多治見高校(岐阜県)の公式サイト内のPDFをテキストに変換して表示しています。

このコンテンツは、受験生と保護者の皆様の利便をはかるため取得されました。
取得日:2024年03月21日[更新]

最新コンテンツは、下記の公式サイトURLにて、ご確認ください。
志望校の選定など重要な判断の際には、必ず最新の情報をご確認ください。
https://school.gifu-net.ed.jp/tajimi-hs/16_after/sakaso784.pdf

検索ワード:進路[  1   2   3   4   5   6   7   8  ]
[検索結果に戻る]
 
                                                                                 進路だより     第 784号
                                                                                   令和4年7月7日(木)
                                                                                  多治見高校 進路1指導部
 
 
 
                              Get Firsthand Experience
    誰かが既に持っていたものを、自分が2番手として持つことを secondhand「中古の/使い古された」
  といいます。一方 firsthand は、自分が最初に手にするものです。では、firsthand experience とは何か
  といえば、誰かから伝え聞いた経験ではなく、自分が直に目にしたり、触れたりする直接的な経験という
  ことになります。この夏、私が皆さんに得てきてほしいものはまさにこれです。なぜなら、それがあなた
  の人生を豊かにするだけでなく、進路2選択の助けとなり、大学受験でも自分を語る材料になるからです。
    よくある誤解1 締め切りをすぎたから今年は無理だ
    春に募集のあった看護体験、6月に募集のあった教員のたまご(中学校での学習補助)などの機会を活
  かす人がいる中、気がついたら締め切りが終わってた…ということはありませんか?こんな時は諦めず、
  まずは調べてみましょう。学校で紹介されるものはごく一部です。世の中にはあなたの挑戦をサポートし
  てくれるものはいくらでもあります。例えば、私が「多治見」と「ボランティア」の2つのキーワードを
  入力して検索したところ、『ぽると多治見』を発見しました。これは多治見市市民活動交流センターで、こ
  のページには常時募集している多様なボランティア活動とその連絡先の一覧があります。 (医療系・教育系
  の他に、美術館、人の話を聴く、町の安全を守る、森の安全を守る、日本語学習の補助など様々。  )
    よくある誤解2 この活動は、自分の行きたい学部や学びたいこととは違うから関係ない
    活動には、その活動自体が楽しいか、やりがいがあるかを確かめる活動と、自分の発想をひろげるよう
  な活動があります。例えば、機械に興味のある人が、「高齢者施設でのボランティアは介護職に就きたい人
  のもの」と決めつけずに参加した場合、 「もっとこんな機械があれば喜んでもらえるのに」という発見につ
  ながることがあります。世の中の素晴らしい発明は、全く別の分野だと考えられていたものの意外な組み
  合わせであることが少なくありません。受験生という目線で考えれば、自分を語る材料が同じ分野の経験
  ばかりだと、同系色の文章ができあがります。そこに意外な分野で得た経験から自分の考えを見直した話
  を書けば、ぱっと目立つ差し色を加えることができます。7/16-17 と 23-24 に開催されるイングリッシ
  ュ・キャンプも良い例です。岐阜県の ALT が企画する活動なので無料(通常はこのタイプの活動は数万か
  かります)
          。キャンプといっても宿泊はなく、2日間様々な活動を英語で行います。他校の生徒との出会い
  もあります。短期留学に行くと思えば、随分楽に交通費のみで得られる超お得な経験です。少しでも興味
  がわいた人は、ハリー先生か今村先生へ!行動あるのみ。自分の五感で直接感じよう。(桑原華)
 
 
 3年の窓
   (桑原華)
                  「さか草」に込められた意味、学ぶ喜びとの出合い、充実した夏休みに
   この4月、本校に赴任し、「さか草」の存在を知りました。「さか草」の語の意味やそこに込められた思いを知るべく
 創刊号を探したところ、先日確認できました。昭和63年(1988年)4月23日創刊です。当時、筆者は中学生で、その
 頃の日常生活や社会情勢(昭和から平成、消費税導入、天安門事件、ベルリンの壁崩壊、等)が思い出されました。
   創刊号には、「さか草」の語に込めた創刊者の思いとして、「桜を咲かす」(合格する)の意味と、生徒が将来発展し
 「栄える」の意味、が重ねられていると書かれていました。また、この通信が生徒の進路3意識を刺激し、生徒が進路4
 考えるきっかけになってほしいという願いも述べられていました。分からない言葉の意味を調べる、言葉に込められた
 人の思いを考える、というのは、筆者にとって学びの基本です。今回、創刊者の思いに触れられたのは光栄でした。
   学びとは、元々、当時者の興味・関心の赴くまま主体的にできるものです。日常の忙しさの中でも学びたいと大切に
 思っていることは、少しの時間でも実行し積み重ねましょう。続けることで習慣化し、その人独自の力に育っていきます。
 また、できると自覚すると、自信になります。皆さんには、このようなことが見つかっていますか。筆者の場合は、人類学
 と旅でした。程なく夏休みです。やりたいことが見つかっている人は、これを鍛えましょう。まだ見つかっていない人は、
 課題学習、文化祭、部活動、読書、映画・音楽鑑賞、旅等、様々なことに挑戦しましょう。よい出合いがあると思います。
   3年生には高校生活最後の夏休みです。一人ひとり、進路5の決定方法や決定時期が異なるので、周りの雰囲気に
 流されない自分をもつことと、皆で共に進路6希望実現をめざす協調の姿勢が大切になります。進路7準備と桔梗祭の
 両立を図り、後で振り返ったときよい思い出となるような満足感で一杯になる、充実した夏休みにしましょう。(石田)
 2年の窓
                                              読書の勧め
   もう40年も前の話で記憶も曖昧になっていますが、岐阜県の教員に採用され、その初任者研修の1つで今でも
 覚えていて役立っているものがあります。それは当時の恵那高等学校長の石田瞳先生から教えられた読書の大切
 さです。校長先生が薦めてくださった本の1冊に國分康孝先生が書かれた心理学関係の本がありました。その頃、
 アイデンティティ等の新しい言葉や考え方が出てきていて生徒理解の1つになりました。
   本校は朝読書の時間があり、図書館も充実していて恵まれた環境で、読書の大切さが理解されている学校だと思
 います。本校で借りて読んだ本で特に薦めたい本が2冊あります。
   1冊は福村国春著の「夢中になる東大世界史   15 の良問に学ぶ世界の成り立ち」です。学校の授業や新聞や普
 段のニュースでは気づかない考え方を知ることができます。国際社会がこうやってできてきたということが分か
 ります。受験生としても是非読んでほしい本です。
   もう 1 冊は、喜多川泰著の「心晴日和」という本です。前に勤務していた学校の教師が生徒に「手紙屋」という
 本を紹介していたのを偶然読ませてもらってから私は喜多川泰ファンになってしまいました。本校の図書館でも
 喜多川先生の本を見つけたので読んでみましたが、期待通り感動させられ前向きな気持ちになりました。気になっ
 た文を一部紹介すると、「起こることに幸不幸を左右されるのではなく、そのとらえ方を考えることによって幸不
 幸を自分でコントロールできるようになる」
                                       「事実は一つ、解釈は無限」
                                                               「何かにすがったり、頼ったりする生き方
 をやめて、誰かにとってなくてはならない存在になることが自立」などがあります。
   夏休みもありますので、普段読まないジャンルの本なども積極的に読んで、色々な考え方を知って視野を広げる
 チャンスとしてみませんか。何かが皆さんの心のドアをノックしてくるかもしれません。(   伊佐治   )
 
 
 
 
 1年の窓
   中学生であったKはある日、自室のベッドの上で寝転びながらマンガの単行本を読んでいた。同じ単行本を何
 度も読み返しているためすぐに飽きてしまい、窓の外を見ることも多かった。「キレイな空だなぁ。」思春期真っ只
 中であるKは日頃いろいろなことにやきもきしていたが、空を見ていると不思議と心が落ち着くのであった。「宇宙
 は黒いのに、なんで空は青いんだろう」突然湧いて出た疑問に背中を強く押され、図書館の本で調べるようにな
 った。今思えばこれがKの人生の分岐点だったかもしれない。空が青い理由だけでなく、夕焼けが赤い理由やオ
 ーロラが発生する理由などに触れていくうちに理数系のいろいろなことに興味を持つようになった。高校生になっ
 たKは講談社のブルーバックスシリーズを愛読するようになり、次第に純粋数学に惹かれるようになった。将来の
 仕事よりも何を学びたいかで大学・学部を選び、「どうしてもそこで数学を勉強したい」一心で受験勉強をした。た
 だがむしゃらに勉強をするのではなく、「何が足りないのか」「それを埋めるには何をすればよいのか」「時間はど
 れぐらいかかるのか」などを考えながら、自分自身をプロデュースするかのように勉強メニューを組み、実践してい
 った。世界史がいつも赤点ギリギリだったKは、理系であったにも関わらず高校3年生の夏休みのほとんどを世界
 史の復習に充てることとなった。Kにとってはすごく苦しい1年であったが、第1希望の大学への拘りが人一倍強
 かったからか、途中であきらめたことは一度もなかった。憧れの大学生活は決して順風満帆ではなく、あれだけ興
 味を持っていた数学がさっぱりわからなくなり、物理学を専攻することとなる。オーロラの発生システムが講義で出
 てきたときには感動したが、結果的には「生物物理化学理論研究室」に入り、生物分野の問題を物理時々化学
 で研究をすることになった(大変面白い)。大学ではむしろ突如始めた合唱部の活動に力を入れ過ぎたが、そこ
 での部長経験や家庭教師のアルバイトなどの経験から、気づけば数学の教員をまっしぐらに
 目指していた。現在Kは子どもたちに数学を教えつつ、子どもたちの夢を叶えるための
 お手伝いをしながら毎日を楽しく過ごしている。中学3年間、高校3年間、大学4年間という
 長い時間があれば人生の設計図なんて変わらないことの方が珍しい。それでもKはその時々
 で自分の将来についてまっすぐ考えてきた。この文章の読書も、それぞれの未来に向かって
 たくさん考えて、たくさん経験して、もがいていって欲しい。人任せにするなんてもったいない!!(橋)