このページでは「偏差値の価値」について考えています。「本当にできるやつは東大には行かない。」と言う人さえいる昨今の「偏差値の価値」がテーマです。
さて「本当にできるやつは東大には行かない。」と聞いて「それは単なるひがみだろう。」と思われた方もいるかもしれません。確かに20年以上前であれば、「それはひがみだ。」と言い切れたと思います。しかし、今は事情が違うと考える人もいます。
コストパフォーマンスという言葉はご存じですか?コストパフォーマンス(cost performance)とは、費用や努力(コスト)に対して獲得できる価値(パフォーマンス)の比率のことです。つまり「コストパフォーマンスが良い」というのは、努力以上の価値を得られる状態、逆に「コストパフォーマンスが悪い」は、努力以下の価値しか得られない状態のことを指します。
難関大学に合格するには、多大な時間を勉強にあてる必要があります。つまり先の主張を言い換えると「今日の東大合格には、多大な勉強時間(コスト)や塾の費用(コスト)を掛けるだけの価値(パフォーマンス)がない。」ということになります。
これには一理あります。ごく一部の秀才をのぞいて、難関大学合格者の多くは膨大な時間を勉強につぎ込んでいます。その時間を自分にしかない才能を伸ばすことに使うことの方が、有意義である可能性は高いと言えます。
これまでも芸能界やスポーツなどの特別な世界では、それは当然のことでした。浜崎あゆみや松井秀喜は大卒である必要すらないわけです。しかし今やそれが、社会一般の価値観の変化や、インターネットの発達などによる社会構造の変革に伴い、一般的なビジネスの世界でも、学歴や偏差値とは関係なく成功する人が急増しています。
その一方で「社会に出てからは、学校の勉強はあまり役に立たない。」「プライドの高い偏差値秀才は役に立たない。」このようなことが言われ始めたのは最近ではありません。こうしたことから「東大合格を目指すべきか?」と聞かれた時に、誰に対しても一律に「可能なら目指すべきだ。」とは答えられないのは確かです。
ここまで読まれた方の中には「勉強しないことを勧めているの?」と、思った方がいるかもしれません。しかし、私の考えは逆です。
勉強は絶対にした方がいい。偏差値はパフォーマンスが圧倒的に高い。
このように考えています。その理由をご説明しましょう。
偏差値(勉強)のパフォーマンスが高い理由
毎年、秋ぐらいになるとテレビなどで「就職活動」が話題になります。「就職活動」という言葉はみなさんご存じだろうと思います。ただ、詳しく知らない中高生もいると思いますので、簡単に説明します。
就職活動というのは高校3年生や大学3・4年生が、企業への就職を目指して会社の説明会に参加したり、面接を受けたりすることを指します。日本では外資(海外の会社)を含めて、企業の採用活動は毎年1月〜3月に集中します。どの会社も毎年同じ時期に就職希望者の募集をするわけです。するとどうなるか。
給与が良かったり、安心して働ける企業には全国から何千、何万という応募が殺到します。
あなたが企業の採用担当者だったら、どうしますか?その何万人を全員面接するでしょうか。仮に応募が1万人だったとして、1人たった12分の面接でも12万分(約2千時間)かかります。「やってられない!」と思うでしょう。そこで企業は面接をする前に足きりをします。つまり門前払いです。
その門前払いの基準の一つがあなたの出身校の偏差値です。
企業が一斉採用をやめない限り、出身校の偏差値が就職の成否に直結する現状は変わりません。そして、同じような能力の人が同じような時間働いて、同じような苦労を重ねても、就職した業界や企業によって生涯賃金に数千万円(家一件分)の違いがでます。これは良い悪いの問題ではなく競争社会の現実です。
親や先生をはじめとする大人達が、あなたに対して「勉強しなさい。」と、しきりに言うのはこのためです。
もちろん例外は常にあります。偏差値とは関係なく企業の内定を獲得する学生。社会に出てから活躍するビジネスパーソン。学歴がなくても成功する起業家など。このような人達は学校の勉強の代わりに何かに本気でのめり込んだ経験があるはずです。自分のやりたいことに寝食を忘れて取り組む人は、偏差値とは関係なく活躍する場が見つかります。
やりたいことが見つからない
調査統計などを見ると「やりたいことが見つからない。」という中高生はむしろ増えているようです。「なんとなく○○になりたいけど・・・。よく分からない。」という人も多いのではないでしょうか。
「やりたいことがないなら、勉強しませんか。お得ですよ。」
これが私からの提案です。学校の勉強ほどパフォーマンスの高い仕事はこの世に存在しません。繰り返しますが、「学校の勉強ほどあなたの為になる仕事は他にありません。」
なぜなら社会に出てからの仕事はチームワークだからです。あなたが特別な才能に恵まれている場合は別として、高度に発展した社会において、ひと一人分の仕事量はたかが知れています。
会社では例えば営業は商品の売り込みを、開発は商品作りを、経理は会計処理の仕事を、それぞれ専門に担当します。このため、あなた一人がどんなにがんばっても、どうにもならない事の方が多いのです。「会社なんて入れればどこでもいい。」と考えている人は、仕事がチームワークであることに気付いていません。
会社の商品に魅力がなければ、あなたがどんなに営業しても全く売れないかもしれません。これは、あなたが消費者として、不人気な会社のつまらない商品は、どんなに勧められても買わないことの裏腹です。これとは逆に、あなたが優れた商品を開発しても、うまく売り込んでくれる営業がいなければ、その商品は日の目を見ないまま市場(お店)から消えてしまうかもしれません。
こうした会社での仕事については「いや、チームワークだからこそ、学校の勉強では得られない価値や体験があるのだ。」など様々な意見や考え方があると思います。私もそう思いますし、「仕事は無意味だ。つまらない。」などと主張するつもりはありません。ただ、次のことを知って欲しいと思うのです。
学校での勉強は、どんな仕事よりも絶対にあなたの為になります。勉強なら成果を横取りされたり、足を引っ張られたり、努力したけど無意味だった、ということはありません。がんばればがんばった分、あなたが得をする(有利になる)のが勉強です。こんな仕事は他にありません。
勉強をすることによって得られること
今回は勉強の実利的な面を強調しましたが、勉強をすることによってあなたの世界観も自ずと変わっていきます。
このことを説明するのは少し難しいですが、例えば以前に話題になった「なぜ人を殺してはいけないのか」を考えてみるとき、人類の歴史をひもとけばあなたなりの解が出せるはずです。また、いつも商品が豊富にそろっているコンビニを利用するとき、激務で睡眠不足の運転手が起こしたトラック事故のことを思い出すでしょう。勉強をすることで、関係ないと思っていたことが、有機的にそして連鎖的につながり始めます。
平たく言うと「それまで見えなかったことが見えてくる。」のです。
勉強を続けるコツは、壮大な事は考えずに簡単な計画を立てて、目の前の課題を一つずつこなしていくことです。そして周囲の人の意見をきちんと聞きながらも、最終的には自分で判断して行動し、その結果に責任を持つことです。
無理をせずにがんばってみてください。
ただし、受験生は少しだけ無理をしてみましょう。
「あの時にがんばって良かった。」とあとで絶対に思うのが勉強です。
高校受験ナビ スタッフ
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