港北高校は2013年に「確かな学力向上推進」研究校に指定されてから、「自学力の育成」をテーマに「アクティブラーニング」という、ペア・グループワークにより生徒自身が問題解決していく手法を用いて学習を進めています。産能大や京都大の専門家の協力も得て、最近では先生・生徒・保護者の理解も進みつつある、と報告されています。
●産業能率大学による港北高校の事例レポート
http://www.sanno.ac.jp/exam/koc73a000000aqel-att/ActivReport2.pdfとはいえ、実際の現場の状況がどうなのかについて、この掲示板の12/28の質問に対する1/12の回答として、おそらく港北の現役の先生と思われる方がコメントしているので、読んでみてください。
ここで言われている長所をみると、脳科学・心理学で言われる「宣言的記憶」の中でも丸暗記に該当する「意味記憶」に対し、より学習に有利な「エピソード記憶」を動員できる体制になっていると読み取れます。具体的に言われているのは「仲間と意見を共有したり、教えあったりすることは、記憶に残りやすいことなので、その問題はかなり高い確率で解けるようになりますよ。」ということです。
短所としては「課題解決に必要な基礎知識を教えることがおろそかになる」場合があるということで、この基礎学力の不足は皮肉にもアクティブラーニングに必要な土台を崩すことになるようです。
結局これは上の一般人さんの言われる「所詮公立高校」の生徒が取るべき道、つまり先生の言われる「予備校や通信教育でしっかりと受験勉強は固めて」、「そこで得た知識や解法を学校で使っていくのがベスト」という結論になりそうです。
また、2016年度からは新たに「授業力向上推進重点校」に指定されましたが、おそらく「アクティブラーニング」の取り組みは引き継がれるものと思われます。想定される「動画やデジタルコンテンツの活用」は上記「エピソード記憶」をさらに補完するものになるはずなので、予備校、通信教育の別途受講を前提に取り組むのであれば、今後成果も出てくるものと期待しています。
アクティブラーニングは生徒が主体的、能動的に授業参加していくもので、教えあったり、議論したりすることへのモチベーションが上がれば、必然的に自ら調べたり、予習したり、基礎学力を付けたいと思うようになるものです。
その延長線上として、予備校や通信教育、オンライン学習などを受講すれば、学習の好循環になると思います。
オンラインの「受験サプリ」は質問ができないのが残念で、無料講座の「Try it」も質問は有料です。アクティブラーニングの研究で学習定着率が低いと結論付けられるこれらの受講型学習も問題意識を持ちながらの受講なら気づきも多くなるし、疑問点を授業へ持ち帰って聞くなどの方法が取れ、基礎学力の漏れが防止でき、全体としての効率も上がると思います。