東大京大合格者のうち約半分が文系。関西の他の最難関私立や北野天王寺などのトップ校は理系が7、8割と多いのに、ここは何故か文系が多い。同じ大学では文系の方が入学難易度が低い。
親に言われたことを受け身でやって東大に入るよりも、自分で決め、自分でやることを一つでも増やして、「どうしたら主体性を発揮できるようになるのか」を追求するほうが、実はずっと大事なことだと思います。
という私自身も、長らく、子どもの仕事は勉強だと思っていました。けれども、勉強していたらすべて許される時代は、もう終わったのだと思います。
私の時代は、それで十分通用しました。高校の同級生たちも、有名大学に入って、一流企業に勤めて、今年56歳を迎えます。役職定年などの話も出てきてはいますが、かろうじて仕事人生を何とか乗り切れるかもしれません。
けれどもこれからの時代はそうはいかないでしょう。繰り返しますが、学歴が通用するのは若い頃だけです。その先の評価軸は、学歴から別のものになっていきます。ですから、学歴ではないほかの武器を身につけることが大事になってきます。
『地方国公立大医学部、東大卒業生の「人生再生工場」に』
2020年10月4日
先日読んだ本の中に、東京大学を卒業後、病気の親の面倒を見るため地元の市役所に勤めた方のインタビューが出ていました。
彼は1年半ほどして、いじめに遭い、市役所を退職します。その次に選んだのが医師になることでした。
それから地元の国立大学医学部に合格、現在医学生だそうです。彼は言います。
「ぼくたちのように東大に入った人間は、国立医学部に入学するための勉強に特に不安はもちません」。
その後、彼の大学には続々と同じような境遇の方が入学し、東大卒業生派閥みたいなのができているとのことです。
これを聞いて著者は地方国公立大学医学部が、東大卒業生の「人生再生工場」となっていると指摘しています。
僕も東大の
数学科を2年留年して卒業、「しかし自分はこの道では食えない」と悟ったのが25歳の夏でした。
今後の人生をどうしようかと考えた時に、サイエンスライターのような道を選ぶか、医師になるかと考えました。
結局親戚に医師が多く、親しみのある職業だったので、後者を選び約半年の勉強で医学部に合格しました。
国公立大学においても、年齢を理由に入試で再受験生を不合格にすることが公然と行われていたという噂があります。
しかし最近はそれもしにくくなっていると聞きます。
一方、どの職業でも、従来のような大学卒業生の新卒一括採用、終身雇用が崩れつつあります。
陳腐な言説ですが、難関大学を卒業して大企業に入れば人生安泰という時代ではなくなってきています。
そう考えると「人生 再生工場」として、医学部に入ってくる方もますます増えてくるのではないでしょうか。
それがいいことなのか悪いことなのかは分かりませんが、考えておくべきことだと思います。