大原則:小論文は論理的かつ抽具を織り交ぜて書く。
これをきちんと実践すればどんな小論文を書いても60点はとれます。
以上。小論文講座終わり。
・・・とまあ、これだけで分かれば誰も苦労しないですね。ですが、上に書いたことは本当です。一般的な高校入試の小論文であれば60点(合格点)くらいは誰でも取れます。それはなぜか。
「小論文は形式を守って書けばそれだけで合格点」だからです。
小論文と作文の区別がついていない人は「自分はすごく良いことを書いた」と思っていても小論文としては0点の可能性があります。とりあえず何か書けば実際の入試では0点にはならないですが、合格点は望めるはずもありません。
良いことを書くのが小論文なのではありません。内容より形式が重要です。しっかりと形式を守ったうえで、さらに内容が優れていれば高得点が与えられるのです。形式を守っていなければただの作文です。
この点に注意して、合格できる小論文の書き方を考えてみましょう。
大原則:小論文は論理的かつ抽具を織り交ぜテーマを絞って書く。
キーワードは3つ「論理的」「抽具」「テーマ」です。最も重要なキーワード「論理的」から説明してきましょう。論理的な文章というのは、誰が読んでも筆者の意図したことが容易に解釈できる文章です。正しい文法で書かれており、文章全体を通して矛盾のないことが求められます。逆に「論理的」でない文章(=非論理的な文章)とは、文法の間違い・前後のつながりの不一致、矛盾、書き手の思い込みなどを含む文章です。
具体的には以下のようになります。
「非論理的な文章」
「教育改革が希求されている。私はそれがもたらす効果を考えると、これに懐疑心を持つ。そして、いじめ問題を先に解決するべきである。これが速急に取り組むべき課題であると考えている。」
「論理的な文章」
「教育改革が叫ばれている。しかし私はこれに疑問を抱く。なぜなら文科省の改革は成功した例がないからだ。私は教育全体の改革よりもむしろ、文科省が目を向けないような小さな問題の解決に取り組むべきだと考えている。」
違いは分かりますね。
「非論理的」な文章は、難しい言葉(例:希求・懐疑)を無理に使おうとして、文章が不自然になっています。漢字も間違っています(×速急○早急)。そして致命的な誤りは「そして」の用法が文法的に正しくない点です。
「論理的」な文章は「起・承・結」で構成されています。難しい言葉は使っていませんが、主張は正しく伝わります。なお、必ずしも「起承転結」で構成する必要はありません。むしろ現在では「起結承転結」が一般的な論文構成になっています。結論を先に持ってきて、その説明をしていく形です。高校入試の小論文では構成にまでこだわる必要はありません。大切なのは文法的な誤りがないこと。特に接続詞が重要です。そして文章全体を通して筋が通っていることです。