話を受験に戻します。受験で問われるのは自己管理能力です。そして自己管理能力とは、言い換えるとモチベーション(やる気)の維持とストレスの回避能力のことだと私は考えています。
「やる気」を引き出すこと自体はそれほど難しくありません。たとえば進学(進級)した時や受験生になった時など、誰でも何度かは「よし!やってやる。」と思ったことがあるはずです。ところが、それを維持するのが大変難しいわけです。逆に言うとその状態を維持することさえできれば、受験なんて楽勝です。
やる気のある状態というのは、任天堂のゲームの「スーパーマリオ」がスターを取った状態と同じです。この世で最も強いのは「やる気」のある人です。スターを取ったマリオが無敵なのと同じです。常にスターマリオならゲームの攻略も楽勝ですね。
ゲームの世界のマリオは、スターを取ってから数秒後には、敵に当たっただけで死んでしまう元の弱いマリオに戻ってしまいます。日記などが3日間しか続かない様子をさして「3日坊主」と言いますが、私たちもマリオと同じようなものです。
さて、ここからが重要です。なぜ私たちはすぐに「やる気」を失って、元の弱いただの人になってしまうのでしょうか。やる気の維持さえできれば無敵なのに。
その答えがストレスです。
全ての生き物にとって生きることはストレスとの戦いです。第二次世界大戦中、ナチスドイツのアウシュビッツという監獄に沢山のユダヤ人が捕らえられていました。ここでは死刑や殺人が日常茶飯事で、ユダヤ人達は過酷な(ひどい)緊張や不安、つまりストレスと戦っていました。そしてある日、ドイツの敗戦、つまり自分たちの解放の知らせを聞いたときに、多くのユダヤ人が突然死んでしまったそうです。
想像を絶する激しいストレス下にあったユダヤ人達は「やったぞ!自分はこれでストレスから解放されるんだ!」と思った瞬間に死んでしまったわけです。このアウシュビッツの話がどこまで本当かは分かりませんが、最近でもベトナム戦争やイラク戦争の帰還兵が「戦闘の激しいストレスから解放されたとたんに生きる気力を失ってしまった。」という事例は数多く報告されています。生物にとってストレスからの解放は死を意味することは確かです。
※余談ですが、兵隊さんはストレスに耐えられなくなると麻薬(のようなもの)を打って、ストレスを感じ無くしたりします。生死をかけた戦争のストレスはそれは大変なものだと思います。
とにかく、私たちはストレスとうまく付き合わなくてはならないわけです。そして問題なのはこのストレスが、私たちからやる気を奪ってしまうことです。ストレスというのはなにも先生に怒られた時など、特別な時に感じるものではありません。
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