牧野高校
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令和5年度 大阪府立牧野高等学校 第3回学校運営協議会 議事録
日 時 令和5年2月 20 日(火)15:0016:00
場 所 大阪府立牧野高等学校 校長室
出席者(敬称略)
協議会委員 松宮 新吾(会長)、有堀 正彦(副会長)、福原 哲晃、
田中 博 、尾崎 順子
【欠席】大森 友美
学校長 高松 智
事務局 浦 俊哉、大道 香央利、大塚 正宣、中務 正和
1. 開会
1 会長挨拶
皆さまこんにちは。本日は第3回の運営協議会ということで、今年度の学校経営計画の
履行状況、総括、まとめの報告、それを受けて令和6年度の学校経営計画の確認・承認
を皆さまにはお願いします。
特に学校の場合には入口の「募集」の部分、高校の場合には「大学進学、就職」とい
う出口の部分で、それを実現するための3年間のカリキュラムのマネジメントが問われ
ていますが、それが上手く連動して結果を出しているのかと思っています。今日もこの
報告を受けてそれぞれの委員の皆さまからご意見を賜ればと思っています。また募集に
関しては、この近隣高校である長尾高校がかなり苦慮されているということも伺ってい
ますので、牧野高校の来年度の募集の様子なども今日伺えるものと思っています。どう
ぞよろしくお願いいたします。
2 校長挨拶
皆さまこんにちは。本日はありがとうございます。
さて、2月9日金曜日に公立中学校校長会から第3回進路希望調査が公表されました。新
聞でも公表されていましたが、私学無償化が実施される影響からだと思いますが、昨年と
比べて公立志願者が約 2,400 人減、私学の専願志願者が約 1,500 人増になっています。私
学に進学した場合は、今の中学3年生は高校3年時に授業料が無償、中学2年生は高校2
年生時から無償になるということを考えると、今後増々私学に進学する生徒が増えるので
はないかと思っています。
本校は志願者が 323 名、倍率が 1.15 倍ということになっていますが、北河内地域でも
定員割れしている学校がたくさんあります。本校も絶えず危機感を持っておく必要があ
るということを、先生方には常日頃から話しています。施設や設備面では公立は私学に
はかないませんが、授業の分かりやすさとか進学実績、学校行事、クラブ活動といった
ソフト面で特色を出していくことが必要だと考えています。
本校が魅力ある学校で中学生に選ばれるという、そういう学校であり続けるために委
員の皆さまのお知恵もお借りして、学校運営にあたっていきたいと考えています。忌憚
のない意見を頂戴できればと思っています。どうぞよろしくお願いします。
2.令和5年度学校経営計画及び学校評価(案)について・・・学校長より説明
3.令和6年度学校経営計画及び学校評価(素案)について・・・学校長より説明
●委員・・・令和5年度学校経営計画及び評価の1ページめ「生徒の 10 年、20 年先を見据えた
進路指導を行っている」の肯定的回答が年度によってかなりばらつきがあるよう
だが、これだけ変動するのは何か要因というものがあるのか。
●校長・・・ばらつきの原因についてはよくわからない。設問自体は同じであるが回答する生
徒が毎年変わっていることが影響しているのかもしれない。ただ今年度について
は、外部講師をお招きして「自分の将来の夢から逆算して勉強を考えていくんだ」
という内容の講演を行ったことがこの数値になったのかもしれない。進路講演を
企画する時は「目先の
大学合格
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だけでなく、自分の一生を俯瞰し、将来的なこと
も含めて深く考える」といった内容の方が生徒に響くのではないかと思っている。
●会長・・・キャリア教育に関しては、国の方は小中も含めた位置付けを推進しているが、高
校の場合は大学進学でストップしてしまう傾向がある。生涯現役社会になってい
るので、何十年か先を見越した人生という観点から何か仕掛けが必要になってく
ると考えている。中学校のキャリア教育の視点というのは、やはり 10 年 20 年先
といった中長期的なものなのか。
●委員・・・高校のキャリア教育の方が、生徒は将来のイメージがしやすいと思う。中学生は
まず高校に入学するということに保護者も含めて意識があり、コロナが明けて職
業体験とかも復活したが、なかなか現実的に仕事をするというイメージは捉えに
くい状況である。数年前からキャリアパスポートを小学生から続けているので、
以前の子どもに比べると職業について触れる、考える機会は増えている。このこ
とが土台となって高校に入学後の進路指導、キャリア教育につながっていること
は、子ども達は理解していると考えている。
●会長・・・キャリアパスポートだが、小中学生の時に、どのようなキャリアを考えていたかをタ
ブレットを用い、ポートフォリオ的に積み上げていくことを中学校でしているが、高
校には引き継がれない。そこで分断され、ICT を活用する意義がなかなか見えてこ
ないところがある。国もそのことを意識して、義務教育から高校大学まで引き継
ぐことで学習成果や、学びのプロセスなどを可視化していく取り組みを考えてい
る。そのようになれば色々なものが見えてくるのではないかと期待している。
●委員・・・同窓会は存在しているのか。活発に活動しているのか。
●校長・・・総会を年1回学校で開催している。また今年度、同窓会主催の音楽コンサートを
復活することになっている。
●委員・・・同窓会を活用し、様々な分野の経験豊富な先輩の講演会などを企画してみてはど
うか。また日々の同窓会の方々と先生方との交流はどうなっているのか。
●校長・・・現状は、同窓会と学校との交流は活発ではないが、創立 50 周年記念事業(令和7
年度)では卒業生に講演をしていただく計画を立てている。
●委員・・・2月5日の新聞に牧野高校卒業生の 40 歳代の方の野球に関する記事が掲載されて
いたので、切り取って持ってきた。色々活躍されているんだなと思った。
●事務局・・・学校でも確認したので、記事のコピーを職員室内に掲示し、先生方に周知した。
●会長・・・・創立 50 周年を機に同窓会とのネットワークの整理・構築を提案したい。
●委員・・・大学の志望について、国公立大学の志願者を増やし、関西難関私立4大学の比率
を増やしていくということは以前から聞いていたが、具体的にはどのような取組
みをしているのか。
●校長・・・外部講師(特に予備校等関係者)による進路講演会をよく行っており、志望校合格に
むけた講演を行っている。先生方には夏季・冬季休業期間中に講習をしっかりやって
ほしいとお願いし、多くの先生方が開講してくれている。
●委員・・・国公立や難関私立4大学に入学したいという動機付けを行っているということか。
●校長・・・はい。
●会長・・・府のガイドラインにもあるアンケートの「ICT 機器を活用していますか」という項
目については、もう何%活用したかということではなく、ICT を活用してどのよう
な教育がされ、どういった力がついているのかを明確にしていかないといけない
と思う。国も大阪府も意識を変えていかないといけない。いつまでも「80%から
90%になった。みんなよく使ってますよ」ではなく、その数値結果が一体何を表
しているのかというところまで、牧野高校独自の尺度で測定できるようなものが
あればいいのではないか。
●会長・・・説明の中で「高止まり」や「評価は主観的なもの」という言葉があったが、やは
り一番いい評価「第一評価」が高くなることをめざして取り組みを進めることが
大事である。教員と生徒との間に少し乖離があったりするところも教員側の「教
員はこうあるべきだ」という基準の高さの表れではないか。そのあたりを分析さ
れると何か見えてくるかもしれない。
●会長・・・今年度の私学の傾向を見ると、大学入学共通テストを利用した入試が結構増えて
きている。5教科型・3教科型に加え、2教科型という例えば国語と英語の点数
のみで合否を決める型であるが、5教科型で最後までしっかり勉強した生徒が大
学に入学してからの伸びしろが一番高い。国際学を担当し、海外の大学に学部留
学できるような学生を育てたりもしているが、例えば TOEIC や TOEFL、IELTS とい
ったグローバルスタンダードのスコア(点数)が 70 までは伸びていくが、そこか
ら成績が伸びきらないことがある。その原因は、英語の力ではなく、TOEIC や
TOEFL や IELTS で使用されているコンテンツ(歴史、社会、数学、理科等)の知識
がないため、英文法の知識や speaking、listening のスキルがあっても伸びない。
その意味では、高校3年の1月、2月まで学び続ける生徒を育成することは非常に大
事である。5教科型の志望者が増えているのは、そういうこともあるのではないかと
思う。
⇒ 承認
4.スクールミッション・スクールポリシーについて・・・学校長より説明
5.学校教育自己診断について・・・学校長より説明
●会長・・・「予習・復習をしているか」の設問で第一評価を選んでいる生徒が、学年があがるに
つれ高くなっているが、1年で9%、3年生でも 15%と低く、進学実績と合わないと
感じる。この点も課題かと思う。また、国が新課程になりよく言っている「学習の個
別最適化」については、ICT 活用というアダプティブな面も含め、教員が意識して取り
組んでいるかという指標も必要かもしれない。
6.第2回授業アンケートについて・・・学校長より説明
一番上段が年代別アンケート結果の推移です。右から左に経年変化を表示しております。
その下が教科別のアンケート結果の推移です。下のグラフはそれらを折れ線グラフで表して
います。下のグラフも右から左へと経年で表しています。
授業アンケートについて、説明いたします。資料7-2をご覧ください。資料7-2をもとに、
生徒たちが全教科の担当教員について質問項目それぞれについて、4点を満点として回答し
たものをまとめたものです。12 月の第2回の本協議会で、昨年度は第1回の平均が 3.45、第
2回の平均が 3.47、今年度第1回は 3.45 と昨年度の第2回より少し下がったものの、第1回
と同じ数字で、高止まりしたのではないかということをお話させていただきましたが、今年
度第2回の平均が 3.51 と 3.5 を超え非常に高い数字になりました。
資料7-1の上の表をご覧ください。年代別に見ますと、どの年代も今年度第1回より第2
回の方で数値が上がっていることがわかります。人数の少ない 40 代を除いてどの年代も 3.45
以上あり、年代を問わず、多くの先生がICT機器を使ってわかりやすい授業を心がけてお
られることが、その要因のように思います。その下の教科別についても、少数教科を除き、
第1回よりも第2回の方が数値が上がっています。また座学の教科でも教科間の差がわずか
ですが第1回より小さくなっていることがわかります。今回の 3.51 よりもさらに数値を上げ
ることは、正直難しいのではないかと思っていますので、今後は 3.5 前後の数値を維持して
いければと考えています。前回もお話させていただきましたが、授業をうまくなる一番の近
道は、人の授業を見る、自分の授業を見てもらうことと思っていますので、今年度管理職に
よる授業観察時に、先生方も見に来て下さいと声かけをしましたところ、何人かの先生が見
に来られてました。こうした取組を続けながら、引き続き授業力向上に取り組んでいきたい
と思います。
授業アンケートは今回、過去最高の評価となりましたが、中には残念ながら思うような数
値が得られてない先生もおられます。そういう先生方に対して、助言を行うなどして全体の
ボトムアップに努めたいと思います
●会長・・・グラフの分散具合は注目すべきで、特に教科別平均が令和3年度は各教科で分散
していたものが、令和4年度から収束し、分散が小さくなり、数値も高くなって
いることは良い傾向ではないかと思う。
●委員・・・令和3年度以前から本協議会に参加しているが、当時は年齢別で 50 代 60 代の評
価が低かった。その理由は ICT 機器の使用がまだ少なかったというような説明が
あったと記憶しているが、教科別をみると「情報」の評価が高かったが、中央値
まで評価が落ちてしまったことは、平均化されてしまったのか、または他教科が
比較的上がってきたからなのか説明がほしい。
●校長・・・・「情報」は教員が一人しかいない。授業は、いろいろ工夫して進めておられるの
で、そのような評価になった理由はよくわからない。授業を見学したが、実技課題
を中心に生徒は熱心に取り組んでおり、特に問題はなかった。
7.職員超過勤務の推移について・・・学校長より説明
左が令和4年度のもの、右が令和5年度のものです。今年度は、新型コロナウィルス感染
症の5類への移行にともない、全ての学校行事等も含めた学校生活が、コロナ流行前の平常
時に近い状況になりました。その結果、教員一人当たりの勤務時間が7月、8月、12 月を除
いて昨年度(令和4年度)より増え、超過時間も増えました。主な要因に考えられるのは、
体育祭と文化祭の準備で放課後や休日での活動が多くなったこと、クラブ活動の平常化があ
げられます。ただ 12 月の本協議会でご報告した 11 月現在の時間外より、1月現在は1時間
減っており、32 時間 35 分になっています。おそらく、今年度の時間外は、最終的に、前年度
より12時間増えるのではないかと予想しています。そこで、来年度は、今年度の時間外
から3%削減を目標としました。この目標にしたのは、もし、今年度の時間外が、前年度よ
り1時間増となった場合、この3%削減は、前年度とほぼ同じ時間の 31 時間 34 分となりま
す。最終的な目標は 30 時間を下回ることですが、現場の感覚で言いますと、本校の特色であ
る学校行事や部活動についてその質を維持するためには、いきなり 30 時間を下回るのはハー
ドルが高いように思いますので、まずは昨年並みをめざしたいと思っています。
教育活動の質の維持と時間外勤務の縮減の両立は、非常に難しい問題ですが、今後も時間
外勤務が減るように、教職員一人ひとりの意識づけに繋がる声掛けや部活動指導員の導入な
どに取り組んでいきたいと思います。
●会長・・・令和5年度、月 100 時間以上の超過勤務の3人の先生は、産業医の面接やアドバ
イスを受けているのか。
●事務局・・受けている。産業医からは特別な助言は無かったが、クラブ活動の公式戦等で勝
ち進んだこともあり、土日の勤務に多くなってしまったことが原因であると考え
ている。
8.協議
●会長・・・冒頭でも説明されたが、私学授業料無償化が始まった。公立が私学に施設面で勝
ることは難しいが教育内容で勝負したい。そのことを中学生と保護者にどのよう
にアピールしていくかが重要になる。普通科の高校は少なくなってきているが、
その特色を残し、新しい形で教育活動を展開されている牧野高校をどのように外
部にアピールしていくのかが大きな課題となっていると思う。「高止まり」にな
っている評価を、さらに高めていく仕掛けが今後必要になってくるという印象を
受けた。
●委員・・・私立高校への専願が増えている。専門的にスポーツをしたい子どもで、これまで私学
に行けなかった子が、無償化になり、私学に行けるようになった。 公立高校の体育科
も人が集まらなくなってきている。公立高校の定員数を見直す必要があると思っ
ている。公立の定員数を満たすだけの公立志願者がいなくなっている状況である。
牧野高校は学力もしっかりつけられ、何よりも学校が楽しいと思う生徒が 90%を
超えているのは信じられない数字であり、先生方の努力の表れだと思っている。
●委員・・・約 20 年、間近で生徒を見てきたが、時代とともに雰囲気が変わってきたように思
う。優しい生徒が増えているように感じている。ここ 10 年ぐらいは落ち着いた雰
囲気があるので、皆が来たがる学校なんだな、と傍からみても感じる。一つ気に
なっていることがあり、私の職場もそうだが本を読めない、読まない人が増えて
いる。何でもすぐに答えが出てくる時代を生きている人たちと一緒にいて、少し
しんどく感じることがある。本当に困った時、自分で考えて答えを出せるのかな
と思う。学校はすごく大切なところだと思うので、そうしたことも、どのように
子どもたちに伝えていくのかということも気になっている。
●会長・・・最新の大阪府チャレンジテストのアンケート項目の中に、1週間だったか平均読
書時間を調べた結果があったが、0分というのが 47%だったという記憶がある。
読むという習慣ではなく、スマホの画面を開くということになっている。
●委員・・・学校が楽しいということは一番だと思う。その楽しい経験が成人になって社会に
出る時の土台になる。楽しい学校をこれからも引き続き維持してほしい。
また、私も読書する時間が本当に少ないと感じている。牧野高校の図書館の利用
はどうなっているのか。
●校長・・・利用率はそう高くないと思うが、自習室として使用する生徒は一定数いるかと思
う。進路関係の資料は、全て進路指導室で保管・利用している。
●委員・・・今はネットで何でも情報を選べ、答えを出してしまう、自分で考えるということ
が我々自体も含めて減ってきていると思う。牧野高校は、コミュニケーションの高
い生徒が多くいるので、自分の考えを発表するプレゼンテーション等の機会を増やし
てほしい。学校が好きで、勉強・行事・クラブを頑張ろうと思っている子が集まって
楽しい学校を作っていると思っている。普通科の特色を生かしながら、今後もそのこ
とを大事に学校の維持、発展をしてほしい。
9.閉会・・・学校長よりお礼