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「いじめ早期発見・早期対応マニュアル」
 
             (2023年度)
 目次
 I いじめの定義と理解・・・・・・・・・・・1
 1.いじめの定義
 2.いじめの理解
 3.いじめの認知に関する文部科学省の考え方をふまえて
 4.いじめ解消の定義
 
 
 II    未然防止・・・・・・・・・・・・・・・・3
 1.生徒1の様子を知るためには
 2.生徒2の「心の居場所作り」のための取り組み
 3.命や人権を尊重し豊かな心を育てるためには
 
 
 III   早期発見・・・・・・・・・・・・・・・・5
 1.教師の気付く力を高めるためには
 2.早期発見のための手立て
 
 
 IV    早期対応・・・・・・・・・・・・・・・・5
 1.いじめ対応の基本的な流れ
 2.生徒3対応に関する留意点
 3.保護者対応に関する留意点
 
 
 V     ネット上のいじめへの対応・・・・・・・・7
 1.ネット上のいじめとは
 2.未然防止のためには
 
 
 VI    組織的対応について・・・・・・・・・・・9
 1.いじめ問題に取り組む体制の整備
 2.いじめが起こった場合の組織的対応の流れ
 3.重大事態への対応
 
 
 資料 : 1. 聞き取り手順(例)・・・・・・・・・・・11
          2. いじめ対応フローチャート(まとめ)・・・・・12
 
                                        1
 I     いじめの定義と理解
 1.いじめの定義
 
 
 ※いじめ防止対策推進法の施行に伴い、平成25年度から以下のとおり定義されている。
 
 
   「いじめ」とは、「児童生徒4に対して、当該児童生徒5が在籍する学校に在籍している等当
 該児童生徒6と一定の人的関係のある他の児童生徒7が行う心理的又は物理的な影響を与える
 行為(インターネットを通じて行われるものも含む。)であって、当該行為の対象となった
 児童生徒8が心身の苦痛を感じているもの。」とする。なお、起こった場所は学校の内外を問
 わない。
   「いじめ」の中には、犯罪行為として取り扱われるべきと認められ、早期に警察に相談す
 ることが重要なものや、児童生徒9の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるような、直ち
 に警察に通報することが必要なものが含まれる。これらについては、教育的な配慮や被害者
 の意向への配慮のうえで、早期に警察に相談・通報の上、警察と連携した対応を取ることが
 必要である。
 
 
 参照 文部科学省HP「いじめの定義の変遷」
 https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2019/0
 6/26/1400030_003.pdf
 
 
 
 2.いじめの理解(具体例)
 ○   冷やかしやからかい,悪口や脅し文句,嫌なことを言われる等
 ○   仲間はずれ,集団による無視をされる等
 ○   軽くぶつかられたり,遊ぶふりをして叩かれたり,蹴られたりする等
 ○   ひどくぶつかられたり叩かれたり,蹴られたりする等
 ○   金品をたかられる等
 ○   金品を隠されたり,盗まれたり,壊されたり,捨てられたりする等
 ○   嫌なことや恥ずかしいこと,危険なことをされたり,させられたりする等
 ○   パソコンや携帯電話・スマートフォン等で,誹謗中傷や嫌なことをされる等
      ※SNS(LINE,フェイスブック,ツィッターなど) に誹謗中傷や事実と異なる
        ことを書かれたり,個人情 報や見られたくない写真を掲載されたりする。
        いたずらや脅しのメールを送られる。SNSのグループからわざと外される。
 参照 鹿児島県教育委員会 HP いじめ対策必携 (pref.kagoshima.jp)
 
                                           2
 3.いじめの認知に関する文部科学省の考え方をふまえて
 
 
 (1)いじめの認知件1が多いことは教職員の目が行き届いていることのあかし
 
 
   法律上のいじめに該当する事象は、成長過程にある生徒10が集団で学校生活を送る上でど
 うしても発生するものである。従って、文部科学省は、いじめの認知件2が多い学校につい
 て、教職員の目が行き届いていることのあかしであると考えている。正確に認知し、しっか
 りと対応していくことが大切である。
   反対に、いじめの認知がなかったり、いじめの認知件3が極めて少なかったりする学校
 は、いじめを見逃している可能性がある。いじめの認知件4が増えても保護者や地域の方々
 が不安に思わないよう、普段から「積極的に認知し(件5は増える)
                                                             、早期対応を行ってい
 る」ことを丁寧に伝えていくべきである。
 
 
 (2)組織で認知し対応することが重要ひとりで抱え込まない
 
 
   いじめではないかと疑われる事案に接したときは、本校に設置されている「いじめ防止委
 員会」に必ず報告をする。重要なのは、ひとりで抱え込まないということであり、周囲に報
 告・連絡・相談し、組織として判断することである。
 
 
 参照 文部科学省HP「いじめの認知について」
 https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2019/0
 6/26/1400030_005.pdf
 
 
 
 
                                           3
 4.いじめ解消の定義
 
 
   いじめは、単に謝罪をもって安易に解消とすることはできない。いじめが「解消している」
 状態とは、少なくとも次の2つの要件が満たされている必要がある。ただし、これらの要件
 が満たされている場合であっても、必要に応じ,他の事情も勘案して判断するものとする。
 
 
 (1)いじめに係る行為が止んでいること
   被害者に対する心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われ
 るものを含む。)が止んでいる状態が相当の期間継続していること。この相当の期間とは、
 少なくとも3か月を目安とする。ただし、いじめの被害の重大性等からさらに長期の期間が
 必要であると判断される場合は、この目安にかかわらず、学校長または「いじめ防止委員会」
 の判断により、より長期の期間を設定するものとする。学校の教職員は,相当の期間が経過
 するまでは、いじめを受けた生徒といじめを行った生徒の様子を含め状況を注視し、期間が
 経過した段階で判断を行う。行為が止んでいない場合は、改めて、相当の期間を設定して状
 況を注視する。
 
 
 (2)いじめを受けた生徒が心身の苦痛を感じていないこと
   いじめに係る行為が止んでいるかどうかを判断する時点において、いじめを受けた生徒
 がいじめの行為により心身の苦痛を感じていないと認められること。いじめを受けた生徒
 本人及びその保護者に対し、心身の苦痛を感じていないかどうかを面談等により確認する。
 学校は、いじめが解消に至っていない段階では、いじめを受けた生徒を徹底的に守り通し、
 その安全・安心を確保する責任を有する。
                                     「いじめ防止委員会」においては、いじめが解消
 に至るまでいじめを受けた生徒の支援を継続するため、支援内容、情報共有、教職員の役割
 分担を含む対処プランを策定し、確実に実行する。
 
 
   上記のいじめが「解消している」状態とは、あくまで、一つの段階に過ぎず、「解消して
 いる」状態に至った場合でも、いじめが再発する可能性が十分にあり得ることを踏まえ、教
 職員は、いじめを受けた生徒及びいじめを行った生徒については、日常的に注意深く観察す
 る必要がある。
 
 
 
 
 参照 いじめの防止等のための基本的な方針(平成 25 年 10 月 11 日文部科学大臣決定(最
 終改定 平成 29 年 3 月 14 日)
                             )34 ページ
 https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2019/0
 6/26/1400030_007.pdf
                                           4
 II   未然防止
 1.生徒の様子を知るためには
 
 
   生徒たちや学級の様子を知るためには、教職員の気付きが大切であり、生徒たちと場を共
 にすることが必要である。その中で、生徒たちの些細な言動から、個々の置かれた状況や精
 神状態を推し量ることができる感性を高めていくことが求められている。
 
 
   生徒たちの個々の状況や学級・学年・学校の状態を把握した上で、いじめ問題への具体的
 な指導計画を立てることが必要である。そのためには、生徒たちの実態を把握するための意
 識調査(いじめ防止アンケート)を行うことが有効である。
 
 
 
 
 2.生徒の「心の居場所作り」のための取り組み
 
 
   主体的な活動を通して、生徒たちが自分自身を価値ある存在と認め、大切に思う「自尊感
 情」を感じとれる「心の居場所づくり」の取組が大切である。生徒たちは、周りの環境によ
 って大きな影響を受けるため、教職員の姿勢は、重要な教育環境の一つである。教職員が生
 徒たちに対して愛情を持ち、配慮を要する生徒たちを中心に据えた温かい学級経営や教育
 活動を展開することが、生徒たちに自己有用感や充実感を与えることになり、いじめの発生
 を抑え、未然防止の上での大きな力となる。
   温かい学級経営や教育活動を学年や学校全体で展開していくためには、教職員の共通理
 解が不可欠であり、互いに学級経営や授業、生徒指導等について相談し、気軽に話ができる
 風通しの良い職場の雰囲気が大切である。そのためには、校内組織が有効に機能し、様々な
 問題へ対応できる体制を構築するとともに、生徒たちと向き合う時間を確保し、心の通い合
 う学校づくりを推進することが必要である。
 
 
 3.命や人権を尊重し豊かな心を育てるためには
 
 
   人権尊重の精神を無理しないでゆっくりと養い育てることを目的とする人権教育や思い
 やりの心を育む道徳教育、また、様々なかかわりを深める体験活動を充実させることは、豊
 かな心を育成する重要なポイントである。「いじめは相手の人権を踏みにじる行為であり、
 決して許されるものではない」ことを生徒たちに理解させることが大切で、生徒たちが人の
 痛みを思いやることができるよう、人権教育の基盤である生命尊重の精神や人権感覚を育
 むとともに、人権意識の高揚を図る必要がある。
                                         5
 III   早期発見
 1.教師の気付く力を高めるためには
 
 
   一人一人の人格を大切にするとともに、その個性と向き合い、人権を守り尊重した教育活
 動を行わなければならない。そのためには、人権感覚を磨き、生徒たちの言葉をきちんと受
 け止め、生徒たちの立場に立ち、生徒たちを守るという姿勢が大切である。集団の中で配慮
 を要する生徒たちに気付き、生徒たちの些細な言動から、表情の裏にある心の叫びを敏感に
 感じとれるような感性を高めることが求められている。
 
 
 2.早期発見のための手立て
   「生活ノート」や「滝川ファイル」などの活用により、担任と生徒・保護者が日頃から連
 絡を密に取ることで、信頼関係が構築できる。気になる内容に関しては、他の教職員と情報
 を共有した上で、教育相談や家庭訪問等を実施し、迅速に対応する。
   日常の生活の中での教職員の声かけ等、生徒が日頃から気軽に相談できる環境をつくる
 ことが重要である。それは、教職員と生徒たちの信頼関係の上で形成される。
   いじめ防止アンケートは、令和4年度より学期に1回行っている。いじめを受けた生徒の
 回答の難しい状況も配慮して実施日を指定して無記名で全校生徒同時に真剣に取り組む体
 制で行っている。ただし、状況によっては回収方法や記名方法に関しては変更していくこと
 もある。アンケートの結果については、生徒や保護者にフィードバックしている。また、ア
 ンケートはあくまでも発見の手立ての一つであるという認識も必要である。アンケート回
 答用紙は生徒が卒業するまで保管する。
 
 
 IIIII参照 兵庫県教育委員会 HP
 いじめ対応マニュアル<改訂版> (hyogo-c.ed.jp)
 
 
 
 
                                          6
 IV     早期対応
 1.いじめ対応の基本的な流れ(資料2を参照)
 
 
 (1)いじめを受けた生徒の立場に立って事象や状況をとらえる。
   ・生徒がいじめられていると感じたら、いじめとして理解し判断する。
 (2)希望的観測をしない。
   ・
   「どの学校、学級でもいじめは起こりうる。」という認識で、あらゆる予断や思い込みを
       なくし事実を正確に把握するように努める。
 
 
 (3)固定観念や硬直したイメージにとらわれない。
   ・
   「この生徒はいじめをするはずはない。」などの固定観念や先入観を持たず、事実を冷静
      にとらえる。
 
 
 2.生徒対応に関する留意点
 
 
   いじめを受けた生徒と、いじめを行った生徒の言い分が異なる場合があるため、その日の
 うちに複6の教職員で連携し、関係した生徒に聴き取りを行う。
 
 
 (1)聴き取りの際に注意すべきチェックポイント
 
 
 ・個々のプライバシーに配慮しながら、状況の把握に努める。
 ・人目につかないような場所や時間帯に配慮して行う。
 ・話しやすい人や場所などに配慮する。
 ・具体的な事例の内容を確認する。
 ・情報に食い違いがないか、複7の教職員で確認しながら聴取を進める。 原則は、同時に、
   複8の教職員で聴き取りを行う。
 ・秘密を厳守し、仕返しなどが起らないように細心の注意を払う。
 ・いじめの事実確認においては、いじめの行為を行うに至った経緯や心情などを、いじめを
   行った生徒から聴き取るとともに、周囲の生徒等からも詳しい情報を得て、正確に把握し、
   状況を記録する。
 ・生徒の個人情報は、その取扱いに十分注意する。
 
 
 
 
                                          7
 〈具体的な事例の内容〉
 ◇誰が誰をいじめているのか?
 ◇いつ、どこで起こったのか?
 ◇どんな内容のいじめか?どんな被害を受けたのか?
 ◇いじめをしてしまった動機は何か?
 ◇いじめのきっかけは何か?
 ◇いつ頃から、どのくらい続いているのか?
 
 
 (2)聴き取り調査の段階で特に注意すべきチェックポイント(資料1を参照)
 ・いじめを受けた生徒といじめを行っている生徒から同じ場所で一緒に事情を聴かない。
 ・いじめを行った生徒への注意だけで終わらない。
 ・安易な仲直りや当事者同士の話し合いによる解決を促す指導をしない。
 
 
 参照 鳥取県教育委員会 HP       ijimetaioum.pdf (tottori.lg.jp)
 
 
 
 
 3.保護者対応に関する留意点
 
 
 (1)いじめを受けた生徒の保護者に対して
 
 
 ・事実確認をしたその日のうちに保護者に伝える。
 ・学校の指導方針と今後の対応について伝える。
 ・保護者のつらい気持ちや不安な気持ちを共感的に受け止める。
 ・継続して家庭と連携を取りながら、解決に向かって取り組むことを伝える。
 ・家庭で生徒の変化に注意してもらい、どんな些細なことでも相談するよう伝える。
 
 
 (2)いじめを行った生徒の保護者に対して
 
 
 ・正確な事実関係を説明し、よりよい解決を図ろうとする思いを伝える。
 ・「いじめは決して許されない行為である」という毅然とした態度を示し、事の重大さを認
   識させ、家庭での指導を依頼する。
 ・生徒の変容を図るために、今後のかかわり方などを一緒に考え、具体的な助言をするなど
   連携を図り支援する。
 
 
 IV3 参照 兵庫県教育委員会 HP         いじめ対応マニュアル<改訂版> (hyogo-c.ed.jp)
                                            8
 V      ネット上のいじめへの対応
 
 
 1.ネット上のいじめとは
   ネット上のいじめとは、スマートフォン・携帯電話やパソコン等を利用して、特定の生徒
 の悪口やひぼう・中傷等をインターネット上の Web サイトの掲示板などに書き込んだり、
 動画共有サイトに投稿したりするなどの方法により、いじめを行うものである。
     インターネットの特殊性による危険を十分に理解した上で、ネット上のトラブルについ
 て最新の動向を把握し、情報モラルに関する指導力の向上に努める必要がある。未然防止に
 は、生徒のスマートフォン・携帯電話やパソコン等を管理する保護者と連携した取組を行う
 必要がある。早期発見には、メールを見たときの表情の変化やスマートフォン・携帯電話の
 使い方の変化など、いじめを受けた生徒が発するサインを見逃さないよう、保護者との連携
 が不可欠である。「ネット上のいじめ」を発見した場合は、書き込みや画像の削除等、迅速
 な対応を図るとともに、人権侵害や犯罪、法律違反など、事案の内容によっては、警察等の
 専門的な機関と連携して対応していくことが必要である。
 
 
 
 
 2.未然防止のためには
 
 
   学校での情報モラルの指導だけでは限界があり、家庭での指導が不可欠であることから、
 保護者と緊密に連携・協力し、双方で指導を行う。
 
 
 <保護者に伝えること>
 1 生徒たちのスマートフォン・携帯電話やパソコン等を管理するのは家庭であり、フィル
      タリングだけではなく、家庭において生徒たちを危険から守るためのルールづくりを行
      うこと、特にスマートフォン・携帯電話を持たせる必要性について検討すること。
 2    インターネットへのアクセスは、「トラブルの入り口に立っている」という認識や、知
      らぬ間に利用者の個人情報が流出するといったインターネット特有のトラブルが起こ
      り得るという認識を持つこと。
 1 「ネット上のいじめ」は、他の様々ないじめ以上に生徒たちに深刻な影響を与えること
      を認識すること。
 2 家庭では、メールを見たときの表情の変化など、トラブルに巻き込まれた生徒が見せる
      小さな変化に気付けば躊躇なく問いかけ、即座に学校へ相談すること。
 
 
 
 
                                          9
 <生徒たちに伝えること>
 1発信した情報は、多くの人にすぐに広まること。
 2匿名でも書き込みをした人は特定できること。
 3違法情報や有害情報が含まれていること。
 4書き込みが原因で、思わぬトラブルを招き、被害者の傷害など別の犯罪につながる可能性
   があることや、時には自殺を招く場合もあること。
 5一度流出した情報は、簡単には削除できないこと。
 6ネット上の画像は誰でもコピーできるため、投稿・送信した本人が削除しても、完全に消
   し去ることは難しくなっている。永遠に消えないことから“デジタルタトゥー”とも呼ばれ
   ている。
         「友だち限定公開だから安心」、
                                     「信頼しているから大丈夫」と画像を安易に投稿・
   送信することは禁物であること。(卒業後も進学・就職・結婚などの節目で、自分の将来
   に大きく影響を及ぼす可能性がある。)
 
 
 
 
 VI   組織的対応について
 1.いじめ問題に取り組む体制の整備
 
 
   いじめ問題への取組にあたっては、
                                 「いじめを許さない」という強い意志を持ち、学校全
 体で組織的に取り組むことが重要である。そのためには、未然防止、早期発見、早期対応は
 もちろんのこと、実効的な校内組織を充実させるとともに家庭や地域、関係機関等との連携
 を密にしながら、社会総がかりで取組を推進していくことが大切である。いじめ問題への組
 織的な取組を推進するため、その中核となる「いじめ防止委員会」を起点として教職員全員
 で共通理解を図り、学校全体で総合的ないじめ対策を行うことが重要である。また、組織が
 有効に機能しているか等について、学校評価等において目標を定め定期的に点検・評価し、
 さらに必要に応じて改善を行い、生徒の状況や地域の実態に応じた取組を展開することが
 必要である。
 
 
 VVI1 参照 兵庫県教育委員会 HP
 いじめ対応マニュアル<改訂版> (hyogo-c.ed.jp)
 
 
 
 
 2.いじめが起こった場合の組織的対応の流れ (資料2を参照)
 
 
 
 
                                          10
 3.重大事態への対応
 
 
 (1)重大事態とは
   いじめ防止対策推進法第28条第1項より
 ア)
   「いじめにより生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑い」
                                                           (児童生徒が自殺を企図
 した場合等)
 イ)
   「いじめにより相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑い」
                                                                     (年間30日
    を目安。一定期間連続して欠席しているような場合などは、迅速に調査に着手)
    ※「児童生徒や保護者からいじめられて重大事態に至ったという申立てがあったとき」
        を含む。
 
 
 (2)重大事態の取り扱いについて
 〈重大事態の取扱いについて、以下の事項を徹底〉
 ・重大事態は、事実関係が確定した段階で重大事態としての対応を開始するのではなく、
                                                                               「疑
   い」が生じた段階で調査を開始しなければならないこと。
 ・いじめを受けた生徒や保護者からいじめられて重大事態に至ったという申立があったと
   きは、重大事態が発生したものとして報告・調査等に当たること。
 
 
 〈重大事態の範囲の明確化を図るため、重大事態として扱われたものの事例〉
 ・軽傷で済んだものの、自殺を企図した。               ・リストカットなどの自傷行為を行った。
 ・暴行を受け、骨折した。         ・投げ飛ばされ脳震盪となった。               ・殴られて歯が折れた。
 ・カッターで刺されそうになったが、咄嗟にバッグを盾にしたため刺されなかった。※
 ・心的外傷後ストレス障害と診断された。 ・嘔吐や腹痛などの心因性の身体反応が続く。
 ・多くの生徒の前でズボンと下着を脱がされ裸にされた。※
 ・わいせつな画像や顔写真を加工した画像をインターネット上で拡散された。※
 ・複9の生徒から金銭を強要され、総額1万円を渡した。
 ・スマートフォンを水に浸けられ壊された。
 ・欠席が続き(重大事態の目安である30日には達していない)当該校へは復帰ができない
 と判断し、転学(退学等も含む)した。 など
 
 
   ※の事例については、通常このようないじめの行為があれば、児童生徒が心身又は財産に重大な被害が生じると考え、
 
     いじめの重大事態として捉えたものである。また、これらを下回る程度の被害であっても、総合的に判断し重大事
 
     態と捉える場合があることに留意する。 いじめの重大事態の調査に関するガイドライン(平成 29 年 3 月文部科
 
     学省)より
 
 VI3 参照 兵庫県教育委員会 HP                 いじめ対応マニュアル<改訂版> (hyogo-c.ed.jp)
                                                    11
 資料1 聞き取り手順(例)
 1 【いじめを受けた生徒に対して】
 (ア)生徒を守りたいという教師の姿勢を伝える。
     「辛いことかもしれないけど、話してほしい。」
 (イ)関わっている生徒を聴く。
 (ウ)いじめの内容を聴く。
 (エ)周囲の様子や状況を聴く。
 (オ)場所を確認する。
 (カ)日時または期間を確認する。
 (キ)生徒が話した言葉を繰り返し、事実を一つ一つ確認する。
     「○○のとき、□□で、△△さんが、をした、こういうことかな?」
 (ク)他に出来事がないか確認する。
 (ケ)現在の気持ちや希望を聴く。
 (コ)話してくれた勇気を認めて褒めるなど、自尊感情を高める。
     「よく話してくれた。」「勇気あることだよ。」
     「あなたが悪いのではない。」
 (サ)学校はいじめを許さないこと、いじめられた生徒を守り抜くことを繰り返し伝える。
 (シ)言い残したことや不安を聴き、いつでも相談に乗ることを伝える。
 
 
 2 【いじめを行った(可能性がある)生徒に対して】
 (ア)生徒の言い分も聴くと約束し、事実の有無を聴く。
     「あなたの言いたいことは必ず聴くから、何があったのか事実を教えてほしい。」
 (イ)関わっている生徒を聴く。
 (ウ)いじめの内容を聴く。
     冷静に事実のみを確認する。ここでは「いじめ」という言葉を用いることを控える。
 (エ)周囲の様子や状況を聴く。
 (オ)場所を確認する。
 (カ)日時または期間を確認する。
 (キ)生徒が話した言葉を繰り返し、事実を一つ一つ確認する。
     「○○のとき,□□で,△△さんに、をした、こういうことかな?」
 (ク)他に出来事がないか確認する。
 (ケ)言い残したことや不安を聴き、いつでも相談に乗ることを伝える。
 
 
 参照:千葉県教職員向けいじめ防止指導資料集 第5章 いじめへの対応
 ijime_05.pdf (chiba.lg.jp)
                                               12
 資料2 いじめ対応フローチャート(まとめ)
 
 
 1 いじめの発覚・・・教職員の発見、生徒・保護者からの申し出等
                          (ことの大小に関わらず直ちに報告)
                     ↓
 2 いじめの連絡・・・学年主任・担任        ⇔ 生徒指導部長 ⇔ 教頭 ⇔ 校長
          (関係学年や生徒指導部による情報収集)
            関係生徒『いじめを受けた生徒・いじめを行った(可能性のある)生徒』
            へ聞き取り(事実を時系列に記録に残す)
           ※具体例は資料 1     聞き取り内容は保存
 
 
                     関係教員 ⇔ 生徒指導部長
                                         ↓
                                        教頭 ⇔ 校長 → (評議委員会・理事会)
                                         ↓
                                     いじめ防止委員会・・・方針の決定
                                         ↓
                                     生徒指導委員会 ・・・対応・対策の決定
 
 
     生徒指導委員会、教育相談
     報告・調査方針・指導分担                      ⇔職員会議[全職員に経過報告を行
                    ↓                             い、共通理解を徹底する]
     調     査
                    ↓                             ⇔保護者[複10で丁寧に対応する]
     事実関係の把握
                     ↓                            ⇔関係機関[連絡を密にし、定期的に
     指導方針の決定                                情報交換をする]
     重大事態とその確認
 
                              ↓↑
 いじめ解決へ継続指導・経過観察[管理職は改善の報告をさせる]
            ↓↑
 再発防止・未然防止活動[事例を検証し、再発防止の計画を立てる]
   ・いじめを受けた生徒が苦痛に感じていないか確認(見守りの他、面談を随時行う )
 
 
                                              13