異なる、いわゆ光学異性体である不斉炭素原子の特性について研究した功績よりノーベル化学賞を受賞し、現在、沖縄科学技術大学院大学科学技術振興機構研究開発戦略センター長をお勤めの野依良治(のよりりょうじ)博士の著書「科学することについて」を読みました。その中で、「科学とは客観的に真理を探究すること」と述べ、我々はどう生きてきたか、これからどう生きなければならないのかという「ひまわり」や「タヒチの女」で知られているフランスの画家ポール・ゴーギャンのボストン美術館所蔵の絵画の問いかけに正面から答えること。つまり、「我々はどこから来たのか。我々は何者か。そして我々はどこに向かうのか」との問いに真剣に誠実に答えることだと野依博士は述べています。

近年、国連の提唱するSDGs(Sustainable Development Goals)が広く言われ、それに向けて様々な分野での活動が始まっておりますが、まさに「我々はどこに向かうのか」持続可能な世界への検討が求められているところであります。

また、国内でも令和3年3月に閣議決定された第6期科学技術基本計画において、Society5.0の実現に向けてカーボンニュートラル、AIや人工知能を推進・振興し、スパコンや量子技術の開発が進められているところでもあります。いずれにせよ、最終判断、最終解答は人間が出さねばならない。換言すれば、知識の蓄積については人工知能が大いに優れているが、そこからSustainableな解答を出すのは人間だということです。 

こんなわけでして、話が少々長くなりましたが、これまで人類は、様々な困難に、知恵で何とかしてきました。実数解がなければ虚数解を求め、新しい世界を切り拓き乗り越えてきました。これが人間の特質であります。人が仕組んだ機械やAIにパッションや感性はない。諸君は、いよいよ、解答を出さなくてはならない、そういう世界に飛び込んでいくことになると思われます。 

さて、年が明け、外務省が海外メディア向けにBeautiful Harmonyと紹介した「令和」も5年目を迎えました。それでは心新たに新年をスタートさせましょう。 以上

《付記》

パスカルの考える葦である人間という生物は、間違えることがしばしばある。機械は間違えることを知らないし、できない。壊れるか、実行不能と答えるであろう。

ここでパスカルの考える葦については、諸君も十分承知のこととであるが、「パンセ」の記述には、次のようにあります。時に確認してみましょう。

「人間はひとくきの葦にすぎない。自然のなかで最も弱いものである。だが、それは考える葦である。彼を押しつぶすために、宇宙全体が武装するには及ばない。蒸気や一滴の水でも彼を押しつぶすのに十分である。だが、たとえ宇宙全体が彼を押しつぶしても、人間は宇宙より尊いだろう。なぜなら、彼は自分が宇宙全体に簡単にも押しつぶされること、宇宙の自分に対する優勢とを知っているからである。でも、そのことを宇宙は何も知らない。だから、われわれの尊厳のすべては、考えることのなかにある。我々は、そこから立ち上がらなければならないのであって、われわれが満たすことのできない空間や時間からではない。だから、よく考えることを努めよう。ここに道徳の原理がある。」??パスカル、『パンセ』

つまり、人間自然の中では矮小な生き物にすぎないが、考えることによって宇宙を超える。それは人間に無限の可能性を認めると同時に、一方では無限の中の消えゆく小粒子である人間の有限性をも受け入れている。パスカルが人間をひとくきの葦に例えて著した文章は、哲学的な倫理、道徳について示した次の二つの断章である。そこでは、時間や空間における人間《》の劣勢に対し、思惟(そして精神)における人間《》の優勢が強調されている。


09:48
2022/12/23

第2学期終業式 式辞

| by 校長

生徒諸君、おはようございます。校長の鈴木です。本校に着任して始業式、終業式もちょうど10回目となりますが、コロナ禍のため、顔出しNGということで、今回もONマイクで行います。

本日は、9月1日の第2学期始業式からほぼ4か月が経過し終業式となりました。これからいくつかお話をいたしますので聞いてください。

まず初めに今学期を振り返ってみると、コロナ禍も3年が経過し、年度当初は、収束に向かうかと思っていましたが、夏に、いわゆる第7波の到来により感染防止対策を継続することとなってしまいました。それは、政府、厚生労働省の提唱する新しい生活様式の徹底、つまり、マスクの着用、三密の回避、手指の消毒、換気、黙食などです。よって2学期も行動に制限がかかる状況下でありましたが、黎明祭や体育祭では、これまでとは異なるやり方を工夫しリーダーシップを発揮し、規模を少々縮小し、時間を短くし、公開における入場者の制限を設けることにより、昨年度よりはずっとコロナ前の形に近づけることができました。生徒一人一人が感染防止の意識をしっかり持って取り組み実施できたことは立派なことだと思いました。また、その後、これら行事を起因とする罹患者が出なかったことも、諸君の感染防止意識によって感染防止対策が機能していた結果であると思いました。その他としては、第2学年の修学旅行は、11月4日から沖縄3泊4日、でコロナ前の形で実施し、概ね無事に終えることが出来ました。しかしながら、このところ第8波の到来と言われ、東京都では2万人、千葉県も8,000人、柏市も700人の新規感染者が報道されているところです。来年1月中頃がピークになるのではないかと警戒されています。明日から1月9日までの冬季休業期間中は、引き続き感染防止対策を怠ることのないよう十分注意して過ごすようにしてください。特に3年生諸君は、いうまでもないことであるが、いよいよ大学入試シーズンに突入しますので健康に留意し年末年始をすごしてください。これが一つ目です。

次に1学期にも述べましたが、長期休業中、時間を大切に有効に使ってほしいということです。

外部から行動計画や行動様式が示されて生活するより、自ら計画し、自らを律し、自らを追い込んでいく方が、偽れない自身と向き合うことになるため、己を知り、己を鍛えることに繋がります。与えられた時間を何もせず過ごすのではなく、自己を磨く時間に使っていただきたいと思います。冬休みの期間、自主自律の精神を養い、より高い目標に向かって歩み続けていくことを心がけてください。

3つ目に、昨日、成績会議を開き、各学年から、今学期の諸君の学びの成果について説明がありました。学業成績では、努力が実り成績上位者として名前が挙がった生徒もいれば、なかなか努力が結果に結びつかなかった生徒、遅刻欠席が多い生徒もいるとのことでした。この後のLHRでHR担任の先生から通知表が渡されることと思います。大事なのは、数字に一喜一憂するのではなく、自分の結果を真摯に受け止めて、自身の態度・姿勢を振り返り、原因を考え、次に向かって備えてほしいと思います。そのための通知表です。また、いつも述べていますが、今回の成績は、あくまで柏高校内での2学期限定の成績であります。ほとんどの生徒諸君がこれから挑む大学入試は、全国の高校生で、高校で学ぶすべてがテスト範囲となります。成績が良好であった生徒諸君は、気を緩めることなく、謙虚な態度で今後も学習に取り組んでください。また、残念ながら今回、成績が振るわなかった生徒は、この機会に、学ぶ者として、上級学校への進学を志す者として自らを振り返り、学習に向かう意識や態度、学習方法に錯誤がなかったかを再考してください。冬季休業中、まずは不要不急の外出を避け、落ち着いて勉学に取り組んでほしいと思います。

最後に3年生諸君、進路がすでに内定している生徒もおりますが、大半の生徒は、いよいよ受験シーズンを迎えラストスパートに入っているところでしょう。明後日のクリスマスは、騒がず、家族が購入してきたケーキなどを少々食する程度とし、正月は、普段あまり行かない近所の神社に合格1祈願に行く程度とし、正月は、コンディション維持の為、おもちは少々食する程度としましょう。来る1月14日、15日の大学入学共通テスト、その後、私学の本番、国立へと入試カレンダーは流れていきます。人生100年と言われますが、そんな1年も良いでしょう。

さて、私はというと、出願書類の調査書1枚1枚に心を込めて校長印を押し、諸君の合格2を祈ります。それでは、令和5年、新年がより良い年となりますよう、そして、1月10日の始業式、心身ともに健康で、再会できることを祈念し式辞とします。


13:21
2022/09/12

黎明祭閉会式 校長挨拶

| by 校長

では、ひとこと、2日間にわたる黎明祭は、天候にも恵まれ、無事に終えることが出来ました。
今年の黎明祭は、「コロナ禍の中で、ちょっと公開バージョンでやってみました」ということで、
来校者を保護者と中学3年生に限定し3部に分けて公開しましたがいかがでしたでしょうか。
来校者数は、保護者959名、中学生364名、合計1,323名でした。コロナ前は、2,000名弱ということなので、約7割と言ったところでしょうか。特に3年生の保護者には、大変喜んでいただきました。
本校はできる。それは、生徒と教師が信頼し合い、ルールを守れる学校であるからこそです。これからも、そういう県立柏であって欲しいと思います。

さて、閉会の弁は、このへんで終わりにしますが、黎明祭は終わりません。2年生諸君、来年第52回があります。1年生諸君、その次、第53回もあります。良きことを伝統として引き継いでいってください。

以上、「2022黎明祭 with Covid-19, Presented by Kashiwa Prefectural high School !!」でした。


12:50
2022/09/10

黎明祭開会式 校長挨拶

| by 校長

生徒諸君、おはようございます。19代目校長の鈴木です。元気ですか、昨日までの準備段階で、すでに疲労モードに入っている諸君、思考停止モードに入っている諸君はいませんか。

さて、本日は、晴天なり、そして中秋の名月、明日は、その次の日、このめでたい日に第51回黎明祭を開催する運びとなりました。一昨年度は中止、昨年度は、非公開、校内発表のみでの開催でした。今年度も、非公開、校内発表のみの高校が多いのでありますが、本校は、保護者及び中学3年生限定とはいえ、当初の計画どおり公開に踏み切る決断をしました。
そのためには、厳重な感染防止対策が必須であるとはいえ、例年の形に戻りつつあること、いかなる状況下においても前を向いて歩みだすことの大切さ、そして黎明祭総務委員を中心に本校生徒諸君がそれに応えていることに喜びを感じているところであります。

今回の黎明祭は、避けることが出来ない困難や苦難、あるいは、避けようと思えば避けることもできるが、あえて避けずに乗り越えていこうと決断したときに、どのようにして、それら困難や苦難を乗り越えるかを学ぶ機会となりました。諸君に今後訪れる大学受験においても、同じようなことが言えると思います。今年の黎明祭が県立柏高校時代の思い出になれば、よいと思います。

それでは、19代目も、「これぞ県立柏」、「This is 県柏」、「This is 黎明祭」、「This is 柏手喝祭」のあり様を見て回りたいと思います。以上


09:31
2022/09/01

第2学期始業式 式辞(校内一斉放送)

| by 校長

県立柏の生徒諸君、おはようございます。

本日、9月1日は、『防災の日』です。1923年(大正12年)91日午前1158分、関東大震災が発生しました。また、9月は、台風が多く発生する時期でもあります。1959年昭和34926日に発生した「伊勢湾台風」によって、戦後最大の被害を被ったことが契機となり、国民全体に地震や風水害等に対する心構えを育成するため、1960年昭和35611日、今から62年前となりますが、当時の岸内閣の閣議で『防災の日』が創設されました。同年91日の官報には、次のように記述されています。
「政府、地方公共団体など関係諸機関はもとより、広く国民の一人一人が台風、高潮、津波、地震などの災害について認識を深め、これに対処する心がまえを準備しようというのが、『防災の日』創設のねらいである。もちもちろんろん、災害に対しては、常日ごろから注意を怠らず、万全の準備を整えていなければならないのであるが、災害の発生を未然に防止し、あるいは被害を最小限にくい止めるには、どうすればよいかということを、皆が各人の持場で、家庭で、職場で考え、そのための活動を行う日を作ろうということで、毎年9月1日を『防災の日』とすることになったのである。」と

本県においても、はや3年を経過しましたが、南房総地区では、2度にわたる台風により甚大な被害を受けました。そして、今年度も日本各地で、豪雨による大きな水害が発生し、今なお、復旧・復興に尽力している状況にあります。

つまり『防災の日』とは、災害の発生を未然に防止するために、あるいは被害を最小限にくい止めるためには、どうすればよいかということを、我々が真剣に考えなければならないことを確認する日であるということです。第2学期を始めるにあたって、冒頭、このことを確認しておきましよう。

被害を最小限にするための対策は、これも3年目となりますが、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策も同じことです。夏季休業中、本校でも、ほぼ毎日、生徒、職員の感染が確認されました。すでに新聞報道等でご存じのことと思いますが第7波の到来により、新規感染者が多い中での本年度後半の教育活動の再開となります。これまで同様、諸君一人ひとりが感染防止対策を徹底し、自らが感染しないようにすることと同時に周囲の者に感染を拡げないよう十分留意して行動することを心掛けてください。特に今学期は1223日まで、4か月間という長い学期となります。また、10日・11日の黎明祭や22日の体育祭、114日からの第2学年修学旅行など多くの行事も控えています。年度当初、第1学期始業式で述べたように、本年度、県立柏高校は「教育活動を止めない」という方針で臨んでいます。言ったことは、極力守りたいと思っています。そのためにも、生徒諸君及びそのご家族の協力が肝要であることを改めて述べておきます。

そして、最後に、第1学期終業式のリマインドとなりますが、通知表を受け取り、自分の学業成績をみて、成績の良かった生徒は、それを謙虚に受け止め更なる向上をめざすこと、成績が振るわなかった生徒は、これまで学習方法を見直し2学期は回復するよう考えて臨んでください。また、1年生はメリハリのある高校生活、2年生は気を抜かないこと、3年生はいよいよ進路決定の最終段階になってきました。共通テストの出願も始まります。指定校推薦、公募推薦も始まります。出願書類、提出書類にミスの無いように十分確認しながら進めてください。

以上、本日は、1つ、「防災の日」の意義について、2つ、コロナ禍における第2学期の教育活動の在り方について、3つ、学習の心構えについて話をいたしました。諸君の健闘を祈り、式辞を終わります。


09:46
2022/07/20

第1学期終業式 式辞(校内一斉放送)

| by 校長

生徒諸君、おはようございます。終業式に当たりいくつかお話をいたします。

(1)まず初めに、昨日の臨時生徒総会について

昨日の臨時生徒総会で「生徒心得に関する生徒会総務の取組について」報告がありました。そもそも「生徒心得」というものが、何故あるのか考えてみると、それは、学校が教育の場であるからということに関係があります。それぞれの学校には、教育目標、教育方針が定められています。その教育目標を達成するために必要な事項を学校が定めたものです。本校でいえば、毎日960人の生徒が集団生活を行っています。健康で安全に過ごすためにそして、互いに理解が出来、気持ちよく過ごすために守るべきルールを学校が「生徒心得」として定めたものです。その中には、生徒からしてみれば、制限が課せられ不自由と思うこともあるかもしれませんが、我慢しなければならないことがあることも学んでほしいと思います。社会においても、ルールやマナーがあるのと同様に、本校にも生徒としてのルールやマナーがあるということです。規範意識を持って行動できるようになることも教育の一つと考えています。以上がそもそも何故「生徒心得」があるかについての話ですが、ただ、だからと言って、何でもかんでも制限をかけ、必要以上に生徒の行動をしばりつけることは良くないことと思っています。生徒一人一人が、自己のおかれている立場や、その時々の状況を踏まえ、その時、どうあるべきかを考えて良識ある行動をとることは、大切なことと思います。本校を卒業し、社会に出た時にはそう人になってもらいたいからです。

昨年度、校則等について生徒・保護者・教職員からアンケート調査を行いました。その中で、出てきた要望を、関係職員で検討し、なくせるものは無くしました。具体的には、今年度からは、

・防寒のためのコート類について、昨年度までは、黒または濃紺でPコートやダッフルコートのような標準的な形と規定されていましたが、このような色や形の規定をなくしました。

靴下の色についても、無地で紺か黒か白という規定をなくしました

・ストッキングの色を黒に限定していましたが、生徒の要望からベージュでも良いことにしました。

生徒からの要望は、他にもありましたが、制限を少なくする方向で見直しをしています。今後も、必要に応じてアンケート調査を行い見直していくつもりです。 

(2)次に、1学期を振り返ってみると、挨拶をしてくれる生徒が増えたように感じます。うれしいことです。たかが挨拶と思うかもしれませんが、挨拶を交わすことによって、県立柏の生徒としての連帯感や仲間意識を感じることができます。

挨拶という一瞬の出来事に、人間は、社会性を持つ生物の本能として、相手が自分に持つ感情や相手が自分に危害を加えない安全な存在か、または、相手の健康状態を推し量る情報を得て安心していると言われています。よって、挨拶がないと相手に対して不安な感情が払拭できずストレスに繋がるともいわれています。挨拶の一瞬は、共同生活するうえで意外と大切な役割を果たしているものです。 

(3)新型コロナウイルス感染症については、授業、行事、部活動において、今年度は、昨年度よりは少しずつ改善されてきましたが感染防止対策のための行動制限によって学習活動や学校行事、昼食時の黙食等も含めて、未だ不自由な状況が続いています。それでも、今年度は出来る限り平時の形に戻していくという方針でスタートしました。7月の運動祭は延期となりましたが、6月14日の合唱コンクールは、3年ぶりに柏市文化会館で全校を挙げての開催ができました。感染防止対策や短時間での開催に実行委員会を中心に様々な工夫をしてリーダーシップを発揮し行えたことは立派なことだと思いました。また、本校は、生徒、職員も含めると毎日、1000人以上が校内で生活をしています。5月24日以降、6月末まで1か月以上感染者を出さずに過ごせたことも、生徒と職員の信頼関係と協力体制の賜物と思います。しかしながら、このところ特に7月になって、新規感染者数の急激な増加傾向がみられ、第7波到来と言われて警戒されています。明日からは、40日間にわたる夏季休業となります。部活動、あるいは進学補講に参加するため登校する生徒も多いと思います。また、塾や予備校に行く生徒もいると思います。今後とも、どこにいても感染防止対策を怠ることのないよう注意して過ごしてください。 

(4)最後に、昨日、成績会議を行い、諸君の学習成績について報告を受けました。

本日、HR担任の先生から通知表が渡されると思います。特に1年生諸君は高校に入学して初めての通知表となります。平均以下の低い成績に驚く人もいるかと思います。中学校で通じたやり方は高校では通用しないことを痛感することでしょう。大人になっていくとは、こういう経験を積み重ねていくことでもあります。

今回の成績は、あくまで校内での1学期限定の成績であります。諸君が目指す大学入試は、全国の高校生で、高校で学ぶすべてがテスト範囲となります。成績が良好であった生徒諸君は、気を緩めることなく、謙虚な態度で今後も学習に取り組んでください。また、残念ながら今回、成績が振るわなかった生徒諸君は、本校には入学者選抜で合格3して入学しています。もともと他の生徒との学力差はさほどないはずです。「為して成らざるものなし、為さずに成るものなし」、つまり「やるしかない」ということであるが、どうせやるなら、しっかりやること。「中途半端な行いは中途半端な結果しか生まないものである。」、「つらい経験こそが人を育てる。」などともいわれています。「自らを磨く」という気持ちを貫き、自主自律の精神の基、より高い目標に向かって有意義な夏季休業となることを期待し式辞とします。


09:55
2022/05/27

令和4年度進路の手引き「巻頭言」

| by 校長

進路について 遠い思い出 〜

千葉県立柏高等学校長 鈴木 実

紫陽花の咲くころ、今日は雨、午後は休講、道玄坂を上り細い路地を右に折れると左手にライオンがある。静かで人もまばら、暇つぶしにはちょうど良い。中高生はいない。ちょっと大人気分で店に入り込む。静かな店員にレスカを注文し前から3番目、横から4番目の厚手の椅子に腰かけて体勢を整える。吹き抜けの2階を見上げると、3mぐらいありそうな見たことがないスピーカーから天空の音楽が降りてくる。誰かがリクエストしたツェルニー、スカラッティ、そしてベートーベンのテンペストへと続いた。60粒の珈琲と赤ワインを好んだといわれるベートーベンは、この頃には難聴も進行し、苦難と失望のなか数少ないニ短調のソナタを作曲した。お馴染みの第1楽章、退屈で重々しい第2楽章、目が覚める第3楽章へと進んでいく。思いどおりにならないともがき苦しんでいても、ついにはどこからか射し込む光を供するのは、救われて幸福なのか、それとも本当はもっと悲しいのか、楽聖ベートベンの仕業である。

フランス革命後、音楽一家に生まれたツェルニー、大作曲家の子として生まれたスカラッティも時代の要請なのか気まぐれなのか、その時々で考え悩み進んだ路なのであろう。自らが決めたつもりでも、環境や状況に飲み込まれながらでも、生き抜いたる強い意志を纏った進路選択は能動的で輝かしく思える。それは、命の躍動、生き様を選択するが如し。これまで小学校、中学校、高校を卒業し、大学の教養課程を終え、今は専門課程の学生実験が楽しい。来年は遺伝子組み換え技術とバイテクブームの二重らせん構造の就職活動、メーカーか販売かサービスか金融か、それとも大学院に進学するか、ペースを上げて考えなければならない。

長髪を束ねボートハウスの白いトレーナーに紺色のデッキシューズを履いた細身のアルバイト店員は、青学の学生っぽい。都会慣れの感があるから、同じ3回生かな、卒業したらどうするのだろう、自分を映してみたりして過ごす。無駄な時間かもしれないが、どうせ暇なんだから止められない、止まらない。これぞモラトリアムかと思いつつ、進みたい、進むべき、より確かな道を探しもするが、些少なサジェスションも見つけられない。成るようにしかならないと時代の潮流に身を任せプランクトン生活に馴染むか、逆らってでもネクトンにとどまるか、音楽にのせて畝々と考える。

静電気でレコード盤に吸着した埃を吹きはらい、世界初の水晶発振子を備えたデンオンのDDターンテーブルにD103の針を下す、その無駄のない自然で安定した手際と真空管アンプのほんのり橙に光るフィラメントに、なんとも安心した気分となって、いましばらく居座る。増幅回路前段のMT管は120Vで、終段の出力管は450Vでカソードから真空中に電子を飛ばす。グリッドをすり抜けプレートに集まった電子はトランス内を流れインピーダンスを小さくしてコーン紙を揺らす。物理の世界もロマンチックな音楽のエネルギ―を創造しているものだ。

不思議なことがある。日が傾き、店内が薄暗くなると何故か低音がよく聴こえてくる。右脳は普通に受け止めるが、左脳は理解できない。早く解決しなければならない問題がある。いつしか解決しなければならない問題もある。見えない未来の自分を創ることを考える。挑戦が成長、創作と開拓、明日のために今は頑張ろう。

雨が上がったころ店を出ると進路選択、進路実現を終えたはずの大人たちがそれぞれの歩幅で道玄坂を
下っていく。自分も、遠くにかかる虹の向こうを横目に、やはり駅に向かう。

明日は晴れるかなと 令和4年5月30日


15:47
2022/05/27

令和3年度進路の手引き「巻頭言」

| by 校長
『 進路について 』

千葉県立柏高等学校長 鈴木 実

進路と言われるとまたかと思われる人もいるでしょう。小学校の時は、「大きくなったら何になりたいの?将来の夢は?」、中学生になると「どこの高校に行きたいの?」、高校生になると「どこの大学に行きたいの?」、と言われてきたと思います。すると、大学生になれば「どこの会社に就職したいの?」と聞かれることが予想されるでしょう。聞いてくる人は、家族や親せき、教師が多いかな。「自分が歩む道、歩むべき道、歩みたい道」という極めて個人的なことなのに周囲の人が関心を持っていて「しっかり進路について考えなさい」と言われているようで息苦しいかもしれません。

その背景には、人間、ただ漫然と生きているより夢や目標に向かって努力する方が、より充実した人生を送ることができるという道徳があるからだと思います。

先日、私が、17年ほど前に小金高校で担任をしていた時の卒業生に逢う機会がありました。高校では弁護士になるのが夢と言っていて中央大学の法学部に進学した女子生徒ですが、大学卒業後は大手不動産会社に就職し、マンションや戸建て住宅を販売するため、まず、立地の良い土地を地権者や法人と交渉して用地を取得することから始め、会社でプロジェクトチームをつくって、設計、建設、販売支援まで行っているとのことでした。高額な取引となるため信用を得るための苦労はあるが、最後には地権者と購入者双方の喜びがあり、同時に地域の環境や街づくりにも貢献し、大変やりがいを感じるとのことでした。大学で学んだ土地や家屋の売買契約や相続税、贈与税などの法律の知識が役に立っているとのことでした。

明治大学の理工学部に進学した男子生徒は、SEを希望してIT企業に入社しましたが、会社では、SEでなくプログラマーとして仕事を任されているとのことでした。顧客企業の要望に合わせてプログラムを組む仕事ですが、システムが正常に稼働するのはあたりまえであり、エラーやトラブルが発生してしまうと、顧客企業の業務が停止してしまい大きな迷惑をかけるため、修復に何日も深夜まで対処するとのことでした。そのため、より安定して稼働するプログラムを作らなければならないことを身をもって経験しているとのことでした。また、顧客企業にもっと良いシステムやアイデアを提案することも多く、大変だけれども頑張っているとのことでした。

それでは、少し別の視点での話をします。近年「働く」ということの価値や態様が大きく変わり始めているということです。毎日、決まった時間に出社して対面式で仕事をするスタイルから、コンタクトレスである在宅勤務やサテライト勤務といったリモート就労は、今後の労働インフラとなって定着していくでしょう。すなわち単なる情報の伝達や定型的なルーチンワークはリモートになり、創造的、統合的なワークはリアルでというように多様化、効率化、差別化が図られるでしょう。労働の対価である報酬についても時間給でなく成果主義へ移行していくでしょうし、デジタルマネーでの給与払いとなることもIT業界を中心に増えていくでしょう。これらは、人々の生き方、働き方のスタイルを変え、多くの場面でパラダイムシフトが進行していくでしょう。そのためには、現状の脆弱な情報セキュリティシステムの改善や情報通信網の拡充を進める必要があるので、それらの関連業種は、しばらくは発展拡大していくでしょう。皮肉にも、今、世界中の人々を苦しめている感染症(COVID-19)の感染拡大が、よりそのピッチを速めました。

さて、皆さんは自分の進路をどのように考えますか。 ( 令和3年5月20日 )


15:22
2022/04/07

令和4年度 入学式 式辞

| by 校長
式辞 
大地に生命の萌え出づる春、この佳き日に、PTA会長、城野様、PTA副会長、
直井様、篠田様、稲田様のご臨席を賜り、
令和4年度、千葉県立柏高等学校入学式を
挙行できますことは、本校教職員一同大きな慶びとするところであります。

ただ今、呼名され入学許可を受けた320名の新入生諸君、ご入学おめでとうござ
います。まさに今、皆さんは。本校の生徒となりました。
これから始まる本校での
高校生活に、希望に満ち溢れ新たなスタートに立った諸君を、心から歓迎いたします。
本校は昭和45年4月創立以来、1万6千人を超える卒業生を世に送り出し、国内外
の様々な分野で活躍する秀逸な人材を輩出してきた県下でも有数の進学校の一つです。
本校は、「健全」「謙虚」「誠実」という学びのための基本姿勢を教育方針の柱とし
「勉学や部活動、学校行事」に主体的・積極的に取り組む生徒と熱心に指導に当たる教職員とが一つとなって充実した教育活動を日々展開しています。平成16年度からは、3期15年に渡って文部科学省からスーパーサイエンスハイスクールの指定を受け、未来の日本を支える優れた科学技術者の育成を目指し、理数科教育のさらなる充実を実践してまいりました。そして平成27年度からは千葉県教育委員会から進学指導重点校に指定され、本校生徒の進学指導に、より一層の充実を図り、進学実績の進展を果たしているところであります。このような本校の歴史や伝統に加えて、ICT機器の導入や先進的で特色ある授業形態に、新入生諸君が積極的に取り組み、豊かな教養と人間性を培い、広く社会に貢献できる人間として逞しく成長することを期待しています。

それでは、新入生の諸君に、これから始まる3年間の本校における「行動指針」の中で、特に3つの事をお話しいたします。

 

1つ目は「勉学に粘り強く取り組むこと。そして自分なりの強みを見出し磨くこと」です。高校生活においては、勉学が一番の中心となります。本校では、生徒一人ひとりが真剣に授業に臨み、本校教師はそれに応えるべく質の高い授業の実践に向けて日々研鑽を重ねています。この3月の卒業生310名の進路は、国公立大学へ東京大学、千葉大学、筑波大学をはじめ56名、私立大学へは、明治、早稲田、慶応をはじめ224名であり、現役での進学決定率は90パーセントでありました。残りの10パーセント30名は、次年度の受験に向けて勉学にいそしんでいます。新入生諸君は、まず何よりも本校での授業を通して、自分の頭で物事を考え、事象の本質を捉え、諸問題を解決していく能力を養い、そして「自分の考えを伝える力」や、「問題を解決するまでやり抜く忍耐力」を身に付けてほしいと思います。本校の授業は中学校までとは異なり、大学へ繋がる内容となり、専門的で高度になります。中学校までのやり方は、通用せず、さらなる向上は望めません。幅広く、かつ「粘り強く深く学ぶこと」で、自分が進むべき進路が見えてくるものです。新入生諸君には、まず、全ての授業に集中して取り組むとともに、自己理解を通して自分なりの強みを見つけ、邁進してもらいたいと思います。

2
つ目は、人間関係を築く力を養うことについてです。人間個々の能力は、他者からの刺激や影響を受けて磨き上げられていくものであり、友人や仲間と関わることで、よりよい人間関係を築く力やコミュニケーション力も身に付いてきます。本校には、多才な能力をもつ仲間がクラスにおります。また、部活動や学校行事についても生徒を主体として盛んに行われています。そうした環境の中で、お互いを高め合い、他者の立場や事情を推し量って行動し、相互にプラスの影響を与え合ってもらいたいと思います。そして、さらには学校内に留まらずに、国内外の大学や企業、研究所等々、自分と国や年代の異なる人たちとも関わりをもち、成長してほしいと思います。


最後、3つ目には、「奉仕の心、思いやりの心」を持つことです。挨拶や清潔・精緻な服装に努め、地域社会への貢献も忘れないでほしいと思います。

ところで、新入生諸君は、「一隅を照らす」という言葉を知っていますか。「一隅を照らす」とは、天台宗比叡山を開いた最澄の言葉です。人々がそれぞれに全力を尽くすことによって社会全体が明るく照らされるということ。自己のためばかりではなく社会全体の幸福のために、人の痛みがわかる人、人の喜びが素直に喜べる人、人に対して優しさや思いやりがもてる人こそ国の宝であること。そして本来の自分を受け入れ、自分の強みや特性を活かし、自分自身がまず光り輝くことで周囲を明るく照らす光となること。その光は、優しさや温かさとなって伝搬していくと説いています。

不安と心配が絶えない新型コロナウイルス感染症もいずれは収束し、苦難は去ることでしょう。その日のために明るさを失わず生き生きと前向きに過ごしていただきたいと思います。

1200年前の言葉でありますが今に続く言葉だと思います。そして、本校を卒業し、世で活躍する場面において県立柏高校卒業生として一人一人が「一隅を照らす」存在になってほしいと思います。

結びとなりますが、本日、ご臨席いただきました保護者の皆様、お子様の御入学、誠におめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。本日からお子様をお預かりし、生徒一人ひとりが目指す進路実現に向け、努めてまいります。

教育は生徒自らの向上しようという意欲と、私ども教職員と保護者の皆様の協力体制があってこそ、より効果的な成果を上げ、実を結ぶことができます。また、高校時代は、心身の成長も著しく、それだけに、人間関係や生き方についての葛藤が深まる時期でもあります。学校と保護者の皆様との信頼と連携を大切にし、しっかりとお子様を指導してまいりたいと思います。保護者の皆様には、本校の教育に対する御理解と御協力を賜り、御家庭でのお子様への支援と見守りを、お願い申し上げます。

新入生諸君の、本校での三年間が心身ともに健康で、実り多きものとなるよう祈念し、式辞といたします。

令和4年4月7日

千葉県立柏高等学校長 鈴木



15:30
2022/04/06

第1学期 始業式 式辞

| by 校長

生徒諸君、おはようございます。私は、昨年、本校に着任して1年が経ちました。

昨年度は、感染防止のため、教育活動全般に制限が課せられ、中止やリモートで行っ
ていましたが、今年度からは、少しずつ、平時の形に戻していきたいと考えています。そのためには、感染防止対策の徹底が前提となりますので、諸君とご家族の理解と協
力を引き続きお願いします。

さて、本日から新年度が始まり、学年が1つ上がりましたが、何か、目標や計画は
できていますか。「終わってしまうとあっという間」とよく言われる長期休業ですが、やはり予想どおり、あっという間に終わってしまったのではないでしょうか。春休み
中はどのような暮らしをしていましたか? もっと優先すべきことがあったにもかか
わらず、スマホで無駄に時間を費やしたりしなかったでしょうか、時間は、一方向にしか進まない、有限なものであり貴重なものです。スマホは利用するものであって利用されるものではないことを認識して、大切な高校生活を送っていただきたい。

私は、今年度の重点目標として、次の3つのことを考えています。

1つめは、文科省の推奨するギガスクール構想によるICTデジタル技術を活用した教育シーンを多く展開することです。

具体的には、スマホやタブレットを使用することが増えることとなります。情報収集、情報共有、情報処理、プレゼンテーションツールとしての活用を期待します。

2つめは、進学指導重点校としての取組を一層充実させることです。

3月に卒業した310名の卒業生は、9割が進路を決定し、前年度38名であった国公立大学の合格4者が今回、東大をはじめ58名となり大幅に増加しました。但し国公立大への希望者は毎年100名以上います。まだまだ、希望どおり行っていない生徒も多い状況である。いにしえより「為せば成る。為さねばならぬ。何事も」という言葉があります。昭和という時代になって「やってやれないことはない。やらずにできるはずがない」という言葉の変遷がありましたが、つまり「やるしかない」ということです。何をやるしかないのか、諸君、わかっていますよね。スマホ遊びではなく、日々の授業を大切に、学習習慣、学習計画を立てて、有限な時間の有効活用をするようにしてください。

3つめは、成人としての自立と責任です。

今月から成人年齢が18歳に引き下げられました。すでに公職選挙法の改正により18歳で選挙権が付与されておりますが。今回は民法の改正であります。契約行為ができることによるトラブルの発生が懸念されています。自己責任が問われ、免れることが出来ないことになる。個々が責任ある判断をしなければならないということです。特に契約行為は慎重に取り扱わなければなりません。安易に考えてはいけないことを認識してください。
 

イギリスの詩人テニソンは、「大いなる希望が人間をつくる。」と述べています。人は、どのような希望を持つかで、日々の行動が変わり、その人の人生や生き方が変わってきます。明るい未来に向けて準備を進めてください。

過去は変えられなくとも、未来は変えられます。令和4年度、そのような生徒諸君であることを期待しています。

以上、新年度初めの挨拶とします。ごきげんよう。


14:41