本校は、平成13年9月に東京都教育委員会より、進学指導重点校の指定を受け、さまざまな学校改革を行ってきました。さらに、平成19年度には進学指導重点校の再指定校、平成24年度には文部科学省のSSH二期目の指定校となり、伝統的な公立進学校として前進しています。
平成13年、公立高校としては、全国で初めての独自入学試験を実施しました。
完全学校週5日制の開始に伴い、1日の授業数を45分7時間としました。これには、2時間続きの90(100)分授業や8・9時限の特別講座演習も組み込まれています。
土曜講習、夏季休業期間中に1時限90分で5日間を1講座とする講習を行っています。土曜講習は、1・2年生は「標準」と「発展」の2レベルに分け、3年生は理科・社会を中心に行っています。夏期講習は多様な講習を多数開講し、多くの生徒が自主的に受講し、部活動との両立を実現しています。
シラバスを生徒と教職員との共通の達成目標として位置づけています。また、生徒による授業評価を年2回実施し、結果を分析し課題発見の手がかりとしています。
3年間を見通した進路指導計画を作成し、実力試験・全国模試・保護者会・面談・講習等の配置を工夫し、生徒の発達に応じた柔軟な計画・実施に努めています。なお、PTAとの共催で保護者向け進路講演会も実施しています。
進学指導検討会を年2回実施しています。入試・定期考査・年3回の外部全国模試等の年間の定点を設定し、成績の推移と経年比較をもとに現状分析を行っています。また拡大学年会を全学年で年1回、3年生については一人ひとりにきめ細かな出願指導ができるように年2回ケース会議を行っています。
教員どうしで授業を見学しあい、質の向上を図るようにしています。
新3年生となる準備として、各界の第一人者として活躍する卒業生を講師に迎えた「星陵セミナー」(約20講座同時展開)を開催しています。実際に大学で行われる専門の講義を受け、職業との関連などを考えることができ、進路探求に有効なゼミ形式の講座となっています。
平成19年、飛躍的な成果を出し、数値目標をすべて達成しました。特に、難関国公立大学を含む国公立大学・難関私立大学への現役合格力が上昇しました。この原動力の1つは生徒の知的好奇心の向上です。
改革第1ステージの成果を維持・発展させ、進学実績を向上させるため、学問をすることの本質的なおもしろさや楽しさを味わわせる授業の構築を推進します。特に、理数教育では学力向上に資するためSSH(スーパーサイエンスハイスクール)二期目の指定校となりました。全科目履修型・教養主義カリキュラムの中で様々な事業(特別講演会・自主探究・生物臨海実習などの野外実習・科学コンテストへの挑戦)を展開しています。これらの取り組みを通して、本校は、「学ぶ楽しさ」を基本として、「知の創造」を目指し、知の日比谷として未来に向かって前進します。
平成27年、東京都教育委員会から「東京グローバル10」の指定を受け、新たな海外派遣研修である、ボストン・ニューヨーク研修を新設しました。ハーバード大、マサチューセッツ工科大訪問のほか、アスペン研究所での食料問題解決案のプレゼンテーションなど、世界に視野を向けた取組を始めました。また、ニュージーランド及び韓国の学校と姉妹校を締結し、平成29年から相互交流活動を始めました。
学校改革の結果、難関国公立大学や医学部医学科を志望する生徒が年々増えています。特に東京大学への志望が高く、本年の合格数は63名(現役48名)で、全国公立学校で8年連続1位になりました。難関国立4大学と国公立医学部医学科の現役合格者数の合計は101名(東大理IIIを含む)となり、昨年の78名を大きく超えるものとなりました。国公立大学の合格者も148名から171名となり、理系文系にとらわれない全科目履修型の教育課程を活用した形での進路実現が増えています。また早稲田大学にのべ221名(現役161名)、慶応大学にのべ152名(現役110名)が合格しました。
進学指導重点校・文部科学省SSH3期指定・東京都指定グローバル10を背景に、今後は改革を次のステップに進化させながら、現役合格を指導の中心に置き、生徒一人一人の進路実現を図り、進学実績の向上を目指します。