入学式・始業式に始まり、卒業式、終業式まで、早実の1年間には、通常の授業以外にさまざまな学校行事が行われます。「文武両道」を掲げる本校を象徴する行事といえば、秋の体育祭と文化祭です。一人ひとりのスポーツ精神を発揮する体育祭に、生徒の個性と活気あふれる文化祭。いずれの行事にも、生徒の自主性を尊ぶ校風が表れています。
早稲田大学大隈講堂にて、中等部と高等部の入学式が行われました。はじめに、本校理事長、早稲田大学総長である田中愛治先生からご祝辞をいただきました。続いて、本校校長である村上公一先生からもお言葉をいただきました。多数のご来賓のご列席の下、終始、厳かに進められました。最後に、新たに担任となる先生方の紹介が行われ、新入生の緊張感が少し解ける一面もありました。明日から、国分寺の校舎で新生活がスタートします。
高等部1年生のオリエンテーションは、4月に学年を2グループに分けて、駒ヶ根校舎にて2泊3日の日程で行われました。この行事の目的は、早稲田実業学校高等部の教育課程について理解を深め、早実生としての自覚を持つ。そして新しい友人関係を構築するとともに団体行動における規律を身につけることです。
初日の午後は体育行事。第1グループはあいにくの雨で体育館、第2グループは天気に恵まれてグラウンドで活動しました。クラスで一致団結しなければ成功しない競技を中心にプログラムがたてられています。はじめは動きがぎこちなく失敗が続いていましたが、徐々にクラス全員が協力する姿勢が現れ始め、最後にはスムーズに競技が行われていました。
二日目は班ごとに分かれてプレゼンテーション大会です。「お父さん、お母さんに旅行をプレゼント!駒ヶ根1泊2日旅行を計画する。」というテーマで、校舎周辺を散策し、見どころや食事処を写真にまとめてiPadを用いて編集し発表しました。班員全員でアイデアを出しプランを練ることによって、大変インパクトのある発表に仕上がりました。そして、教務部と生徒指導部の先生から、充実した学校生活をいかに送るかという講話を聞くことができました。今回のオリエンテーションで体験したこと、理解したことをしっかりと心に刻み、様々なことに積極的に取り組んでもらいたいと切に願います。
中等部1年生のオリエンテーションは、4月24日(水)から26日(金)の2泊3日で駒ヶ根校舎にて行われました。オリエンテーションの目的は、早実のルールについて理解を深め、早実生としての自覚を持つこと、友人関係を育てクラスの親睦を図ること、そして団体行動における規律を身につけ基本的な生活習慣を確立することです。
1日目の入校式ではバスの中で練習した校歌を、とても大きな声で歌うことができ、オリエンテーションに対する意気込みを感じることができました。残念ながら雨天の中のスタートとなりましたが、体育館で行われたミニ体育祭は各クラスとも仲間と協力し合い、クラスの団結を図ることができました。種目は大縄跳び、棒飛びリレー、2人3脚リレーを行い、熱戦が繰り広げられました。
2日目も雨天となってしまい、まずは体育館でみんなを知ろうよレースを行いました。みんなを知ろうよレースは、3人4脚でお題の書いてあるところまで走り、お題の内容に当てはまる人を審判に連れていくという内容で、先生やクラスの仲間、クラス以外の仲間など、たくさんの人と交流を深めながら楽しんで行うことができました。
その後のオリエンテーリングでは雨も止み、初めて外へ出て行うことができました。各クラスで班を構成し、駒ヶ根校舎周辺を探索し、クイズに答え、班員と協力しながら行うことができました。夜には、1年間の目標を書いたフロッタージュや、限られた道具を使ってできるだけ高くタワーを作っていくマシュマロチャレンジを行いました。協調性やお互いを理解していくきっかけになったかと思います。
1日目の夜と2日目の午後には学習指導部と生徒指導部の先生から、早実生として充実した学校生活をいかに送るかということを聞くことができました。今回聞いた話をしっかりと心に刻み、いろいろなことに積極的に取り組んでほしいと思います。
このオリエンテーションを通じて、生徒たちは様々な行事に全力で取り組み、楽しい思い出をたくさん作ることができました。まだまだ未熟なところもありますが、早実生としてスタートラインに立ち、歩み始めました。これからどのように成長していくのかとても楽しみにしています。
中等部2年生は、7月29日から8月1日の3泊4日の日程で本校駒ヶ根校舎にて「駒ヶ根教室」を行いました。
初日は駒ケ根キャンプセンターでの飯盒炊さんを行いました。飯盒での炊飯を一度経験している生徒たちは、初めてのカレー作りも含めて、てきぱきと作業をこなしていました。
2日目は駒ケ岳の千畳敷カールの散策に向かいました。バスとロープウェイを乗り継いで千畳敷カールに到着すると、天気は雲一つない快晴で、標高2,931mの宝剣岳も綺麗な姿をわれわれに見せてくれました。駒ケ岳神社前で高度順応をかねて朝食のお弁当を食べた後、理科の授業で習った高山植物を探しながら、散策をしました。
2日目の午後からは、駒ヶ根、伊那、飯田の3地区に分かれての民泊を行いました。それぞれ農作業などを体験し、3日目の昼までの短い時間でしたが、生徒たちはとても充実した時間を過ごせたようです。
そして3日目の夜はグラウンドでのキャンプファイヤーで3日間を締めくくりました。
あっという間の4日間でしたが、様々な行事を通して生徒たちは多くのことを学び、有意義な教室となりました。
中等部3年生は、2021年12月6日から9日までの3泊4日、京都・奈良方面での「古京教室」を実施しました。本校では、伝統的に中等部3年生で奈良を中心とする近畿地方を訪れ、日本の文化・歴史などに直接触れるという宿泊研修を行っていますが、2020年度は大変残念なことに中止となってしまいました。2021年度も、果たして校外教室を実施できるか不透明な状況の中、夏ごろまではなかなか準備を進めることが出来ませんでした。しかし、秋以降の新型コロナウイルスの感染状況を見て急ピッチで準備を進め、当初の予定通りの日程で実施することができました。4日間の行程の概要は以下の通りです。
1日目 妙心寺での坐禅体験 各種伝統工芸の製作体験 京都泊
2日目 薬師寺での法話、写経体験 奈良公園周辺での班別研修 奈良泊
3日目 法隆寺、中宮寺を拝観 明日香村での班別研修 奈良泊
4日目 東寺、平等院を拝観
今回の古京教室は、密を回避するため、バスは各クラス2台、ホテルはツインもしくはトリプルという、通常とは異なる形での実施となりました。そのような中でも、京都の職人さんに教えを請いながら工芸品を制作したり、妙心寺のお堂で心を落ち着けて坐禅を組んだり、薬師寺の僧侶の方に指導を受けながら、厳粛な空間で写経したり…といった古京教室ならでは体験を予定通り実施することが出来ました。もちろん、体験的な活動だけではありません。クラス別や班別の見学の時間では、教科書などで見たことのある名品・名建築を実際に鑑賞し、現地で見なければわからない色彩、立体感、大きさなどを目に焼き付けることが出来ました。
黙食や部屋移動厳禁など不自由の多い中、生徒たちは早実生として恥ずかしくない振る舞いを見せてくれました。中等部3年生という多感な時期にこうした体験をしたことが、その後の人生を豊かなものすると信じ、今後も伝統の灯を絶やさないようにしていきたいと思います。
12月6日から9日までの4日間で、2021年度の高2校外教室「関東教室」を実施しました。新型コロナウイルス感染防止の観点から、例年と大幅に異なる形での実施となりました。
関東教室の大きなテーマの一つはキャリア教育です。1日目はさまざま分野で活躍されている方を訪ねて、班別取材を行いました。たくさんの早実OB、OGの皆様にも取材を引き受けていただきました。「働くこと」に関して刺激を受けることができた今回の取材経験は、生徒のこれからの学校生活をさらに有意義にしてくれるでしょう。取材を快く引き受けてくださった皆様には、この場を借りて御礼申し上げます。
2日目、3日目のクラス別研修では、密を避けるため、2台のバスに分乗して関東各地を回りました。成田山新勝寺、日光東照宮、箱根彫刻の森美術館といった修学旅行定番の見学先から、こんにゃく作り体験や江戸切子体験ができる研修先まで、各クラスの個性が反映された行程となりました。不安定な天候でしたが、どのクラスの研修も満足度の高いものでした。
冬晴れの最終日はディズニーリゾートでの研修です。事前に「ディズニーアカデミーオンライン」を受講したことで、キャストの皆さんの何気ない心配りに気付くことができました。「来場者に楽しんでもらうため、キャストの仕事を『仕事』と感じさせないように行うプロ意識」は、キャリア教育の体験の場として意味のあるものでした。(もちろん、キャストの皆さんの気持ちを受けとめて、ゲストとしてパークを楽しむことも忘れてはいません。)
大型バス2台での移動や、距離を取って静かに行う食事など、新型コロナウイルスの影響は想定以上に大きなものでした。それでも実施することができたのは、旅行会社やホテルの皆様、取材先や研修先の皆様のご協力があったからです。入学以来、初の宿泊行事となり、例年以上の意味合いを持った校外教室となりました。
2018年度中等部・高等部卒業式は、3月15日(金)に中等部は午前9時30分から、高等部は午後1時30分から、本校第一体育館において行われました。厳かな雰囲気の中で、卒業生たちの逞しく凛々しい姿は、早稲田の、そして社会の中核たる人間としての資質を十分に感じさせる、本当に頼もしいものでした。当日は、保護者、ご来賓の皆様にも多数出席していただきました。
中等部は、卒業生245名が、吹奏楽部の奏でるリズミカルな音楽の下、在校生やご父母の拍手に迎えられて入場、校歌斉唱のあと、担任より一人一人氏名を読み上げられて登壇し、村上公一校長より卒業証書が授与されました。引き続いて、成績・人物ともに最も優秀な生徒一名に与えられる本校最高の賞である大隈賞をはじめとする各賞の授与が行われました。村上校長先生からは愛情に満ちた励ましの言葉が式辞として卒業生に送られました。続いて、在校生代表から先輩への敬意のこもった送辞が、卒業生からは三年間の学校生活をふりかえるとともに高校生活への希望に満ちた素晴らしい答辞が披露されました。
高等部は、吹奏楽部の演奏の下、在校生代表・ご父母・教職員の拍手に迎えられ、卒業生394名が入場しました。式では、校歌斉唱のあと、担任から各生徒の氏名が読み上げられ、村上公一校長からクラス代表生徒に卒業証書が授与されました。引き続き、大隈賞、校長賞はじめ各賞の授与が行われました。村上校長先生からは、将来を見すえた力強い激励の言葉が式辞として卒業生に送られ、式典は滞りなく終了しました。
三年間、六年間あるいは十二年間を早実で学び、たくましく立派に成長した卒業生は、楽しく充実した早実生活の思い出に浸りながら、お互いに再会を誓い、誇らしく凛と胸を張り巣立って行きました。
なお、藁谷校長先生にとっても、最後の卒業式となりました。