ここで、宿題のやり始めを思い出してみましょう。
「さてと。」
()
「宿題やらなきゃ。」
(ストレス)
「でも、数学苦手なんだよな。」
(ストレス)・(ストレス)
「そういえば今日の数学の授業はいつにもまして、よく分からなかったよなぁ。」
(ストレス)・(ストレス)・(ストレス)
------ストレスがたまって、その人にとっての許容量を超える。
「明日は数学の授業がないから、明日やればいいか。」(ストレス回避)
()------適当な理由をつけて、ストレスを解消する。
私たちの脳は、実はほんの些細なことでもストレスを感じています。たとえばトイレに行きたくなるのだって実はストレスです。面倒くさいです。ただ、その場で用を足してしまった場合に生じるストレスより、トイレに行く方が楽だからトイレに行くわけです。(人間以外の動物はなかなかこれができません。)
宿題の場合はというと、宿題を忘れてしまっても、先生に怒られて恥をかくだけです。もちろん最初の内(小学校低学年のときなど)はそれが大変辛い(強いストレスになる)ので、何とか頑張ろうとします。ところがストレスというのは、慣れると感じなくなるものです。(実際には感じているが、適当な理由をつけて回避するようになる。)
私たちは「トイレに行くのは面倒だな。今ここでトイレに行くべきか、行かざるべきか。」といちいち考えていては、日常生活に支障をきたします。だから、私たちはトイレに行く手間は当然と考えて生活しています。映画を見ている途中などでない限り、トイレに行く行かないでストレスに感じることはないわけです。
学校の教室や自分の部屋で用を足す人はいませんが、宿題については他にも忘れてくる子がいたりします。するとその分、自分の感じるストレスが和らぎまず。そうしたことが繰り返される内に、宿題に取り組むストレスよりも、怒られることのストレスの方が軽く感じるようになります。
そうなると、もう宿題に取り組むのは困難です。これはストレスに対する敗北を意味します。ストレスに当初のモチベーションを奪われてしまったわけです。言い換えれば自己管理に失敗していることになります。
自己管理を成功させる、つまりストレスとうまく付き合うには、まず相手(ストレス)のことを知らなくてはなりません。よく分からない相手とは付き合えませんよね。
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