校長室
「 知を開き 起ちて果たさん 我が使命 」
校長 阿南典久
新年あけましておめでとうございます。今年の正月は、初日の出も美しく、穏やかな晴れた年明けとなりました。今朝の皆さんの顔は、素晴らしい笑顔をしていましたので きっと健やかで良い年を迎えたことと思います。
昨年は、コロナ禍にありながら、鶴嶺祭や体育大会など多くの学校行事を見事に成功させるとともに、部活動でもインターハイや全国高校総合文化祭をなど多くの大会で活躍を見せ、さすが鶴高生だと感じることができました。
いよいよ今日から3学期が始まります。3学期は、勉学の集大成の学期です。特に、3年生は、今週末からAPUで行われる共通テストを皮切りに大学入試が始まります。3年間の努力の成果をいかんなく発揮し、目標校の合格1を勝ち取ることを祈っております。
また、1,2年生も、 先輩の姿を参考にしながら、この3学期から、自分の進む道を明確にして、計画を立て、行動に移し、夢の実現に向かってスタートを切ってほしいと思います。
お正月は、「良い一年になりますように」 と神様に祈るとともに 「良い一年にするぞ」という決意の時でもあります。皆さんの頑張りを期待しています。
さて、ここからは、気楽に聞いてください。
私は、この正月休みには いつもより少し時間にゆとりができ、読書をしたり、正月番組のテレビを見ることができました。1日には「芸能人格付けチェック!これぞ一流品だ」という番組を見ました。皆さんの中にも、この番組を見たという人がいるかもしれません。
有名芸能人が楽器演奏や料理、ワインなど一流品とそうでないものを判断する番組です。出演者のGACKTさんは2年ぶりの出演でしたが、10年以上に渡り無敗の71連勝を記録しました。 インタビューでは、無敗の秘訣を聞かれ、「もともと自分が知らないことでも、知らないからできないということではなく、勉強すればできるんだということを見せたい。勉強しているというか、知識をアップデートするという感じです」と答えています。そして、最も印象に残っている話は 「知識は、誰にも奪われることのない財産だ」 の言葉です。
同じように、江戸末期から明治にかけて数々の偉業を残した福沢諭吉の著書「学問のすゝめ」にも同じ趣旨のことが書かれています。
この本の冒頭には、有名な言葉、「天は人の上に人を造らず。人の下に人を造らず」があります。人間はみんな平等であるという意味ですが、実は、この言葉には、続きがあって、口語訳をすると、「けれども、今広く人間社会を見渡すと貧富、身分等不平等なものがあることは甚だ明らかである。人は生まれたときには貴賤上下はなく平等だけれども、学問に努力して、物事をよく知ることによって、人生は変わってくる。」と書いています。だからこそ、学問のススメなのです。ちなみに「学問のすゝめ」は当時340万部売れ、国民の10人に一人が読んだベストセラーとなりました。
令和時代のGACKTさんの 「知識は誰にも奪われることのない財産だ」という言葉と、江戸時代の福沢諭吉の「学問をすることにより物事をよく知り、人生が変わる」という言葉は 時代を超えて共通であると強く感じたところです。
鶴見丘高の校歌の歌詞 「 知を開き 起ちて果たさん 我が使命 」という言葉にも同じ思いがあるような気がします。 皆さんの活躍を 心から祈り始業式の式辞とします。
令和5年1月10日