昔、畝傍にまだ学生帽があった時代のことですが、金鵄が刻まれた銅貨が代々の校長によって受け継がれていました
しかし、その銅貨は50年ほど前の校長交代の時、受け取る側が誤って床に落としてしまい、何故か真っ二つに割れてしまいました
そして、その2つとなってしまった銅貨は金庫に保管されていましたが、金鵄が黄泉の国へ帰ってしまったかのように姿を消してしまいました
それ以来畝傍の屋上では決まって大雨で雷が轟く夜に、銅色に輝く金鵄の姿が時々目撃されているとか、いないとか
この話が関係あるかは分かりませんが、あなたの言うメダルは大切に持っておくべきです
私は金鵄に選ばれてしまったということなのでしょうか
おそらく
銅貨を継承した校長には、銅貨の声が聞こえたといいます
聞こえますか? 金鵄の「声」が
ちょっと表現するのが難しいのですが、波が砂を転がすような音が私の脈拍に合わせて聞こえます
メダルが鳴いているというよりか、自分の内側から聞こえるような感じです
それと、このメダル見つけた時は銀色だったのに、今ではまるで銅……みたいに……
それはいけません!!
前の金鵄はこの世に時々現れるというのに、新しい金鵄が生まれてしまっては何が起きるか分かりません!!
この世に2つと存在してはならないのです!
今すぐあなたが手にしている金鵄を封じ込めてください!!!
ダメだ!
メダルから光がこぼれ始めている!
どうすればいいんだ!!
畝傍のどこかに存在するという五色の勾玉を集めるのです
唐紅、深青、浅葱、闇(くろ)、無(しろ)の五色です!
今ならまだ間に合う
メダル、いや銅貨から声が聞こえるんだ!
「お前……をくれ」
よく聞こえないがどうすればいいんだよ
明日まで持たねえよ!!
まずは心の荒ぶりを沈めるんだ
金鵄はお主の心に揺さぶりをかけて、お主の体に憑依しようとしている
金鵄に打ち勝つ強い心を持つのだ
そなた自身が一番理解できるはずだ!
今はそうするしかないんだ
明日、勾玉を五つ集めるのじゃ
どこにそんなものがあるんだ?
畝傍のどこかなんて一日じゃ探しきれない!
今日の暁から学校へ出向くのじゃ
勾玉は主に反応して、金鵄と同じように声を発する
それをたどるのじゃ
また主の心と共鳴して淡い光を発する
光が目立つ夜に賭けるのじゃ
駄目だ!何処にも勾玉なんか無い!ヒントみたいなものは無いのかぁぁぁ!!!