令和3年度 卒業証書授与式 式辞（令和4年3月1日）
 
 
      ここ数日の暖かさにより、グラウンド及び校庭の雪解けが進んでおります。また、一
 日を経るごとに朝の訪れが早まり、着実に春が近づいている事を感じる時節となりまし
 た。本日ここに、保護者の皆様とともに、新潟県立長岡高等学校           第七十四回卒業証書
 授与式を挙行するにあたり、同窓会長       柳    和久   様、親師会長   高野克広   様、副会
 長     西澤敬介   様、土田直久   様には、ご多用のところご臨席を賜り、卒業生、教職員
 ともに、心から厚く御礼申し上げます。
      ただ今は、普通科   二百三十六名、理数科     七十九名の皆さんに、卒業証書をお渡し
 しました。卒業おめでとう。心からお祝いいたします。
 
 
      皆さんの長岡高校での3年間は、新型コロナウィルス感染症の影響を抜きに語ること
 ができません。1年生の時はさておき、2年生では、新年度早々の臨時休校で、ほとん
 ど学校生活を送らないうちに1学期が終わりました。多くの大会が中止となり部活動の
 成果を発表する場が奪われ、体育祭や文化祭¹、SSH発表会など多くの学校行事が中止
 となり、不完全燃焼な想いで2学期を終えたことでしょう。3学期を迎え、このまま終
 わらせられないという先生方の熱意により、最後にスキー旅行は実施することができま
 した。楽しんでもらえたでしょうか。3年生になり、マスク着用・手指消毒といった生
 活習慣の定着やワクチン接種など、感染防止の体制がある程度整ってきてからは、学校
 生活も通常に近き、各種の行事も開催方法を工夫しながら実施することができました。
 これも皆さんが、真面目に感染予防対策に取り組んでくれたおかげです。
      このように、新型コロナウィルスの影響で、これまでの卒業生とは違った3年間でし
 たが、皆さんにとっては、かけがえのない仲間と過ごした、思い出の高校生活です。こ
 こで出会えた仲間たちを大切にしてください。そして、長岡高校の同窓生として末永く
 繋がりを持って行きましょう。
 
 
      皆さんの栄えある卒業に当たり、餞の言葉として、これから2つの話をします。
      一つ目は、卒業してすぐ心がけて欲しいことです。これからの数年間、皆さんは大学
 等で自分自身を磨くことになります。高校とはレベルが違う体験が皆さんを待ち受けて
 います。嬉しいこと、楽しいこと、充実感を味わうといった前向きな体験をたくさんし
 て、たくさんのものを吸収してください。一方で、うまくいかない、成果が得られない、
 認めてもらえないといった悔しさを味わうことも多くあるでしょう。ですが、それらの
 負の経験、そしてそのとき抱いた感情は、皆さんに人間としての幅と深みを与えてくれ
 ます。逆境に負けず、常に前を向いて、様々なことにチャレンジし経験を積んで、自信
 と実力を蓄えてください。そして、これからの日本を、そして世界をリードする一員に
 なることを期待します。長岡高校で、「和而不同(和して同ぜず)」、「剛健質樸」、「豪爽
 快活」という伝統精神のもと、自らを鍛えてきた皆さんには、それができるはずです。
 自信を持っていきましょう。
 
 
 
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   二つ目は、十年、二十年、三十年経ってから心がけて欲しいことです。創立百五十周
 年記念式典の式辞では、本校同窓の井上円了の漢詩を紹介しました。このときの漢詩は、
 校長室の私の後ろに飾ってあります。そして、その隣にはもう一つ、私自身が大切にし
 ている言葉が飾ってあります。
   「やってみせて     言って聞かせて    やらせてみて      ほめてやらねば     人は動かず」
   もう、おわかりですね。皆さんの大先輩である山本五十六の言葉です。長岡高校を卒
 業する人が知らないでは済まされない言葉でしょう。これには続きがあります。
     「話し合い     耳を傾け   承認し   任せてやらねば      人は育たず」
 更に続きがあります。
     「やっている     姿を感謝で見守って     信頼せねば     人は実らず」
   皆さんは、これから、大学等でさらに専門的なことを学び、その後、社会に出て、い
 ずれは人の上に立ち指導的な役割を担うことのなるでしょう。そのような立場に立った
 ときに、この言葉を常に頭に置いて、行動して欲しいと思います。皆さん一人一人が、
 世界を舞台に活躍するのと合わせて、それぞれの道で、後進の育成に力を注ぐことを期
 待します。
 
 
   最後になりましたが、保護者の皆様、お子さんのご卒業おめでとうございます。皆様
 には、三年間、本校に対して、陰(かげ)に日向(ひなた)に、ご協力をいただきましたこ
 とに厚く御礼申し上げます。大変ありがとうございました。
 
 
   結びに、卒業生の皆さん一人一人が、それぞれの世界に向けて力強く旅立つ、その前
 途に幸多からんことを心から祈念して、式辞といたします。
 
 
   令和4年3月1日
                                           新潟県立長岡高等学校長          鈴木   勇二
 
 
 
 
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