上記「時代を先取りした学習に取り組む埼玉県立浦和高のユニークな授業とは?AREA 」
の全文掲載(将来、リンク切れの可能性があるので)。
2030年。あなたの子どもは何歳だろうか。ちょうどこの頃、社会の中核を担うのは今の中高生だ。AI(人工知能)の進化で仕事も働き方も急速に変わり始めた。変化の加速度を考えると、学校選びの基準もこれまでと大きく違ってくる。もう「教育改革」など待っていては、わが子の成長に間に合わない。AERA 2017年6月5日号では、「AI時代に強い中高一貫・高校選び」を大特集。アエラが注目する中高一貫校・高校の中から、埼玉県立浦和高校を紹介する。
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時代を先取りした学習に取り組む伝統校もある。いや、時代がついてきたというところか。
この日、3年生の
英語の授業のテーマは、「人工知能vs.人間」。机を移動していくつかのグループを作り、AIにできること、人間にできることなどを
英語でディスカッションする。
●「暗記より身につく」
議論は、教材のテキストを順番に音読することからスタート。続いて、「I think so too,and I also think……」「I don't think so.Actually……」など、つなぎの言い回しを使いながら、相手を尊重した上で、考えたことを
英語で表現する力を磨いていく。
「Because……AI is not creative.」
「おおお! I think so too!」
ディスカッションが始まると、どのグループも大盛り上がり。生徒のひとりも言う。
「机の上の
勉強より、ずっとおもしろい。暗記するより
英語も身につくと感じます」
こちら、埼玉県立浦和高校の授業風景。同校は、グループごとの考えをつなぎ合わせて答えを導く「ジグソー法」をベースにした協調学習を、各教科に従来から取り入れていることでも知られる。
この日授業を担当した
英語の小河園子教諭は言う。
「こうしたディスカッションを授業に取り入れるようになったのは8年前。アレンジを加えながら、今は月に1度、ディスカッションのみの授業をおこなうほか、毎回の授業でも何かしらディスカッションの時間を設けています」
ディスカッションのテーマもこの日の「AI」のように、ホットな時事問題が多い。
「生徒が興味を持って考え、議論しやすいテーマを提案できるよう、私自身もアンテナを磨いています」(同)
続いて見せてもらったのは、3年生の
数学の授業。宿題だった問題を解いた過程を、生徒が黒板一面に書き出し、なぜ答えがこうなったのかを発表する。
と、すかさず他の生徒から疑問点が提示されたり、別の解法が紹介されたり。そんな生徒と生徒のやりとりを繰り返しつつ、2問の問いをみんなで時間をかけて掘り下げていき、1コマの授業が終了した。
●仮説を共有して反論
もうひとつ、2年生の化学の授業もユニークだ。この日のテーマは「メタンはなぜ正四面体なのか?」。メンバーを入れ替えながらグループで話しあい、各グループの仮説は共有と反論が繰り返される。教科書などを資料にしたり、先生が提示するYou Tube動画を、それぞれのスマホで見て参考にしてもいい。
「答えのあることは生徒1人でも調べられます。でも答えのないことを力を合わせて解いていく場が学校なんですよね」と化学担当の野澤優太教諭。
杉山剛士校長も「目指してほしいのは、失敗を恐れないタフさと、人を思いやることができるやさしさをあわせ持ち、『自走する』人。これらの資質は、来たるべきAI時代を生き抜く術にも当てはまる。これには協調学習が、少なからず効果を上げていると感じています」。
どの授業も、主役はひとりひとりの生徒だけに、参加していない生徒は皆無。見せてもらった3コマの授業のほとんどの時間、全員が顔を上げ、下を向く生徒を見かけなかったのも印象的だった。(ライター・福光恵)
※AERA 2017年6月5日号
浦高は
数学には力を入れていますが、理系志向という訳ではないですよ。
文系が国立志向で、早慶は現役では受験しないのが特徴です。
年度にもよるでしょうが、理系選択者は7割もいません。