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    令和元年度
     相模原高校 SSH アメリカ海外研修
 
 
                            参加生徒1報告書
 
 
 
 
 実施期間     令和2年2月2日(日)令和2年2月 10 日(月)
                                                          (7泊9日)
 
 訪問国・市   アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス市内およびその周辺地域
 
 主な研修先   スペースX(Space Exploration Technologies Corp)
 
              CSC(California Science Center)カリフォルニアサイエンスセンター
 
              USC (University of Southern California)サウスカリフォルニア大学
 
              UCLA(University of California, Los Angeles)カリフォルニア大学ロサンゼルス校
 
              CAL TECH(California Institute of Technology)カリフォルニア工科大学
 
              JPL(Jet Propulsion Laboratory)ジェット推進研究所
 
 
 
 
                                             1
 2 年 G 組 K・A
 このアメリカ海外研修は考えさせられることが多くあった。大きく二つに分けられ
 る。個人的な人生の選択肢が増えたこと、そして、アメリカと日本の両国の良さ悪さ
 についてだ。また、プレゼン技術についても多く学ぶことができた。
 まず、人生の選択肢について。私は、大学を選ぶ際に日本の大学しか視野に入ってい
 なかった。しかし、この海外研修でアメリカの大学に行くという選択肢も得ることが
 できた。今回お会いした方と話してみて、全員が同じ方法でアメリカの大学に行って
 いるわけではないことが分かった。そしてアメリカの進学を選んだ理由も人それぞれだった。自分自身がアメリカの大
 学に行くかどうかは別として、志望校を選んでいる段階で新たな選択肢を得ることが出来てよかった。
 次に、アメリカと日本の両国の良さ悪さについて。現地校に1日体験入学する機会があったが、教育システムは全く違
 った。アメリカの方が圧倒的に実用性のある内容の授業を行っていた。私たちが行った高校では、サイバーセキュリテ
 ィというパソコンをウイルスから守るための授業が行われていた。これからの世界は色々なものがディジタル化される
 ことが予測される。そこで、サイバーセキュリティは安全性を守るために大きな役割を果たすと思う。専門に扱う人た
 ち以外は、パソコンの詳しいことはあまり知らないのが日本の現状だ。日本での「カリキュラムに沿って学ばなけれ
 ば」という固定概念は捨ててもいいのではないのだろうかと思った。
 また、アメリカの学校では生徒2のレベルによってクラスが分かれたり、優秀な生徒3
 大学で学ぶことを高校で学べたりすることもある。この点に関しては、メリット・デ
 メリットが考えられる。まず、日本のような平等主義のもと生徒4全員が同じ授業を受
 けるのに比べて、アメリカのシステムでは生徒5一人一人の力をより伸ばすことが出来
 るのがメリットである。全員が同じ授業を受けることには、「時間のロス」が付随して
 くると考える。勉強を苦手とする生徒6は、授業についていけずかえって意味のない時
 間を過ごしてしまうし、得意とする生徒7は授業が簡単すぎて自分の力を十分に発揮し
 きれない。しかし、その反面、これは生徒8本人を評価しているようで、自信をなくしたりする生徒9が出てきてしまうの
 がデメリットである。
 最後に、プレゼンの技術についてである。今回私たちが作成したスライドの一番の欠点は、課題点と解決策を何個も並
 べることでまとまりが無くなってしまったことだ。本来は、テーマ設定の背景、仮設、
 実験、結果、考察、など、一連の流れに沿って話を進めていく。しかし、この流れを行
 き来するような設計だと、初めてテーマを知る聞き手にとっては理解しにくい。誰が聞
 いて理解しやすいように、自分もテーマを知らない程で構成を考えるべきだと思った。
 この研修は、やはり多くの発見と技術向上、またこの一年の受験勉強の刺激につながっ
 たと思う。アメリカで得たこれらのことを日本での日常生活に活かしていきたい、い
 や、もう活かしていると思う。
 
 
 
 2 年 D 組 S・H
  私は、facilitator としてこの研修に参加しました。私が最も「参加してよかった」と
 感じたのは、アメリカで活躍する、輝かしい日本人にたくさん出会えたことです。
 2 月 4 日、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)でガイドをしてくださった女
 子大学生に、どうして UCLA を選んだのか質問すると、   「日本 1 の東大は、世界では約
 40 位、日本のトップなのに情けないと思ったので、なるべく上を目指したかった。   」と
 の返事をいただきました。その向上心の高さと、世界に目を向ける姿勢がとてもかっこいいと思い、自分も現状に満足
 せず、努力を惜しんではいけないと感じました。
 同じ日に、アメリカ最大の建築設計会社 Gensler で働く日本人社員の方のお話を伺いました。日本に疑問を抱いた高
 校時代、親の反対を押し切ってアメリカの大学に進学し、1々の苦難を乗り越えた末に自分で納得のいく人生を作った
 その方の生き方は、広い視野を持ち、自分の意思を明確にし、行動に移すことの大切さ
 を教えてくださいました。多様性、なんでもチャレンジできる環境、そして様々な一流
 が揃ったアメリカで得られるものは、日本とは比較できないほど大きく、人生を面白く
 するのだと感じました。
   2 月 6 日に訪れたカリフォルニア工科大学(Caltech)で出会った学院生からは、夢を
 追いかける素晴らしさを学びました。宇宙に興味を持ち、アメリカの大学を卒業した後
 
                                                     2
 に NASA に就職したものの、周囲のレベルの高さを痛感し、もう一度大学院で学び直し、今も自分を高め夢に近づく
 ために努力を続ける彼には、「諦め」という概念すらないように感じました。また、海外で学ぶことの意義を知り、チ
 ャンスがあれば、私も海外に出たいと強く思いました。
 その後、ジェット推進研究所(JPL)の日本人研究員の方々にガイドをしていただき、研究所を見学しました。宇宙
 のことはよくわかりませんが、世界中からハイレベルな研究員が集まる、宇宙の最前線を行くその場所で、私と同じ日
 本人が何人も活躍しているという事実に感銘を受け、とても誇りに思いました。
   8 日間お世話になったコーディネーターの方は、カナダでの語学留学から帰る際、学
 校長に人柄を認められ、そのままカナダで就職、渡米して結婚し、今でもアメリカで
 日本人留学生のサポートなどの仕事を行なっています。人柄の良さは、世界どこでも
 通用することを実感し、私も彼のような温かい人になりたいと思いました。
 この研修に参加する前は、「日本で上位を目指す」ことばかり考えていましたが、今で
 は世界に目を向けられるようになり、世界で通用する人間になりたいと思うようにな
 りました。これからも人との出会いを大切にし、自分を高めていきたいです。
 
 
 2 年 C 組 S・F
 2020.2.210 の 9 日間アメリカで、課題研究の発表をしに海外研修に行った。私たち
 の班では、カカオアレルギーを持ちチョコレートを食べることのできない人でも食べら
 れるカカオ豆を使わずにチョコレートの味がする食べ物を作るという研究をした。
 3 日目に行ったカルフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)では、高校生の頃は日本
 で暮らし UCLA に通うために、今はアメリカに住んでいる方にキャンパスツアーをし
 ていただいた。今まで、海外に良い大学があることはなんとなく知っていたけど、私は、日本の大学への進学しか考え
 ていなかった。話を聞いて、高校生のうちから海外の大学にまで目を向けて進路を決めていく人がいることを実感し
 た。また、キャンパスツアーをしてくれた方は UCLA に通いたい明確な理由を持って大学を決めていて、大学に通う
 には、しっかりとした目的を持って通うことが大切なのだと感じた。
 また、いろいろな大学などを訪問し、アメリカでやりたいことを見つけアメリカに住みアメリカで仕事をしている人に
 たくさん出会った。今までは、日本国内で暮らしていくことしか考えてこなかったけど、もっと視野を広げていきたい
 と思った。
 私たちの研究では市販のチョコレートにカカオ豆を使わずに味をチョコレートに近づけていき、研究テーマを知らない
 人に試食してもらった。そして、食べた食べ物が何の味に感じたかを聞き、私たちが作ったカカオ豆を使わないチョコ
 レートがチョコレートだと思わせることができるのか調べた。結果としては、多くの人はチョコレートだと答えたが、
 コーヒー、カラメル、キャラメル、サツマイモ、栗などと答えた人もいた。私たちの研究発表では、チョコレートと答
 えた人の割合のみを重要視して発表した。しかし、UCLA で発表した際にチョコレート以外の食べ物だと答えた人が
 いることが面白いという意見をいただいた。
 私たちは、チョコレートの味を目指して作ったのに材料にも含まれないチョコレート
 以外の食べ物を答えた人がいるのは、とても面白いと思った。また、どの要因からそ
 の食べ物を連想させられたのか気になった。そして、その意見をいただいて、インタ
 ーネットで味が決まる要因を調べてみると、音がうるさいところでは味が薄く感じ
 る、気圧が低いところでは味が薄く感じるなど、味の感じ方が変わってくるというこ
 とが分かった。また、その人の今までの食習慣や、その時の気持ちによっても変化す
 ることが分かった。今回の実験では、味の多くを決めると言われる香りにも気を使っ
 て実験をしたが、そういうところから、何の食べ物に感じるか人によって感じ方が違ったのだと思った。
 私は、今回の研修で人との関わりの大切さについて、とても実感した。ツアーコンダクターをしてくださった椎名さん
 は、大学で 1 年間の留学のためカナダに行ったが、1 年間の留学を終えたあと大学の先生から声をかけられ、その後も
 カナダで過ごすことを決めていて、もし、大学の先生とのいい出会いが無かったら、その後の生活は全く違うものだっ
 たのだと話していた。また、大学などに訪問した時もいろいろな人との繋がりがあることで、とても素晴らしい話しを
 聞けて、いい体験ができた。私も人との関わりを大切したいと思った。
 
 
 
 
                                                     3
 2 年 E 組 M・R
 私達は、1年生時から取り組んできた課題研究を発展させ、英語でプレゼンテーションをするために 2/22/10 の 9 日
 間アメリカに行った。
   私のグループは「chocolate for everyone」を研究テーマとして、カカオアレルギーを持つ人でも食べることができ
 るチョコレートのレシピを考えた。アメリカでの発表の機会は 3 回あり、現地の方から発表についてのアドバイスを
 いただいた。1 回目は、カリフォルニア大学の学生の方 2 人の前での発表で、そこでは、
                                                                                 「アンケート結果を提示する
 ときには、母集団の2を示したほうが良い」というアドバイスをいただいた。私たちは‘アンケートの母集団が少な
 い’という理由から、発表内で母集団を示していなかったので、今後はアンケートのような、人を対象として行う実験
 では母集団を増やして、結果が正確性をもつようにしたいと思った。
 2 回目は、マグノリア高校の学生と先生に見ていただいた。多くの人の前での発表は
 初めてだったので緊張したけれど、楽しんでプレゼンテーションができた。発表後、
 先生方から、「スライド 1 枚ごとの情報量が多すぎる、スライドはグラフや内容の見
 出しだけでよい、スライドに注目が行き過ぎると話が入ってこなくなる」とパワーポ
 イントについてのアドバイスをいただいた。スライドにどのくらいの情報を載せるか
 は、日本での準備の段階から悩んでいた。私達は、発表内容を正確に伝えるためにス
 ライドに多くの情報を載せていたけれど、それは逆効果で、スライドを読むことに意
 識をとられて私たちの声が届きづらくなっていたことが分かった。
 3 回目は、カリフォルニア大学の北郷秋重教授に見ていただいた。北郷船影さんから
 は多くのアドバイスをいただいたが、中でも‘発表内容の順序’と‘future
 direction’が特に大切だと思った。前者については、仮定→仮定の証明→実験→結果
 →議論→結論が基本の成り立ちであることがわかった。今回の私達の発表には、仮定
 の証明と議論が足りていなかった。後者については、自分たちの結果を踏まえて次に
 どう繋げるかを明確に示すべきであり、これによって研究の考察をより深めること、
 さらに、次のステップでの目標を見つけることが出来るとわかった。全ての発表で、
 発表中の表情や声量、手振りがとても良かったと言っていただけたので、その点は自信を持っていきたいと思った。
   発表以外の取り組みでは特に、マグノリア高校を訪問したことが印象に残っている。学校という私達に最も身近な場
 所で、アメリカと日本の文化の違いを体験できたこと、同い年の子と英語でコミュニケーションをとり、楽しく色々な
 ことを話せたことは、私にとって良い経験と思い出になった。また、南カリフォルニア大学、カリフォルニア大学、カ
 リフォルニア工科大学の 3 つのアメリカの大学をツアーして、現地の学生の話を聞けたこともとても印象に残った。
 アメリカの大学は、日本の大学と比べものにならないほど広く、機械などの設備が充
 実していた。私もこのような環境で勉強してみたいと思った。
   今回の海外研修で、多くの人に出会って話を聞けたことで、私の未来の選択肢が大
 きく広がったと思う。研修に参加する前から海外や異文化に興味があり、大学も国際
 系に進みたいと思っていたが、今回の経験でその思いが高まり、より高いレベルで学
 びたいという意思が生まれた。海外研修での経験は、私にとってとても貴重で濃いも
 のとなり、とても充実した 9 日間だった。
 
 
 2 年 G 組 S・N
 2 月 2 日から 10 日まで 9 日間、SSH の研修で、アメリカのロサンゼルスに行きました。私は、研究チームではなく、
 プレゼンの司会進行役としてこの研修に参加しました。事前の準備や現地での活動を含め、素晴らしい経験をさせてい
 ただき、とても多くのことを学びました。
 研修で、とくに私の印象に残っている 2 つのことについて、書きたいと思います。
 1 つ目は、ホームステイを通して見ることができた、現地の生活や家族のあり方につ
 いてです。私のホストファミリーはお父さん、お母さん、息子、娘の 4 人に加えて、
 犬と猫が 2 匹ずつ、鳥が 1 羽と、大家族でした。夕方には、家族全員が家にそろい、
 みんなでゆっくりご飯を食べて、全員がリビングでくつろぐという、私の日本の家と
 はずいぶん違うのんびりとした温かい空間で過ごせて楽しかったし、会ったばかりの
 私たちのことを、本当の家族のように受け入れていただけてとても嬉しかったです。私がホームステイをしてよかった
 と思える 1 番の理由は、カリフォルニアならではのものを食べたいという私のリクエストで、メキシコ料理に連れて
 行っていただいたり、アメリカ料理を一緒に作ったりして、食文化まで体験できたことです。和食が家で出たときに、
 
                                                      4
 日本米があることに驚いた私に、「移民の多いアメリカではなんでも手に入るんだよ」とホストマザーが教えてくれ
 て、多文化共生はアメリカの特性なのだなと実感しました。
 2 つ目は、アメリカに住む日本人の方々と直接お話しできたことです。私たちは、研修中に3つの大学を訪れました。
 UCLA では、日本人学生の方にキャンパスを案内してもらい、私たちのプレゼンを聞いていただいたあと、一緒にお
 昼ご飯を食べて、いろいろな話をしました。大学内は、大きな図書館がいくつもあり、学生が自主的に勉強できる環境
 が整えられていました。ちょうどテスト前だったようで、図書館だけでなく広場や学食でも勉強している学生が多くい
 ました。アメリカの大学は課題が多く、ついていけなくて単位を落とす人が何人もいるかわりに、やる気のある人は教
 授がちゃんとサポートしてくれると聞いて、本当に勉強したい人だけが集まっている環境はとても素敵だと思いまし
 た。
 案内してくれた方に、なぜアメリカの大学に進学したのかと私が尋ねたら、東京大学
 が世界 40 位と知って悔しいと思ったからだと言っていました。その悔しさを行動に移
 してしまうなんて、とてもかっこいいと思いました。また、Caltech では、自分がやり
 たいことを叶えるために一度就職したあとに仕事を辞めて大学院に入りなおした学生
 さんと出会いました。彼が、この選択をしてよかったと、専攻について話す姿は、と
 てもキラキラしていて、私もこんな風に自分のやっていることに誇りを持って生きた
 いなと思いました。
 Gensler という設計事務所では、親の反対を無視して一人でアメリカに渡り、今では建設の責任者を務めている方のお
 話を聞きました。反対していた親も、自分の作った建物を見て初めて自分のことを認めてくれて、そのときはとても嬉
 しかったとおっしゃっていて、千里の道も一歩からなんだと、行動することの大切さを学びました。
 私たちの研修のコーディネーターをしてくれた椎名さんは、英語をどうしても勉強したくて日本を出て、今ではここが
 自分の居場所だと思っているとおっしゃっていました。全部は書ききれませんが、アメリカので出会った方々は、全員
 がそれぞれやりたいことを明確に持っていて、そのために行動し、叶える努力をしていました。そんな方々とお話でき
 たことは、自分や大学の学力に囚われてやりたいことを見失いそうになっている自分
 と、向き合い直す機会になりました。私もいつか、あんなかっこいよくてキラキラし
 た人になりたいです。
   9 日間という短い期間でしたが、その 9 日で、私の考え方や将来やりたいことは、
 大きく変わりました。この、SSH での研修ならではの経験は、私の人生においてとて
 も大きい価値のあるものになったと思います。この研修に携わってくださったすべて
 の方々への感謝を忘れずに、ここで得たものを自分の将来に活かしていきたいと思い
 ます。
 
 
 2 年 G 組 J・M
 1 日目は、SpaceX のロケットを見に行きました。中に入れなかったのは残念でしたが、間近で見たロボットは
 大きく圧倒されました。そのあとはホストファミリーとの対面で緊張しましたが、すごく優しく、気さくな方で
 話しやすかったです。
 2 日目は、USC のキャンパスツアーをしていただきました。California ScienCenter にも行き、宇宙のことや
 自然についてたくさん観察できました。USC のキャンパスツアーは、日本人の方と香港の方に案内していただ
 きました。とてもキャンパス内が広く迷子になりそうでしたがお二方のお陰でとても楽しかったです。
 3 日目は、UCLA のキャンパスツアーをしていただきました。図書館がとても広
 く静かで勉強しやすい環境で羨ましかったです。その後に、私たちのプレゼンを
 見ていただきました。その際に、プレゼンをするときはなるべく同じ人ばかりで
 はなくいろんな人の顔を見て話したほうが、印象が良いとのアドバイスをいただ
 きました。また、Gensler さんにもお邪魔させていただきました。人生観が本当
 に 180°変わるくらいの素晴らしい話が聞けて良かったです。建築にも前から興
 味があり、建築関係の話も聞けてすごく有意義な時間を過ごさせていただきまし
 た。
 
 
 
 
                                                     5
 4 日目は、現地校の Magnolia High School に 1 日参加しました。実際に歴史の
 授業を受けたり、ドローンを飛ばす体験をさせてもらったりとすごく楽しい時
 間を過ごせました。日本とは違う授業形式でとても新鮮でした。またそこで、
 初めての本番のプレゼンをしました。人3が多く少し緊張しましたが、無事成
 功したので良かったです。副校長先生からにプレゼンのスライドは 1 枚につき
 1 情報にして発表したほうがよく伝わるというアドバイスをいただきました。
 現地の高校生はすごく優しく、居心地が良い場所でした。
 5 日目は、Caltech のキャンパスツアーをしていただきました。アメリカに来た
 理由やなぜこの大学を選んだのか、この大学に入るためには何をしたらよいかな
 どたくさんのことを教えてくださいました。午後は JPL にお邪魔させていただ
 きました。日本の高校生が入るのは初だということで、とても良い経験をさせも
 らったなと感じます。火星に送る探査機がちょうど箱に入れられてしまって見ら
 れなかったのは残念ですが、今年の 7 月に飛ばす予定らしいので、成功すればい
 いなと思います。
 6 日目は、もう一度 UCLA に行き、医学部の教授をされている北郷先生に見て
 いただきました。実験のやり方についての指摘をいただきました。対照実験をするためには 1 つのこと以外す
 べて揃えてやらないと4値に誤差が出てしまうとのことでした。その後は、教授の方からのお話でした。途中
 まで私も同じ人生を歩んでいるので、その後の人生についてどうしたらよいかとても為になりました。
 初の海外で不安もありましたが、現地で活躍している日本人の方と会い、これからの人生についてすごく大切
 な事がたくさん学べてよかったです。また、海外の人と一緒に何日間も暮らすというのは初めてでとても楽し
 く、すごく良い経験になりました。
 
 
 2 年 C 組 M・W
 今回の研修で、私達の研究発表を色々な方に見ていただいて、自分では気がつかなかった事をアドバイスして頂いて、
 より私達の研究発表を良いものに出来たと思いました。主に、成る程と思ったのは、結果のグラフの形で、実験を行う
 人を班員で交代してやっていたため、あまり正確なグラフの形にならず対照実験が行えていなかったことを指摘してい
 ただいて、次の実験ではそれを考慮してやろうと話し合いました。
 また、私は海外へ行くのが初めてだったので、ホームステイがどんなものかとても楽しみにしていました。実際に行っ
 て、とても親切な方で良かったけど、コミュニケーションは全て英語でやらなくてはならないので、上手く伝わらない
 時もあって大変だったけど、1 週間しかないのでなるべく自分から話しかけにいって、仲良くなれるよう努力しまし
 た。最終日には、ホストマザーの冗談とかも分かるようになっていって、リスニング力はかなり向上したと思いまし
 た。
 さらに、UCLA やカルフォルニア工科大学など、現地の大学や高校を見学し、実際
 通っている学生さんにお話を聞いて、これからの進路にアメリカ留学という道があ
 るんだと分かって、今まで日本の中でしか考えていなかったけど、将来どんな道に
 進むのか、選択肢がとても広がって、そんな道もあるんだと眼から鱗でした。アメ
 リカの大学は日本に比べ、やっぱり設備も整っているし、なにより学生が生き生き
 勉強している気がして、私も入ってみたいと思いました。
 今回の研修で、今まで知らなかった将来の選択肢を知れたり、研究発表を専門の方
 に見て頂いたり、とても貴重な経験ができて行ってよかったと思いました。
 
 
 
 
                                                     6
 3 年 F 組 I・S
 はじめに、今回の県相 SSH アメリカ研修を実施するにあたり、海外研修の計画を企画していただい
 た神奈川県、相模原高校の先生方、JTB、SKYUS の皆様に感謝致します。特に、私が推薦で大学
 合格する前から無理やり頼み込んで計画に加えてくださった、相模原高校林弘一先生に深く感謝致
 します。本報告書は、2020 年 2 月 2 日から 2020 年 2 月 9 日まで行われた相模原高校SSH海外研
 修の報告書である。本報告書では、実施日ごとに訪問した施設・体験を報告する。
 
 2 月 2 日(1日目)
 1 日目は、SpaceX を訪問した。日本を出発したのは日本時間の午後で、現地の空港に着いたのは
 同じ日の現地時間の午後ということもあり、時差ボケを若干感じながらもバスに揺られつつ、目的
 地に向かった。SpaceX は起業家のイーロン・マスク氏によって設立された会社である。2002 年に
 設立され、今ではアメリカの宇宙開発の一翼を担う会社にまで成長した。イーロン・マスク氏は、
 工学と経営学の学位を持っており、SpaceX のほかにも、テスラモーター、The BoringCompany
 といった会社も手がけている。
 SpaceX に着いて、まず目に入ったものは Falcon9 ロケット(図1)であった。図2から
 わかることだが、一段目だけでもとても巨大で、日本のイプシロンロケットと同等の大き
 さである。しかも、この F9 ロケットは人工衛星を軌道に投入した後、地球上に再び着陸す
 る機能を有している。(図 3)そして、そのロケットを再利用することによって、人工衛星
 の打ち上げにかかる費用を抑える。SpaceX はこの技術を有することにより、宇宙機の開発
 競争の最前線にいる。さらに、SpaceX は有人飛行用のドラゴンカプセルや東京・ニューヨーク
 間を 28 分で結ぶ、飛行機に代わる BFR ロケットの開発を行っているそうだ。
 日本では、法整備や予算・規模の問題から実現に至らないことも、アメリカは着実に実行に移せ
 ていることを今回の訪問によって実感した。日本は、全世界の中では、宇宙開発に予算を投じて
 いる国だが、アメリカ・ロシア・中国には勝てていない。日本も宇宙開発にもっと予算を投じ、
 国際競争を加速させる必要があるのではないかと考えた。
 
 2 月 3 日(2 日目)
 2 日目は、California Science Center と USC(University of South California)を訪れた。
 California Science Center にはスペースシャトル Endeavour(図 4)、アポロ計画のカプセル(図 5)や生態系に関す
 る展示をしている総合博物館である。平日にも関わらず、多くの子どもたちが来ていた。博物館の外には、物理のモー
 メントに関する展示をしていた。これは、SpaceShuttleEndeavor を輸送したトヨタの車(図
 6)を棒の一方に吊るし、もう一方に吊るしてある複5のひもを引っ張ることによって、物理
 のモーメントの仕組みを実感することができる仕組みになっている。アメリカのこどもたち
 は、楽しみながら友達たちと一緒に、どのひもを引くことで持ち上がるのかを考えていた。ま
 た、アメリカの子どもたちは、幼少期からこのような装置を用いて科学に触れているのでいる
 のだろうか。日本ではあまり見かけない装置であった。
 スペースシャトルの展示では、宇宙を飛行した実機であるということもあり、多くの県相生が目を輝かしながら見学を
 行った。特に、自分は宇宙に興味があったため、実機を見た時にはとても感動した。周りの友達からは、  「こんなに大
 きな機体が実際に宇宙に行って、国際宇宙ステーションに物資や人を運び、指定した基地に帰還してくるなんてすご
 い」 「NASA はこの計画を 133 回も成功させているなんて」との意見もあり、日本の宇宙開発との違いやアメリカの
     、
 宇宙開発について熱く議論した。現地の説明員さんからは、この機体は日本人も多く搭乗していて、日本の ISS の実
 験棟きぼうの輸送にも参加したことを教えてくださった。また、シャトルの構造に関しては、大気圏突入時に断熱圧縮
 に耐えないといけないがために、耐熱タイルは計算されて配置されているとのこと。
 日本はまだ有人宇宙飛行を成功させえたことはないため、このように実際に人が乗ったこと
 がある機体の展示は、日本の展示物よりインパクトが大きかった。この他の展示でも、水蒸
 気で水の循環を再現する装置や、手をかざすことによって、センサーが反応し装置が動く
 等、見たり、聞いたりすることで学ぶことができる展示物が全体的に多かった。
 CaliforniaScienceCenter での見学を終えた後は、隣の USC(University of South California)
 を訪れた。この大学は、私立の学校で、学費は日本の 10 倍以上だそうだが、キャンパスはきれいで広く、県相生皆が
 将来はここで学びたいと思うほどであった。有名な卒業生としては、アポロ 11 号のアームストロング船長、スピルバ
 ーグ監督やジョージルーカス等、幅広い。
 
                                                       7
 2 月 4 日(3 日目)
 3 日目は UCLA と Gensler を訪れた。UCLA(University of CaliforniaLos Angels)は州立の
 公立大学で、世界大学ランキング 2020 では、アメリカ内の公立大学としては 2 位の大学で、
 東大の上をいく大学である。キャンパスはとてもきれいな建物ばかりであった。UCLA では、
 現地の日本人の二人の UCLA 生にキャンパスを案内していただいた。   (図 9)キャンパスはとて
 も広く一部だけであったが、日本の大学とは規模も学生6も違ったため、自分が受けるインパク
 トは大きかった。キャンパスツアーが終わり、お昼には、二人の UCLA 生の前でパワーポイン
 トを使って、プレゼンを行った。(図 10)アメリカ初の英語での発表であり、とても緊張した
 が、日本での練習を思い出しつつ、本番に挑んだ。私の研究は、紙飛行機の研究であり、複雑な
 航空力学関係の専門用語が多く、分かりやすいように説明を所々で行ったために、自分の発表時
 間が20分近くもしてしまった。しかしながら、概ねうまく発表を行うことができたと思った。UCLA 生の感想とし
 ては、「高校生でここまでできているのはすごい。ただ、すこし一枚のスライドにデータを詰め込みすぎかな」や「パ
 ワポのデザインが良く、研究の全体像を把握することができた」 「実験データに関しては、しっかりと分析できていて
 良い。」との意見をいただいた。私の反省としては、全体的にはうまくいった。細部に関しては改善が必要。英語と科
 学の組み合わせには大変なことも多かったが、高校 3 年間の理7の経験を十分に発揮することができたと考えてい
 る。
 UCLA の次には、建設設計事務所の Gensler を訪問した。 (図 11)この建設デザイン事務所は環
 境に配慮した建物を建築している。まず社内を見学して学んだことは、建設会社であるだけに、
 社内はとてもデザイン性を重視しており、建物の真ん中の階段を中心に会議室や設計室が展開し
 ているとのことだ。
 次に、アメリカのSDGs事業について学んだ。(図12)アメリカで建物を売る時・買う時には、
 環境にいかに配慮して作られたのか“が重要になってくるそうだ。客もそれを重視し、購入をす
 る。この仕組みが近年、強まりつつあるそうだ。今回見学したGenslerが入る建物は、もともと
 銀行が入っていた建物を再利用し、また、階段上の天井はガラス張りにすることにより、無駄な
 電力を使うことなく、建物全体に光が行くような環境に配慮したつくりになっている。大量生
 産・大量消費のアメリカだからこそ、このような動きがいち早く浸透しているのであろうか。日本にもこのようなシス
 テムを広く浸透さる必要があると感じた。
 
 2月5日(4日目)
 4日目はSTEM教育をおこなっているMagnolia High Schoolを訪問した。(図14)アメリカのSTEM教育は当時のオバマ大
 統領が提唱した国家戦略である理8教育であり、私はアメリカでどのような教育をしているのかが気になっていたた
 め、この日を楽しみに待っていた。まず、正門に着いて、驚いたのが、アメリカではあたりまえ
 であるが、車専用のロータリーと生徒10用の駐車場がある事だ。また、黄色い大きいスクールバス
 もとてもアメリカらしかった。現地の高校では、バディを組んで、一日過ごすことになった。ア
 メリカの高校の授業はとても活発だった。先生が発言をすると、すぐに生徒が手を挙げ、発言を
 する。その発言に他の生徒がすぐさま、発言をする。日本の静かな授業とは全く異なっていた。
 一時間目の美術では、壺の製作の授業で、現地の高校生は日本の壺についても学習をしてい
 た。授業中にもかかわらず、アメリカのノリの良い音楽が流れていた。生徒の中にはスマホゲ
 ームをして、没収されてしまっている生徒もいた。そういう所は世界共通だと思った。その他
 の生徒は真面目に製作に取り組んでいた。多くの生徒が自前のPCやタブレットを利用してい
 た。ネットワーク環境が日本よりも整っており、先生も生徒も積極的に利用していた。
 現地の高校でも課題研究の発表を行った。(図15)場所は教室ではなく、シアタールーム的な
 立派な部屋で、スクリーンとプロジェクターが常備されていた。自由間にもかかわらず、多くの生徒にきてもらい満員
 だった。
 現地の高校の生徒は、私たちの発表を真剣に聞いてくださった。高校を訪問した前日にUCLA生の前で発表していたせい
 か、より上手く発表できたと思った。現地の生徒からの質問としては、「紙飛行機内の構造を
 より詳しく教えてほしい」や「投げる時のカメラを利用した分析方法について詳しく教えてほ
 しい」との意見を頂いた。質問には丁寧に回答した。専門用語を丁寧に説明しながら回答した
 が、説明するには難しいところもあった。今後、英語や物理を深く学習し、次の機会にはスム
 ーズに説明できるようにしたい。
 
 
 
 
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 次にパソコンの分解実習を行った。(図16)PCを分解しながら、その部品の役割を学習した。日本
 の表面的な学習とは違い、本質まで探るところは、日本でもマネしていくべきである。また、市販
 されているドローンの操作体験も行った。(図17)学校が保有しているということで、その点に関
 してもお金がかかっていると感じた。一日の最後には、学校に常備してある3Dプリンターで作られ
 たキーホルダーや学校の名前の入ったグッズを頂いた。日本の高校とは、実施していることやスケ
 ールが違っていたために、とても参考になることが多かった。お金や文化の違いはあるが、SSHの県
 相でも3Dプリンター導入やカリキュラムで実践的な活動を取り入れてほしいと思った。
 
 2019年2月6日(5日目)
 5日目は、まずCalifornia Institute of Technology (通称Caltech)を視察した。現地に着い
 て、少し時間があったのでCaltechのCoffee Shopに皆で立ち寄ることに。入口にはなんと
 Origami Engineeringの講演会の掲示(図19)があった。折り紙の研究は全世界で行われてお
 り、今現在開発競争が激化している分野である。打ち上げる際には、表面積を小さく、打ち上
 げ後は広く展開することができる折り紙は、日本ではすでにソーラーセイルイカロスに利用さ
 れており、今後も注目していく必要がある。自分の課題研究の紙飛行機とも関係のある分野で
 あるため、自分の課題研究もただの紙飛行機に終わることなく、このような分野に発展してい
 きたいと考えている。
 Caltechは、9年前まで世界大学ランキング一位の大学(図20)で、ここ10年間も上位にはいっ
 てくるなど、世界のトップクラスの大学である。ノーベル賞受賞者はこの大学だけで、日本のノーベル賞受賞者の合計
 を超える。現地では、Caltechの大学院で航空宇宙の博士課程の日本人学生・研究員の方に案内をしていただいた。私
 立の大学で、学生数はUCLAの10分の1という事もあり、とても静かな環境だった。キャンパスツ
 アー後には、Caltechの案内していただいた学生さんの研究の発表を聞いた。(図21)Caltechは
 NASA/JPLが近いこともあって、共同研究が盛んであるそうだ。
 Caltechの次には、NASAのJPL を視察した。(図22)NASAのJPLはアメリカ初の人工衛星
 “Explorer1”を作ったことでも知られている。現在はNASAの組織の一部であるが、運営は
 California Institute of Technology(以下Caltech)が行っている。日本でいうJAXAとISASと
 の関係である。NASAの見学をするにはパスポートを見せる必要があり、その時間に、施設内にあるshopに立ち寄ること
 に。余談になってしまうが、そこには自分の欲しい商品ばかりが並んでおり、涎を垂らしながら、見ていると店員に声
 をかけられた。「ねぇ、君のそのNASAの写真(図23)とっていいかな」と聞かれ、僕はてっきり、その時着ていたNASA
 のジャンパーとNASATシャツの事かと思っていたので、少し戸惑ってしまった。日本で買ったものなのに写真を撮られ
 るとは。写真を撮り終わって、満足気な店員さんに、僕は日本から持ってきた
 ”やぶさ2”ステッカーをプレゼントした。彼は驚いた様子であった。そして、彼はレジのよこ
 の引き出しからNASAの非売品のステッカーとSolar Systemのパンフレットを出し、プレゼントだ
 よと言ってくださり、僕は憧れのNASAグッズをゲットした。
 パスポートの審査も終わり、入場できることに。現地ではNASA/JPLの研究員、小野雅裕さん、高
 橋雄宇さんに案内していただいた。小野さんはNASAの火星探査機InsightやCuriosityの運用をさ
 れている方で、小野さんが書かれた本を持っていたため、お会いした際にはとてもうれしかっ
 た。日本のJAXA/ISASでは、衛星を作るクリーンルームや衛星を運用する管制室の撮影は禁止され
 ているが、NASAではどんな場所でも許可されていたため、宇宙ファンの僕にとっては、これまで
 にない高揚感が巻き起こった。なぜ写真を撮ってもいいのかと高橋さんに聞いた所、「だって、
 写真を撮ってもマネできないでしょ」と言われた。これは、アメリカのうつわの大きさと技術
 の高さなのであろうか。
 
 このJPLは観光目的の施設ではなく見学スペースが小さいため、当日先に来ていた団体客を避
 けるべく、管制センターから見学を開始した。管制センター(図25)では、Deep Space 空間
 (深宇宙)にいる探査機との交信や火星ローバーの着陸の管制を行うところである。日本にも
 その役割を果たす施設は相模原にあるが、管制室の大きさや雰囲気が全然異なり、SF感が半端
 なかった。当日は、3人ぐらいしかNASAの運用担当はいなかったが、太陽系外のVoyager2号と
 通信をおこなっているとのことで、感無量だった。次に、歴代の火星探査機の研究を行ってい
 る施設にも見学させていただいた。施設にはJPLが開発したMars2020rover、Curiosityや
 insightのエンジニアリングモデルが置かれていた。私たちが見たこれらの探査機は、実際の探査機同様のつくりにな
 っており、火星上で探査機に問題が発生し、プログラムの変更が必要になった時、事前に地球上のエンジニアリングモ
 
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 デルで試してから変更するために用意されているとのこと。自分はMars2020とCuriosityとの形状が似ていることにつ
 いて質問をした。小野さんの回答としては、「流石のNASAでも予算は限られているため、Curiosityに似た機体を作る
 ことによって、予算をおさえた。新しいものは必ずしもいいものとは限らない、例えばロシアのソユーズ宇宙船は50年
 以上前の基本設計を今でも利用している。昔の技術も実験の目的にあっていていればそのシステムを利用する、宇宙開
 発ではあたりまえ。」私は、とても保守的だと感じたが、限られた予算・期間で研究開発をしなければならない宇宙開
 発には必要なことだと考えた。大変勉強になりました。
 そして、Mars2020の最終点検を行っているクリーンルームへ。しかし、Mars2020はすでに輸送
 用の箱に入れられた状態だった。(図26)私たちが着く10分前に蓋を閉じたらしい。あの時、
 最初にこの施設に来ていれば、、、、、。しかしながら、隣のクリーンルームの見学で別の人
 工衛星を作っている所を見学できるということで移動。隣のクリーンルームでは、地球観測衛
 星の製作現場を見せていただいた。(図27)こちらの気象観測衛星は、日本と同様の規模の施
 設で、人工衛星の大きさも日本と同じくらいだったことは意外だった。
 
 2019年2月7日(6日目)
 6日目は、UCLA医学部の日本人博士の北郷先生(図28)の前で最終のプレゼンをさせていただ
 いた。(図29)研究の発表内容としては、日本で用意した内容が基本であったが、これまでの
 3回のアメリカで実施した反省を踏まえ、発表を行った。北郷先生のコメントとしては、「デ
 ータの取り方が良く、分かりやすかった。グラフや散布図の軸に関しての説明は自分が学会で
 行っていることと同様のことですばらしい。」とのお褒めのお言葉をいただきました。3年間の集大成の発表であった
 が、いままでの発表の経験が定着していて、課題研究をしっかりやっていて良かったと感じました。しかしながら、理
 系の発表ということもあり、細かい所まで気を配らないといけないとも感じました。先生からは「○○枚目のスライド
 の図3の縦軸の説明が抜けていた、また、○○枚目にはデータを詰め込みすぎ」とのご指摘もいただき、再現性が求め
 られる理数関係の研究には、細かい所までもより一層注意をする必要があると考えました。
 県相生の課題研究の発表が終わり、最後には北郷先生が研究をなさっている細胞関係の講演を拝聴しました。(図30)
 先生の研究が細胞関係ということもあり、IPS細胞やES細胞と薬についての講演だった。先生の
 講演を聞いて、私は、人間がそこまでうまく作られているのかと感心した。傷の修復に目には
 見えないほどの小さな細胞が働いている、そして、人間が今現在、その仕組みや構造を科学を
 用いて研究していると考えると興味深い。また、医療の分野でも研究開発は激しく、競争の大
 切さや高校の勉学の重要性等をお話された。
 UCLAでのプレゼン後には、Griffith Observatory(グリフィス天文台)の見学を行いました。(図31)グリフィス天文
 台は、1935年に建造された天文台で、今では、ハリウッドの映画にも使われる等、観光地としても有名だ。施設内に
 は、アメリカの宇宙開発の紹介や望遠鏡の仕組み等を解説する、望遠鏡の大きな模型やレンズの実寸大模型等が展示さ
 れていた。展示物が日本の展示物よりも多く、サイズも大きかったのが印象的であった。アメリカの国土の広さや科学
 関係にかける資金の違いであろうか。今後は、この点に関しても調べてみたいと考えている。
 発表に関しては、県相での3年間の研究の成果を発揮できたと考える。これは県相でしっかり
 と研究してきた課題研究のおかげであると考える。自分は唯一の三学年の生徒であるため、そ
 のように感じたが2学年の生徒はどのように感じたのであろうかが気になる。
 
 まとめ
 今回のアメリカSSH海外研修で学んだことは、数えきれないほどあった。日本との文化の違いはもちろんのこと、国が
 違うだけで、科学技術や教育に差が出てくることはとても興味深いと考えるようになった。例えば、アメリカで事業を
 展開するスーパーマーケットtarget”では、図32のような商品が売られていた。商品にトレードマークのように使わ
 れているSTEMという文字には、国家プロジェクトであるだけにアメリカでは広く浸透している。STEM教育商品は、
 targetのみならず、カリフォルニア州の各地で売られていた。日本のスーパーにはこのような学習教材はないだろう。
 科学技術の発展している国は、こどもの教育から違ってくるのかもしれないと考えた。
 また、今回の研修では、海外で働いている方の意見を聞くことによって、アメリカだけではなく、日本の科学技術の高
 さも実感した。日本の小惑星探査機はやぶさ・はやぶさ2は、微小重力下でも着陸したことはNASA内でもすごいと評価
 されているそうで、日本もまだまだ捨てたものではないと感じた。2020年代中頃には、宇宙研の火星探査機MMXが火星
 の衛星フォボスに着陸し、サンプルリターンを行う。NASA/JPLの高橋さんは、「このミッションは難しいと思う。フォ
 ボスは微小重力天体で、火星やダイモスの引力の影響を受けるため、すごいミッションになると思う。宇宙研は本当に
 すごいな。」と。日本はなぜ、NASAが火星に人工衛星を送るといったときに、火星ではなく、火星の周りを周る天体に
 人工衛星をおくるのだろうか。これは昔から言われていることだが、NASAは一番になりたがりで、どの惑星にも一番最
 
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 初に探査機を送ろうとするため、日本は資金・規模の小さいがゆえに、NASAがまだ手をつけていない天体にいち早く探
 査機を送らないといけないのだ。科学の分野では、一番最初がとても大切になってくるため、日本の宇宙開発も独自の
 路線で行っている。
 小惑星探査機はやぶさは、まだNASAが小惑星に行っていない時期に探査機を飛ばし、地球に帰還させた。このはやぶさ
 は、私が科学に興味をもつようになった“きっかけ”を与えてくれた探査機であった。当時小学校3年生だった私は、
 広い宇宙の中で、様々な技術的な困難を乗り越えつつも、地球に帰還してきたはやぶさに興味を引かれた。科学技術
 は、人々の生活を豊かにするだけではなく、人々に感動をもたらすものだと考えている。今後は、大学で航空宇宙につ
 いて学びつつも、今回の研修を含む高校三年間の経験を活かし、紙飛行機研究を含む様々なことに挑戦していきたいと
 考えている。高大連携で学ぶことは、高校生にとって貴重な経験になると思いますので、なにかありましたら僕もお手
 伝いしまので、ご連絡ください。
 
 
 
 
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